大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

寒さの中で虫たちは、今

2013年11月30日 | 昆虫

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ハナアブ(ハナアブ科)

枯野の中にぽっかりと咲くタンポポに、ハナアブが羽音を立てて飛んできて、季節を忘れさせてくれるほどの動きで花粉をなめ始めました。

ハナアブは、春早くから秋遅くまで活動しているようです。


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アキアカネ(トンボ科)

霜が降りて一面真っ白になった日も、太陽が昇り日が差すと、アキアカネの飛翔が見られます。ボロボロになった羽で、陽だまりを求めてフワリフワリと飛び交う姿には、哀愁を感じます。

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ホシクロトガリヒメバチ(ヒメバチ科)

風雨を避け物置に潜んでいたヒメバチ、幼虫や蛹に寄生し、卵で越冬。

産卵を終えて、終の棲家を探し歩いていたようです。


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スズメバチ(スズメバチ科)

縁側に広げておいた熟し柿にスズメバチが飛んできました。冬眠前の女王バチでしょうか?動きは鈍く、数センチの距離で撮影。

母屋の軒下に巣作りしたスズメバチも11月の20日頃まで、活動している様子でした。

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コバネイナゴ(バッタ科)

ため池のそばのギシギシの葉上では、コバネイナゴが日向ぼっこをしていました。年々数を増やしてきています。

貴重な蛋白源として佃煮にして食べていた頃のことを子どもたちに話すと、目を丸くして驚きます。イナゴを食べた食文化は、”遠い昔話”のようです。

厳しい冬の訪れを前に、小春日和の暖かなひとときを、穏やかに過ごす虫たちです。


オオカマキリ

2013年11月29日 | 昆虫

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5日前のこと、ビニールハウスの防虫ネットの上にオオカマキリがいました。産卵を終え終焉の地としてこの場を選んだのでしょうか?いつまでたってもこの場所を離れようとしません。


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夏場の活動の活発な時期には、気性の荒いカマキリの手乗りなどできませんが、あまりにもおとなしくしているので手に乗せて観察してみました。

11月も末、時期的に産卵を終えたと思われますが、まだ大きなお腹をしています。


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ひっくり返してもすぐには起き上がれずに、前足の鋭い鎌も閉じたままです。


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正面にカメラを向けると、三角形の顔をした怖い目つきで睨まれました。

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前脚の鎌には鋭いトゲが並んでいます。肉食のカマキリは、これで暴れる獲物を押さえ込んで捕まえ、頑丈な顎でかじって食べるようです。

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昆虫界の名ハンターでもあるカマキリの姿は、子どもたちにも人気がありますが、やはり魅力的ですね。

無農薬での野菜作りには、害虫を食べてくれる畑の益虫です。来春も、卵から孵ったカマキリが農薬がわりに活躍してくれることを願い、防虫ネットを一枚かけてあげました。


3年生の大豆の脱粒作業  第2回目(晩生種)

2013年11月27日 | 小学生の体験学習

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昨日の午後、3年生が2回目の大豆の脱粒作業に来ました。カラカラに乾燥した大豆をサヤから取り出す作業です。


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サヤから大豆を指ではじいて、竹かごに入れています。

色あせたサヤから緑のダイズが顔を出す瞬間、子どもたちの顔がほころんでいました。


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「千田さーん虫がいた!」と見せてくれたさやの中に、シンクイムシの幼虫がいました。

ネット掛けの無農薬栽培で、今年の大豆は害虫のカメムシを防除することができ、きれいな大豆ができましたが、乾燥している間にシンクイムシに食べられてしまったようです。青い大豆を食べてレンガ色の糞を出しているシンクイムシの仲間の幼虫はメイガと思われますが正体はわかりません。


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脱粒作業を終えた子どもたち、次は脱粒した豆がらを、菜園で出たゴミを燃やしていた田んぼに運んできました。

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残り火に、豆がらを燃やすと、勢いよく炎が立ち上り、子どもたちはまっすぐに燃えあがった炎に感動の様子です。

