ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
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七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)千秋楽報告

2005-07-24 23:29:54 | 歌舞伎
本日24日も引き続き「親子で楽しむ歌舞伎教室」であり、
一般の歌舞伎ファンや、熱心なおもだかファンは、
全体からみたらごく一部(目測(~o~))、な客席にも関わらず、
普段の興行の千秋楽の客席のような、
何か熱い空気感が劇場に漂っている感じで、午前・午後とも
非常にノリの良い場内でした。
そして、たぶん、歌舞伎鑑賞教室始まって以来なのではないかしら?
と思われる、二度のカーテンコール!!いい千秋楽でした
午前の部も、笑三郎さんや春猿さんの解説や実演で沸き
お芝居が始まってからも、沢山の拍手のある熱心な客席でしたが、
午後の部は輪をかけての大盛り上り!!

下座の紹介の時、いつも、ドロドロを聴かせ、
これはある動物が登場する時の音ですが何の動物か分かりますか~?
と客席に質問を投げかけるのですが、今日は一階席の女児がきちんと
起立して!!(私の観た●●回(~o~)の中では初めてです。いつもは声は
上がっても着席のまま・・・)「狐!」と答えていました。
大向こうの練習も、子供たちが凄く元気で、
私たちが聴いてもなんだか嬉しくなってしまうので
解説のお二人は、こういう好反応が返ってくると、
本当に嬉しいだろうな~と何か「嬉しい」の輪廻状態!?

この七月最後の、四の切の幕が開き
見る気満々の小さな観客たちの瞳が舞台に集中しているのが
後ろ姿からも分かります。解説の二人に言いつかったように
きちんと、役者さんの登・退場では手を叩き、
途中ちょっと飽きてぐにゃぐにゃしても
(子供ってホント、じっとしてる、が難しいですねー!!)
狐忠信の早替わりやケレンで、シャキ!!っとしたり、
化かされのアクロバティックな所作に見入ったり、
宙乗りで上がる右近さんに目がテン!!と云った感じの子もいて
(私たちが見ても高いけれど、子供の視点からは本当に
高いところに上がっているように見え、またワイヤーがあっても
その具体的な仕組みまでは、低学年以下の子には
よく分かってないと思うので、吊られていること自体不思議かも~)

私の周囲の子も、階下に見えた子供たちも
びっくり顔&笑顔で2拍子を打っていました。
(午後の部は化かされでも2拍子あり)
そして、噴射される花びらに、やはり多くの小さな手が伸びて・・・
(大きな手もですが!!)

2拍子はそのまま鳴り止まず、カーテンコールを求める拍手へと
変わって行きましたが、打ち出しの太鼓も鳴っていたので
開かないかな・・・とも内心思っていました。
家族連れの方々も、よく席を立たず拍手を続けて下さっているな~
と、一般の興行でないのに、アンコールが起こったことに
不思議な感慨を持ちつつ、私も手拍子を続けていましたが・・・
まさか、鑑賞教室でアンコールが求められるとは想定外だったのでしょう。
かなり、長い間待たされた(?)あと、定式幕を開けず、幕の内側下手から
右近さんが幕前に出てらっしゃいました。
(たぶん、しばし幕内会議?でアンコールに応えるべきかどうか逡巡されていた!?)

ぴょんぴょんと右近さんがジャンプしながら出てきたのを見て
私の前にいた子供たちが、一緒になってぴょんぴょん跳ねだして
「狐さん」に同化しちゃってる様子が可愛くて可愛くて
右近さんに向けて、盛大な拍手と声援が捧げられました。
そして、右近さんが引っ込む時に、チラっと見え気づいたのですが
すでに、舞台上の河連さんち(笑)は、撤収に入っていて解体途中。
これで、幕がまず開けられないし、たぶん、他の出演者は拵えを解いて
いらしたのでは?と・・・

