ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

中日劇場のヤマトタケル観劇記3

2005-07-02 00:02:24 | ヤマトタケル
●6月26日千秋楽

演舞場よりロングランのヤマトタケルも、いよいよ大楽!
「は~やっぱり寂しい(/_;)。。。」と、
客席に身を沈めた瞬間しみじみしつつも、
カーテンコールで絶対猿之助さんに会える予感がして、そして
この場内のどこかで『共に』この千秋楽の公演を観劇している、
との確信を抱きながら、古代への扉が開かれていくオープニングを、
多くの感慨を持って眺めていました。
――最後の夢をみる。

右近さんのタケルも複数回拝見しましたが、
この日のタケルが、私は一番素敵だと感じました。
演舞場初日、その翌日、そして3~4月の東京公演の間、5月松竹座~
名古屋と、かなり細かく演技プランを立てられ、右近タケルの方が
変化が大きかったと思いますが、この日は一切作為的なものはなく、
ごく自然に流れるような演技で、もちろん、演じることの
タケルであることの情熱は内に秘めているのでしょうが、
一種、静謐さを感じるような演技でした。
あるべきところに全てが治まり、その一番美しい様を見せていくような・・・
舞台上では、大立ち廻りが行われ、音楽が大音量で鳴り響き
激しい台詞の応酬があるのだけれど、タケルから漂うものはなにかしら
“静謐さ”でした。

舞台を創り上げた皆の、そしてこの舞台を追いかけてきたファンの想いが
昇華されていく時間。
楽の舞台はそうして過ぎて行きました。

ポイント募金