ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

第六回 三響會 十周年記念 2

2007-10-28 23:28:46 | 三響會
2007年10月27日(土) 新橋演舞場 昼の部・夜の部

一、能楽五変化 ~神・男・女・狂・鬼~

神 神舞―――高砂:武田文志
男 黄渉早舞―松虫:坂真太郎
女 神楽―――巻絹:古川 充
狂 楽――――梅枝:武田友志
鬼 祈り――道成寺:梅若晋矢(昼の部)、観世喜正(夜の部)

後見:清水寛二、谷本健吾

  笛:杉信太朗
小鼓:林光寿
大鼓:亀井広忠
太鼓:大川典良

二、月見座頭

座頭:藤間勘十郎
  男:茂山逸平
  男:中村勘太郎

語り:片岡愛之助(昼の部)、野村萬斎(夜の部)

  笛:福原寛
小鼓:田中傳九郎
小鼓:田中傳左衛門
大鼓:田中傳八郎
太鼓:田中傳次郎

蔭囃子:田中佐英、田中源太郎、田中佐吉郎

三味線:今藤政十郎、杵屋勝正雄、今藤長龍郎、松永忠一郎
   唄:味見純、松永忠次郎、杵屋利光、杵屋巳津也
  筝曲:小林露秋、大坪正秋

三、獅子(昼の部)

獅子:梅若晋矢
獅子:観世喜正
獅子:市川亀治郎
獅子:中村七之助

  笛:福原寛
小鼓:田中傳左衛門
大鼓:亀井広忠
太鼓:田中傳次郎

三味線:今藤長龍郎、杵屋勝正雄、松永忠一郎、今藤政十郎、今藤龍市郎
 地謡:武田文志、坂真太郎、谷本健吾、清水寛二、武田友志、古川充

三、一角仙人(夜の部)

一角仙人:市川染五郎
施陀夫人:市川亀治郎
  臣下:中村七之助
  龍神:梅若晋矢
  龍神:梅若慎太朗

  後見:清水寛二

 笛:福原寛
小鼓:田中傳左衛門
大鼓:亀井広忠
太鼓:田中傳次郎

三味線:今藤政十郎、杵屋勝正雄、今藤長龍郎、松永忠一郎
   唄:味見純、松永忠次郎、杵屋利光、杵屋巳津也
  地謡:谷本健吾、武田友志、武田文志、観世喜正、坂真太郎、古川充

獅子

中央にお囃子。上手に長唄、下手に地謡。
今回は、一番目から殆ど基本の大道具は転換することなく
多少配置を換えたり、その他の道具の加減で、それぞれの演目を見せてました。
(チラシや今回のプログラムの表紙にもなっている
すくっと伸びた竹が舞台上にも設えられており、御兄弟の凛と真っ直ぐに
目指して行く先の象徴のようでもありました。)

お能のシテ方2名が親獅子、
そして、歌舞伎から七之助くんと亀ちゃんで子獅子。
どうしても、歌舞伎チーム視点の感想となってしまいます、ご容赦。

花道より七之助くんの登場。
最初、亀ちゃんも同様に花道からの出だろうと、
(想像力の不足で)思っていたのだけれど、
こんな安易な(?)発想は見事に裏切られ、
舞台正面奥には橋と見立てたような道具が据え置かれていて
(これはすべての番組に共通して)
その中央の切穴から、すぽ~んと飛び上がって!の登場でした。
一瞬、本人のジャンプ力だけ!?と、非常に驚いたけれど
さすがに、これは、押し上げてもらっていたとのこと。
これも、もの凄いインパクトで、会場どよめきました~!!
いや~今回は、ホント、いろいろな点で、
この客席の「どよめき」(感嘆・歓声)が大きかったです。

前回の「石橋」の時とは異なり、今回はシテ方の舞も
かなり、強い意匠で迫ってきました。
そうそう、順不同となってしまいましたが、出も派手でした。
鐘仕様のデザインの作り物がぱかっと割れての登場。
一畳台が二台置かれ、歌舞伎の連獅子なら親獅子&子獅子用ですが、
二台ともシテ方(親獅子)用!!
(後にそれぞれぞれ子獅子とシェアしますが・笑)
子獅子二人は、本来は揃えるところだったのではないか?
と思われる部分で、ちょっとズレていたかな。
一番、気になったのは、長唄だったら「木陰にしばし休らいぬ」に
相当すると思われる箇所(解釈間違っていたらスミマセン~)のタイミング。
毛振りも微妙~(ーー;)?
途中アンシンメトリーに見せるところがあったのだけど
―それをするために、ちょっと勢いが止まってしまったところがあり
あまり効果的ではなかったかも。
最後は、七之助くんは、上半身全部を使って廻している感じになってしまい
亀ちゃんは軸はしっかりしていたと思うけれど、
意外と、終盤が地味に終ってしまったかな。出だしが良かっただけにチト残念。
ちょっと尻つぼみっていうか、お囃子は最後までど迫力だったので
子獅子、力尽きてしまったか~!!に見えてしまった。

