大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

卵のうを護るアオグロハシリグモ

2014年08月20日 | 生き物

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アオグロハシリグモ

朝の散歩中のこと、沢筋の鬱蒼とした草陰に大きなクモの姿が見えました。葉っぱで陽射しが遮られ、うす暗い環境でしたが、とりあえずシャッターを切りました。

家に帰ってから、PCに写真を起こして見ると、左上の方には卵のうがあり、孵化を待つアオグロハシリグモでした。

このクモに初めて出会ったのは2012年の9月、http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20120912 目の前で瞬時に水の中にもぐって身を隠した技に驚きました。その最初の出会いの川から上を見上げた草陰が、偶然にも今回アオグロハシリグモがいた位置です。

アオグロハシリグモは、産卵すると卵のうを口に加えて移動しますが、孵化が近づくと、網を張り卵のうを固定して飲まず食わずで卵を見守るそうです。孵化を間近にひかえた子育て中のアオグロハシリグモは、警戒したのか、カメラを睨んでいるようでした。


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アオグロハシリグモがいた数cm先には、もう一匹の大きなクモが卵のうを抱えていました。卵のうを抱えたコモリグモやハシリグモは、田んぼや畑でよく見かけるのですが、こんなにも大きな卵のうを抱えたクモを見るのは初めてです。

アオグロハシリグモと隣り合わせでいたので同種かと思っていましたが、よく見るとアシダカグモの仲間のようです。

アシダカグモは、人家周辺に多く住み、台所やトイレなどでよく見かけるクモのようですが、今回の発見場所は、森の中です。

家の周りでふつうにみられるクモを始め、水田や里山、山林や水の中まで、さまざまな環境で生活しているクモの世界の奥深さを感じます。


究極の子育てをする「カバキコマチグモ」

2014年08月01日 | 生き物

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カバキコマチグモの産室

クモに興味を持ち始めてから5~6年、まだまだ分からないことばかりですが、クモは農業害虫を食べてくれる益虫として我が家では大切な存在であり、田んぼや畑で大役を果たしてくれています。

ただ残念なことに、つむぎの家に遊びに来る”生き物が好き”と言う子どもたちの中に、”クモが好き”と言う子は一人もいません。「キャー クモだ!」と叫ぶ綾里っ子たちには、「毒グモはいないから大丈夫!クモは田んぼや畑でいいお仕事をしてくれている大事な生き物なのよ」と言い聞かせていますが、カバキコマチグモは「毒を持っていて、噛まれると危険である」ことや「母グモは自らの体を子グモに与えて死んでいく究極の子育てをするクモ」との解説が目に留まりました。はたして本当だろうか。自らの目で確かめることにしました。

7月17日にススキの葉をちまきのように巻いたカバキコマチグモの産室を見つけました。

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ちょっと失礼して、ススキの葉を開いて産室を覗いてみました。

そこには卵を大切に抱きかかえるカバキコマチグモがいました。

すぐにススキの葉を元に戻し、しばらく観察を続けることにしました。


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2日後、開いたススキは糸ですっかり修復され、元通りのちまき形に戻っていました。

カバキコマチグモは、産卵から10~14日で孵化するそうです。


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そこで、発見してから12日目に再度「ちまき」を覗いてみました。

親グモがいれば咬まれることを覚悟して、孵化していれば母グモは子グモたちに体を与えている様子が観られることを期待して・・・・・。

ススキの葉をそーっと引っ張ると、母グモのお尻が見えていました。発見日の17日が産卵日と仮定しても、そろそろ孵化する時期ではないかと思いましたが、まだだったようです。


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咬みついてくることを予測したカバキコマチグモの頭は見えず、産室からのぞいているのはお尻、ぴくぴく動くお尻をよく見ると、なんと糸いぼから糸をだし、産室の修復を始めました。


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産室をのぞいてから1分足らず、見る間に産室はクモの糸で、閉じられていきました。


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その2日後の昨日、見に行くと産室はゴミ一つないきれいな、もぬけの殻になっていました。

結果、卵のうを抱えたカバキコマチグモの母グモは、攻撃性が強く危険であるということや母グモは自らの体を子グモたちに与える究極の子育ての様子も確認できませんでした。

次回の観察に、再度期待したいと思います。


コモリグモの子育て

2014年06月12日 | 生き物

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ウズキコモリグモ(コモリグモ)

卵のうを腹部に抱えて、ハウスの中をチョコチョコと走り回る徘徊性のウズキコモリグモ。

コモリグモは、毒を持っていないのに、かつては「ドクグモ」と言う不幸な名前を付けられていたようです。その後「子守りグモ」と改名された理由は、母クモの優しい習性が分かったからだそうです。

