熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
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作品 文章 写真 販売品

龍山の字母駒

2014-02-03 06:21:58 | 写真
2月3日(月)、霧。

今日は節分。
明日は立春。
つまり、季節の分かれ目。
明日からいよいよ暦の上の春ですね。

ーーーー
「探山書」の文字起し。
何を参考にするか、少し考えてみました。
考えると言っても、先ずは「探山」って誰なのかですね。
江戸時代には鶴沢探山という絵かきが居ました。
だが時代が違う。

実像が分からないまま、駒を作ろうとするのは、いい加減。
何となく、誤魔化しているような。
で、今回の話は断るのが良いのかな。
そんな気持ちでいました。

だが、考えてみれば、「源兵衛清安」も同じなんですね。本当は良く分からない。
しかし、あの文字は昔から好きで、気に入って作っています。
そんな矛盾もありつつ、駒を作っているのですね。
そのことを話すと「でも、貴方なりの感性で作って貰えればよい」と言うことでした。
以上が今回「探山書」の文字起しをはじめたきっかけです。

ところで、何を参考にするか。
信頼できそうなモノは何か。
幸い、30年ほど前に豊島とみさんからコピーさせて貰った「字母帳」の中に「探山」が手元に。
知っている限りで一番古いのは、この豊島龍山の文字。
これを参考にしよう。
だが、細かな点画で納得できないところもあって、そのまま駒にするということでは無いと言うこと。

文字の軸を参考にして、自分なりの「探山」の文字起しをする。
と言うことで、昨日、その作業を始めたところ、もう一つ、手元にある龍山の「字母駒」を思い出しました。
「字母駒」は、駒木地に彫った文字の原版。
これをハンコのようにして字母紙を作って、駒に貼る。その元。
今なら簡単にコピーやプリントが出来ますが、当時なりの工夫です。
その現物。

赤茶けているのは、枯れて色あせた印肉の色。
表面が波打っているのは、文字を彫った時に貼り付けた薄葉紙。
70年ほど経って、糊が効力を失くしてしまっています。


龍山は、彫りつけたときの紙を付けたまま、彫った文字をスタンプにしていたのですね。
そして、彫り跡を詳細に見れば、彫りも上手かったことが分かります。


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