でも、とにかく、視覚的に華やかな演出で
より「エンターティメント性」を打ち出したという主旨は伝わってきました。
全体的には、スカっと楽しかったです。

一角仙人

ほ~さすが、歌舞伎の先行芸能、鳴神の原典?と思ったら、
さらにインド神話が元となるのだそう。
今回は、能楽のこの作品を基に、傳左衛門さんが構成、
勘十郎さんが長唄部分の作曲、傳次郎さんが演出する
「新作」という形での上演です。

(歌舞伎の)『鳴神』初見時は、あまりの龍@小道具のショボさ(爆)に
びっくりしたものですが、こちらは、シテ方二名の、立派な龍神。
染五郎さんの一角仙人は、三分の二歌舞伎、三分の一、ちょっとシテ方風?
と思える味付けもあり、面白い造形。
七之助くんと亀ちゃんは、まんま歌舞伎でしたね~。
久しぶりに大人っぽい女形の亀治郎さん(突然敬称!・笑)を拝見。

【追記】
しかし、とっくりとプログラムを読みましたが、
三人ともまだ三十そこそこなのですね~!!
なにか、私が歌舞伎を観始め、役者さんだけでなく、演奏者の方にまで
目が(というか耳が)向くようになってから、ずっと舞台にいらっしゃるので
(十代からご出演だったのですね~!)あらためて、ご年齢を確認してビックリ!
次の10年、四十代に向けてってどうします?>幸二郎さん!(笑)←ブログ違い
傳次郎さん、二十代でスーパー歌舞伎の作調もしていらしたのか~。
凄い…
最近、お耳にかからないけど(笑)杵屋寿浩さんだって、
十代で猿之助さんの海外公演に同行し、
イギリスの劇場でスカウトされたのですものね~。
みな、素晴らしい才能ですね!!


第六回 三響會 十周年記念 1

2007-10-27 23:22:23 | 三響會
2007年10月27日(土) 新橋演舞場 昼の部・夜の部

一、能楽五変化 ~神・男・女・狂・鬼~

神 神舞―――高砂:武田文志
男 黄渉早舞―松虫:坂真太郎
女 神楽―――巻絹:古川 充
狂 楽――――梅枝:武田友志
鬼 祈り――道成寺:梅若晋矢(昼の部)、観世喜正(夜の部)

後見:清水寛二、谷本健吾

 笛:杉信太朗
小鼓:林光寿
大鼓:亀井広忠
太鼓:大川典良

二、月見座頭

座頭:藤間勘十郎
 男:茂山逸平
 男:中村勘太郎

語り:片岡愛之助(昼の部)、野村萬斎(夜の部)

 笛:福原寛
小鼓:田中傳九郎
小鼓:田中傳左衛門
大鼓:田中傳八郎
太鼓:田中傳次郎

蔭囃子:田中佐英、田中源太郎、田中佐吉郎

三味線:今藤政十郎、杵屋勝正雄、今藤長龍郎、松永忠一郎
  唄:味見純、松永忠次郎、杵屋利光、杵屋巳津也
 筝曲:小林露秋、大坪正秋

三、獅子(昼の部)

獅子:梅若晋矢
獅子:観世喜正
獅子:市川亀治郎
獅子:中村七之助

 笛:福原寛
小鼓:田中傳左衛門
大鼓:亀井広忠
太鼓:田中傳次郎

三味線:今藤長龍郎、杵屋勝正雄、松永忠一郎、今藤政十郎、今藤龍市郎
 地謡:武田文志、坂真太郎、谷本健吾、清水寛二、武田友志、古川充

三、一角仙人(夜の部)

一角仙人:市川染五郎
施陀夫人:市川亀治郎
  臣下:中村七之助
  龍神:梅若晋矢
  龍神:梅若慎太朗

  後見:清水寛二

 笛:福原寛
小鼓:田中傳左衛門
大鼓:亀井広忠
太鼓:田中傳次郎

三味線:今藤政十郎、杵屋勝正雄、今藤長龍郎、松永忠一郎
  唄:味見純、松永忠次郎、杵屋利光、杵屋巳津也
 地謡:谷本健吾、武田友志、武田文志、観世喜正、坂真太郎、古川充

