ナガコガネグモ(コガネグモ科)
腹部に黄色と黒の模様がありよく目立つ、田んぼの中でイナゴを絡め取ったナガコガネグモ。
里山の身近なクモで、稲の害虫ウンカ、ヨコバイ、ガ類を捕食する益虫です。
直線状にジグザクと張り巡らされた白い帯はナガコガネグモの隠れ帯です。クモにとっては身を隠せるのでしょうがシロオビは人にはよく目立ち、コガネグモの居場所を教えているようです。
ジグモの巣
壁面に細長い袋状の巣を作り、餌となるダンゴムシやワラジムシなどの土壌生物を待ち伏せしています。
ジグモ(ジグモ科)
袋状の巣をつまんでそっと引っ張り出すと、中に住んでいたジグモが出てきました。
ジグモは別名サムライグモとかハラキリグモとも言われ、ジグモの体を曲げてキバを腹にあてると、自分の腹を切ってしまうという面白い習性を持っているようです。
ナカムラオニグモの巣
網の一端に稲の葉を丸めて袋状の巣を作り、昆虫などの獲物を待っています。
葉を開いてみるとナカムラオニグモ(コガネグモ科)が姿を見せました。
水田の害虫駆除に大活躍しています。
オオトリノフンダマシ(コガネグモ科)
鳥の糞に擬態したクモ。
腹部には大きな目玉模様があり、さらに目玉模様の周りの褐色の輪が、体内の組織が透けて見え目玉が動いているように見えます。夜に活動し昼間はじっとしています。
夕刻、活動を始めたオオトリノフンダマシ。
腹ばいになったオオトリノフンダマシの、糸いぼの突起が見えています。
草原の葉陰には、紡錘状の卵のうを2つ吊り下げています。
子どもたちが遊ぶ里山の水田、草原、川辺、山道等にはさまざまな種類のクモが生息していますが、遊びに来た子どもたちの中で、クモに関心を持った子どもは一人もいません。「毒がある!、怖い!気味が悪い!」と言う反応です。まだまだ同定しきれないクモが多いですが、益虫であるクモに、これからも光を当てていきたいと思います。