秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

油小路の決闘。

2013年04月23日 09時59分45秒 | 京都非観光迷所案内

 「燃えよ剣」。この小説を読んだは20代前半でした。あの頃は「坂の
上の雲」に始まり司馬遼太郎先生の小説にどっぷり浸かっていました。

しかし思い返せば「燃えよ剣」との出会いはもっと以前でTVドラマ
だったんですけどね。それはまぁ置いといて・・・・。

司馬先生以外にも他の作家さんの新撰組関係の小説はぎょうさん
読んだつもりやけど、伊藤甲子太郎を主題にした小説を読んだ記憶
はありません。登場はするけど主役ではない。

活躍した時期があまりに短くて資料も少ないのかも知れませんが、
主役をはるには、いささかカゲが薄いのかも知れませんね。

 

とはいえ、生き残った弟子たちは明治政府においては、そこそこの
要職についていますから、非凡の人ではなかったはずです。

その甲子太郎さんが、新撰組と袂を分かち非業の死を遂げたのが
この寺の門前だったそうです。

  

 北辰一刀流の使い手でもあり、学識も高い自信家の先生をコロッと騙し
て闇討ちしたのは、新撰組の真骨頂発揮ですが、その後も凄まじい。

その遺骸を油小路に打ち捨てて、引き取りにこようとした御陵衛士の
残党を討ち取ろうと図ったんですからね。

          

この遺体回収に向かった7名のうち、死亡者は3名。司馬先生の解釈
では剣のたつ者ほどわが身を死地に追いやったと書かれています。

しかし40名もの新撰組が取り囲み、7名のうち僅か3名しか討ち取れな
かったというのは、ドナイなもんですやろ。

ちょっと前まで同じ釜の飯を食った人間だし、ムゲに惨殺するには忍び
ない、なんて心理が働いたのかも?

新撰組立ち上げ当初なら許されなかった行為でけどね。なんてコトを
想像してしまうお人好しです。そんな甘い考えでは生き残りは難しいぞ。

 わかっちゃいるんです・・・・・・・・。