ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

歌舞伎座『十二夜』短観劇報告2

2005-07-30 02:07:28 | 歌舞伎
正直な告白(笑)

国立劇場行く為、7月7日初日のチケットは流してしまい、
まあ、そのうちテキトーに時間空いたら観にいけばいいや~
くらいに思っていた、十二夜@歌舞伎座

しかし、テレビでメイキングを目撃し、
「これは絶対観にいかねば!!」と思った!のは、一般?の人の
まあ、なんか綺麗~とか、いつもの歌舞伎と違うみたい、等の、
理由ではなく、幕開けの演出を観て、下記に書いたように
「まんま、三国志なんですけど(ーー;)?」
どこが斬新?って、でも、
実際劇場に足を運ばずアレコレ言うのはアンフェアよね、という
個人的倫理観(笑)のもと、後日チケットホン松竹に電話。
しかし、テレビ放映後でチケット完売。前売り購入は不可でした。

というワケで国立も終わり、振休で平日休暇の28日@震度3
当日券狙いで、チケットなければ幕見で良いか~と
早朝(昼の部狙い)から並ぶ根性はさすがにないので
ちんたら11時半頃歌舞伎座へ出向いたところ
(夜の部開演までには画期的に早い来場だけど
1等補助席が4席だけ残っており、あまりの暑さに幕見に並ぶ
気力もなく、予算オーバーだけど、花道からなにから全部観なきゃね、
とつい購入。あとでよく考えたら鏡効果で上層階で観ても
花道映りこんで観えたのでは?と反省。でも
花道使ってないんですけど(ーー;)?
(フツーに登・退場には使用しているけど、“演出的効果”
という意味ではナシ。)

ドキュメントでも放映され、視聴者におお~っと
言わせた部分のひとつが、幕開けの桜の大木がハーフミラーから
浮かび上がるように目に飛び込んでくる場面だと思うのですが、
これが、三国志では、≪舞う粉雪がいつしか、桃の花びらに変わり
背景に桃の大木がす~っと浮かぶ、その前で琴を弾く女性≫
との造形で、蜷川演出これに抵触しとらんか~?
なんじゃ、真似っ子!!じゃん(←ハーフミラー越し映る大木の前で
楽器を奏でる―という意匠が)
とか思ってしまった次第でありました。
(換骨奪胎は歌舞伎の常套手段であるから、本気でコンプレイン
しているワケではないので、蜷川ファンは怒らんように・爆)
でも、新機軸謳いたいなら、○○に似てる~は回避するのが
クリエイターの矜持ではないの?とも思ったり。あるいは、
猿之助さんのように、二番煎じ・三番煎じですー!とフェアに
告白(笑)しとくとか。

私の観劇時も、鏡張りと、桜の大木の美しさ、
演出効果というか道具立てに、ほほ~っと感嘆がもれていましたが、
逆に私はこれに新鮮味を感じられず。
単純に美しいとは思いましたけどね。
チェンバロが同じような旋律を奏で、いつしかその旋律が耳に馴染み
観客にある一定のイメージを想起させるようなあたりも
スーパー歌舞伎の音楽の使い方に似てる。
そして、レミゼ並みに(笑)廻る盆。
もっと芸出せー演出!!と思ってしまいました。(キャー)

そういう意味での「演出」は置いといて、
お芝居は、面白かったです。たぶん、多くの人も観て良かった~
楽しかった~、面白かった~の感想を持てる最大の理由は
『台詞が理解出来た』事じゃないかと。
歌舞伎って何言ってるか分からない!台詞のヒアリングが出来ない
という垣根が取り払われ、芝居の理解がスムース。
とにかく、言葉遊び、しかも韻を踏ませるということでの
駄洒落も多いから、台詞が明瞭ではっきり意味が伝わらないと
もう、芝居自体が成立しなくなってしまう。

しかし、ここがまた、私が引っかかったところでもあり
意味や文言を正確に伝えようとするあまり、
台詞廻しがストレートプレイのそれではないか?
と思える部分もあり、そうなってしまっては歌舞伎で、
あるいは歌舞伎役者の肉体でやる価値は?と。
冗長な文言を、歌舞伎の台詞術で納めるような工夫があれば
時間も短縮、言葉も流れず、端的かつ象徴的にその台詞が
目的とするところの意図や意味が
観客の胸により届くのではないかしら。
歌舞伎で言うところの「言い立て」のような間の使い方でもなく
ホント「(長文の台詞をガンバって)喋ってます!!」的な箇所が
見受けられました。皆が、すべてが、という事ではありませんが。

※筋書未購入・未読のため製作側の主旨は(私には)不明~

しかし、学生時代にもっと勉強しておけば良かったなぁ~と
つくづく(ーー;)(ーー;)後悔先に立たず。
とりあえず、シェークスピアとマザーグースを原語で読んで
おかないと、英語を学習したとは云えんのぉ~、だし
異原語間の言葉遊びの置き換え(通訳にしても翻訳にしても)
の困難さ、あるいは可能な範囲を、ロシア語通訳者にして
現在作家の米原万里さんが著書で書いていて爆笑した事があるが
原作読んでいれば、このあたりの面白さ、含まれるアイロニー
もしくはダブルミーニングな文言とか、もっと堪能できたかも。
(あと、翻訳者の苦労も?)

