ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

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江戸宵闇妖鉤爪

2008-11-12 00:57:57 | 歌舞伎
2008年11月10日(月) 11:30開演 国立劇場大劇場 一階二等席

平成20年度(第63回)文化庁芸術祭主催

江戸川乱歩=作「人間豹」より
岩豪友樹子=脚色
九代琴松=演出

えどのやみあやしのかぎづめ
江戸宵闇妖鉤爪
― 明智小五郎と人間豹 ―
   
沢田祐二=照明
国立劇場美術係=美術

市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候

【出演】
松 本 幸四郎
市 川 高麗蔵
市 川 春 猿
澤 村 鐵之助
松 本 錦 吾
市 川 染五郎 ほか

国立劇場のサイト

急遽、当日券で国立へ。
大劇場の尺と奥行きをいっぱいに使った舞台転換、良かったです。
スムースでもたもたしない。
あと、音の使い方も。新内節や義太夫、下座の音。
(染五郎さんが役柄として実際鼓を打つ場面あり。)
わりと歌舞伎になってる舞台。

時代を移してというのも歌舞伎の常套ですから、
明智小五郎が江戸時代の同心もアリとは思うのですが
さすがに、幸四郎さんの明智小五郎の名乗りでは笑いが。
でも、無理があるよね~ということではなく、
はい、あの明智さんね、ということで、これからこの物語を楽しみましょう!
という、観客のある種の承認の笑いだったかな、と(勝手に)解釈。
まあ、謎解きというには展開が読めやすい物語(私は原作未読)
一幕は結構、とんとんとテンポよく、さっくり楽しめていたのですが
終盤に入ると、妙に説明的な展開に…。ちょっともたれてきてしまった。
宙乗りも、好きな役者さんが吊られてないと(ええ、私の場合、当然猿之助さん)
高揚感もなく。(きっと染五郎さんファン的には大興奮でしょう!
二階、『お出迎え席』で待ってたりするのかな?・笑)
大凧も菊宴の方がケレン味満載でインパクトあるな~。
鳥屋入る間際の花びら噴射も既視感ありまくり(笑)
と、個人的にクライマックスが盛り上がれませんでした。

つづく


コメント (2)

紫派藤間流舞踊会報告 

2008-11-03 20:13:24 | 歌舞伎
2008年10月28日(火) 歌舞伎座 夜の部 一階S席

お天気もよく絶好の舞踊会日和。
常に舞台に立つ役者さんと異なり、
舞踊家さん、そしてその元でお稽古を積んでいる方々にとっては
まさしく晴れの舞台。客席も出演者身内の方がお配り物を抱えていたり
役者さんのファンも、お芝居の観劇とはまた違った面持ちで
その舞台を見守っています。
特に、笑也ファンとしましては父子共演が一昨年に引き続き
楽しみでもあり、緊張の時間でもあり…
(ハイ、皆勝手に親戚の伯母さんと化してます←勝手すぎる!)
でも、今年は、笑也さん「お父さん」してなくて良かった!!
感想詳細は、後述。

舞踊会観初めの頃は、最初から最後までもれなく観ていましたが
ここのところ、私も気になる番組のみ。
今回も、ほぼ役者さん出演のものだけ拝見。
昔は、芝居見物と違って、客席の人の出入りが烈しいことに驚いてましたが
基本、出演者の友人・知人・家族が多いので、その方の舞台が終わると
楽屋へご挨拶へ行かれて席をはずしたり、
また、一日が長いので、その方の踊りだけを観て帰る、
という方もいらしたりで、割とわさわさしている雰囲気です。
でも、それがまたハレの日っぽい気分を盛り上げます。

一、君が代松竹梅

お稽古している名取さん方の群舞。カルチャースクールから始めて、
名取となった知人が優美に舞っている姿を目撃すると感慨深いものが。
何かひとつ突き詰めて頑張っていけば、こうして、歌舞伎座の舞台で
踊れるようになるのだな、と。

二、手習子

こちらも、素人さん(という言い方は失礼ですが)と思われますが
一人で歌舞伎座の舞台をいっぱいに使っての踊り。
熟年の方でしたが、可愛らしさも充分出ていて
終盤、花道で傘が鬘に引っかかるというハプニングがありましたが、
慌てる様子もなく、落ち着いて対処していましたね。
逆に後見さんの方がビックリしていた様子でしたが。
大向うもかかり、堂々と花道を引っ込む姿が微笑ましかったです。

三、奴道成寺

白拍子花子
実は狂言師右近
市川猿紫(藤間紫十郎)
所化
津村裕太、小澤茉子、塩井淑大、権堂洋祐
市川笑子、市川喜昇、市川裕喜、市川喜太郎 藤間嵩哉
花四天
市川猿四郎(藤間四郎)、市川笑三、市川喜猿、市川喜之助
市川猿若、市川猿琉、市川猿治郎、中村蝶八郎

