ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

二月大歌舞伎・夜の部

2006-02-24 00:09:52 | 歌舞伎
マクベス楽遠征での上京に合わせ、歌舞伎座も取っていた友人が
仕事の都合で歌舞伎座観劇が不可能となり、
夜の部のチケットをプレゼントしてくれました!!ありがたや~
ちょうど、道成寺だけでも、幕見に行きたいと思っていたし。
(さすがに、早退出来ないので、序幕は無理です(~_~;))

しかし、何でそう思い込んでいたのか不明だけれど、
道成寺、19時くらいからと勘違いしていて
(だから、残業なければ幕見も可能かと)
本日、歌舞伎座に着いて、すでに幕が上がっていた事を知りました。
あ~猿弥さんの舞い尽くしが観れなかったぁぁぁぁ(ToT)
(と、思ったけど、もしかして、担当日替わり?)
最後、二十分余(クドキの後半あたりから)の観劇となりましたが、
なんだか、男っぽくなってしまったな~と思っていた菊之助さんが
(昨年の十二夜やお初観劇時の印象)
凄く柔らかく踊っていて、女らしくて(笑)素敵でした。
玉三郎さんとの映りも良いし。

でも、二人同じ姿、同じ振りで舞う姿を見比べると、
やっぱり菊之助さんの方が、大きく動いてしまうのですよね~。
大きな所作で小さく見えてしまう。
たぶん、お一人で踊ってらしたとしたら
そんなことも思わずに見惚れてたいような気がするけれど、
まったく同じ姿で、自在に踊る玉三郎さんが脇にいらっしゃると
ある意味損なのかもしれません。

ふっとそんな事を思ったりはしたけれど、
久しぶりに歌舞伎座に足を踏み入れ、なんだかその「匂い」が
懐かしい感じがした。明るい舞台面が、さらにその想いを増幅させて、
春爛漫の満開の桜花や、豪華な長唄(10挺10枚!私の記憶が正しければ
9挺9枚までは目撃したことがありますが、20名様!は初めてかも…)と
鳴物陣の並ぶ緋毛氈や、歌舞伎の(マクベスとは違い・笑)大光量の
白い強い明かりが、歌舞伎座にいることの高揚感を盛り上げてくれた。

能楽堂のしーんとした(小ぢんまりしていることと、
集中力満々の客席、であるがゆえに)雰囲気と違って
なんでもあり(ホントは、ナシでヨロシク・苦笑)のザワザワとした客席も
「歌舞伎座」でした(^_^)v

切の演目は『人情噺小判一両』
一時間にも満たない小品ですが、菊五郎さん吉右衛門さんの顔合わせ。
「人情」の皮肉というか空回りというか、
よくよく考えると「魔女」より怖いかも…
魔女の仕業ならば、不幸や悲劇は予測がつくけれど、
誰も相手を貶めようとは思っていない、どころか、それぞれの善意や好意
あるいは矜持に基づいた行ないなのに、
一人の人間を深い不幸へと導いてしまう…
いや、一人ではなく、
その現場に居合わせた人々を痛みの中へ放り込んでしまった。

安七の「俺はお前の親の敵だ」(←正確な文言ではないかも)
の科白が、観客の私にも刺さり、痛くてホロリとしてしまいました(/_;)

追伸:語りまくりたい(まだ?・爆)マクベスについては、また後日。
明日(金)もお出かけ予定、週末も勤務なので、国立始まるまでには、
ポチポチとアップしていけたらと思います。皆さまの投稿、観劇記も
大歓迎\(^o^)メールで下さってもオッケーです。記事にさせて下さいね!!

りゅーとぴあ能楽堂「マクベス」千穐楽!!

2006-02-23 00:40:35 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ

昼夜とも、とっても良い舞台でした!!
満場の客席。澤瀉ファンがさすがに多かったです。
通常のカーテンコールに栗田さんも登場され、
まずは、紫さんに向かって、
そして客席に平伏してご挨拶されました。

常のように、一度全員が引っ込んだ後
拍手は二拍子となり、アンコール!

