ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

歌舞劇「田園に死す」

2006-07-29 14:31:55 | その他の演劇
e+公演案内

りゅーとぴあ能楽堂シェークスピアシリーズの
斬新な演出が素晴らしい栗田さんの舞台のご案内。

歌舞劇『田園に死す』
【公演日】2006年10月4日(水)~8日(日)
    ※10/4(水)5(木)6(金)19:00、7(土)13:00/17:00、8(日)13:00
【会 場】新国立劇場中劇場
【席 種】S席7,000、 A席5,000
【脚 本】寺山修司
【構成・演出】栗田芳宏
【音 楽】宮川彬良
【出 演】安寿ミラ/中村蒼/*pnish*/他

プロデューサー笹部博司のシアターカフェ

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ミュージカル「白蛇伝ーWhite Loversー」

2006-07-27 00:01:25 | その他の演劇
「右近さん、ミュージカル!?」と
澤瀉ファンの友人らからメールが来ていたのですが、
きちんと、情報を検索していなくて、本日、東映のサイトで確認!

ミュージカル「白蛇伝ーWhite Loversー」

【主催】東映アニメーション株式会社、株式会社テレビ朝日
【劇場】ル・テアトル銀座
【日程】2006年11月8日(水)~11月26日(日)
【料金】9500円
【問い合わせ先】「白蛇伝-White Lovers-」上演委員会
 TEL:03-3366-9070(月~金 10:00~18:00)
【出演】
<白蛇族>
阿倍なつみ◇白娘(バイニャン)…街娘、白素貞(ハクソティ)…白蛇族の白蛇の精
彩輝  なお◇鑼美亜(ラミア)…白蛇の女王青魚
福田  花音◇青魚(シャオチン)…パイニャンに仕える青魚の精
横井  美帆◇瑪瑙(メノウ)…白蛇の女王の側近

<人間族>
市川  右近◇雄佐(ユサ)…《OZA》の長で許仙の父
市川喜之助◇許仙(シュウセン)…白娘を愛する《OZA》の青年
仁科  有理◇胡媚(フーメイ)…妖魔〈九尾の狐〉、那妓(ナギ)…雄佐の妻
桝川  譲治◇法界(ホッカイ)…森の奥に住む修行者 
相沢  真紀◇桔梗(キキョウ)…許仙の許嫁
幸村  吉也◇憂波(ウバ)…《OZA》の住人で白蛇族とのハーフ  
市川猿四郎◇首里(シュリ)…許仙の従兄弟                                               他 

脚本:斉樹潤哉  演出:元生茂樹  音楽:広瀬香美  振付:奥山桃子 

東映アニメーションのサイト

日経プレスリリース

喜之助くんの従兄弟なら、猿若くんあたりが出てもいいかな~
なんて思ったりもして。でも、ここのところ暫く舞台お休みだった
猿四郎さん、復帰のようですね。安心しました。
さて、どんな舞台になるのでしょう。
え?(元)モー娘。と共演!?(ーー;)?
と、ちょっと頭痛くなっている(歌舞伎ファンの)アナタ!
蓋を開けてみないと分かりませんよ~。
私も、“本格派”ミュージカル俳優の(岡)幸二郎さんが
ジャニと?(ーー;)?と、ちょっと先入観持ったまま観た
アニメ原作の「NARUTO」←ターゲットは小学生(?)で
涙しました(/_;)から!!
ええ、屋良くん演じるところのNARUTOの健気っぷりに。

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りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ          第四弾「オセロー」プチ情報!