我が家の農地では、年間を通してたくさんのコモリグモが活動しています。


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先日、大事に抱えていた卵から孵化した子グモたちを背中に乗せて、歩き回る母グモを見つけました。


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孵化したばかりなのでしょうか。

ぺしゃんこになった空の卵のうを付けたまま、子グモを背中に乗せて守っています。


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子グモたちが独り立ちするまで、こうして面倒を見るウズキコモリグモの子育てには胸打たれます。何かと嫌われがちなクモですが、心優しい習性を持ち、足元で懸命に子育てしている姿に目を奪われました。

クモは、無農薬農業に欠かせない存在で、害虫を食べてくれるとてもありがたい生きものです。


トノサマガエルの幼体を確認

2014年05月27日 | 生き物

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先日、久しぶりにヤマトと砂防ダムまで散歩しました。水たまりに近づくと、足音を避けるようにうごめくものがいました。トノサマガエルの幼体です。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20140409

4月9日のブログで紹介しました卵から孵ったトノサマガエルでしょうか。孵化後、約1ヶ月半で完全変態するようですが、水の中にいたということは、まだ肺呼吸に移る前と思われます。


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観察のために、一匹捕まえてみると、水の中の色合いとは違って全身黒っぽく、トノサマガエルの特徴である背中の中央線が、かすかに見えるくらいです。


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お腹は黄色っぽく、少しまだら模様が残っています。


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「殿様」の名にふさわしいカエルの代表格が、美しい色で堂々とした姿になるまでには、まだ時間がかかるようです。

この後、トノサマガエルは強いジャンプ力で手の平を離れ、水辺を泳ぎ、泥の中に潜ってしまいました。

これで、つむぎの家で確認できたカエルは、アマガエル、シューレーゲルアオガエル、ヌマガエル、ヤマアカガエル、ニホンアカガエル、ヒキガエル、そしてトノサマガエルと、7種になりました。

絶滅の恐れのある水辺の生き物、トノサマガエルの生息確認とともに、子ガエルに会うことができ、嬉しい出会いでした。


犬とシマヘビの戦い

2014年05月21日 | 生き物

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犬のヤマトと早朝散歩に出ると、草むらにいたバツタやカエルなどが飛び跳ね、ヤマトがこれらの生き物たちとジャレあうことが多くなりました。

昨日も、先祖の墓の前の草むらに頭をつっこみ、もくもくと何かと戯れている様子、しばし足を止めて遊ばせていましたが、なかなかこの場を離れようとしません。そのうちにヤマトが「ウー ワンワン」と唸り声で激しく吠え出し、これはただならぬものがいるのではと、草をかき分け覗いて見ました。すると石垣の間に身を寄せ、丸まったシマヘビがいるではありませんか。じっとして動かずにいたシマヘビをヤマトは、前足で掻き出すように執拗にちょっかいを出しました。

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すると、石垣の間で丸まっていたシマヘビがニョロニョロと這い出してきました。


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そこで、安眠を妨害されたシマヘビは、怒りあらわに顎を大きく広げて、ヤマトに立ち向かい、ヤマトは驚きの表情でぐっと身を引いて後ずさり。


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シマヘビは、興奮のあまり頭部を三角にして這い出してきました。

全身這い出たシマヘビは、このまま草むらに逃げるのではと思っていましたが・・・・。


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なんとヤマトの前に立ちはだかり、尾を激しく震わせ地面をたたきながら威嚇するではありませんか。


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シマヘビの応戦に、ヤマトも負けてはいません。


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ヤマトは、シマヘビの攻撃に身を引きながらも、スキを見ては激しく攻め、興奮は絶頂に達しました。

「もう これまでおしまい!」と手綱を引いてヘビから引き離そうとするのですが、ヤマトの強い力でなんども引き戻され私の手には負えません。


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シマヘビも負けてはいません。犬とシマヘビの戦いは最高潮に達しました。


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家族に助けを求め、ヤマトをようやくシマヘビから切り離すことができました。

嫌がるヤマトをなだめすかし、どうにか家に連れ戻しました。

水をがぶ飲みして興奮の収まったヤマトは、数分後には体を横たえ、目をつむり一瞬の深い眠りに入りました。

シマヘビは、普段出会っても何もしなければ、スウーと隠れるように姿を消しますが、いったん興奮すると気性が荒く、攻撃性の強いヘビであることを実感した朝の出来事でした。