無事、公演が打ち上げられたことへのお祝いの気持ちと
もう、二度と出会えないかもしれない舞台との別離の寂しさとが綯交ぜ(/_;)

取り急ぎ、超プチ楽報告です。

りゅーとぴあ能楽堂「マクベス」東京追加公演1

2006-02-21 00:55:02 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
                【ヘカテ様に捧ぐ↑↑】

魔女軍団の皆さん、痩せたー!?
というのが、本日東京リターン、舞台の冒頭を観てまず感じたこと。

腰がひとまわり細いもん(笑)
着物はなるべくウエスト(腰のくびれ)の存在を目立たせない方が
良いのだけれど、わ~なんか、細くなった?と…呪力使いすぎ!?

気のせいかしらん?とも思ったけれど
帰り道、その旨、やはりリピート観劇している友人に告げたら
自分もそう思った!!とのことなので、やっぱり痩せられたのでは…
巡業しんどかったかしら~(/_;)と、思わず保護者な気分。
二回公演の日などは、大変でしょうね。

ここに来て、調子が凄く上がって来たのが、マクベス夫人のようで
科白の緩急、思い入れなど、言葉が肉体化されてきた感じ。

本日は中正面の席で、久々に、栗田さんじゃないけれど
目付柱、のこぎりで切ったろかしら!と柱に対して殺意を覚えましたが
(いろいろ、死角になる場面はあったのですが、
大詰、兜を取った右近さんの顔が完全に隠れた!!)
勧進帳のときほどは、舞台面の分断は感じなかった。
個々のポイントで、役者さんの姿が隠されてしまう程度。
それも、同じ中正面席でも、意外と各列の端は大丈夫で、
センターに座ったがゆえの大見切れ大会!となってしまったようです。

でも、正面や脇正面より、客席の位置が高くて
これまでの観劇との視座の違いは面白かったです。

友人が赤いマフラーを巻いていて
思わず「バンクォー殺しの場」ごっこが出来ると喜んでしまいました。
(っていうか、魔女ソング歌いながらちょっと締めてみた・笑)

歌詞もちゃんと正しい文言を記憶した子がメールくれたし
ハモり可、という音感のある友人もいるし、
いつでも2番?3番?まで歌えます。
(歌ってどうする?>自分ら)

最近、バッグには、松岡、福田、木下版の「マクベス」も入ってるし
(木下さんの他の翻訳への批判が、結構笑えます。)
このあたりも、あらためて「雑感」でアップしたいと思いますが
本日は眠いのでこれぎり~のプチ報告。

舞台詳細報告は、また楽後あたりで。

りゅーとぴあ能楽堂「マクベス」大阪公演観劇報告

2006-02-20 08:38:32 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
マクベスな日々…也子さん編

私の、笑也さん演じるマクベス夫人の第一印象は「魔女の親玉」(^^;)…。
元々メイクもいつもよりつり目気味のようですが、
その立ち上る雰囲気が怖くて。

出端はそうでもないんだけど、
夫からの手紙を読んでるうちに声がなんとなく変わってきたかなー
と思ってたら、正面に立ったその目の表情がもう「魔女」。
マクベスからの手紙を読むうちに夫が描いた妄想が伝染して
人が変わってしまったみたい。
人間が持つ権力への羨望のなんと強いことかと思わせる。

最後の一押しが足りないマクベスに
自分の性根を注いでやろうってとこなんか、
性根どころかマクベスに取り憑いて代わりに王殺しまでしそうな迫力。

でも、これってマクベスがわざと夫人に後押しさせるべく
手紙を書いたんじゃないかなーという気もして。
右近さんのマクベスを見ているとそんな気になった。
三人の魔女に王冠を予言され王殺害を思い描くけれど、
こんな大仕事、自分一人で実行を決めるのは恐ろしい。
誰かに後押ししてもらいたい。そんな、罪悪感を半分にし
たいって気持ちがあって妻に手紙を書いた。そう見えた。