2006-07-23 13:11:39 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
          
          りゅーとぴあのクローク前の壁に貼ってあったポスター

22日に、OUR HOUSE大千秋楽観劇のため、りゅーとぴあに遠征。

笑也さんも観た、とブログで書いていたし、
中川晃教くんファンの友人らも、彼の生の舞台、一度観ておいたほうが良い!
と薦めるので、興味津々というよりは、緩い気分で
7月1日のオペラシティでの観劇を決めたのですが、
思いがけず、ハートフルで心に染み入る芝居だったのと
こういう舞台は楽が盛り上がって更に楽しいんだよな~と、
なし崩し的に楽公演観劇決定。

りゅーとぴあは、大劇場、能楽堂をはじめ、一大複合施設で
スタジオBには「オセロー」の表示が。
すでに(当然ながら)お稽古に入っているのですね。
映画の撮影のある笑也さんは遅れての合流になりそうですね。

また、膨大と思われる科白との格闘が予測されるので、
ちょっと保護者?気分となって、大丈夫かな~(ーー;)?
みんながこうして先に仕上がっていく中に入っていくのは
どんな感じなのかしら…と、何か可哀相な感じもしてしまった。
まあ、余計なお世話なんですけどね。プロに対して。

プロと言えば、新潟からの帰り同じ車両に、若手の俳優さんがいらして、
私は、途中で眠りに落ちてしまったので知らなかったのですが、
同行の友人が、
「○○さん、眠りもしないで、ずっと(次に彼が出る作品の)台本読んでいた」
と教えてくれて(別に見張っていたワケではありません(~o~))
あの、ハードな舞台の後に(しかも、大盛り上がりの大楽の舞台なので
いつもの倍以上のエネルギーを使ったと思うのだけど)
束の間の時間も惜しまず、台本読んでいるなんて凄いな~と感心。

そういえば、猿之助さんも、巡業移動中や
地方公演からの帰京時なども、常に、なにかしら台本手に持たれてました。

猿之助さんと言えば、先日、NHKホールでの映画音楽の公録で
タイタニックの「マイ・ハート・ウィル・ゴーオン」を聴いた時に
ふっと俳優祭の事を想い出して、しんみりしてしまいました(/_;)
猿之助さんが演出&出演だった―団十郎さんとご一緒に狂言回し的な役で―
俳優祭版タイタニック。
そして、一門で、オークション店を出した、澤瀉ファン的には
めちゃくちゃ楽しかった、あの俳優祭。
猿之助さんが張り切って、他の役者さんが出品の品を紹介されてた姿が、
とっても懐かしいです。

この時、猿之助さんが使用した台本を競り落としたのだけど、
綺麗な書き込み(たぶんお付の方の)と、汚い…もとい、
非常に読み難い(爆)字の書き込みがあり←猿之助さん直筆
ガンガンに削り取られていく科白や場面(時間の都合で)を
訂正線で消した後や、あるいは手書きで追加・変更されてる科白など
臨場感溢れる(!)台本で、お宝です。

なんか、話が横道に逸れまくりましたが、りゅーとぴあプチ報告でした。

【7月29日追記】
衣装デザイナーの時広真吾さんのサイトに、
国際シェイクスピアフェスティバルの記事がアップされています。
今回、上演は「冬物語」
是非、マクベスも持って行って欲しいな~と思っています。
どこをとっても素晴らしい舞台でしたが、
特に、魔女たちのパフォーマンスと研ぎ澄まされた演出を
世界の人にも見て欲しい~!!と一ファン(でも大ファン)の願い!

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7月大歌舞伎:舞台写真販売

2006-07-21 07:10:56 | 歌舞伎


歌舞伎座、舞台写真出てますよ~と、メールを頂きました。
澤瀉の役者さんについては、5月中日劇場の
「雪之丞変化2006」のものも出ているそうです。

今月、歌舞伎座にはご出演ではない笑也さんについては
右近さんや段ちゃんとのスリーショットで、2枚ほどあるとの事。

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七月大歌舞伎 初日観劇報告5「天守物語」

2006-07-16 23:47:20 | 歌舞伎
≪夜の部≫

二、天守物語 一幕

    戌井市郎:演出
   坂東玉三郎:演出

天守夫人富姫:坂東玉三郎
姫川図書之助:市川海老蔵
近江之丞桃六:市川猿弥
奥女中   薄:上村吉弥
小田原  修里:坂東薪車
亀      姫:市川春猿
十文字ケ原朱の盤坊:市川右近
茅野ケ原舌長姥:市川門之助

