大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

北国にも春がやってきた-その2-

2012年03月28日 | 綾里の自然

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先週、子どもたちが、コウモリのお墓にツバキの花を供えていたので、どこに咲いているのかと思い、つむぎの家の前にあるカタクリ山のツバキの木にいってみました。赤い小さな花弁が朝日に映えて咲いていました。

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樹齢70年以上のヤブツバキに、花があちこちに咲き始めていました。

気仙地方では、2月になるとツバキの花が咲き始めると言われていますが、今年はようやく咲き始めたようです。

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そして、庭の片隅には、スミレが可憐な花を開き、春の日差しを浴びています。

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蕾が膨らんでいた水仙も、春の日差しに黄色の花弁を開き始めたようです。

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ため池から流れ出る水際には、青草が茂り始めたようです。

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畑の土手には、黄色い花が春の日差しを吸い取るように立ち上がっています。

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イチジクの木の下には、「ここにも春が来ていますよ!」とでも言うように、白い可憐な花びらをつつましく咲かせている花もあります。

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氏神様の下では、小梅の花が、小鳥を待ちわびていたかのごとく、ポツリポツリと開き始めてきました。

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つむぎの家の番犬「ヤマト」も、春休みの子どもたちを待ちわびているようです。

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仲良しのミノリちゃんとユウカちゃんがやってきて、ヤマトの大好きなクルミを川端から集め、石で割ってヤマトにあげようとしています。

ヤマトは、「食べて良いよ!」と言われるまで、決して食べません。

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食べたい一心で、ヤマトは、「お手」をしたり、「良し」の合図が出るまで、よだれを流しながら、じっと我慢をしています。

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ようやく、「よし!」の合図が出されて、大好きなクルミを食べることができたようです。

雪が融けて、雑草の間に隠れていたクルミの実を、リスが探して食べているのを、子どもたちも見つけはじめ、そのクルミの実をヤマトが大好きなのを知って、集めて、石で割って食べさせています。

長い冬の寒さを経たクルミの味は格別なのか、ヤマトは本当に美味しそうに食べています。

子どもたちにも、ヤマトにも春の暖かさがにじみ出ているようです。


春がやって来た

2012年03月26日 | 山菜

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茶褐色の枯れ野一色であった里山が、スイバの赤やアサツキの緑、ヤブカンゾウの黄緑と彩り豊かになってきました。

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地中でじっと春を待っていたフキノトウは、陽の光を浴び、まぶしそうに透き通るような黄緑色の顔をだしました。

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襟を正し、きちんと正装しているようなヤブカンゾウは、昨年の枯葉を持ち上げ、土手を埋め尽くしています。

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眠りから目覚めたアサツキは、「お日様大好き!」とでも言わんばかりに、大空に向かって濃緑の両手を広げています。

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「アサツキ大好き!」の私は、ひげ根や古葉を取り除いたりと食するまでには手間暇かかりますが、早速、酢味噌和えでいただきました。フキノトウの味噌炒め、ヤブカンゾウやスイバのてんぷらとこれからの里山は、食べられる山野草で満ち溢れます。

昨年の大震災後の暮らしを思い出しました。90歳前後の年寄り2人を含み、母屋での大家族生活が2か月ほど続きました。電気の無い暮らしの不便さは感じましたが、自給自足の暮らしは、食や住の不安はほとんどなく、自然と共にある心豊かな暮らしでした。居候の2人のおばあさんは私どもにとても気を遣い、「何か仕事をください!」と言われ、洗濯物をたたむ仕事や、収穫した豆類の選別等をお願いしましたが、それでも手すきの時は、手のかかるアサツキや野草の処理をお願いし、お蔭で春の香味野草の味をたっぷり楽しむことができました。改めて自然と共にある里山暮らしの豊かさを感じました。


冬越しの木々 冬芽と葉痕  その22

2012年03月25日 | 樹木

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ツリバナの冬芽

ツリバナの冬芽は、枝の先端に頂芽を1個付け槍のようにとがり、側芽は頂芽よりやや小さく、対生しています。

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ツリバナの葉痕

葉痕は半円形で、枝の半分くらいと小さく全体では”とんがり帽子におちょぼ口”の風貌です。

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ツリバナ(ニシキギ科)

ツリバナの名は、花や果実が垂れ下がっていることに由来、秋の紅葉も美しいが、落葉後、つり下がった赤い果皮が枝に残り、風に揺らぐ様は何とも愛らしい。

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ドウダンツツジの冬芽と葉痕

冬芽は、ふっくらとした水滴形、葉痕は三角形、1個の維管束痕が目立ちますね。

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ドウダンツツジ(ツツジ科)

ドウダンツツジの名は、灯台ツツジから転じたものと言われています。秋は見事な紅葉で、雑木林の中で存在をひときわアピールすることでしょう。

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ウラジロノキの冬芽と葉痕

ウラジロノキの冬芽は卵形でつやがあり、白い綿毛をまとっています。特に1年生の枝は、冬芽も枝も綿帽子をかぶったようなふわふわした毛の装いです。葉痕はV字形で盛り上がっています。

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ウラジロノキ(バラ科)

ウラジロノキは、葉裏に白い毛を密生させて、白く見えることに由来。樹皮は若木では平滑ですが、老木では皮目が縦に連なって筋状に裂け、特徴のある木肌を見せ、目立った存在です。

