春を謳歌し、かれんな花を咲かせたカタクリの花。
地上にあった葉は、自然に枯れて姿を消し、種ができました。
掘り起こすと、地上部に見えている茎の長さと同じくらいの深さに根がついています。
以前は、この根から片栗粉を作っていました。
種の中を覗いてみました。3室に分かれた部屋の1室には約10個の種が入っていました。
カタクリはアリ散布植物で、種の先端の白い部分には、アリの好きな匂いのする物質(エライオソーム)がついています。アリによって種が運ばれ、カタクリの分布を広げていく仕組みだそうです。
移動手段を持たない植物の知恵に驚きです。植物のどこでこんなことを考えるのでしょうね??
ためしにエライオソームの匂いを嗅いでみました。私にとっては決していいにおいとは言えない腐敗臭、ついでに味見をしました。一瞬、甘味を感じ、でんぷん質でジューシーでした。(まだ未熟)
カタクリは、種から発芽し、2枚目の葉が出てから花をつけ、種から花が咲くまで約7~8年かかるそうです。美しく咲く花のはかない命と生き抜くための自然のドラマに胸打たれます。