私が言うのもおこがましいのですが、
(っておこがましくないと感想は書けんしの。←開きななおっとる^^;)
これは、物語として、よく出来ていると思います。
海外の作品でも結構、屋根裏部屋に妖精が棲んでいる
(その妖精と遭遇する)という設定もあったりするし、
無理のない、大人のフェアリーテール。

幕開けのあたりがかなり好き。
白露で秋草を釣るなんて、ふざけてて(笑)でも洒落てるし
光の雲?が動いて、亀姫や富姫が登場するのも
今回のスクリーンの映像が、一見リアルな空だけど、
リアルじゃないもののための様態を映し出していて
時代設定とかけ離れた映像のタッチが、
逆に私たちが普段見上げる空とも、なにか違うイメージを駆り立てた。

りゅーとぴあのマクベスで童女の意匠で魔女を演じさせてたように
日本の童謡のメロディって(特にとおりゃんせなどは!)
それ自体が「結界」のような気がする。

獅子の顔が優しくも修羅にも、能面のように光と影の仕業によって
変化して見えるのが、この世界にぴったりの装置。

舌長姥が生首の血をすする、みたいな場面は、
ちょっと作為的に見えてしまって、逆に、面白みが半減する。
凄く、芝居のテンポを落としてしまっていた。
そこまでが、いい感じに流れていたのに。
富姫が意外と伝法な物言いをしてみたり、
亀姫の正統!?お姫様路線(歌舞伎の古典でもそうだけど、
物事を相対化しないで、自分(の経験値や感情)絶対主義!)とか
そのあたりの会話が十分面白いので、ワタシ的には不要だった>顔舐め
少なくてもあんなに回数多くしなくていい。

―続く―

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七月大歌舞伎 初日観劇報告4「山吹」

2006-07-13 00:40:19 | 歌舞伎
≪夜の部≫
一、山吹 一幕

   坂東玉三郎:監修
    石川耕士:演出

辺栗藤次:中村歌六
島津正:市川段治郎
縫 子:市川笑三郎

これがですね~私には一番分かりませんでした。楽しみどころが…(ーー;)
辺栗藤次、「過去の過ちの罪滅ぼしに、美女に折檻されたい」なんて
“望み”叶っちゃダメでしょう~~
一生、苦悩と悔恨、満たされない気持ち、
あるいは懺悔の日々を生きていくならまだしも、
結構嬉々と(としか私には思えん)打擲されてる姿見て、
これって、ちっとも責苦とは思えないのでした。

どんな事情で、過去、女性を死なせてしまったのか不明だが
この展開、罪業相殺どころか、
より深くなってくいくような気がするのは私だけですか?^^;

この話が書かれた時代には、
まだ、SMがタブー(←ポリネシア語らしい)だったり、
あるいは隠匿されたもの、隠微なもの、
もしかしたら耽美の範疇に括られていて、文学作品に上ることに
なにかしらの価値、あるいは、驚嘆があったのかもしれないけれど
現代の、タブーなきあらゆる嗜好が、
広くフツーのヒトの間に膾炙する時代には、なにか、中途半端で、
いや~そういう超個人的嗜好を目の前で実演されてもねぇ~と
なんで、これが芝居の起伏となるのか分からない始末(あくまでも私が)

(いや、別に山吹はSMがテーマではないと思うけど、
打たれて喜ぶ男と、他人を打つことに快感あるいは、
何かしら自己の想いを投影・昇華させ、高揚(または幸福?)感を得る
というのは、カテゴリーとしてはSとかMの心意気!のような…)

弓張月での猿四郎さん、責める芝のぶちゃんなどは
いい感じで被虐・嗜虐美になっていて、それこそ演劇的価値
―目の前で繰り広げられるに耐えうる―を感じたけど。

あと、もう一つ、引いてしまったのが
縫子が嫁ぎ先でいかに、姑・小姑たちに苛められたかの件で
卵焼きの形が崩れているだの、刺身の色が悪い(でしたっけ?)と
実家の料理屋の差し入れが貶されたことをグダグダと言っていた事。
超現実感ありすぎの嫁姑バトル描写なので、すっかり「芝居」とか
「物語」の共犯者になれず、ず~っと傍観していて終わってしまいました。
ま、ある意味、島津の気持ちが一番よく分かる…