木の芽起こしの雨が降り、マンサクの花が咲き、カエデ類の芽は動き出してきています。春はもうすぐそこですね。


秘密基地遊び その4

2012年03月24日 | 綾里っ子

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高学年が秘密基地にしている所は、つむぎの家から山に歩いて15分ほどの場所です。子どもたちは、名簿に名前を書いて午後5時前には山から帰ることを約束し、山に入ります。その間自由に遊びまわっていますが、私たちは、午後5時の帰りの時間間近になると、様子を見に山に入るようにしています。

綾里っ子たちの遊びの様子をのぞいてみました。みんなで力を合わせ基地作りをしていと思いきや、座り込んでゲームをしている子、ふざけあっている子とそれぞれでした。

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こちらでは、はじめてやってきたタイキ君が、砂防ダムにたまった水溜りをたたいて水しぶきを楽しんでいる様子、カイト君は水たまりの中を渡る橋づくりをしているようです。

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ただ一人の2年生のユウト君(カイト君の弟)は、一人自分の世界に入り、スコップを手に土砂を移動し、ひたすら基地の門造り作業をしています。

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高学年の綾里っ子たちは、水かけ遊びを始めました。コウタ君は杉の葉を水につけ振りまいています。

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そのうち何処からか水鉄砲が出てきて、水をかけながら追いかけっこが始まりました。

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基地作りはそれほど進展していませんでしたが、竹の棒や丸太が散乱し、親心としては足元を片付けたくなりましたがじっとこらえて、綾里っ子の遊びを見守りました。

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今日は、遊びに夢中になって、午後の5時のチャイムを基地で聞き、ようやく下山となりました。2年生のユウト君は自分で持ってきたスコップを重そうに抱えながら、お兄ちゃんたちの後を追いかけています。

山の中でもゲーム機で遊んだり、一方では一人で橋作りをしたり、他方では水遊びをしていたりと、なかなか高学年男子の遊びが理解できませんが、自然の中で走り回りながら危険から身を守るすべや、集団遊びの楽しさや、喧嘩しながらも友達をいたわりあう気持ちを持ってくれればと願っています。


生き物大好き綾里っ子

2012年03月22日 | 綾里っ子

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昨日、強い風と小雪がちらつく中、綾里っ子5人がつむぎの家に遊びに来ました。長屋で片づけをしていた前を、行ったり来たりしている子どもたちに、「何しているの?」と声をかけると、「ヤマトにクルミをあげているの」とクルミを拾っては、石で割り、ヤマトに食べさせ遊んでいたようです。ヤマトはクルミが大好物で、しっぽを振りながらねだります。

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ユカちゃんとヒナちゃんは、クルミを拾いに来て、クルミの木の根元に広がっているリスの食痕を見つけました。きれいに二分されたクルミの殻を見て、くるみ合わせができると、探し当てています。

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2年生のショウゴ君が、私に付きまといながら「今はどんな生き物がいるの?」、「生き物はいないの?」とつぶやいていたので、ふと、母屋の天井で越冬していたコウモリが、一昨日落ちてきて死んだのを思いだし、ショウゴ君に見せました。ショウゴ君は、そっと手のひらに乗せ「ふわふわしてかわいい!」と優しくなでています。

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ショウゴ君がコウモリを埋めてあげると言いだし、ユカちゃんとヒナちゃんも加わって3人でコウモリのお墓作りを始めました。

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3人で、頭を突き合わせて、コウモリを弔っています。

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出来上がったコウモリの墓を見てびっくり、オオイヌノフグリ、フクジュソウ、ツバキ、ミツマタ、クルミなどが添えられていて、綾里っ子たちの生き物への思い、優しい気持ちが伝わってきました。

フクジュソウは3月初めには咲き始めていたのですが、ツバキは、この寒さでまだ咲いていないと思っていましたが、いち早く子どもたちが見つけていたようです。

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ショウゴ君は、「懲りずに生き物どこにいるの?」と、「もう少し暖かくなったら出てくるよ」と言っても納得せず、長屋にあった虫取り網を持ち出し、池で何かを捕まえてきました。「千田さ~ん いたよ!」と網の中をのぞくとマツモムシが2匹入っていました。

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ユカちゃんも一緒に、生き物探しをはじめましたが、やはりマツモムシ以外は捕まえられず、ショウゴ君が「いつになったら生き物が出てくるの?」と言うので「ショウゴ君がジャンバーを脱ぐようになったら出てくるよ!」というとその場でジャンバーを脱いで見せ、よほど生き物に会いたいんだと、ふと一昨年イモリが冬眠していたクルミの切り株の根元を思いだし、連れて行くとシャベルで懸命に堀だしました。

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シャベルで懸命に根元を掘り始めたショウゴ君。

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近くで遊んでいた、ユウカちゃんとユカちやんも加わって生き物探しを始めました。

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何かの蛹が出てきました。ユカちゃんはどんな生き物も「かわいい!」とさわっていますが、ショウゴ君は不満顔。

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ゴミムシだましがかたまって越冬していました。その他キマワリの幼虫もいましたが、どうやらショウゴ君のねらいは大きな幼虫、カブトムシかクワガタの幼虫がほしかったようです。

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お昼を回り、綾里っ子たちはヤマトに御挨拶をしてお帰りです。ヤマトは大好きなクルミを割ってもらったり、子どもたちに遊んでもらったりと大満足の様子です。

強風と時折、小雪がちらつく中でも、子どもたちは野山を駆け回り、花を摘んだり虫を探したりと、春の息吹を楽しんでいった一日でした。