亀ちゃん凄っ!!と思ったのは、
松緑は奇抜な扮装、メイク(!)をして、ヘンな事やってるから面白い、
ピエロ的な面白さで笑いを取れるワケだけど、
亀ちゃんの場合は、面白いことを言ったり
やったりもしてはいるけど、その伝え方
台詞も所作もそうだけれど、その間の取り方が秀逸。
テクニカル的に面白い!!のだ。
一幕、二幕までは、誰よりも一番大きな拍手を貰っていたのは
亀ちゃんだった。

すでに一幕冒頭で観客の心を摑んでしまい、彼、
いや彼女が出てくるだけで、また何か面白いオチ(笑)が
あるんではないか、何かやらかしてくれるんではないかと客席が
メチャクチャ期待(~o~)しているのが分かるほど。
オチというのは、駄洒落的な、あるいはシニカル、アイロニックな
台詞の面白さを期待しているのではなく
(それもあろうが)
亀ちゃんの演技・肉体の中から生まれる何ものかが
笑いを誘発するであろうこと。他の役者が芝居していても
みな、チラチラと控えている麻阿を観察(笑)
私たちにとっては思わず引き込まれ笑っちゃう~、ですが、
もちろん、練りに練られた演技術なのでしょう。
芸談が亀たよりに書かれておりますが、外題のつけ方が伯父さま風(~o~)

歌舞伎座『十二夜』短観劇報告

2005-07-28 23:03:12 | 歌舞伎
本日、歌舞伎座『十二夜』夜の部で拝見@地震付き・・・^_^;
先日の揺れより小さかったので、地震付観劇リピーターの私は
舞台の役者さん同様平然
(っていうか23日の国立に引続き遭遇する自分自身に苦笑)
瞬時「地震~」とざわついたけれど、先日の地震より震度も
弱かったので、一般の方も地震慣れ?してたせいか、
やがて、何事も無かったかのように静まりました。

お芝居自体は、私は結構面白く拝見いたしました。
が、
観劇前に本屋さんでチラっと演劇界を眺めたところによると
「歌舞伎とハーフミラーの取り合わせが斬新」
(正確な文言ではないけれど、そんなような主旨)
といったような記事をチラ見し、
これはプロの演劇評論家として、
(実際スーパー歌舞伎の舞台を観てないにしても)
歌舞伎史の史実(?)の認識不足ではないかなぁ~と思いました。

猿之助さんが、八犬伝やオグリ、三国志などで
ムービングミラーやハーフミラー、鏡コロス等を利用し
演出してたじゃん!!と、つい突っ込む私。
別に自分(客席)の姿が鏡に映っても
全然驚かないもんね~!!(爆)
天井から吊られている鏡が、ぐわ~んと動いて
客席が映りこんでいった、三国志パート3の方が新鮮だった~
すでに、「鏡の演出」は既知のものであったにも関わらず
尚、強い印象を残した使い方だった。
十二夜のはただ、鏡張りにしてあるだけだもん~(笑)
「既知の演出」だから驚かなかったのではなく、
ほぼヒネリのない利用方法だったので、インパクトがなかったのだ。

「蜷川演出」がウリでもあるようですが、
盆廻しの使い倒しで、これはどこが斬新?な「演出」なのか
よう分からん~。一幕の早い段階ですでに
「織笛姫様の館へ参りましょう」等々の“移動”を示唆する
台詞が出ると、また、廻すんかいな~と
次の舞台転換法も予測出きるという単純明快さ。
せめて、半廻しとか使わんの~?と思うくらい
ひたすら<廻して転換>に明け暮れておりました。

幕開け確かに綺麗だけど、
まんま、スーパー歌舞伎でやったことの踏襲?
ハーフミラー越しに浮かぶ大木&楽器演奏、って既視感ありまくり~
って金井大道具だし、カオスだし、
古典も多くの演目で他の狂言の意匠を持ってきたり
換骨奪胎はやっているから、それが、悪いとは言わんが、
これが最初、画期的!!みたいな宣伝戦略に
ちょっと、むっとしてしまう、私の狭量さを許して(~_~;)

歌舞伎座でってことは「珍しい」のかもしれないけど
歌舞伎と何々、歌舞伎と誰々等コラボ的なものは
別に今回特別、とは全然感じませんでした。

亀ちゃんが、やっぱり凄い!!
いかようにすごいかはまた今度~

そして「あと20分は縮まる、8時40分打ち出しくらいに
出来るんじゃないの~?」と、
発想が澤瀉化?してる自分を発見したりも(笑)

鑑賞教室の続きも、千本桜の事も
書きたいことは山積だけど、今月終わるまで、まともな
時間に帰宅出来る日がない予感・・・

取り急ぎ十二夜報告でした。


国立劇場:歌舞伎鑑賞教室千秋楽によせて

2005-07-28 01:26:45 | 歌舞伎
HHより

おつかれさまー! あーいいなぁ(>_<)
まさか鑑賞教室で千秋楽バージョンなんて考えてなかったよ~。
私たちは、客電点いたらもうあきらめちゃったりするけど、
子供たちはそんなの考えてないからね。

なーんか今月の国立みてると他の歌舞伎俳優が、
新しい試みをしなきゃ客が呼べなくなった今、
おもだかは敢えて古典で勝負すべきだって思うよ。
歌舞伎を歌舞伎ならではの演出で、
なおかつ現代人が楽しめるのを作れるのは、
猿之助さんとそれを支えてきた人達しかいないんだから…。

猿之助さんの伊達の十役のカーテンコールとか思い出して泣きそうだ。
どんな小さな小屋でもいいから、
猿之助十八番や、その制定後作り出した復活狂言を
歌舞伎組で演じてくれー!
猿之助さんの作り出したものはこんなにも人の心を打つんだから…。
その中で、歌舞伎組が受け継ぐのが「ヤマトタケル」と
「四の切」だけなんて哀し過ぎるよ…


歌舞伎鑑賞教室@神奈川県立青少年センター

2005-07-27 23:37:22 | 歌舞伎
神奈川県立青少年センターにて
7月26日、27日と歌舞伎鑑賞教室がありました。
もちろん、国立と同じ『義経千本桜』河連法眼館の場(四の切)です。
観劇報告を頂きましたので、掲載致します。

“元”娘さんより

午前も午後も、県教委後援のわりには児童生徒の姿は少なく、
笑三郎さんいわく「お嬢様の先輩」(平たく言えばおばさんね)や
年配のご夫婦などが目立ちました。

昨日の午前は7割くらい、午後は台風の影響で、
残念ながらキャンセルが相次いだそうですが、
今日は9割位の入りだったでしょうか。
反応が凄く良い、素直な方が多く、雰囲気のよい客席でした。