能楽五変化

お能に関しては、まったく疎いので、これがどの程度
定式から乖離したものなのか、
あるいは、そうでもないのかが不明です。
能舞台ではないこと、照明が演出に加わる事などから
スタンダードな演目をスタンダードではない空間(次元)で
提示するのだろう、という理解で観(聴い)ていました。

ただ、幕が下りた後(この幕が下りる、ということ自体
常の能舞台ではありえないのだが)、自分の周囲から
もの凄い感嘆のため息・声があがったので
(たぶん、お能ファンの側から。いや~ホント、ザワザワザワ~っと!)
画期的な演奏、舞だったのかな?と思われます。

これは昼夜同じ番組でしたが、昼の部、ば~んと囃子方の皆さんを
舞台中央正面に目撃した時、結構、緊張感が漂っているのが感じられて、
思わずこちらも緊張してしまいました。(緊張ってうつるのです~)
歌舞伎の能取りものの演目の道具や所作のベースは
ここにあるのだなと、再認識しつつ舞を見ておりました。

月見座頭

不案内な内容だったので、家を出る前にざっと筋を予習したのですが、
本来の狂言のストーリーとは異なり、最後、座頭が男に突き飛ばされる、
ではなく、座頭が男たちを打つ、という趣向。
もともとのこの狂言の解説にある人間の善悪の二面性とか
不条理といったシリアスさは殆どなく
全体的にコミカルに仕上がっていた。演出が秀逸です。
傳次郎さん、GJ!(笑)

昼の部の語りの愛之助さんは、立って花道スッポンよりセリ上がり。
そのまますぐ、芝居(語り)へ突入。
なにか、横顔と語り口から、澤瀉ファン的には
笑三郎さんを思い浮かべてしまった。
真面目に丁寧に語ってらして、これはこれで良かったのだけれど
やはり、本業(!)の、夜の部萬斎さんに分があり
アドリブ炸裂で(いや、アドリブと見せかけただけだろうけど)
さ~っと客席を掴んで自分に向け、そして、次にきっちり狂言の世界へ
観客を導いて行きました。

萬斎さんは、扇で顔を隠して平伏した姿でセリ上がり。
ぱっと扇をはずして「野村萬斎でございます。」とご挨拶。
つい4~5日前に急遽出演依頼を受けたのだが、
今日劇場に来てビックリ、プログラムに名前が入っている(笑)と。
(確かに、愛之助さん、萬斎さんの出演は結構ギリギリに
決定したようですが。三響會のブログによると。でも、さすがに
ご出演が決定してから印刷されたと思いますよ・笑)
傳次郎さんや、傳左衛門さんのお側まで寄って
なにやらちゃちゃを入れ、お二人とも思わず口角が上がってました。
萬斎さん、自在すぎ~(笑)ご本人も語りというより、
落語の枕みたい~と自主ツッコミ!
でも、ふっとした間のあと、しっかり「語り」に戻り
観客の気を変えるあたりは流石です。

突如眠~続く~
【続き】

(概略)
座頭が名月の夜、月見は出来ずとも虫の音を聞こうと野辺にやってくる。
そこで一人の男と知り合い意気投合し、歌を詠みあい酒を酌み交わし舞い踊り、
良い気分で分かれるが、男は途中で立ち戻り、座頭を突き飛ばして帰っていく。
座頭は、当然目が見えないので、突き飛ばした男が
それまで楽しく過ごしていた男と同一人物とは思わず、
情のない人もいるものだと嘆くのであった。

これを元に今回アレンジされた作品で、「男」を二人にし逸平くんと勘太郎くん。
座頭が勘十郎さん。
意気投合してというより、座頭をからかいに出てきた男二人が、
最後には座頭の持つ杖で打擲され
「もしかして奴は目明きであったか?」と言わしめる。
二人から逃れた座頭は、花道でしめしめと云った様相を見せ引っ込んだので、
元の狂言よりもカラっとした内容でした。
(“元”は実際観たことないので、ストーリーとの対比から)

舞台面が暗いのと、スッポンからの出に皆視線が集中しているので
冒頭は、舞台正面にはまったく意識が行くことがなかった。
語りの愛之助さん、もしくは萬斎さんが花道付け際まで進んだところで
ぱっと舞台面に照明が当たり、ここで初めて本舞台上を目撃した客席からは
感嘆の声が上がりました。
中央にお家元はじめお囃子が、上手には四挺四枚の長唄チーム&お筝二面と胡弓。予想外の豪華な布陣に、私もどよめきました~!!
更に、狂言の途中で判明しますが、蔭囃子も入っていて、厚みのある構成でした。

そして、男二人の出方も意表を突いていて、笑った!!
お囃子が並んでいるその後ろに隠れていて
(最下手、太鼓の傳次郎さんの後ろに逸平くん、
 最上手、笛の福原さんの後ろに勘太郎くん)
まさか、そんなところから登場とは思わない観客に、姿を現した瞬間大ウケ!

