大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

オオタカの狩り

2014年08月29日 | 野鳥

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数日前のこと、里山散策路を歩いていると、梅の木の下の草むらにキジの死骸がありました。内臓がえぐりとられ、周りには羽が散乱していました。

先日、ネットにかかった小シカを毎晩のように食べに来ていたキツネのことを思いだし、「狐の仕業だろう」と思い、狩のうまさに内心ほくそ笑みました。そしてその後は、自然の成り行きに任せることにしました。

ところが翌日、この場所を通りかかると、1mもある大きな羽をはばたかせて飛び立つ野鳥を目にし、もしや犯人はこの猛禽類ではないかと思い直し、すぐにセンサーカメラを設置しました。


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センサーカメラにキツネも写っていたのですが、現場を見向きもせずに通り過ぎていきました。


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その後、獲物の前に立ち止まるオオタカがセンサーカメラに写っていました。狩をしたのはこのオオタカでした。獲物のオスのキジが、立派過ぎて運ぶことができずに、何度かに分けて食べに来ていたようです。

オオタカは、食物連鎖の頂点に立つ猛禽類ですので、里山の豊かな生態系が確保されていなければ生息できません。かつて、大小迫山に生息していたフクロウの姿が消え、自然環境の悪化を懸念していただけに、オオタカが身近な里山で狩りをしていたとは、感激でした。

オオタカは、環境省の絶滅危惧Ⅱ種に指定されている貴重種です。生態系の質を計る指標の一つにもなっているオオタカの生息環境を護っていくためには、多様性に富んだ里山の自然環境が求められます。これを励みに、継続的な里山整備に力を注いでいきたいと思います。


イスカの親子?

2014年06月04日 | 野鳥

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イスカ(アトリ科)

昨日、早朝散歩の帰りに、クルミの木の枝を動き回る一羽の鳥が目に入りました。

クロジ?、カメラを取り出していると姿を見失い、代わりにお腹の赤い鳥が、現れました。

イスカのオスです。

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イスカのオスにカメラを向けていると、もう一羽の鳥がファインダーの中に入ってきました。最初に目にした鳥のようです。


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イスカのメスかと思いましたが、体毛の模様や毛並みから幼鳥(メス)ではないかと思われます。


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幼鳥は、木の上を動き回り、お父さんイスカの動きを伺っている様子。


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イスカの幼鳥は、すっかり後ろ向きになり、父親と対面。


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オスのイスカが飛び立つと、幼鳥もすぐに、後について飛んで行きました。

イスカは、嘴に特徴があり、下嘴の先は上に向き、上嘴の先は下にむき、上下が交差しています。左右が互い違いになっているのは、マツやモミ、ハンノキなどの種をついばむのに機能的なつくりのようです。

物事が食い違うことを「イスカの嘴(はし)」と言うそうです。


春告鳥  「ウグイス」

2014年04月27日 | 野鳥


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ウグイスは、身近で親しみのある野鳥ですが、声は聞こえてもなかなか姿を見せてくれません。

昨日は、「ホーホケキョ」と盛んにさえずるウグイスの声に誘われ、見上げるとイタヤカエデの木の中を小走りに移動しているウグイスの姿を捉えることができました。

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ウグイスは、灰色っぽい黄緑褐色の目立たない色の上、藪に身を隠し、これまではカメラに収めることができませんでしたが、芽吹き始めたカエデの枝に止まってさえずる様子をようやく撮すことができました。


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全身地味ですが、さえずりは天下一品、「ホーホケキョ ホーホケキョ」と胸をいっぱいにふくらませ、里山に美声を響かせていました。


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込み入ったイタヤカエデの枝の間を上下左右に移動しながらも、しばし留まってくれたウグイス、朝日に照らされ、白っぽい眉班の下にアイラインを引いたような過眼線と可愛い眼にうっとり。

山から里に降りてきて「チャッ チャッ」という笹鳴きから「ホーホケキョ」と軽やかに庭でさえずるウグイスの鳴き声に確かな春が巡ってきたことを実感しました。


留鳥  ミソサザイ

2014年03月28日 | 野鳥

今冬、スズメに次いで、よく出会った野鳥です。

縄張りの範囲が狭いようで、沢筋を中心として約300m四方の間隔をおいて個体数が見られます。

スズメよりも小さな鳥で、薄暗い茂みの中をチョコチョコ移動しながら餌を探している姿をよく見かけるのですが、気配を感じると、狭い空間を巧みにくぐり抜け、低空飛行をして、すぐに茂みに身を隠してしまいます。

先日、「チェッチェッ」と、地鳴きしながら川岸を移動しているミソサザイをようやくカメラに収めることができました。

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体は丸くて尾は短く、全身茶褐色で黒褐色の横斑や下面は白と黒の波状斑があり、地味ですがなかなかおしゃれな野鳥です。

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短い尾羽を立て、腰を左右に振りながら川の流れを見つめるミソサザイ。

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枯れ草で遮られていますが、淡褐色の眉班や細い嘴が、小さくて丸い体をキリリと引き締めています。

今のところ、ウグイスのささ鳴きに似た鳴き声ですが、この小さな体のどこから声が出るのかと思うほど大声で「ピーチィ ピルルル」などと複雑にさえずる恋の歌が、里山にまもなく響き渡ることでしょう。


アトリの集団飛行

2014年03月11日 | 野鳥

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一昨日の朝、犬のヤマトを連れて裏山に散歩に出かけました。いつもは静まり返った森に、鳥のザワつきが聞こえ見上げると抜けるような青空を背景に木のてっぺんに鳥が集団で止まっていました。

肉眼では同定できず、とりあえず写真を撮っていると、気配を感じたのか鳥たちは一斉に飛び立ち、移動を始めました。その時、私の視野に入っていた数とは桁外れの鳥の集団であることに気づきました。野鳥集団の後を追っていくと、かつての棚田の土手に降りて採餌を始めました。


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近づいて、急いでシャッターを切りました。アトリでした。

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絶えず動きながら、懸命に草の種をついばんでいるアトリ。


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集団での採食中は、全く人を意識していない様子。

1月の末に出会ったアトリの大群と比較すると、3分の1くらいの数でしょうか。

あれからひと月半ほど経ちますが、これまで、大小迫山をねぐらにして生活していたのだろうか?。他のアトリ達はどうしたのだろうか?。などと疑問を抱きながらも、再びアトリの集団に会えた喜びに浸りました。


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ところが昨日、田んぼやそば畑、山林の中を「キュルキュル」と鳴きながら、大きなうねりとなって飛行するアトリ集団に出会いました。

写真は、田んぼの中で落穂を採餌しているアトリたちです。


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一斉に田んぼから飛び立ったアトリ。

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一昨日に出会ったアトリと合流したのか、おびただしい数の大群をつくり、うなりを上げて集団飛行するすさまじい光景を目の当たりにし、驚きと感動を覚えました。

渡りの時期が近づいて来ているのでしょうか?アトリの集団は、瞬く間に南東の空に消えていきました。