昨日の夕方、犬のヤマトを連れて里山整備の進行状況を見ようと現場に向かい、その帰り道、林道を下りてくる途中でヤマトが突然カタクリ山に向かって吠えだしました。ヤマトが吠える方向に目をやると、ウワミズザクラの幹に動く姿がありました。なんと!サルがいるではありませんか。
とっさにデジカメを取出しシャッターを切りましたがピントが合っていませんでした。ふさふさした冬毛の、はぐれオスザルのようです。
サルもこちらの様子を伺っているようで、幹の間から赤い顔をのぞかせていました。
2回目のシャッターもヤマトの手綱に強く引っ張られて手がぶれてしまいましたが、ほんのりとサルの赤い顔の輪郭が写っていました。
サルが里山に下りてくると農家は大変なことになりますので、すぐにヤマトの首輪を外し、山に放しました。ヤマトは勢いよく斜面を駆け上り、大声で吠えながらサルを追いかけていきました。驚いたサルは、木から木へと飛び移りながら逃げ回っているようでした。
私はヤマトを追いかけ、ヤマトが叫ぶ場所に着くと、ヤマトは赤松の大木の根元で、上を見上げで激しく威嚇していました。サルは、高さ10mほどの松の木に上っていくところでした。
常緑の松の木のてっぺんまで登ったサルは、安心したのか、犬の鳴き声にも動じず松葉の茂みの中でジッとしたままです。辺りはうっすらと暗くなりかけ、これ以上かかわっても成すすべがなく、ヤマトの首輪に手綱を付けて、山を下りようと歩き出して間もなく、木の枝が揺れサルは移動を始めたようでした。松葉の茂みから私共の行動を観察していたようです。
里山は今、鹿の被害で悩まされていますが、これにサルが加わり里の野菜や果実の味を覚えると鹿柵のような対策だけでは済まない大変な事態が予想されます。
サルは一昨年に目撃してからは2度目の出会い、その間サルの被害はありませんでしたが、はくれザルとはいえ心配です。奥山に帰ってくれることを願っています。
さて、サルの騒動から戻ってきて、ヤマトに食餌を与えようと、トレーの近くに来ると、今度はカワラヒワが軒下の雪の上に無傷で倒れていました。
2階の窓ガラスにでも衝突したのでしょうか。まだわずかに温もりが残っていました。夕闇の中で、窓にぶつかって命を落としたのでしょうか? 私がそっと手のひらにすくい上げている様子を、ヤマトはお座りをしてじっと見ていました。
先日、ブログで、困り者の鳥として紹介したばかりですが、こうして翼を広げてみると美しい羽の持ち主であることが分かります。なかなか見られないカワラヒワの美しい羽を写真に収め、それから土に返してあげました。
昨日のヤマトは、やや欲求不満の様子。サルを追いかけた後、街へ散歩に行けると思っていたようですが(いつもは山でウンチをしたら街に連れて行くと言い聞かせていましたので)、サルの出現で、散歩は途中で打ち切りにさせられ、犬小屋に戻ってきても、カワラヒワの件ですぐには食餌ももらえず、お預けの状態が続いたためのようでした。
里山暮らしの思いがけない出来事に一喜一憂した一日でした。