右近さんのマクベスってすごく人間的。
荒野の真ん中で、甘い予言をエサに心弱い人間をカモる魔女達に
まんまと引っかかった彼。(これって一種のキャッチセールス?)
彼女たちの期待通り(?)に人生を転がり落ちていった。
(ちなみに、魔女はカモる相手は誰でもよかったのか?
彼でないとダメだったのか。
カモって何がしたかったのか。人の不幸を見たかっただけ?)

後半、王位を守るために次々と殺人を犯すけれど、
その姿に「暴君」の残酷さは見えず、抜き差しならない状況に
やけくそで対応しているような人間の哀れさがあった。
そんなに悪いヤツには見えなかったな。(なんか応援したくなるタイプ)
却ってマルカムやマクダフの方が保身的で小狡いヤツに見えた。
(危険な状況に妻子を置き去りにしたマクダフ、
あれは絶対未必の故意だ。2時間ドラマなら保険金殺人かと疑うところだわ。)

笑也さんのマクベス夫人は本当に怖い。
殺人に二の足を踏む夫を叱咤とささやきで陥落する
その緩急・強弱のついた言葉の数々は、
リズムを持って繰り出されているが故に反論を差し挟む隙がない。
マクベスに寄り添って悪事をささやく様は、
まるでイブにリンゴをすすめる楽園の蛇のよう
で、悪意に満ちた微笑みは怖い。けれど魅惑的。
きっとこの人なら、
ホントに一旦やると言ったら我が子でも殺めてしまうだろう、
そう思わせる強さと恐ろしさがあった。
身中には野望が渦巻いていて、でも氷のように美しい。
そんなマクベス夫人。

ところでこの物語、マクベス夫人が恐ろしくて美しくなければ
完成しないのではないか、という気がした。
彼女が欲に目が眩んだタダの女だったら、
それにそそのかされて大罪を犯すマクベスの存在感も小さくなってしまい、
後半の罪に罪を重ねる様子も最後の悲劇性も薄らいでしまうような…
マクベス夫人は、夫を良心の呵責から引きはがし、
人殺しをさせるまでに引っ張っていかなければいけない。
夫人の言葉を聞いて、マクベスが人殺しをする決心をしたも
のもっともだと思わせる大きな力を持っていなければ中途半端になる。
だから、マクベス夫人は美しくて恐ろしい魔女でなくてはいけないように思った。

私が一番好きな場面は、
マクベスが王を刺した次の瞬間に橋がかりから現れるマクベス夫人の独り語り。
恐ろしい計画を実行に移してしまった戦きと、
それを凌駕する、王冠を目前にした高揚、
そんなものが綯い交ぜになった感情が溢れた語りは、
最後の「~生かそうか、殺そうかと」で最高潮になる。
この声を聞いてゾクッとなった。
(夫が人を殺すのワクワクして待ってるんだもん、怖いって。)

こんな雄々しいマクベス夫人が、
マクベスがバンクォーを殺したことを察知した辺りから何故か気弱になる。
王を殺しただけでは玉座に座り続けられないことにようやく気付いて、
この先の不安な日々を思って妄想に取り憑かれる。
そういうことなのかなーと思ったが、
でももうちょっと違う捉え方もあるなと思いだした。

そそのかしたとはいえ、
自らの手で殺したわけではない殺人の罪に苛まれて心が壊れ
るような人ならば、夫の王殺しをすんなり受け入れただろうか。
(そんな目を曇らせるのが王冠の輝きだ、ということなのかもしれないけれど)
夫を止めなかったのは、
もしかしたらマクベスにかけられた魔女の呪いは手紙を介して
マクベス夫人にも取り憑き、彼女を魔女にしたからではないかと。
そして、夫が次々に殺人を犯す様を見て呪いが解け、
その罪の重さに苛まれて心を病んだ、
という見方もありなんじゃないかなと思った。