解説では、女形の体型を見せるところで、笑三郎さんが春猿さんに、
「袴脱いで(笑)」とか言って笑いを取っていました。
見得、歩き方一つ一つに、「へぇ~」「ほぅ~」と反応。
お芝居が始まっても、皆さんマメに拍手。
よくお芝居の流れがわかってるお客さま方で、
「これを汝に得さするぞよ」の義経の言葉、
狐忠信の歓喜の仕草には、大喝采
しばし役者さんの台詞も聞こえないくらいでした。

最後の引っ込みは、音羽屋型、荒法師の動きも大幅カットでしたが、
それでも大満足な会場でした。

後ろのお席の方が、面白いコメント(笑)されてて、
【母】「市川さんは皆一族なのよ」
【娘】「じゃ兄弟なの~」
の会話には吹き出しそうになりました。
誰がこんなに産んだのよ(笑)。

会場は、とても見やすいホールです。
段差があり席は千鳥。上下の席が空いてたのは、
センターブロックから販売したらしい。
予約の時点で席番教えてくれないので、
見やすい上下が空いてたのは勿体ない、
上手に宣伝して満席にしてほしかったな~と思いました。

午前の部の最後は結構長く拍手が続いてたので、
もう一度幕が開くかなとちょっと期待しちゃいました。
初めて観る方も多かったでしょうが、皆さん感激されて、
いつまでも拍手していたのだと思います。


【今回の歌舞伎鑑賞教室の概要】1

2005-07-25 23:53:14 | 歌舞伎



鑑賞教室の画像

開演のアナウンス後、客電が落ち

(この真っ暗になる!というのは、学生や子供たちには
それだけでワクワクする事象のようで、この時点で歓声が上がったり
客席がザワザワ~っとしたり・・・
2回の「社会人のための~」では、過去の色々な観劇体験からか?
このあたり特に反応はなし。次回、“チョン・パ”で開けるのも
印象的で良いかもしれない~~)

幕が開くと、舞台の背景はミッドナイトブルーといった色合いの星空。
廻り舞台に埋め込まれている大小さまざまのセリが
段差をつけ上がっている状態で、その中のひとつに春猿さんが
客席に背を向けて「しゅんえん」と名入の番傘を差し立っています。

それぞれのセリを昇降させながら見せつつ、盆廻し。
春猿さんが私たちの正面に向き直ったところで盆を止め、
すべてのセリも下がり舞台がフラットに。
この1分にも満たない時間で、
盆とセリの機構を効果的に印象づける演出。

春猿さんが、来場への謝辞や歌舞伎ワールドへ皆様を誘いますという
挨拶をされているところへ、花道揚幕から笑三郎さんの声が上がり、
同じように名入の番傘を差し、下座に乗って花道より登場。
これで、揚幕から声があがったり、
花道にフットライトが点いたりすると、
ここから演者が登場するのだ~
ということがなんとなく理解されるワケですね。
冒頭から、とてもキャッチーな構成。

観客がこの出端の下座を聴いたところで、
まずは、歌舞伎音楽の説明からという流れに持っていき、
「今、笑三郎さんが登場したときに聞こえてきた音楽は?」
との春猿さんのフリで、黒御簾(下座)について説明。
普段は御簾内での演奏であるが、それでは分かりにくいので
本日は特別に舞台に登場して頂きましょうと、
舞台センターの大ゼリから、
銅鑼・笛・太鼓・大太鼓・三味線方さんが登場。

(再度セリを使うところがミソ♪)

下座は登場人物の登・退場を知らせたり、台詞バックとなったり
効果音を作ったりするとの解説のあと、
ここで、笑三郎さんの「ネタ」が始まります\(^o^)
(当ブログでは本日解禁★(^o^)/)

【笑】「最近テレビを見ていて気づいたのですが、とある芸人さんの
   音楽の使い方が、歌舞伎の下座の使い方に似ていると。
   誰だと思います?」
【春】「芸人さんといっても、最近テレビには
   沢山の芸人さんが出ているから分かりませんね~何方ですか?」
【笑】「それでは、私がその方のネタをここで、やってみたいと思います。
   この方です~」

と、ヒロシさんが使っている音楽が流れ
(この曲のイントロ部分がちょっと流れただけで、場内大爆笑!!)
殆どバラエティを見ない私でもヒロシさんは知っていましたが、
このウケ具合で、かなり人気のある方なのだな~と再認識。
そのまんまヒロシさんのネタを、笑三郎さんが披露します。
まさか、『歌舞伎鑑賞教室』で、というギャップと相まって
ここは本当に毎回大ウケでした。
一本目のネタは「ヒロシです~」でやるのですが、
二本目は「コウジです~」で始まり、ここで春猿さんの、
「コウジというのは、笑三郎さんの本名です。」と合の手が入り…
ネタは、一週間替り?くらいだったのでしょうか?
前楽と楽ではまた替わっており、
そして楽日は午前・午後でネタが異なり、スペシャルサービス!?

ペッピーノ・ガッリャールディの「Che vuole questa musica stasera」
↑↑こちらを聴きながらどうぞ!(邦題:ガラスの部屋)

ヒロシ篇)「ヒロシです。デートの時間には
     少し遅れて行くのがいいと聞き
     5分送れて行きました。もう、居ませんでした。」
     「ヒロシです。生活感のない部屋にしようと、
     部屋のものを捨てました。生活出来ませんでした。」
コウジ篇)「コウジです。昨日鑑賞教室が終わったあと、
     楽屋口を出たとき、女子高生が手を振っていたので、
     笑顔で振り返しました。人違いでした。」
     「コウジです。国立劇場の正面玄関を出たところで、
     数人の女子高生に、写真撮ってください~と云われたので、
     いいですよ、と(←ちょっと気取って云う)ポーズをキメました。
     カメラを渡されました。
     マジっすか~?」
 
などなど。あれ?結構もう忘れちゃたな~。文言は多少違うかも・・・
楽は午前は前日の地震を取り入れたネタもありました。
ネタ特集のためメール・書き込み乞う(笑)  
  