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劇場中継・モスクワユーゴザーパド劇場「マクベス」

2006-07-10 01:18:29 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
え~っと^^;
一応、番組案内のキャッチコピーです…

◇シェークスピア原作
◇ベリャコービチ演出
『四大悲劇の傑作が現代によみがえる
魔女の予言に唆された男の王位をめぐる欲望と心の闇を大胆に描き切る
初演から400年・今壮大な物語が語りかけるものは何か
光と闇を巧みに使う変幻自在の演出とロシア人俳優たちの名演技
名セリフ続出・必見!決定版マクベス』

●NHKの芸術劇場の公式サイト
 放送予定の7月9日、放送内容の詳細をご参照下さい。

●勝手に貼れないので…“モスクワ・ユーゴザーパド劇場 マクベス”で
 ぐぐってみると、実際この来日公演を観劇した方のブログやサイトなどが
 検索されます。どの分野にもコアファンというものはいるもので(含自分)
 『賞賛』の方の観劇記を読みたい方は、これらを訪れてみて下さい。

 この劇団(劇場?)は、前衛っぽい方の分類なのかしら。
 いくつか情報は検索されましたが、熟読してないので、正確なところは
 分かりません。以下、100%私見。

メールを貰いテレビをつけたのが、
ちょうどマクベスと夫人のダンカン殺しの策略を練っているところから。
(これが、また酔っ払いの夫婦喧嘩にしか見えないのは
私にロシア芸術を理解する感性が欠如しているからでしょうか)
「魔女」を他国ではどう造形するのか興味あったので、
発端を見逃し残念だったけれど、まあ、その後も(当然)出てきます。

しかし、魔女に到達する前に、やはり、心理・感情の表現方法が
私の好みとまったく合致せず、結構、途中で飽きてしまいました^^;
(が、念のため、一応最後まで観ましたけど。)
まず、役者の年齢が不詳過ぎ。ロシア人、十代はメチャクチャ綺麗だけど
二十歳過ぎると、思春期とは別の意味で「成長」してしまいますしね~。
以外と実年齢は若いのかもしれませんが。
(で、芸の力で若く見せてるかっていうと、それはないな。)

すでに、みな、ロシアのどぶろくでも呑んでるんですか~?
と思うような、妙なへら笑いと、力強すぎる科白廻しとか
(いや、彼らのスタンダードでは、ふつーなのかも)
宴会の場面なんて、そのうち、コサックダンスでも踊り始めるのでは?
と思っていたら、結構、それに類するような、足上げる振りのダンスアリ。

門番は門番でした~!これは、世界共通言語なのか!
っていうか、前半、みな門番かよ!みたいな役作りでしたよ…(ーー;)?

「魔女」は男性が演じていて、上半身裸で、後頭部に仮面を付け、
客席に背を向けての演技(正面の素顔を見せての場面もあるけれど)
肩甲骨が、手の動きによって乳房に見えるような瞬間もあり、
まあ、どう「魔女」を創るか?といろいろ考えた結果というのは
見て取れるけれど、BUTOっぽい動きや衣装が、
あまりオリジナリティを感じられず…手の動きとかタイ舞踊や
ベリーダンスっぽいし。今さら、東洋趣味?とか思うと…

海外の劇団のもので観るには、
自分には、思いっきりスタンダードのシェークスピアがいいのかな~
とか、芝居にあまり集中出来ず、あちこち思考が飛んでしまいました。

チラっと斜め読みした、どなたかの訪ロ観劇記によると
この劇団の戸板?使いは常套みたいで、
リアルな装置は用いてないのだけど、
4枚の、人間の身長の1・5倍程度の大きさ(高さ)の、
扉?を使い―幅はちょうど両手広げて持てるくらい―
(人間一人が一枚を操作出来るような)
それを、ぐるぐる廻すことによって場面転換となったり
混乱や争乱を表したり、大道具の代わりとなったりしてる。
オグリで鏡コロスを使っていた要領かな。