マクベス夫人の狂気の様は、
「狂った」というよりも「壊れた」という方が似合っているように思う。
夫人が、狂気の最後に「手」を求め、握りしめて落ち着くところ、
現実から乖離してしまっても夫が支えなんだと気付いてちょっとジンとした。

また、マクベスが夫人の死の知らせを受けるシーンも、胸を突かれた。
亡くなったと聞いてからの長い沈黙がたまらない。
信じられない知らせが体中を巡って思考に染み渡るまでの長い時間が、
彼にとって妻の死が如何に現実離れした出来事であるかを物語っているようで
辛くなった。(大切だったのね、鬼嫁でも…)
マクベスがホントに自己中の暴君なら、狂ってしまった妻などよくて幽閉、
下手すりゃ暗殺(何を喋るか分からないし)ってなりかねないのに、
医者に見せて治そうとするんだからやっぱりいい人なんだよね、
って思ったりして。(妻子を見殺しにした誰かさんとは大違い~)

でも、この物語に、
こんなに夫婦のお互いへの愛情が散りばめられていたとは思いも寄らなかった。
今回の観劇で新発見。

そういえば二幕目、マクベス夫妻のお付きはそれぞれ死んだ人(役柄上)
が復活してお付きになっていて、
話し方・動き共あんまり抑揚のない静かなものなので、
この夫婦が死人に囲まれて暮らしているようなイメージがあったなぁ。
(ちょっと不気味)

ラストのマクベス夫妻の道行き、
何の表情もない二人の様子(特に傘持って現れたマクベス夫人、
最後までまばたきしないので、まるで西洋風の能面みたい)に、疲れた
魂が寄り添いながらどこへ行くのか、
見る人それぞれに結末は違うのかもしれないけれど、
願わくば何もない真っ白な世界に二人で溶けてしまって欲しいな、
という思いがしたのですが…
このシーン、息を詰めて見守ってしまう。
好きな場面。だけれど、見てるとなぜか辛くなってくる。
哀しいわけではないんだけれども。なんでかな。

さて、この「マクベス」。
最初にチラシを見たときから、
ずーっと少人数(4~5人)で上演されるのだとばかり思いこんでいて、
見てたらぞくぞく人が出てきたので、結構大人数でやるんだなー
と思った次第。もっと少人数でやっても面白いんではないかと思いました。
(それこそ、マクベス夫妻と魔女軍団くらいで。二人芝居風とか。)

魔女さん達の傘、私はやっぱりボロい方がいいかな。
それか、最後のシーンだけボロくするとか。
最後のシーンはマクベス夫人の傘と魔女の傘は違う方がいいなと思うので。

魔女ソング3曲ありますが、
私は魔女音頭(太鼓のリズムで唄うやつ)が好き。
他のものも、
もっと童歌チックな旋律の方がいいんじゃないかと思ってたんですが、
聞いてるうちに、これくらいの和と洋の割合の方がいいのかなー
思うようになりました。

それにしても、笑也さんがこんな怖い女性を演じてハマるなんて、
思いもよりませんでした。もっといろいろ見たくなったなぁ。

~プチ報告~りゅーとぴあ能楽堂「マクベス」大阪公演 

2006-02-16 23:02:47 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
更に更に素晴らしい舞台になっているようです。
すでに、新潟、東京、名古屋と観ている子たちからも絶賛の声が。
名古屋二日目も、かなり良かったみたいなのですが
それを観ていてさえ、今日の舞台は凄い!!と。

明日私が大阪に居ても許して>会社
(いや、行きませんけど…(~_~;))