ヒロシさんの物真似が終わった後、春猿さんが
「でも、これのどこが歌舞伎の下座音楽の使い方と似ているのですか?」
と質問しますが、それに対し
「ヒロシさんは、冒頭、ちょっと音楽を聴いてから、
台詞(ネタ)を喋りだす。歌舞伎の台詞も、最初、音を聴いてから
喋り始めるので、その辺りが似ていると思うのです。」 
と、笑三郎さんが回答されます。
そして、歌舞伎でやるとこんな感じです、と、毎回1本目のネタを
下座に合わせ歌舞伎の台詞調で実演。これはこれで、非常にウケてました。

こうして、テレビで馴染みの芸人さんのネタを用いることによって
「歌舞伎の解説」だからといって、決して難しいことでもなく
なんか、面白いお兄さんたちだな~と、ぐっと客席を巻き込んでいく。
(私も巻き込まれましたが。)

下座の効用では、もう、ひとつ、ドロドロを会場に聴かせ
「これはある動物が登場する時の音です。なんの動物か分かりますか?」
という質問を、毎回、客席に投げかけます。
日によってですが、結構、子供さんが元気に答えてくれることも多く
まあ、だいたいはイラスト筋書きにもあるので「きつねー」と
返って来るのですが、21日に観た友人によると、
客席のあちこちの子から複数の回答があり
「へびー!!」とかブタ?かば?だったかな?
普段は絶対出ない動物(蛇って動物?)名の数々に、この日ばかりは、
お二方とも「えっ!?」と一瞬たじろがれたとか(笑)
そういう客席との応答なども用いて
どんどんと、舞台と客席の親和感を高めていきます。

下座の次は義太夫の紹介。上手のチョボ床の御簾が上がり、
義太夫は、役者さんの演技に付随するもので、
心理や動作、または、舞台で進行している場面の季節や時刻
情景などを語っていると説明されます。これも
「今は夏です~とか、午後二時半を過ぎたところ~(開演後の
現在の時刻を云うことによって説明がより身近に感じられる)
とか、悲しい、嬉しい、怒っている、などを説明します。」と
平易な言葉で解説され、更に義太夫入りの演技を
実演するので本当に飽きさせません。

まずは、笑三郎さんが「ハッとして驚いた~」を
義太夫の語りに乗せて見せ、
次に春猿さんが「悲しくて涙がでちゃう」をやりますとの事で、
(「アタックナンバーワンですね」と、子供の日のみ
笑三郎さんのツッコミあり)

「義太夫の言葉で言うと『悲しいわいな~と涙を流す』ですね」と
笑三郎さんの補足後、春猿さんがカーっと泣いて見せます。
きちんと、女方の高い声で泣くので、模範演技(?)終了後
笑三郎さんが「その声は一体どっから出ているのですか?」
とちゃちゃを入れ
「口からです。頭のてっぺんからではありません。」
(初日頃は「お尻からではありません」でしたが、変更)
と春猿さんが返し笑いを取る~という、硬軟取り混ぜた展開。
(硬=実演の際は本イキで。軟=解説は面白楽しく♪)

七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)千秋楽報告

2005-07-24 23:29:54 | 歌舞伎
本日24日も引き続き「親子で楽しむ歌舞伎教室」であり、
一般の歌舞伎ファンや、熱心なおもだかファンは、
全体からみたらごく一部(目測(~o~))、な客席にも関わらず、
普段の興行の千秋楽の客席のような、
何か熱い空気感が劇場に漂っている感じで、午前・午後とも
非常にノリの良い場内でした。
そして、たぶん、歌舞伎鑑賞教室始まって以来なのではないかしら?
と思われる、二度のカーテンコール!!いい千秋楽でした
午前の部も、笑三郎さんや春猿さんの解説や実演で沸き
お芝居が始まってからも、沢山の拍手のある熱心な客席でしたが、
午後の部は輪をかけての大盛り上り!!

下座の紹介の時、いつも、ドロドロを聴かせ、
これはある動物が登場する時の音ですが何の動物か分かりますか~?
と客席に質問を投げかけるのですが、今日は一階席の女児がきちんと
起立して!!(私の観た●●回(~o~)の中では初めてです。いつもは声は
上がっても着席のまま・・・)「狐!」と答えていました。
大向こうの練習も、子供たちが凄く元気で、
私たちが聴いてもなんだか嬉しくなってしまうので
解説のお二人は、こういう好反応が返ってくると、
本当に嬉しいだろうな~と何か「嬉しい」の輪廻状態!?

この七月最後の、四の切の幕が開き
見る気満々の小さな観客たちの瞳が舞台に集中しているのが
後ろ姿からも分かります。解説の二人に言いつかったように
きちんと、役者さんの登・退場では手を叩き、
途中ちょっと飽きてぐにゃぐにゃしても
(子供ってホント、じっとしてる、が難しいですねー!!)
狐忠信の早替わりやケレンで、シャキ!!っとしたり、
化かされのアクロバティックな所作に見入ったり、
宙乗りで上がる右近さんに目がテン!!と云った感じの子もいて
(私たちが見ても高いけれど、子供の視点からは本当に
高いところに上がっているように見え、またワイヤーがあっても
その具体的な仕組みまでは、低学年以下の子には
よく分かってないと思うので、吊られていること自体不思議かも~)

私の周囲の子も、階下に見えた子供たちも
びっくり顔&笑顔で2拍子を打っていました。
(午後の部は化かされでも2拍子あり)
そして、噴射される花びらに、やはり多くの小さな手が伸びて・・・
(大きな手もですが!!)

2拍子はそのまま鳴り止まず、カーテンコールを求める拍手へと
変わって行きましたが、打ち出しの太鼓も鳴っていたので
開かないかな・・・とも内心思っていました。
家族連れの方々も、よく席を立たず拍手を続けて下さっているな~
と、一般の興行でないのに、アンコールが起こったことに
不思議な感慨を持ちつつ、私も手拍子を続けていましたが・・・
まさか、鑑賞教室でアンコールが求められるとは想定外だったのでしょう。
かなり、長い間待たされた(?)あと、定式幕を開けず、幕の内側下手から
右近さんが幕前に出てらっしゃいました。
(たぶん、しばし幕内会議?でアンコールに応えるべきかどうか逡巡されていた!?)