あとは、照明の色で、心理や状況もカバーされる。
BGMとSEもあり。

ちょうど、ここのところ、先日亡くなられたロシア語通訳者
米原万里さんの著作を読み返したりしていたので、
ロシア人の発想法や、日本人との大きな相違点なども
頭では理解しているつもりなのですが、やっぱり単に感情というか
好悪の時点で、ちょっと、この劇団の演技術は受け入れられなかった。

それでも、いろんなマクベスがあるんだな~ということが知れたのは
悪いことではない。チャンスがあれば、国内のでも海外のでも観てみたい。
(ふだん、テレビ観ないし、新聞取ってないので、ラ・テ欄も見ないし
劇場中継系情報あったら、お友達の皆さん、連絡ヨロタム~←死語)

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七月大歌舞伎 初日観劇報告3「海神別荘」

2006-07-09 22:37:33 | 歌舞伎
≪昼の部≫

二、海神別荘 一幕

     戌井市郎:演出
    坂東玉三郎:演出
     天野喜孝:美術
     中島正留:装置
     池田智哉:照明

美  女:坂東玉三郎
公  子:市川海老蔵
女  房:市川笑三郎
沖の僧都:市川猿弥
博  士:市川門之助

この拵えで大丈夫なのは、さすが海老蔵くんです!!

・・・と書いたところで、教育テレビで、ロシアのマクベスやってる~
とのメールが飛び込みましたので、テレビ観劇突入~

―続く―

【7月10日:追記】

そうそう、海老蔵くんの続きです。
マントはともかく(これは身長のある役者さんなら似合いそう♪
幸二郎さんとか!?^^;←カブキジャナイデショ いや、段ちゃんとか。)
あのヅラ(!?)は、そうそう似合うヒトはいませんよ…
いや、似合う似合わないを超越しとります。
顔やスタイルの問題ではなく、存在そのものとの調和。
ヘタしたらギャグにもなりかねない
(なにせ、一応、小屋が『歌舞伎座』なので
あの拵えを、なんの違和感も持たせず、
公子そのものとしてのありようはさすがです。

ワリと濃淡なく一本調子な科白廻しだったけれど、
この役柄にはピッタリ。話自体も、結構、平坦なものだし。

哀しいほど優しい音色を放つハープの調べの中で、
淡々と、海底の(公子の)揺ぎ無いひと色の世界観の中で、
時間が流れていく。

クライマックス、
公子の世界との調和をどうしても欠いてしまう美女を
公子が突き殺そうとする刹那、
唐突に、その姿が凛々しいと賞賛する美女に対して
客席から笑いが起こってしまったのですが、
(はっきり言って、なんじゃそりゃ?って失笑に近い)
私も、あまりの唐突さ、つか突飛さに、その気分は理解出来た。
いや、一人の良心的な?観客としては、
ここ笑うとこじゃないから、とは思うものの…

玉様ファンや鏡花ファンは、一部の客席の反応に
もしかしたら、内心激怒されたかもしれませんが、
私でさえ←歌舞伎の大仰さに慣れているという意味で、
それって本心じゃなく助かりたいためのフェイク?
って思ってしまうほどのイキナリ感で、伝わってこなかった。

正直、中途半端だったから。玉三郎さんの科白。
そこに込められた想いも、テクニックとしての滑舌も。
かなり大切な場面だったと思うのだが。

それこそ「魂鷲掴みにされる」ほど、その刹那公子に真の意味で惹かれ、
酷薄と紙一重の無邪気さや美貌を持つ彼に
殺されても本望と真に思う美女の心が
きっちりと客席に届かないとダメです。
そうでないと大詰、成立しません。