筝と胡弓の奏でる旋律が綺麗で、仲秋の名月という季節感を醸し出していた。

ホリヒロシ人形作家生活三十周年記念公演

2007-10-19 22:52:36 | その他の演劇
11月23日(金・祝) ル テアトル銀座

※10月19日(金)チケット一般発売開始

~源氏物語二題~

瀬戸内寂聴/訳「源氏物語」より
音楽・作曲/富田勲 構成・演出/堀舞位子
源氏物語 幻想人形絵巻

構成・演出/堀舞位子
源氏物語より
雲隠れ

≪特別出演≫
名取裕子「幻想人形絵巻」朗読
市川右近「雲隠れ」朗読

詳細はこちら 

市川笑也の歌舞伎話し 万華鏡 第四話

2007-10-18 21:47:04 | 市川笑也
◆市川笑也の歌舞伎話し 万華鏡 第四話
一 見得について(スーパー歌舞伎の見得、女形の見得、見得の見方など)
二 見得を体感してみよう


【日時】平成19年11月17日(土)
      昼の部  午後1時30分~3時(午後1時開場)
     夕方の部  午後4時~5時30分(午後3時30分開場)
【会場】ARTBOX(アートボックス) 横浜市青葉区新石川2-9-10
    ※東急田園都市線たまプラーザ駅 南口から徒歩4分 アクセス 
    (駐車場なし)
【参加費】4000円(消費税込み/お茶とお菓子付き)
     ※当日は手鏡をご持参下さい。
【問合せ・申込み】ARTBOXまで。TEL:045-912-2133  
                  FAX:045-912-2134 

地道に続いて第四回となりましたね~。ご都合の合う方は是非、お運び下さい。

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平成20年4月 ヤマトタケル博多座公演

2007-10-12 01:13:22 | ヤマトタケル
平成20年4月3日初日~26日千秋楽

【チケット発売開始】
平成20年2月16日(土)より電話予約・インターネット販売開始。
(2月17日(日)午前10時よりチケット売場販売開始)

久々にヤマタケな記事アップ~!!
レミ博多座遠征で頂きました。
(平成21年1月~3月のミス・サイゴンのチラシも!!

十二月大歌舞伎 歌舞伎座

2007-10-12 00:55:09 | 歌舞伎
演目が公表になったようですね。澤瀉一門久々の歌舞伎座です。

十二月大歌舞伎平成19年12月2日(日)~26日(水)

昼の部(午前11時)

一、鎌倉三代記(かまくらさんだいき)
  絹川村閑居の場

佐々木高綱:三津五郎
三浦之助義村:橋之助
時姫:福 助


二、鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)

鬼女:玉三郎
山神:勘太郎
鬼女:門之助
 同:吉 弥
 同:笑 也
 同:笑三郎
 同:春 猿
従者:猿 弥
従者:右 近
平維茂:海老蔵


三、水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)
  筆屋幸兵衛
  浄瑠璃「風狂川辺の芽柳」

船津幸兵衛:勘三郎
車夫三五郎:橋之助
巡査民尾保守:獅 童
萩原妻おむら:福 助

夜の部(午後4時30分~)

一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
  寺子屋

松王丸:勘三郎
武部源蔵:海老蔵
戸浪:勘太郎
千代:福 助

二、粟餅(あわもち)

杵造:三津五郎
臼造:橋之助


三、ふるあめりかに袖はぬらさじ
  (ふるあめりかにそではぬらさじ)

お園:玉三郎
藤吉:獅 童
亀遊:七之助
マリア:福 助
浪人客佐藤:海老蔵
イリウス:彌十郎
浪人客堂前:右 近
幇間和中:猿 弥
芸者奴:笑三郎
芸者太郎:春 猿
思誠塾多賀谷:段治郎
思誠塾飯塚:勘太郎
思誠塾松本:門之助
思誠塾小山:橋之助
思誠塾岡田:三津五郎
岩亀楼主人:勘三郎

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