大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

アトリの単独行動

2014年01月31日 | 野鳥

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アトリの大群に出会ってから3日後のこと、小川の淵の枯れ草の中をカサコソと歩き回る鳥に出会いました。アトリです。周りを見渡しても、この一羽だけで、他にはいません。

あの大群からはぐれたのでしょうか?それとも、ここを居場所として自ら居残ったのでしょうか?。

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羽は、黄褐色を基調にした黒と白の色彩で、胸の羽毛は橙褐色で目立ちます。目はちょっとキツそうですね。


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地上をはね歩きながら、夢中で採餌をしていました。くちばしには、草木の種のようなものをくわえています。

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ホオ葉の陰から姿を見せたアトリの正面の表情は、頭に防災頭巾をかぶっているような格好に見えます。

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後方から見た横顔は、太いくちばしにずんぐりした体型、目もクリッとしていてかわいい表情ですね。


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3日前には、数千羽のアトリが一つの物体のようなうねりとなってやってきましたが、単独で暮らすには天敵に襲われやすくなるのではと心配になります。

といっても、藪の中で菜食している姿は、羽毛の色が自然に同化して、どこにいるか見つけにくいですね。

アトリが、大群となって移動するのも、群れから離れて単独行動するのも、生きていくための意味深い生存戦略のようですね。


森林整備作業がスタート

2014年01月28日 | 里山再生

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昨日(27日)から、林野庁の山村・森林多面的機能発揮対策事業の助成を受けて森の整備作業がスタートしました。

今年度は、里地に隣接する4ha弱の森林で、宮古市のグリーンフォレストにお願いしました。

グリーンフォレストのメンバーが午前8時前に到着、山仕事の身支度をしています。

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身支度を終え山に入る前に、あらかじめ下見された菊池さんの話を聞きながら森林の状況を確認しています。

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グリーンフォレストの代表が到着。

つむぎの家の代表も参加して、仕事始めの朝礼を行い、作業に入る前の注意事項等の説明に耳を傾けています。


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足元などの安全を期して指さし確認。

このあと、山に入り作業スタート、静かだった山は、チェンソーや草刈機の音が澄み切った空に鳴り響いていました。


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お昼には、つむぎの家で昼食をとり、その後、倒木が多いので足場の確保や土の凍結による転倒防止等についての安全会議を行っていました。


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山での作業の様子。

ここは10年ほど前に、台風で倒れた風倒木の玉切りやその後に繁茂した雑木の刈払いをしているところです。


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こちらでは、植林された杉林と雑木のあいだに繁殖した竹を徐伐していました。

遠野市からこられた20代の若者から最高齢が70歳という方々ですが、寒い中、朝早くからの作業に頭が下がります。

作業が進むと、、森も明るくなってきて、荒れ果てたつむぎの家の山々も少しずつですが豊かな森へと変化していくことでしょう。



綾里川にカワガラス

2014年01月27日 | 野鳥

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カワガラス(カワガラス科)

カラスの仲間ではないが、全身が黒褐色の羽毛で覆われているのが名前の由来。

綾里川の川べりを犬のヤマトと散歩していると、「ビィッビィッビィッ」と太い声で鳴きながら川筋を往来するカワガラスが気になり、足を止めて観察してみました。

全長20cm程で体の大きさに比べて翼が短く、ずんぐりしていて重そうに直線的な飛び方で低空移動します。くちばしと足は灰色で瞼はアイラインをつけたように白く目立っています。

流れの早い渓流で餌の水生昆虫を探して潜っていきました。


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尾羽を上下に振りながら岩の上を移動する姿勢は、ミソザザイにそっくりです。

綾里川の上流から中流に生息し、水深の深いところでは水面上を泳いだり、浅いところでは水底を歩いて餌を探していました。

地味な色彩の野鳥ですが、飛ぶことはもちろん、潜ることも流れのある川底を歩くこともできる、優れた能力の持ち主のようです。餌が水生昆虫であるために他の野鳥より繁殖の開始時期が早く、2月ごろからと言われています。

カワガラスの潜水行動や水面に出て毛づくろいする可愛いしぐさは、寒さを忘れさせてくれたひと時でした。


目の前にアトリの大群

2014年01月25日 | 野鳥

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昨日、里地から50mほど入った山林を流れる小川で水質検査(里モニ調査)をしていました。正午を知らせるチャイムを聞き、次の地点へと移動しょうとしていた時のことです。