繰り返し何度も観たいと、ドラマに心打たれるとか
そういう演目ではなかったけれど、それなりに面白く観ていたのに
最後の最後で、なんじゃそりゃ?で、私も終わってしまったのでした。
(ワタシ的には、玉様より海老蔵くんの演技の質の方が良かった~。)

この物語は、なにか特異なものを求めたり描いているのではなく
ただひたすら穏やかな調和、ハーモニーを求めているのだ、と感じた。

ハープ演奏:朝川朋之

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七月大歌舞伎 初日観劇報告2「夜叉ケ池」

2006-07-09 01:19:22 | 歌舞伎
※泉鏡花なのは当然なので「作」は割愛しました^^;

≪昼の部≫

一、 夜叉ケ池 一幕

     坂東玉三郎:監修 
      石川耕治:演出 
      中島正留:美術
      池田智哉:照明

百合・白雪姫:市川春猿
萩原 晃:市川段治郎
代議士穴隈鉱蔵:坂東薪車
湯尾峠の万年姥:上村吉弥
文学士山沢学円:市川右近

戯曲のテーゼ(もしくはアンチテーゼ)としては、
これが一番(私には)しっくりきました。“歌舞伎”でやる意味も。
物語をまったく知らないというのも新鮮でした(笑)
自分で自分のリアクション(←物理的な、ではもちろんありませんぬ)
突っ込み入ったり(笑)

冒頭、春猿さんが白髪というか銀髪?の頭なのだけど、
襟足から思いっきり、黒髪も見えていて、え~!?ナニナニ、
間に合わせで作って、寸法が合わなかったの~?
それにしても、ここまで調整しないで舞台に出るなんてありえない~!
ず、ずれてるの?いや、でも出の前に本人(や床山さん)も
チェックしてるだろうし~これでオッケーなワケ?どーゆーこと~?
と激しく動揺(笑)…段ちゃんの頭もなのだけど。

しかも、白髪なのに、二人とも造形がフツーに若いので、
何これ?この人たちすでに、異形のヒトなのかしらん?とか
(チラシのあらすじさえ読んでなかった^^;つか、演目の上演順や、
誰がどれに出るかも、序幕見終わるまで不明でした…)
イキナリ、ワケ分からん状態な自分。

ま、すぐこれは、二人が白髪の鬘を被って生活している、という
設定であることが明かされるのですが
(あ~でも何故?理由言ってました?私落ちてたのかしらん・汗)
唐突に、無闇に動揺してしまった自分に自主ツッコミ^^;

鄙びた地方に学術調査に行ったまま帰ってこないとか
別人となって暮らすみたいな設定は
ちょっと松本清張の昭和サスペンスっぽい(笑)
ま、あとパルコでやった龍神伝の方を先に見ているで、
これもちょっと思い出したりして。
(同題材という事ではありません。)
パルコの方は、ヘンなエコ思想みたいなものが加味されていて
しかも尻切れトンボな、ホント、頭イタイ脚本だったのだが、
夜叉ケ池の方は、言いたいことが結構腑に落ちる感じ。
(比較すること自体無謀?)

文明開化で洋装するような時代になっても、
雨乞いのための生贄だのなんだの民度の低い事を言っていたり、
地位や肩書きが必ずしも、真の意味で品格を備えていない事への揶揄。
しかしながら、妄信的な自然や伝説への恐れへの嘲笑(←ちょっと
適切な語彙ではないかも)とは別次元での、
それらへの作者の畏怖も垣間見えるような気がする。
愚かな人間の織り成す企みは、自然の理によって消滅させられる。
(たぶん、これは大気を汚し、地を掘り起こし、
食物連鎖を破壊し続けてきた人間に、そのうち降りかかることでしょう。)

異形の者たちの世界の方が、正義のように思えるから不思議。
信賞必罰(いや自業自得?)的な部分があるのも、
ストレートな(笑)ワタシとしては、受け入れやすいのかも。

