大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

里山の身近なクモ

2012年08月31日 | 昆虫

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ナガコガネグモ(コガネグモ科)

腹部に黄色と黒の模様がありよく目立つ、田んぼの中でイナゴを絡め取ったナガコガネグモ。

里山の身近なクモで、稲の害虫ウンカ、ヨコバイ、ガ類を捕食する益虫です。

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直線状にジグザクと張り巡らされた白い帯はナガコガネグモの隠れ帯です。クモにとっては身を隠せるのでしょうがシロオビは人にはよく目立ち、コガネグモの居場所を教えているようです。

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ジグモの巣

壁面に細長い袋状の巣を作り、餌となるダンゴムシやワラジムシなどの土壌生物を待ち伏せしています。

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ジグモ(ジグモ科)

袋状の巣をつまんでそっと引っ張り出すと、中に住んでいたジグモが出てきました。

ジグモは別名サムライグモとかハラキリグモとも言われ、ジグモの体を曲げてキバを腹にあてると、自分の腹を切ってしまうという面白い習性を持っているようです。

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ナカムラオニグモの巣

網の一端に稲の葉を丸めて袋状の巣を作り、昆虫などの獲物を待っています。

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葉を開いてみるとナカムラオニグモ(コガネグモ科)が姿を見せました。

水田の害虫駆除に大活躍しています。

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オオトリノフンダマシ(コガネグモ科)

鳥の糞に擬態したクモ。

腹部には大きな目玉模様があり、さらに目玉模様の周りの褐色の輪が、体内の組織が透けて見え目玉が動いているように見えます。夜に活動し昼間はじっとしています。

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夕刻、活動を始めたオオトリノフンダマシ。

腹ばいになったオオトリノフンダマシの、糸いぼの突起が見えています。

草原の葉陰には、紡錘状の卵のうを2つ吊り下げています。

子どもたちが遊ぶ里山の水田、草原、川辺、山道等にはさまざまな種類のクモが生息していますが、遊びに来た子どもたちの中で、クモに関心を持った子どもは一人もいません。「毒がある!、怖い!気味が悪い!」と言う反応です。まだまだ同定しきれないクモが多いですが、益虫であるクモに、これからも光を当てていきたいと思います。


軒下の住人 オニグモ

2012年08月30日 | 昆虫

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夕方、作業を終えて家に入る途中で、軒先に網を張り、中心に静止したオニグモを見つけました。

規則正しく張られた網が、晴れあがった夕空に輝いていました。

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横から見たオニグモ。

足をたたみ体を丸めてジーッとして獲物を待つ姿は、生きものとは思えません。

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こちらでは、農作業に出るときにはなかったクモの巣が軒下に張り巡らされ、人の気配にオニグモはそそくさと移動し、身を隠してしまいました。

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裏庭の軒下には立派な円網が出来上がっていました。短時間でこんなにも立派な巣をつくるオニグモに驚きです。

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ひさしに逃げ隠れたオニグモ。

昼間は網の外に隠れ夜になると活動を始めるオニグモ、軒下に網を張ったりたたんだりと、我が家の住人として居座っています。

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しおり糸を引きながら移動するオニグモ。

軒先に大きな網を張って獲物を待つオニグモは、夜の闇に灯りを求めて集まる昆虫たちを狙っているのでしょうか。

人の生活を見透かすように、オニグモたちは軒下の住人として私たちの身近に暮らしています。

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里山を彩る畑の花

2012年08月29日 | 里山風景

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ソバ畑

7月の19日に種を撒いたソバの花(秋そば)が咲き始めました。播種後40日、雑草に追い越されることなく一面に花を付け順調に育っています。まだ咲き始めたばかりですが、花の最盛期には、たくさんの昆虫たちで賑わうことでしょう。

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そばの花

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小豆の花

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小豆

今年初めて栽培してみました。花が終わって実になったところです。

実ができるころ、害虫のカメムシに鞘の中のエキスを吸水されると、実が膨らみません。カメムシ退治も日課になり、あの臭いにおいを出す前に瞬時に両手でたたき潰しながら無農薬で栽培しています。

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山ウドの花

春に美味しい山菜として食したウドも、線香花火のような花を付けました。この時期は2m程の大きさに生長しまさに「ウドの大木」、畑の隅で虫たちの訪れを待っています。

今年は雨が少なく、水不足に耐えながら、畑の野菜も酷暑の夏を乗り切ろうとしています。


いま、奇跡の一本松は!

2012年08月28日 | 震災と復興

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大震災で7万本の松の中で奇跡的に残った高田松原の一本松の現在の姿です。

震災後、奇跡の一本松として皆さんから支えられ、また復興のシンボルとして保護されてきましたが、残念ながら寿命が尽きてしまいました。陸前高田市では、心の支えとなった一本松をモニュメントとして残すことが決まり、間もなく保存のための裁断作業が始まります。

工事の開始にあたって、これまで、関係者しか近づくことができなかった一本松を、8月中旬から一般の人にも開放し、間近で見学ができるようになりました。樹齢300年とも言われています奇跡の松を近くで見てきました。

写真は、しおさい橋(平成6年に造られた大津波にも耐えて残った橋)のたもとにたたずむ一本松です。一本松の後方にあるのは、破壊されながらも一本松を津波から守った水門管理棟の建物です。

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しおさい橋の陸側からみた一本松です。古川沼の水門(右側)と、その水門をコントロールする管理棟が、孤高の一本松を際立たせています。

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間近で見る一本松は、葉が赤くなっているものの、真直ぐな美しい樹形で青空に映えていました。

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しおさい橋からみた高田町の現在の姿です。左側の二階建ては、高田松原ユースホステルで、その後方に9階建てのキャピタル1,000(ホテル)がみえます。古川沼のたもとには、いろいろなレジャー施設がたくさんありましたが、今は一面ヨシやアシ、雑草に覆われています。

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大津波にさらわれた陸前高田の荒涼とした大地に、夏草が生い茂り、その中に一本のひまわりが奇跡の松を見つめていました。

東日本大震災を永遠に忘れることなく、復興のシンボルとして一本松が毅然として、高田町や気仙町を見守ってくれたおかげで、瓦礫の整備も何とか進んできています。今後は、住宅の再建や街並みの整備、暮らしの基盤となる農林・水産・商工業などの産業の再生化の課題があります。モニュメント保存される一本松だけでなく、人と自然が調和・共存できる道筋を探すかのように、「ひまわり」が一本松や私たちに問いかけているように感じました。


シロヒトリ

2012年08月26日 | 昆虫

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シロヒトリ(ヒトリガ科)

裏山で草刈りをしていると草の中から突然飛び出してきたシロヒトリ、手を差し出すと、指に上ってきました。

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真っ白な翅に赤い脚、とても目立つ色合いです。

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翅をウサギの耳のように立てた真正面の表情はかわいいです。

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腹部の側面にも赤い模様がついています。

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緑一面の草はらに突然現れたシロヒトリ、赤い模様と目が覚めるような白、夜行性で外灯などの明かり(火取り)によく来るのでこの名があるようですが、日中の人目にはよく目立ちます。

夜行性の蛾でも、擬態をして身を隠すものと、人目につきやすい色・形のものとさまざまですが天敵の鳥たちには、どのように映るのでしょうか?