突然「ザワー」という音と共に鳥の大群が山奥から里に向かって飛んでいくではありませんか。林道を挟んで5mほどの目前で、羽音がうなりを上げて杉の樹間を数千羽いや、万単位かもしれません。数えるすべもありませんが、かつて目にしたことがないものすごい光景に恐怖さえ感じました。

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呆然としていると、「ワサワサワサ」と一部の鳥が地上に降りてきて食餌を始めました。

無我夢中でカメラを取り出し、震える手でシャッターを切りました。

アトリの集団でした。

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里の方向に移動したアトリは、旋回してまた同じ杉の樹間コースを戻ったものと空高く舞い上がりながら折り返したものの二手に別れ、もと来た方向へと飛び去っていきました。

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アトリの大群に出会ってから、旋回して去るまで約7分の時間があったのですが頭の中はパニック状態、大群に圧倒され冷静さを失っていた自分に気づきました。

アトリは冬鳥として、秋にシベリヤ方面から渡来し、数千羽から数万羽の大群となるそうです。アトリの名前の由来は、集鳥(あつとり)が略されてアトリになったとか。

アトリの見事な一斉行動を目の当たりにし、誰が行き先を決めているのだろうとか、杉の樹間を大群が一瞬にしてくぐり抜ける技はどこにあるのか、などなど野鳥の群れの不思議を感じた瞬間でした。



始業式後に遊びに来た綾里っ子

2014年01月22日 | 綾里っ子

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昨日は小学校の始業式(綾里は冬休みが長く、3学期の始業式は21日)、午後には3年生のミウちゃんとアヤナちゃんがつむぎの家に遊びに来ました。ヤマトも嬉しそうに二人の愛撫に応え、うっとりしています。

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ヤマトにビスケットを上げるミウちゃん!

まず、お手をさせてからビスケットを上げるのですが「よし!」と声をかけられるまで、目の前のビスケットをヨダレを垂らしながら我慢するヤマトの表情に見とれ、楽しんでいる二人。

その後、しばらく遊具で遊んでいましたが、久しぶりなので私も一緒に冬の里山散策に出かけました。


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途中のクルミの木の下には、リスが食べたクルミの殻がいっぱい落ちていました。二人でしばらく殻合わせをしていましたが、形の合うものは見つかりません。「片方は、リスが巣の中に運んだんだよ!リスを探しに行こう!」とアヤナちゃん。


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高台へと向かう途中で、ガガイモの種を見つけました。少し残っていた種を飛ばすと、風に乗ってどんどん上へ飛んでいく様子に「ワーすごい!」と見とれています。


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次は、カタクリ山にやってきました。足元の笹を見るなり、「ささ舟 作ろう!」と二人は器用に指を動かしてささ舟作りを始めました。私は、手袋をしていても寒さで手がかじかんで指先が動きません。

*つむぎの家にやって来た時から手袋はしていなかったので「手袋はないの?」と聞くと「あるよ!」とポケットに手を当て「大丈夫、寒くない!」と最後まで素手で過ごしていました。


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カタクリ山で遊んでいると、綾里駅を発車した三鉄の列車が木々の間から見えました。遠くから眺めると一両列車は小さく「おもちゃみたい!」とアヤナちゃん。

山を下りる道際で、冬枯れのシダ植物、イヌガンソクの姿に「なにこれ!」とミウちゃん。

「馬のたてがみ?鳥の羽?」と首をかしげて不思議そうに観察していました。


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里に降りてきて、さっそく池に笹舟を浮かべて遊んでいました。

アヤナちゃんの左手には、山で見つけたイヌガンソクのシダの葉が、大切に握られていました。


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その後は、”冬水田んぼ”のため、水を入れていた田んぼで、氷の上を滑ったり、薄氷を割ったり、鬼ごっこをしたりして「キャーキャー」と時には転びながらも、楽しそうに遊んでいました。

昔は、田んぼに水を張って「下駄スケート」で遊んだりしましたが、今は、水を張った田んぼは殆んど無く、子どもたちにとっては、とても面白い遊びだったようでした。


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めいっぱいつむぎの家で遊んだ後は、ヤマトを連れて、一緒に町に散歩に出ました。

ちょうどカタクリ山から眺めた三鉄列車が通った陸橋にやってきました。二人は競って土手を駆け上っていきましたが、途中まで上ったものの、後ろを振り返り、「怖い!!・・・」と思いがけない高さに驚いたようでお尻を落として、草滑りで降りてきました。

最後は「ああ楽しかった!」と二人は、いい笑顔を見せてくれました。

冬は寒さで家の中に篭もりがちになりますが、子どもは「風の子」、元気いっぱい外を駆け巡って欲しいものです。