蟹や魚が擬人化されても、あまり突飛に感じないのは
歌舞伎の、ごく普通の演出で、多種多様な動植物(ん?植物?)
の着ぐるみが登場したり、“生き変わり死に変わり”と
人間の変化も常套なので、人間と
夜叉ケ池方面の方々のクロスオーバーは気になりません。
(いや、この辺りは全編に渡ってオッケー。
逆に、異形が出てこない、普通の?人間だけのお芝居の「山吹」が
最も、理解し難かったです。)

感心したのが、下手に設置された鐘楼の扱い方。
最初、百合の家から夜叉ケ池への場面展開のために、
袖に引っ込めるのかと思ったのですよ。
黒衣さんたちが鐘楼を囲んで動かそうとした時に。
しかし、彼らはこれを一回転(いや半回転かな?)させて
引っ込んだのです。そう、お能の手法。
お能では、人間がくるりと一周もしくは半周?
あるいは、僅かに動いただけで(あるいは動かなくても)
場所や時空を越える表現がある(そう)←聞きかじりなので^^;

それを、鐘楼にやらせたのですね~。
う~ん、ここは唸ってしまいました。
(と私が感じただけなので、もしかしたら、
まったく違う意図かも知れません~~)

それにしても、先に書きましたが、
春猿さんが、これほど芝居を担わなければならない
大きな役とは知らなかったので、ビックリしました!
二役とも良かったですよ~。
途中ちょっともたれてしまった(自分が!)のだけど、
段ちゃんの命を賭して、百合を守ろうとするあたりから
ぱき~!!と目も覚めて、終盤はぐいぐい引き込まれていきました。
なんか、村人や村長、代議士にマジむかついたし(笑)

で、筋書きには新しく出来た淵の主となった百合と晃
と書いてあるのですが、ここのあたり良く覚えてません。
夜叉ケ池ではなくて、別のところの主となるの?
白雪姫が千蛇ケ池へ行ってしまうのだから、
二人がその空席に鎮座するのかと思ったのだけど。

追伸:大詰の浪はデザイナーさんが凝って製作されたようだけど
三階から見るとちょっと幅が狭くて、すべてを覆い尽くす感が
味わえなかった。フツーに古典の浪布でも良かった気がする。

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七月大歌舞伎 初日観劇報告1

2006-07-08 00:22:17 | 歌舞伎
歌舞伎座ホームページ 七月大歌舞伎公演情報

たぶん、最初で最後になるであろう、今月の歌舞伎観劇。
頑張って、昼夜観て参りました。
っていうか、市川猿之助七月大歌舞伎の時は、
初日昼夜観劇当然!だったけれど…。
でも、本日も、一応、休暇を取っての観劇です。

泉鏡花祭り…^^;
正直、眠かったです。イヤ、ところどころ頭が下がってしまいました
だって、ずーっと場内暗いんだもん…
(前夜、睡眠も上手く取れてなかったし…)
そして、鏡花作品のファンでもなく、否、読んだこともない私には
戯曲としてどこが面白いのかさっぱり分からなかったので、余計、睡魔が…

個人的な感想では、ここのところ観る機会のあった
シェークスピアの戯曲の方が面白いです。
たぶん、普遍的なものを内包してるからだと思う。
ま、当然、鏡花さんは、“普遍”なんてものは求めてないだろうけど。
自分って、結構、シンプルな人間なんだなぁ~と思う次第。
ストレートに主題が明確で、明快なモノの方が楽しめるようです。
(ここのところの、ミュージカル方面の観劇でも感じるけど)
ま、とにかく言ってる事というか、言いたいことが分かりません。
“美文調”と言われるものの正体も。

筋書は舞台写真が入るまで、購入しないつもりでしたが、
チラっと立ち読みしたところで、
石川さんのコメントに、猿之助さんの事が書いてあったのと、
海老臓くん&亀ちゃんの
ロンドン・アムステルダム公演の記事があったので、急遽購入。
で、この筋書の中に抜粋されていた戯曲の原文を読み
確かに、文字として見るとなかなか良い文章なんですね。

でも、目で見る文章と、耳で聴く心地よさとは別物なんだな~と。
(一致していればそれがイチバン良いのでしょうけれど)