猿紫さん大舞台ですね!!
歌舞伎座の本興行でかかるしつらえで堂々の舞台です。
塗ると更に品のあるお顔立ちとなり綺麗でした。
丁寧な所作で、三面の掛け替えも大過なく。
しかし、鈴太鼓あたりから、急速にテンポアップ!
ちょっとお三味線とずれてきた感じもなきにしもあらずでしたが、
鐘入りに向けて盛り上がりを見せてはいました。

四、幻お七

お七 藤間爽子

お兄ちゃんがジャニーズ入りしたので、
次代のお家元は爽子ちゃんになるのでしょうか?
紫さんが新年会で、お稽古を熱心にしている様子を話されてました。
まだ、ちょっと子供っぽい感じですけど、
踊ることへの自覚が見えるような、しっかりとしたところも覗えました。

五、秋の色種

市川 笑也
泉山愼乃介

※プログラムは「慎」となっていましたが「愼」が正当。
私の記憶の範囲では、この踊り(曲も)未見だったので、
秋の草花を読み込んだ上品な曲との解説から、
長唄自体も楽しみにしていたのですが、
途中までまったく曲が耳に入ってきませんでした。
もう、緞帳が上がった瞬間の、笑也さんの立ち姿、笠で顔を隠してはいたけれど
そのたたずまいに釘付け。そして、笠を取ったときの信じ難い美貌。
久々に(久々かよ~・笑)魂射抜かれました。
客席も静まり返りました。結構、舞踊会ってお喋りも多かったりするのですが
(それぞれの出演者の感想を言い合ったり)この踊りの間中静寂。
すくなくとも私の周囲では…
笑也さんって、やっぱり、技巧的なことをせず、す~っとその中にいる
(芝居なら物語の中に、舞踊なら曲想の中に)ただ、そこに存在している
というところで、その持ち味を発揮しますね。
御簾からの虫の音の見立ての鈴の音で我に返るまで(大袈裟でなく!)
個人的には静謐の中に居ました。

舞台に立てば、ひとりの役者と踊り手。
愼ちゃんごめんなさい。今回、あまり君の方を観てなかった。
貴方のお父様から目が離すことが出来なかった。
いつか、逆転する日もくるのかな?あるいは、堂々と立ち並ぶ日が。


笑也さんも前回ほど、お父さんモードにはなっておらず、
お互いの居どころの確認を目でしてはいたけど、
それは、たぶん、他の人と踊ってもする程度のことかと思われます。

七、連獅子

狂言師左近
後に仔獅子
藤間貴彦

法華僧連念市川猿三郎
浄土僧遍念市川猿四郎(藤間四郎)

狂言師右近
後に親獅子
市川猿弥(藤間紫陽)

こちらも、新年会で猿弥さんに親獅子を頼みました、
というお話を伺って以来非常に楽しみにしておりました!!
猿之助さんが、お弟子さんの中で一番踊りが上手いと評していた
猿弥さんの親獅子!
期待に違わず見ごたえがあって良かったです。
猿之助さん同様、猿弥さんの踊りって、ホント、ブレがない。
唯一、あらら?と思ったのは、髪洗いの処で獅子毛が前に下りてこない!!
3回くらい頭振ってやっと前へ垂れました。
毛振りは、仔獅子の消耗度を見計らったようで、すぐ止めてましたね。
(これは、猿之助&亀治郎のいつまでやっとるんじゃ~!←笑、な
連獅子を、ふっと懐かしく想い出しました。)

貴彦くんについては、この演目を選ぶこと自体がチャレンジ精神の発露ですね。
前シテからかなり息が上がってしまって、大丈夫かな~?と心配でしたが、
なんとか気力で踊りきった。(これについては、横浜座のときの弘太郎くんを
想い出しましたよ~。この時は右近さんの気遣いが素晴らしかった。
素の右近さんとして、そして親獅子としてリンクしながら見て感動~)

間狂言は猿三郎さん、猿四郎さんですから、安心して(笑)楽しめました。

九、珠取海士

海   士藤間美紗
房前大臣市川笑也

はい、すみません。贔屓目全開です。
でも、今回、市川笑也頑張った!!(←その言い方は微妙に失礼かも。。。)

こちらも、花道からの出で、客席が、笑也さんに集中。
この出端の華は、3階さんの頃から持ち合わせているもので、
これについては、猿之助さんも昔から褒めてましたね~。
何か、梨園の御曹司に負けないものがあると。
綺麗だった~。美紗さんとの映りもよく、物語が明確に伝わってきました。
葵さんの力も大きいですが。

しかし、舞踊会は押すのが常。帰宅困難者続出。この日も夜の開演時間から遅れ
(でも、途中幕間を高速にし、終盤10分遅れまで取り戻した!)
笑也さんの二本目を観ると新幹線なくなる!と泣く泣く歌舞伎座を後にした方、
新幹線諦め、急遽夜行バスでの帰宅に変更した方、
もとより覚悟で、宿泊遠征の方等々、私も見送りその他でバタバタし始め
肝心のお家元の申酉は出たり入ったりで、しっかりとは拝見出来なかったのですが
「待っていたとはありがたいねぇ~」だけは、ちゃんと拝聴!!

猿之助さんもご来場で、お元気そうでした。

いい夜でした。
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