ぴょんぴょんと右近さんがジャンプしながら出てきたのを見て
私の前にいた子供たちが、一緒になってぴょんぴょん跳ねだして
「狐さん」に同化しちゃってる様子が可愛くて可愛くて
右近さんに向けて、盛大な拍手と声援が捧げられました。
そして、右近さんが引っ込む時に、チラっと見え気づいたのですが
すでに、舞台上の河連さんち(笑)は、撤収に入っていて解体途中。
これで、幕がまず開けられないし、たぶん、他の出演者は拵えを解いて
いらしたのでは?と・・・

右近さんが引っ込んでも、まだ、拍手は鳴り止みません。
スピーカーからは「本日の公演は終了しました。」のアナウンスも
流れ続けています。それでも、更に続く2拍子。
子供たちも、こうして手を叩いていれば、また「狐さん」が
出てくることを理解して、打ち続けています。
私の手も真っ赤になってきました。背後からは何度も
「右近!!」と子供たちの「大向う」が聞こえてきます。
その、可愛らしい声にも涙腺を刺激され(/_;)。。。。。
そして、再度の右近(狐)さん!登場。
歓声と拍手に包まれた時間が束の間過ぎて行きました。

私は本日鳥屋近くの席で、二度のアンコールのあと
子供たちが、花びらを拾いに鳥屋前の空けてあった座席の
周囲に集まり、もう手のひらに乗らないくらい
花びらを集めているのを目撃。そんな様子も嬉しくて
「楽しかった?」とつい尋ねてしまいましたが、
尋ねるまでもなく、楽しんだであろう事は分かりますが
「うん!!」と笑顔で返された返事が、やっぱり嬉しかった~!!

正直、この七月、一門で長年守ってきた歌舞伎座の出演はないのかーと、
国立劇場への出演が決まった当初は、残念な想いがありましたが、
今回、これはこれでまた意義と意味のある舞台だったのだ、と
思えるようになりました。
猿之助さんが行ってきた演劇活動の根幹を成すものが
ひとつ具現された舞台だったのかもしれないと。

★今回の鑑賞教室の全般的な概要は、また改めてアップしたいと思います。

親子で楽しむ歌舞伎教室『義経千本桜』(四の切)2

2005-07-24 00:16:17 | 歌舞伎
常の興行では「前楽」にあたる本日(23日)
午後の部観劇の最中に地震に遭遇~
かなり大きな揺れが続き、本当に驚きましたが、
舞台は無事進行し終演の運びとなりました。
おもだかファンの皆さんは揺れを感じた瞬間、
あるいは関東圏の地震のニュースに接した際に、
真っ先に国立の舞台に想いを馳せられたことでしょう。
時間的に「宙乗りの時ではなかった!?大丈夫?」と
ご心配のメールもリアルタイムで複数頂きました。

幸いなことに、宙乗りや化かされの立ち廻りの最中ではなかったです。
(その他、欄間抜け等のアクロバティックな演技のあたりでもなく)
最初、グラグラと横揺れがあり、その段階ではみな不審がりながらも、
まだ声を出す方は殆どいなかったのですが、その後、ドーンと音がして
(友人はテロかと思ったそう。お堀も近いし(~_~;))
直下型のような下から突き上げる衝撃が来て、
かなり大きな揺れとなりました。場内騒然!!!

私は二階最前列におり、思わず手すりを握りしめました。
ホントに大きな長く続く揺れだったので、芝居止めるかな?
と、チラッと思ったりもしましたが、
静も義経も動じず、右近さんも演技を続行。
(鼓を義経から授かり歓喜しているあたり)
不測の事態にも冷静に対処されているのは、いつもながら皆さん流石です。
しばらく客席が落ち着きませんでしたが、
芝居が平然と進行していることが安心感を与えたのか
観客の気持ちも、再び舞台へと戻っていきました。

終演後伺った話では、(いよいよ避難となった場合に備え?)
スタッフの方々が、外へ通じるドアを解放していらしたそうです。
でも、こういう建物はかなり強度な耐震設計がなされていると思うので
意外と危険は少ないのかもしれません。
しかし、ロビーの大シャンデリアは怖いですね(>_<)

JR・地下鉄とも不通になり、お子様連れの方々は帰宅経路の検討
大変だったと思いますが、無事ご帰宅されたでしょうか。

本日も当然親子連れの方が多く、
午前・午後とも皆さん楽しまれている様子でしたが、
午後の部の方がより活気があり、
笑三郎さんや春猿さんの「沢山の応援の拍手をお願いします。」
の言葉を、幼稚園や学校の先生の云うことを聞くかのごとく忠実に守り、
小さな手のひらを一生懸命パチパチとと合せるのを見ると
いつもながら、とっても幸せな気分になりますねー。

『義経千本桜』河連法眼館の場(四の切)について

2005-07-19 00:16:18 | 歌舞伎
※この「コ~~ン」にメチャクチャウケてしまいました。キュート
(「そばにいたかったの、親孝行したかったの、コーン!」と泣いてます((/_;))

解説、トークが面白い~ばかり書いているような気がするので
お芝居の事なども少し触れておきたいと思います。

若手の舞台(千本桜)で意識的に観たというか、記憶の残っているのは
93年のPARCO劇場、95年の浅草公会堂、96年のバンコク公演、
02年の巡業、04年歌舞伎座でしょうか。

昨年の舞台では、あまり細かいことに留意していなかったというか
猿之助さん不在の七月の舞台を観劇するという事実に、
ある種打ちのめされていた部分もあって(今にして思うと)
気づく余裕もなかったのかもしれませんが、今回は回数も観ているし、
ヤマトタケル同様、猿之助さんの代表作中の代表作に、ご本人は不在でも、
猿之助さんの創ったものが継承されていくのだな~という
前向きな気持ちで観ているせいか、すんなり舞台が目に入ってきます。
今回の鑑賞教室は、結構カットされ縮小版になっている部分もありますが
いき方・演出は「三代目猿之助型」でも、右近さんの独自色も出ている
(これは昨年歌舞伎座あたりでも)ことなど、実感。
以前は、そう言われていたから(言われすぎていたから?)
刷り込みもあったのかもしれませんが、浅草頃の方が、
「ミニ猿之助」っぽかったような記憶があります。

