万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌0504 君が家に0445

2012年02月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌0504 君が家に0445

君が家に 我が住坂の 家道をも
我れは忘れじ 命死なずば  柿本人麻呂妻

0445     万葉短歌0504 ShuB404 2012-0205-man0504

□きみがいへに わがすみさかの いへぢをも
 われはわすれじ いのちしなずば
○柿本人麻呂妻(かきのもとの ひとまろの め)=題詞原文には、「柿本朝臣人麻呂妻」。人麻呂については、第30歌参照。ただし、依拠本は「人麻呂が妻の立場に立って詠んだ歌歌なのではあるまいか」とする。
【編者注】人麻呂妻の名ではこの一首だけ。
【訓注】我が(わが=吾)。我れは(われは=吾者)。


万葉短歌0503 玉衣の0444

2012年02月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌0503 玉衣の0444

玉衣の さゐさゐしづみ 家の妹に
物言はず来にて 思ひかねつも  柿本人麻呂

0444     万葉短歌0503 ShuB401 2012-0204-man0503

□たまきぬの さゐさゐしづみ いえのいもに
 ものいはずきにて おもひかねつも
○柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=第30歌参照。
【編者注】「柿本朝臣人麻呂歌三首」の第三首。
【訓注】さゐさゐ(狭藍左謂)[=騒騒]。


万葉短歌0502 夏野行く0443

2012年02月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌0502 夏野行く0443

夏野行く 小鹿の角の 束の間も
妹が心を 忘れて思へや  柿本人麻呂

0443     万葉短歌0502 ShuB401 2012-0203-man0502

□なつのゆく をしかのつのの つかのまも
 いもがこころを わすれておもへや
○柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=第30歌参照。
【編者注】「柿本朝臣人麻呂歌三首」の第二首。
【訓注】心(こころ=心)。


万葉短歌0501 未通女らが0442

2012年02月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌0501 未通女らが0442

未通女らが 袖布留山の 瑞垣の
久しき時ゆ 思ひき我れは  柿本人麻呂

0442     万葉短歌0501 ShuB401 2012-0202-man0501

□をとめらが そでふるやまの みづかきの
 ひさしきときゆ おもひきわれは
○柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=第30歌参照。
【編者注】題詞原文は「柿本朝臣人麻呂歌三首」。その第一首。
【訓注】未通女ら(をとめら=未通女等)[この表記初出]。我れは(われは=吾者)。


万葉短歌0500 神風の0441

2012年02月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌0500 神風の0441

神風の 伊勢の浜荻 折り伏せて
旅寝やすらむ 荒き浜辺に  碁檀越妻

0441     万葉短歌0500 ShuB400 2012-0201-man0500

□かむかぜの いせのはまをぎ をりふせて
 たびねやすらむ あらきはまへに
○碁壇越妻(ごの だにをちが め)=未詳。<「碁」は氏の名。「壇越」は寺の施主の意>。禅師・沙弥のような称号か。
【編者注】題詞から、夫の伊勢行の時に都に留まった妻(つま)の歌。「神風」は初出。
【編者注-作者名が妻】この歌のように、作者名が男性の妻の場合、依拠本の表記は「が妻(め)」とする。岩波版では「の妻(つま)」、小学館版・講談社版では「の妻」、の表記である。
【訓注】神風(かむかぜ)。