【2月18日追記】

そして、大阪楽を観終えた友人からのメール入電!
右近さん笑也さんとも、大阪三日間のうちで
一番の熱演だったのでは?と思うくらいの濃厚なお芝居だったようです。
名古屋二日目から大阪初日、二日目までに、リピート観劇の子らからも、
役者さんたちの完成度が高まっていて良かった~!!との声が
かなり上がったのですが、それより以上に熱い舞台とは!?
リターンの東京公演を想像すると心拍数が上がってきます。

りゅーとぴあ能楽堂「マクベス」名古屋公演報告

2006-02-16 21:44:14 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
                   【名古屋能楽堂の若松】

名古屋能楽堂ホームページ 

東海支局、もしくは遠征特派員よりのバレンタイン観劇報告まとめ(笑)


                


能楽堂は名古屋城側。能舞台自体は結構新しい。
音響の感じもまた違って、
あれ?ここって音楽流れていたっけ?と思う事が。
笑也さん、マクベスとのやりとりとの演技が練れて来て
夢遊病から死に至ってしまう心情の過程が見えるようになった感じ。
ラストの夫妻は相変わらず美しいです。

舞台に描かれている松の枝が無く、
緑と松ぼっくりになる前の細いもの?に変わってました。
うまく、説明が出来ないけれど、
金で雲のようなものも描かれているようで
高いところにある表現なのかと思いましたが、果たして?

魔女は破れ傘。それで、あれ?新潟は綺麗だったよな?
と思いながら観ていたら、マクベスの最期に魔女が周りを廻る時に
天井の影が美しく効果的で、おお!と思い、
最後に夫人だけ綺麗な傘で現れた時に!(ToT)、
なんか浄化された感が高まった!ので、いいかな、と。
生きている人と死人。現世とあの世。


                

也子さん

綺麗な能楽堂です。
梅若より席数も多く縦も横も広いので反響もよくて台詞が響く~。
笑也さん、右近さんはさすがに上手くて台詞の反響も気にならなかった。

笑也さんは、東京より良かったです。
東京のときは、ちょっと台詞を押し付けられているような感じがしていて
聞いてて窮屈な気がしたのですが、今日は気持ちが届いたように思います。
それにしても能楽堂ってところは、
空気・雰囲気を見せるための空間なんだなぁと、改めて思いました。
大声を張って台詞を言う領主たちよりも、
無言で歩くマクベス夫妻をこそ、濃厚に演出するんですから。
お客さんの入りは、7~8割弱ってとこでした。
なぜか外国人もちらほら。


                

菜種れんげさん

行って参りました!
初めて能楽堂に行ったんですが、面白いですね。
歌舞伎の舞台とは花道?の位置が違うから新鮮でした。
正面では分からない役者さんの表情が、脇正面からは伺えたりして。

魔女の演出私は好きです。
最初、お菊人形の団体が現れたのかと…
不気味な怖さがありました。
また、「サザンガク~♪」の歌が印象的でした。

右近さんはびくびくおどおどしていたのが、
いつの間にかふっ切って、腹を据えていたところが面白かったです。
笑也さんは最初長い台詞が大変そうでした。
でも自分がそそのかした悪事に、
精神が壊れていったところは迫力がありました。
あと、最後とアンコールの美しさ。
オーラに包まれた感じというのでしょうか。

それと今回、喜之助さんが素敵でしたね。
端正なお顔が王子にぴったりでした。

名古屋の能楽堂の松は、故杉本健吉画伯の作品で
若松と老松があるんです。交代で掛けられると何かで読みましたが
今回の作品に若松の絵がとてもフィットしているように思いました。
何回も観ると自分でもっと咀嚼できて、
より楽しくなれるんじゃないかと思いました。


下記、中日パレスのプレイベントの記事、追記してます。

マクベス雑感5

2006-02-15 02:13:32 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
笹部さん、ブログ開設されていたのね。
メジャーリーグの方の日記だけかと思ったら…