狐の所作のケレンの部分においては、現在41才の右近さんより、
私が初めて観た頃の46才の猿之助さん、
そして、2000年9月60才の猿之助さんでも
もっと機敏でした。(↑しかも、通しの三役の大切だった)
これは、本日四の切200回の右近さんと、1223回演じた猿之助さんの
経験値の差によるものですから、単純に比較して、猿之助さんの方が優れている
と声高に言い立てるつもりではありませんが、
猿之助さんの舞台を未見の方、そして、過去同じ舞台を観た方と
『澤瀉屋(一門)の義経千本桜の舞台』のあれこれを共有できれば…
という事で、少しづつアップしていきたいと思います。

今回、目に付いたひとつが、広庭から蹴上がって欄干をくるりと回って
下手回廊に上がるところ。
猿之助さんだと、長袴の裾がビシっと音を立てて欄間に当たるほど勢いがあり、
また、袴も綺麗に延びているのですが、
今回、初日から暫くの間の観劇では、右近さんの場合、欄間に当たるどころか
ヘタをすると自分の足に裾が絡んでしまわないかな?という状態で
ここの処の動きが、緩慢に見えてしまっていた。
これは、見た目も美しくないし、危険です。
この「当たっていない」を意識したことによって、逆に
それまで、猿之助さんのやり方を、勢いがあるから袴の裾が、
“たまたま”欄間に当たっていた、と思っていたのですが、そうではなく
ケレンを際立たせるために、あえて当てていたのかな?と…
(10日には、そして今日も午前・午後とも綺麗な裾捌きになっていました。
身体がこなれてきたのでしょうか。)

そして、もう一箇所が欄間抜けです。
猿之助さんですと、サーっとすべってきて回転し、トンと着地したあと
すっと庭に座す、と一連の流れが滑らかですが
右近さんは欄間からすべり出たあと「ぶら下がっている」という刹那が
ありますね~(ーー;)
ここが、もうちょっとスムースに行くと、もっと見映えがするな~と思うところ。
でも、これは、猿之助さんの四の切を観続けてきた私が、どうしても意識して
しまう部分で、なんの先入観もなく「右近さんの四の切」が初見の観客には
どうといって不都合のある部分ではないでしょう。

(―続く―)

親子で楽しむ歌舞伎教室『義経千本桜』(四の切)1

2005-07-18 22:40:38 | 歌舞伎

16日から「親子で楽しむ歌舞伎教室」となりました。
私は、本日18日に午前・午後観劇して参りました。
無料で配布されている通常の筋書(ミニ版)の他に、
子供さん向けに、とっても可愛いイラスト解説もついています。

電光掲示板でも、理解が難しい年齢のお子さんにこのイラストを見せながら、
次はこの人たち(亀井・駿河)が出てくるよ~等
説明されている保護者の方がいらしたり、いえ、子供だけでなく
大人が見ても楽しめるもので、
「オマケ」に歓喜(?)する、リピーターな私(たち)でした。

笑三郎さんの「ネタ」は、やはり週替わり?なのでしょうか。
初日からの週、そして10日に聞いたものとは、また替わっておりました。
(「社会人のための~」は、更に異なるのかな?期待
また、客席に問いかける際も、子供たちに親しみやすいような語彙を選んでおり
「義経知ってる?」との問いに、元気よく「牛若丸ー!!」と客席から応答があったり、
子供が構えず、すんなりと溶け込めるような雰囲気作りをされていましたね。

登場人物が人間だけでなく「狐さん(動物)」も出てくるというのは
なかなか物語の理解が難しい低年齢の子供にも興味を引いたようで、
冒頭の本物の忠信の出で花道にフットライトが点き、
ちゃりんと揚幕が開く音が聞こえた瞬間「狐さんが出てくるの?」と
親御さんに聞いている子もいました。(まだなのよ~(^o^)/)

小さな子も多かったけれど、解説のときもお芝居でも
全然騒ぐ様子もなく、所どころ補足説明している親御さんもいましたが
それも邪魔になるようなお喋りでは全くなく、常の歌舞伎座なんかより
客席のお行儀が非常に良かったです!!
大人の多い通常の興行では、頻繁に聞こえる、プラスチックバックを
ガサガサさせる音や、静かな場面に限ってなぜか落ちる
イヤホンガイド(ーー;)のカターンという音もなく、
余分な私語をする人もおらず、みな舞台に凄く集中している。
(途中ちょっと飽きてる子はいても、大人しくはしているし・・・)
本当に、良い雰囲気の劇空間が広がっていました。

本日、昼の部で、右近さんの四の切200回
「200回おめでとう!!」の大向うもかかっていました。
沢山の小さな手が、舞う花びらを求めて
空中に向かって伸ばされている様子が微笑ましく
右近さんも毎日こんな景色の中で、飛んでいるのは幸せでしょうね~。
そして、こんな可愛らしい視線と手のひらに包まれて
迎えられた記念日で、良かったですねー!!おめでとうございます。

『歌舞伎鑑賞教室』“未”観劇報告

2005-07-16 21:40:46 | 歌舞伎
本日、5日ぶりに(笑)鑑賞教室を観ようと、
午後の部を当日券での入場を目論み出かけましたが、
(今日から親子で楽しむ歌舞伎教室が始まるので、
また客席の雰囲気も異なるかと思い観たかった。)
完売で観劇叶わず・・・
まあ、すでに何度か観ているし、今後のチケットもあるし(笑)
今日初めての人の手に渡ったのならそれで好し、という事にして
終演後、観劇中の友人と合流するために、近くのカフェで待機。

前回までの
「半蔵門駅改札で待ち合わせする制服姿の学生さんたち」と替わって
お出かけモードで元気全開の小学生&保護者の姿が
やはり駅の改札から連なっていて、その楽しげで
「ハレの日」な様子を眺めているだけで、こちらも、気分。