ということで、完全にフェアリーテール的な
海神別荘などは、スクリーンで描く海底や魚影が綺麗で
また、たしか日生ではなかったと思うけれど、ハープの演奏が
下座としてピッタリはまっていて良かったです。
(ゴシックハープも弾いていらっしゃいます←もしかしたら、
ゴシックハープよりもう一回り大きいかも。)
ただ、この装置、演出で歌舞伎座でやる意味はあまりないような気もする。

天守物語では、スクリーンは主に空の造形でしたが、
これは、リアルな空なのに浮くことなく、
歌舞伎の規格に意外と逸脱せず納まっていました。
このお芝居が一番纏まっていました。

それにしても、夜叉ケ池は春猿オンステージ!
山吹も笑三郎さんの芝居ですよね。
それぞれ、一幕づつ責任興行みたいなもので、
役がこんなに重責を担うものだと知らなかったので
(なにせ、ホント、鏡花読んでないので)ビックリしました!!

作品個々の感想はまたあらためて。
この週末は仕事なので、ボチボチと

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「制作費足りず映画化ピンチ」~産経新聞より

2006-07-06 22:36:33 | その他の演劇
別件で掲載されていた記事が読みたくて購入した
7月2日付産経新聞に、笑也さんが出演予定の
「筆子・その愛―天使のピアノ―」の制作費が不足している
との記事がありました。

>製作会社「現代ぷろだくしょん」(03-3371-3925)
>では、一部が制作費になる1枚1200円のチケットを販売。
>100枚以上の購入者は、映画のエンディングクレジットに
>名前が掲載される特典付き
だそうです。

「筆子・その愛―天使のピアノ」公式サイト

なかなか、個人の力では難しいので、
ウチの会社である程度、まとめて引き受け可能です~とか
そういうセクションに勤務しているとか
賛助のとっかかりが作れそうなポジションにいる方
どうでしょうかねぇぇ~~(ーー;)??

私も、このご時勢に結構利益出していて、
多方面に救援金や義捐金送付・寄付を行っているところに
ダメもとで、映画の概要・主旨やこの記事を添付して
お願いしてみようかな~なんて、ちょっと思ってます。


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ダンス オブ ヴァンパイア

2006-07-04 22:54:57 | その他の演劇
多彩な観劇記でいつもお世話になっているブログ
「花がいっぱい」さんで
7月2日帝劇で初日を開けたミュージカル
『ダンス オブ ヴァンパイア』のプログラムに、
笑也さんが、ご出演の佐藤正宏さんへのゲストコメントを寄せている
という情報を頂きました。

ダンス オブ ヴァンパイア 公式サイト

これから、歌舞伎座初日、カズさんのライブや、メタマクライブ、
めざクラと、時間が取れる日はすべて予定が入っているのですが、
今月中に、一度ヴァンパイアも観に行かなくては…と思い始めたりして!

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右近さんテレビ出演情報!

2006-07-02 22:13:33 | 歌舞伎
      

●7月3日(月)テレビ東京
「ダウト家族を探せスペシャル」PM7:00

●7月6日(木)日本テレビ
「新どっちの料理ショー」(次回予告をご覧下さい)PM9:00

放映予定・時間は変更になる可能性もありますので、
当日、新聞のラ・テ欄、ネットのテレビ番組案内などで、
あらためてご確認下さい~

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OUR HOUSE

2006-07-02 03:09:46 | その他の演劇
下記投稿の笑也さんのブログを読んで…ではないけど
笑也さんも観劇された『OUR HOUSE』
7月1日ソワレ@前楽、観てきました。
なかなか歌舞伎の記事は書けないのに、
レ・ミブログの方は動いておりまして^^;
やっぱり、心が強く動かされることがないと、
言葉というものも湧いてこないんだな~と実感。

まだ書きかけで、そして、個人的な想いが露呈しすぎの
文面となってしまいましたが、OUR HOUSEの観劇記はこちら

OUR HOUSE公式サイト

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