ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)観劇報告1

2005-07-04 20:01:01 | 歌舞伎
本日午後の部観劇して参りました。(ちょっと遅刻(ーー;)
(初日観劇の皆様には、お分かり頂けると思いますが
「ネタ」の下座バージョンから入場)

眼下にはセーラー服(最近ブレザーが主流なので新鮮!)
の学生さんがズラーっと並んでいるのが見え、「おお、“鑑賞教室”」っぽい!!
と、一人悦に入り・・・
全員、学生というワケでもなく2階、3階と1階前方、ドブのあたりは、
団体ではなく一般といったところ。
トークも学生向け仕様にアレンジされている部分もあり、
ああ、やっぱり客層に合せ変えていくのだな、と確認した次第。

本日は2階最前列下手寄り、ちょうど宙乗りのためつぶしてある席の際あたり、
宙乗りお出迎え席での観劇でした。
額縁に収まる絵画のように舞台面を眺めることが出来
(間口の広い国立大劇場の舞台をこのあたりから見下ろすと、まさしく
道具帳に描かれた絵を見る感じ。)電光掲示板の文字も読め(爆)
学生さんたちをはじめ客席の様子も俯瞰して見れたり、なかなかお得な席でした。
学生さんからご年配の方まで、観客皆が二人の解説に聞き入り、
笑い、拍手し、声を出している様子を眺めていると何故か涙がこぼれたり…(/_:)
なんか、いい光景だなぁ~と思って。

大向うの練習でも、皆、躊躇することなく声を出し、
「人が出てきたら拍手引っ込んでも拍手感動したら拍手」の指示通り、
芝居が始まってから、ちゃんと、人物の登場・退場では拍手が湧き上がりました。
ただ、どうも花道からの出の方が偉い?と思われたか、亀井・駿河の出より
申し次の侍に、より大きな拍手がかかっていたのはご愛嬌。

お隣のおじいさまは、解説書と見比べながら、ずっと
舞台もご覧になっていたのですが、どうやら腰元に魅かれたらしく?
舞台に出ている人数をまず指差し確認(笑)で数え、
解説書の腰元六名の名前を、四角で囲っていました。

前日と異なり、20分休憩後の念押し?トークは
笑三郎さんが担当され、再度拍手・大向うのタイミングなど説明。
宙乗りでは、右近さんがより張り切って演じて下さるよう、
手拍子と大向う、そして「ブラボーも!」と告げたため、
宙乗時、「おもだかや」の掛け声より、「ブラボー」の方が盛大にかかりました(^O^)
そして、最後の花びら噴射で更に大きな歓声が上がり、
この、客席皆が一心に芝居を楽しんでいる!
この瞬間だけは誰もが無邪気に芝居に見入っている!!その姿に感動・感涙(>_<)
(泣いたり笑ったり忙しいのう~)

「あ~毎日でも観に来たい!!」と思わせるような空間が広がっています。
そして、猿之助さんにも、是非この光景を見て頂きたいなぁ~とも。
解説の主旨は結局、猿之助さんが造形大で、いや、それ以前から
歌舞伎の醍醐味、面白さ、特色として、トークショーや多くのインタビュー
著書で伝えてきたことですから。(訪欧歌舞伎ゼミナールなどもそう。)

なんか、文章の組み立てが、時系列無視って感じですが
今日の国立帰り、思いついたままを投稿です。

七月国立劇場歌舞伎鑑賞教室『川連法眼館の場』         (四の切)初日開幕!!

2005-07-03 20:02:10 | 歌舞伎
もう、涙が出るほど面白い、笑三郎さんと春猿さんの解説に、大爆笑(^O^)
ホント、涙流して笑っている人多数!!
っていうか、自分もそうだったんですが(^◇^)

歌舞伎鑑賞教室って私は、自分が高校生の時以来なんですけど
(何十年前の話だ、一体^^;↑↑)
成人してからも(?)結構鑑賞教室も観ている方が、
こんな豪華な(舞台機構も駆使して)
そして、大爆笑の【解説】は、近来ない~と仰っていました。
ネタが仕込んであるので(笑)詳細は伏せますが、
本当に、要点をしっかり盛り込み、尚且つ面白く、飽きさせない構成に
爆死(笑い過ぎ~)しました。
午前の部で、ご自身らが口にされて、多少引っかかった(と思われる)
言い廻しや、説明の語彙・表現などを、
午後の部ではすぐ変更しておられたのもさすが~。
「ネタ」もプチ変更あり(笑)