駅から劇場までの道すがら、熱心な親御さんが
「狐さんが、あっちからとか、こっちからとかいろんな処から出てくるのよ~」
とすでに【解説】されている姿も認められました。
祖父母と来場しているコもいたし、親子三代!!という感じのファミリーも。
屈託のない楽しげな様子を目撃しただけで、観れずとも結構満足。

トークは、小学生向けにちょっと語りかけの言葉を変えていたところも
あったとの事ですが、もちろん基本コンセプトは同じ。
お芝居も視覚的に興味を引く、毛縫いへの早替り等ケレンには
歓声が上がっていたそう。そして、解説で練習(?)する「拍手」
たくさんあったようです。
宙乗り&花びらを上気した顔で眺める子供たちの姿を思い浮かべると
「次回」の観劇が、かなり楽しみです。(18日なのですが^^;)

nontanさんの『歌舞伎鑑賞教室』観劇報告

2005-07-15 23:52:41 | 歌舞伎
昨日(14日)二時半の部、国立やっと観ました。
三階以外は全員高校生!客電落ちたらキャー!
っておいおいライウ゛会場やんかい!!といつもにはない反応が微笑ましい。
三階はご年配の方が大半で、大向こうさんもプロの方が来てました。

私、三階10列××番(管理者注:個人情報保護・笑)だったけど、
私の後ろは三人以外空いてました。
完売ちゃうんかいなぁ~と思ったけどね。(なので補助席は出なかった模様)

三階の一般席の男性が、こりゃすずめだなあ~と
開演前の女子高生のおしゃべりに対し思わず呟いていたけど
始まったら、いきなり「キャー」だし、笑三郎さんが●●した時の
(管理者注:楽まで当ブログでは伏字対応です(^◇^)
ライトと音楽でまたワーッ!っと大騒ぎ。

大向こうは女子←懐かしい響きだわ、が頑張って何回かかけていたし、
笑三郎さんが「役者が出てきたら拍手、引っ込む時も拍手、
すごい!とかよかった!と思ったら拍手して下さると、役者も一層頑張りますから」
と解説したから、まじめですよ高校生は。
三階さんが出てきても誰が引っ込んでも拍手拍手で
みんな、いつもと違う刺激をもらったんじゃないかなと思った。

私は、歌舞伎鑑賞教室自体初めてだけど、他も観てる人は、
「こんなに楽しくて、よく考えて話をし、舞台やるのは初めて!ぐらい頑張って
いい鑑賞教室にしてるよー。」と話してくれたので、
造形大とかで経験してることなどが、こういう時活きてくるんだな~と思いました。

こういう貴重な経験をする鑑賞教室に巡り合った子たちは
本当に、幸せ者だなあと思いましたよ。
宙乗り引っ込みで、桜の花びらが吹き出た瞬間歓声があがり、
終わってからもひらひらと舞い降りる花びらに、
思いっきり手を伸ばして取ろうとする子が何人もいて、
ホントかわいくて保護者気分でした。

いやぁ身内気分でよかった!と舞台もお話も観客の素直な反応にも
本当に心から嬉しい!!と思ったのよね。
九州ゼミもきっと活かされているし
みんなの力の結晶って感じで、ただただ嬉しかった。

七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)観劇伝聞(笑)報告

2005-07-15 00:41:07 | 歌舞伎
11日に観劇だった友人からは、客席は小学生から専門学校生まで
多岐に渡る「生徒」さんだったとの報告があり
熱心に観ている子もいれば、ちょっと「沈没」気味(笑)なコも・・・
との事でした。いいんです!私たちも、歌舞伎座で演目によっては
つい、頭がユラユラしてしまうことも^^;ありますから。
下座のリズムが心地よかったり、台詞がゆったりだったりとか
いい感じに照明が落ちたりする場面とか、誘因は結構ありますネ。

四の切は、舞台面が華やかで明るい照明だし
仕掛けも多く、飽きない構成にはなっていますが、
前半の『歌舞伎のみかた』のトークのテンポに比べれば、
やはり、ぐっと「古典」の世界に入っていくし、
黒御簾から流れる邦楽器の音色も、朝からの遠足気分♪(課外授業ですが)
で高揚している気持ちを落ち着かせる働きかけをしているかもしれません。
(亀井さんに起こしてもらって下さい・笑)

14日午前は女子高生の貸切だったようです。
(当日売りの一般席が若干あったようですが)
「女形セミナー」の反応が、とても良かったようで、
綺麗・可愛い・細い(!)←観劇済の方は何にかかる形容詞か了解事項ですよね
の大歓声が上がっていたようです。
あ~客席の様子が目に浮かぶよう・・・

芝居の幕開けにも、色彩豊かで豪華な道具立てに、まず
驚嘆の声が上がったようで、これは、私が観た日の中でも、
もともとの澤瀉ファンや、歌舞伎好きらしき観客が多い日より、
ふだんはあまり馴染みがないけれど
鑑賞教室なので来場してみた、という方や
初めて歌舞伎を観るというような学生さんが多い日の方が、
定式幕が開けた瞬間のどよめきは大きかった~

私も初めて千本桜の舞台を生で観たときに
それまで接したことのない色彩の氾濫、あまりにも高い照度に驚きました。
下座やツケ打ちなども、欧米のものに接する事以上に
当時の私にとっては「異文化」との遭遇!!って感じで
とにかく、視覚と聴覚の刺激が強烈だった記憶が。
筋立てそのものや、人物の造形などを理解したり
想い入れ出来るようになったのは、
歌舞伎を観始めてかなり経ってからです。

七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)バックステージツアー

2005-07-10 22:32:05 | 歌舞伎
本日(も!?・笑)午前・午後の部とも観劇して参りました。
笑三郎さんの持ちネタ(笑)に変更がありました。
午前の部では、鳴物さんも笑っていたので、初日より一週間経ち、
リピーターの来場を見込んでの(?)新ネタ披露なのでしょうか。