でも、これ反則(笑)です@笹部博司のシアターカフェ

☆笹部博司の芝居日記から

笹部博司のページトップ

メジャーリーグ
友人がこのメジャーリーグは以前から、なかなか良い作品を提供している
という話も聞きましたので、あらためてご紹介。


マクベス、木下順二訳読み終わりまして、更に再読。
この岩波文庫版には、あとがきというか、『マクベスを読む』という
ご自身が講演された内容が掲載されているのですが、
やっぱり、物語に訳者の思想や哲学(や言語学上のもの)が恣意的に、
あるいは無意識の領域で、反映されてしまうのだな~と確信した。
シェイクスピア+翻訳者の世界観を私たちは味わうのだな、と。

舞台はそれに加え、演出家や演者が紡ぎあげる「マクベス」なのですね。

「雪之丞変化2006」プレイイベント報告

2006-02-14 22:38:19 | 歌舞伎
名古屋支局、菜種れんげさんより

中日パレスで行われた囲む会。
十五分ほどの立食での軽い飲食のあと
右近・笑也・笑三郎・段治郎・春猿のみなさんを迎えました。

ほとんどが歌舞伎(おもだか?)ファン。
質問コーナーでは「大向こうをかけたいがお芝居を壊しそうでできない。」
の問いに、国立での実績あるサブちゃんが
「確かにそれもありますが(笑)ないよりあったほうがいい。
最初は舞台に出てくるとこからかけたらどうでしょう。
拍手といっしょなら、声だけ目立つという事もないし。
でも声をかけるより拍手を優先してください。」とのお答でした。

バラエティーで、最近準レギュラーの春猿さんには
笑也さんの鋭いツッコミが炸裂。
「今の女性は着物を着ないし、立ち居振る舞いが違うから、
女方のお手本にはならない。」という春猿さんに
「個人的に興味がないとか…」とか
「バラエティー出ても春猿さんほどしゃべることないから。」
などと言って笑いをとってました。
春ちゃんいじめばかりでなく(笑)盛り上げ役として頑張ってました。

段治郎さんは、雪之丞で、踊りの会を除き
初の女方に挑戦するのが楽しみなようでした。
右近さんは雪之丞のテーマを
「一つの夢が終わってしまっても、
それで全てが終わってしまうのではなく
次の夢に向かって行こう(のような意味の事)」と話されました。

また「名古屋は僕だけでなく二十年以上前から出させて頂いているところ。
初めての責任興行の西遊記、師匠不在のヤマトタケルなど
我々を育んでくださる第二の故郷。
そこに錦を飾る思いで雪之丞に取り組みます。
来年も呼んでもらえるかどうかは皆様次第ですので
みなさんどうかよろしくお願いします。」と言われました。

バレンタインに何が欲しいかの質問に、右近さんは
「お芝居を観て貰えるのが一番嬉しい。チョコ代をお芝居に…
でも、そのうえでのチョコなら嬉しいです。」
笑也さんは「では、私がしめましょう。
お客様からのいっぱいの拍手です。」とのことでした。

皆さん、あとからあとからの写真撮影の相手に大忙し。
サイン入りポスターや写真、四月のチケット等が当たる抽選会もあり
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。

ひーこっちさんからの報告【2月16日追記】

お客様は70~80人くらい?100人はいなかったと思う。
始まると立食形式で食事。その後5人が登場。
壇上で座る順序でちと揉めて、
台本?みたいな紙をチェックしてたりした。
奥から、笑三郎さん、春猿さんが座ったため
真ん中に右近さんが座ると、
段治郎さんが遠慮して右端に行こうとして
笑也さんが、「主役だから」みたいな感じで
段治郎さんを誘導してました(笑)

右近さんが「雪之丞~」の説明をしたあと
段治郎さん、笑也さん、笑三郎さん、春猿さんの順番で
自分の役柄の説明、抱負など。
笑也さんは「疲れた方を中心にお誘い下さい」と。
(芝居を観ると)元気になれますよ!!って意味でしょうか?