火元には、子どもたちのためにと、焼き芋を用意しておきました。

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子どもたちの中には、落ち葉焚きは初めて経験する子が多いようで、あらかじめかき集めておいた落ち葉を少しずつ手にし、それぞれ燃やしはじめましたが一斉に入れたために、火がくすぶってしまいました。

煙に巻かれた子どもたちは大慌て、煙の来ない方向に逃げますが、不思議なことに、煙は逃げる子どもたちの方に寄っていきます。

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落ち葉焚きの後は、あらかじめ焚き火の中で焼いていた、焼き芋をみんなにご馳走です。

子どもたちは、美味しそうに頬張りいい笑顔を見せてくれました。


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残り火を囲み、炎に手をかざしていた担任の大和田先生が「かきねのかきねのまがりかど~、たき火だ、たき火だ落ち葉たき~」と歌いだし、私も一緒にハミングしましたが、この歌を知らない子どもたちがほとんどでした。

見ていて飽きない炎の神秘に包まれた子どもたち、何を感じてくれたでしょうか?


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「あと5分でーす!」との担任の先生の合図で、子どもたちは鬼ごっこを始めました。遊び盛りの元気な3年生です。

木々の葉がすっかり落葉した里地の中を、懸命に走り追いかけまわる子どもたち。短い時間でしたが、明るく元気な子どもたちに癒されたひとときでした。


ガガイモの種髪が始まりました

2013年11月25日 | 草花

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ガガイモ(ガガイモ科)

ヤマト(犬)の散歩コースのネットに絡まって、ガガイモが3個の実を結んでいました。種髪を楽しみにしていたところ、昨日、3個のうち2個の袋果の割れ目から絹毛が風になびいていました。

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北西の風にあおられ種髪が始まっていたのは、2個だけであとの1個は実が裂けたばかりのようでした。

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小舟のような形の実が縦に裂け、中から白銀の絹毛をまとった種が、今にも飛び出しそうです。

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拡大してみると、直径が5~6cm位のふわふわと円状に広がった美しい絹毛です。

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2個目の袋果は、今、種髪が始まったばかりで風になびく優美な姿を見せてくれました。

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袋果が割れたばかりの、ガガイモの中を覗いてみました。

扁平な楕円形をした翼のある種が、規則正しくぎっしりと詰まっていました。

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中の様子を写真に撮るために、割れ目をちょっと広げると種髪が飛び出してきました。旅立ちです。

絹毛のパラシュートをつけたガガイモは、風に身を任せてより高く、より遠くへと新天地を求めて旅立ちました。


命つないだ昆虫たち

2013年11月24日 | 昆虫

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アオオサムシ(オサムシ科)

羽がないので飛ぶことはできないが、地上を素早く歩き回り、撮影が難しかったアオオサムシがビニールハウスの中で死んでいました。”地を這う宝石”とも言われていますが、残念ながら生きている時のような美しい緑色の金属光沢は見られません。


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肉食性であるアオオサムシの真正面からの顔は、鋭い表情ですね。

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アオオサムシは、本来、成虫越冬するのですが、この個体は寿命を全うしたようです。ハウスの中で風雨を避け、片隅で目を閉じていました。

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アキアカネ(トンボ科)

秋の訪れとともに、高い山から降りてきて黄金色の稲穂の上を鮮やかに舞っていたアキアカネは、産卵を終え、ヤゴの時代を過ごした水辺で羽をいっぱいに広げ、永遠の眠りにつきました。


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オオコンボウヤセバチ(ヤセバチ科)メス

ベランダには、オオコンボウヤセバチが産卵管をピクピクさせながら横たわっていました。腹部が棍棒のような細身の体で、長い産卵管を持ったメスです。


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寄生蜂の一種で、木材などに営巣するアナバチやハナバチに寄生するようです。羽が虹色に光り、産卵を終え、最後の輝きを見せてくれているようでした。

冬の訪れを前に、次世代へと命をつないだ虫たちは、まもなく自然に還っていくことでしょう。