笑三郎さんと春猿さんの解説は、目に付く客層に合せて
その日によって話す内容を変えていますね。
いや、伝えようとするベースは変わらないのですが、
「伝え方(用いる語彙)」を微妙にアレンジしている時があります。
実際の歌舞伎の色々な所作のデモンストレーションがなければ
歌舞伎役者というより、落語家さんの話を聴いているかのような、
間の良さとアドリブを展開。
客席をぐっと歌舞伎ワールドに引き込んでいきます。

午後の部の観劇はバックステージ見学付き観劇会でしたので、
その様子を簡単に、ご紹介します。

バックステージツアーは、本日は3グループ入っており
それぞれ主催が異なるようでした。

私たちは、終演後ロビーに集合した後、一階座席後方から入り、
まず、客席最後列から、大道具の捌けた空になった舞台を眺めました。
国立大劇場の舞台は背後も、円形にカーブしており
間口も奥行もかなりある事が、確認できました。
【参考】国立劇場施設概要

そして、花道脇で靴を脱ぎ、用意して頂いたスリッパに履き替え
花道から本舞台へ。すでに、他のグループも舞台に上がっており
参加者全員が揃ったところで、松羽目の吊り背景を下ろしてもらったり
(これは、千本桜では使用していませんが)
バトンの数や(かなり多かった30数本あったような・・・)
大小17機あるセリの説明、舞台の間口が客席より広いこと(たぶん奥行きも)
廻り舞台の大きさなどの説明を受けた後、
実際盆廻しをしてもらいました。すごいスピード!!
演舞場より直径が長い分、円周ギリギリに立っていたので、
体感速度かなり速かったです。
停止した瞬間、ちょっと酔ってしまいました(~_~;)

義太夫さんの床を見学したり、黒御簾の中を見せてもらったり(客席丸見え!!)
袖に置いてある、河連法眼さんち(笑)を見たり(触ったり!?)
狐忠信のアクロバティックな所作を支える仕掛けの説明を受けながら
切穴や縁の下(?)を覗いたり。
いっその事、狐忠信走行路を私たちも、くぐりたかった~!!
(欄間抜けは無理…)
あれも、これも興味深くて、舞台上をキョロキョロ、ウロウロ。
とにかく、舞台も袖も広くて高さもあり、
数階建てのビルのフロアをぶちぬいた空間の中に立っている感じ。
天井に吊って収納している道具もありました。
(道成寺等で使う吊鐘とか)

そして、お約束の(なのか?)「奈落」へ。
奈落を動かす構造体(?)の脇にもかなりスペースがあり
船(大型船!)などを含め、この地下にも、多くの道具が収納されています。
花道のスッポンエレベーターも、演舞上よりかなり大きく、
この下層階の設備も建築現場のように複雑で、舞台上はもとより「裏方」でも
細心の注意と、緻密な構造・作業によってお芝居を支えているのだな~
という事をあらためて感じました。

花道の下の部分にあたる通路を通り抜け、鳥屋(←宙乗りのではなく
一階花道揚幕奥の)へ向かい、花道出の前の役者さんの気分を味わって
(化粧前が用意されています。演舞場だともっと狭いので、簡単な
ものですが、こちらの劇場では、王妃様のドレッサー並の←ってどんな?・笑
大きな鏡が用意されていました。)
揚幕をくぐり抜け、花道に出たところで、バックステージ見学は終了となりました。

七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)観劇報告2@七夕観劇

2005-07-07 22:46:59 | 歌舞伎
なんだか、初日以来出勤日数より観劇日数の方が多くない?という感じですが、
本日、七夕にちなんでのサボリではありません~(自己弁護)
9日土曜出勤の代休です。(午前だけの予定が、結局夜のアポまで時間が
あったので、午後も追加・・・(~_~;)
本来は久しぶりに歌舞伎座の予定でしたが、
初日の国立を観て、「これは平日の学生団体の日も観たいっ!!」
と歌舞伎座捨てました(国立終わってからもやってるし・・・)

ということで、今日は半蔵門の駅の改札から、待ち合わせの学生さんたちの姿を
横目で眺めながら、大劇場に向かったのでした。

3階から見下ろすと、1階かぶりつきから、ずらーっとほぼすべて学生女子。
2階は男子が多かったかな?2階、3階になると一般客も混在。
でも、全体的には「学生の日」って感じで、どんな反応かと興味津々でした。
同行の友人が、「ミュージカルの方が良かったのに~」
と言っている生徒の声を聞いたようですが、
ふふ~ん、観終わる頃には「歌舞伎で良かったー!!」って思うよ~と、
内心自信満々?の私でした。

私の通っていた高校も『芸術鑑賞会』は、バレエと歌舞伎が一年交互で、
十代の頃は欧米かぶれでしたから、「バレエの方が良かったのにー!!」と
やっぱり思ったりもしましたが、
もし、猿之助さんの四の切と十代で出会っていたら!!!

昼の部は女子学生の反応がとても良くて、
笑三郎さんの問いかけに大声で答えが返ったり、春猿さんにツッコミ!?入ったり。
いい、キャッチボールが展開されていました。
座席に、脱力系?で座っていたコでも、女形講座が始まると、
シャキっと座りなおして、春猿さんの所作に見入ったり。
生徒たちが乗り出すようにして、舞台に集中している姿はホント嬉しい!!

トークも日々進化しているようで、
初日頃は、少し時間オーバーしていましたが
すっきり洗い上げられてきているのは、常の舞台が日々進化しているのと同様。

午後の部は、「○○着物学院」との案内も出ており、着物姿の方と、
私服だけど、学生さんっぽい若い人が多かったです。
昼夜とも、外国人の方(留学生グループや観光客、日本人がアテンドしている
っぽい日本駐在って雰囲気の方など)もチラホラ見かけました。
大向うの練習など、昼より、ややおしとやかでしたが(笑)
午前・午後の部とも、宙乗りでは今日も2拍子となりました。

初日・翌日は化かされが、モタモタするところがありましたが、
今日は2回とも上々。右近さん、笑也さんとも安定しています。
次回は、10日バックステージ付き観劇会です。

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