右近さんが引っ込んでも、まだ、拍手は鳴り止みません。
スピーカーからは「本日の公演は終了しました。」のアナウンスも
流れ続けています。それでも、更に続く2拍子。
子供たちも、こうして手を叩いていれば、また「狐さん」が
出てくることを理解して、打ち続けています。
私の手も真っ赤になってきました。背後からは何度も
「右近!!」と子供たちの「大向う」が聞こえてきます。
その、可愛らしい声にも涙腺を刺激され(/_;)。。。。。
そして、再度の右近(狐)さん!登場。
歓声と拍手に包まれた時間が束の間過ぎて行きました。

私は本日鳥屋近くの席で、二度のアンコールのあと
子供たちが、花びらを拾いに鳥屋前の空けてあった座席の
周囲に集まり、もう手のひらに乗らないくらい
花びらを集めているのを目撃。そんな様子も嬉しくて
「楽しかった?」とつい尋ねてしまいましたが、
尋ねるまでもなく、楽しんだであろう事は分かりますが
「うん!!」と笑顔で返された返事が、やっぱり嬉しかった~!!

正直、この七月、一門で長年守ってきた歌舞伎座の出演はないのかーと、
国立劇場への出演が決まった当初は、残念な想いがありましたが、
今回、これはこれでまた意義と意味のある舞台だったのだ、と
思えるようになりました。
猿之助さんが行ってきた演劇活動の根幹を成すものが
ひとつ具現された舞台だったのかもしれないと。

★今回の鑑賞教室の全般的な概要は、また改めてアップしたいと思います。

親子で楽しむ歌舞伎教室『義経千本桜』(四の切)2

2005-07-24 00:16:17 | 歌舞伎
常の興行では「前楽」にあたる本日(23日)
午後の部観劇の最中に地震に遭遇~
かなり大きな揺れが続き、本当に驚きましたが、
舞台は無事進行し終演の運びとなりました。
おもだかファンの皆さんは揺れを感じた瞬間、
あるいは関東圏の地震のニュースに接した際に、
真っ先に国立の舞台に想いを馳せられたことでしょう。
時間的に「宙乗りの時ではなかった!?大丈夫?」と
ご心配のメールもリアルタイムで複数頂きました。

幸いなことに、宙乗りや化かされの立ち廻りの最中ではなかったです。
(その他、欄間抜け等のアクロバティックな演技のあたりでもなく)
最初、グラグラと横揺れがあり、その段階ではみな不審がりながらも、
まだ声を出す方は殆どいなかったのですが、その後、ドーンと音がして
(友人はテロかと思ったそう。お堀も近いし(~_~;))
直下型のような下から突き上げる衝撃が来て、
かなり大きな揺れとなりました。場内騒然!!!

私は二階最前列におり、思わず手すりを握りしめました。
ホントに大きな長く続く揺れだったので、芝居止めるかな?
と、チラッと思ったりもしましたが、
静も義経も動じず、右近さんも演技を続行。
(鼓を義経から授かり歓喜しているあたり)
不測の事態にも冷静に対処されているのは、いつもながら皆さん流石です。
しばらく客席が落ち着きませんでしたが、
芝居が平然と進行していることが安心感を与えたのか
観客の気持ちも、再び舞台へと戻っていきました。

終演後伺った話では、(いよいよ避難となった場合に備え?)
スタッフの方々が、外へ通じるドアを解放していらしたそうです。
でも、こういう建物はかなり強度な耐震設計がなされていると思うので
意外と危険は少ないのかもしれません。
しかし、ロビーの大シャンデリアは怖いですね(>_<)

JR・地下鉄とも不通になり、お子様連れの方々は帰宅経路の検討
大変だったと思いますが、無事ご帰宅されたでしょうか。

本日も当然親子連れの方が多く、
午前・午後とも皆さん楽しまれている様子でしたが、
午後の部の方がより活気があり、
笑三郎さんや春猿さんの「沢山の応援の拍手をお願いします。」
の言葉を、幼稚園や学校の先生の云うことを聞くかのごとく忠実に守り、
小さな手のひらを一生懸命パチパチとと合せるのを見ると
いつもながら、とっても幸せな気分になりますねー。

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