客層が変わったらまた、その時々で練るのかな?と思うと
平日の学生団体が多い回も、是非観たくなり
明日はもともと休暇なので、午後の部のみ観劇予定でしたが
もう一日、歌舞伎座初日を捨てて(久しぶりに歌舞伎座押さえましたが)
やっぱり、国立に行くことにしました

黒御簾内の鳴物(BGM)の解説、義太夫が役者の心理や動きを語っていること
(今回、舞台左右に電光掲示板が設置され、初心者にはなかなかヒアリングが
難しいからという事で、義太夫の文句が、映画の字幕のごとく表示されます。)
ツケや見得といった歌舞伎独特の所作の紹介、女方の造形
観客の心得!?(拍手・大向う)などなど、35分間に盛りだくさんです。
また、笑三郎さんと春猿さんは、今回解説だけ?とお芝居がなくて
寂しく思っているファンの皆様、ご安心(?)下さい。
物語の紹介方々、四の切への導入として、笑三郎さんと春猿さんが
拵えはせずとも、本イキで、吉野山の静そして忠信の引っ込みを演じます。
これはこれで、本興行のお芝居(カオして衣装つけた)しか
観たことのない人には、とっても貴重でお得かも!!
(私は、造形大や中座のワークショップ等で素踊りや素芝居!?拝見。)


そして、お馴染み四の切ですが、憂いのある雰囲気を漂わせる
段治郎さんの義経、美貌の静御前、この公演中に初役以来、
四の切上演200回を数えるという右近さんの狐忠信。
大枠では安定したひと幕ではありましたが、とにかく劇場内が暑い!!
省エネ、エコ邁進なのかもしれませんが、
舞台上の役者さんは、更に照明を当てられ辛かったのではないでしょうか。
動きの少ない義経の段治郎さんも汗を流しており、
客席も、かなり暑かったです。目の前の役者さんに失礼とは思いつつも、
私ものぼせそうで、思わず観劇中ミネラルウォーターで
水分補給させて頂きました。

午前・午後とも宙乗りでは二拍子がおき、
補助席も朝から出ていて、もう、今日が千秋楽ではないか?と思うくらい
熱気と活気のある場内でした。

今から20年前、1985年に私が初めて観たおもだかの舞台が
この義経千本桜です。たぶん、多くの澤瀉ファンにとっても、
想い出や想い入れの多い演目でしょう。
色彩や道具立ての豪華さ、スピーディで意表をつくケレン。
まず、視覚的なインパクトに心を奪われましたが、
その初めての邂逅で、魂を鷲掴みにされ虜になりました。
様式美と、原初的な何か放出されるエネルギーに。

今日この舞台と出会った多くの観客が、
そして、明日以降この舞台と出会うであろう人々が
あの新鮮な感動や感激を味わうのかもしれないと考えると
その事にもワクワクしてしまいます

【追記】
翔のお便りインデックスから
過去の猿之助さんの舞台への熱い感想が読めます。
義経千本桜の三役完演時の観劇記などもありますので、ご参考までに。

中日劇場のヤマトタケル観劇記3

2005-07-02 00:02:24 | ヤマトタケル
●6月26日千秋楽

演舞場よりロングランのヤマトタケルも、いよいよ大楽!
「は~やっぱり寂しい(/_;)。。。」と、
客席に身を沈めた瞬間しみじみしつつも、
カーテンコールで絶対猿之助さんに会える予感がして、そして
この場内のどこかで『共に』この千秋楽の公演を観劇している、
との確信を抱きながら、古代への扉が開かれていくオープニングを、
多くの感慨を持って眺めていました。
――最後の夢をみる。

右近さんのタケルも複数回拝見しましたが、
この日のタケルが、私は一番素敵だと感じました。
演舞場初日、その翌日、そして3~4月の東京公演の間、5月松竹座~
名古屋と、かなり細かく演技プランを立てられ、右近タケルの方が
変化が大きかったと思いますが、この日は一切作為的なものはなく、
ごく自然に流れるような演技で、もちろん、演じることの
タケルであることの情熱は内に秘めているのでしょうが、
一種、静謐さを感じるような演技でした。
あるべきところに全てが治まり、その一番美しい様を見せていくような・・・
舞台上では、大立ち廻りが行われ、音楽が大音量で鳴り響き
激しい台詞の応酬があるのだけれど、タケルから漂うものはなにかしら
“静謐さ”でした。

舞台を創り上げた皆の、そしてこの舞台を追いかけてきたファンの想いが
昇華されていく時間。
楽の舞台はそうして過ぎて行きました。

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