その後質問コーナーで、なんだか、春猿さんに絡む笑也さんでした(笑)

マクベス東京公演5

2006-02-12 22:02:25 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
実は、昨日夜の部は、空席も目立ったのですが
本日は、満席!!客席からのエネルギーも立つ感じ。
(でも、結構、こじんまりした人数でこの劇空間を共有するのも
 なにか、“共犯”めいた気分で、妙な一体感があり悪くなかった♪)

入場の際、他の公演のチラシやアンケートが配布されますが、
毎回同じ内容だと思い、初日以来受け取ってなかったのですが、
昨日、友人が受け取ったチラシ類を、お茶しつつ眺めていたら、
東京公演初日の時には、入っていなかった案内もあり、
今日は、しっかり頂きました。

りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズでは
シリーズ第四弾「オセロー」が、今年8月9月、
新潟・東京にて上演決定!(詳細は4月発表)という事と
第三弾の「冬物語」が、この4月末~5月初旬に開催される
ルーマニア・クライオーヴァーのシェイクスピア演劇祭から
招待されました、というご案内。

ブラヴォー
是非是非、今回のマクベスも、
より多くの方に観て頂ける機会のあることを願っています。

ご出演の役者さんたちも素晴らしいのですが、
今回、ホント、演出にハマり、栗田さんブラヴォーな私。
栗田さん演出のこの先のお芝居のチラシもあり、
時間とお金をどう捻出しようかしらん(と考えている段階で
観劇決定な気がする…(~_~;))
さすがに、17日からの家なき子は無理ですが、
「クラリモンド」@5月、サンシャイン劇場が
谷田さんや、魔女の(笑)横山愛さん、横山道子さんもご出演。
音楽も同じ宮川さんとなると、そそられます。

過去、栗田さんがおもだかの役者さんたちと
「アガタ」を旗揚げした頃も知っていましたが、
当時は特別関心も持てず、興味の外だったのが悔やまれます。

猿之助さんは、多くの役者さんを育てられましたが、
一方の才能、演出の面でも、人材を輩出されたのですね。
猿之助さんが撒かれた種は開花・結実し、
今、本当に収穫の季節なのですね。
スーパー喜劇、シェイクスピア、
そして、他の幹部さんとの共演の歌舞伎の舞台、
一門の役者さん達は、何の遜色もなく舞台を勤められています。

そんなことも、ふっと思いながら
いったんの東京公演の最終日を観ておりました。
満場の客席と呼応するような、情感溢れる熱い舞台でした。

追記:次は名古屋?(←私が・笑)と何人かの顔見知りの方に
聞かれましたが、行きませんっ!
…っていうか行かれません。(大阪も)
明日から一週間、みっちり労働します!!
残業だろうと、引越しだろうと、
なんでも来いなのでございます(←直美ちゃん風・笑)
どうぞ、名古屋、大阪観劇予定の皆さま、
舞台の様子、感想をお寄せ下さい!!


マクベス東京公演4

2006-02-12 00:57:12 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
東京初日の土曜日や平日の19時開演より、1時間早い18時開演だったので
うっかり(笑)終演後、お茶してしまったら、やはり日付変更線近くの帰宅…

眠い(-_-)zzz
けど、私にとっては凄く大きな変更と感じた点をアップ。

二幕目、魔女たちが傘を持って出てきますが、
あの傘、フツーに白い紙が貼られた美しい傘だったのです.
しかし、破れ傘に変更されていました。
火曜か水曜あたりに変えたそうなので
それ以降観た方は、その初見のものがオリジナルですから
当然、違和感なかったでしょうけれど、
私の、まったく個人的な嗜好からすると改悪。

なんの細工もない、綺麗な白い傘を差しての出端が
白装束にピッタリで、美しい造形だったし、
また、ラスト、残された人々をエスコートする時も
視覚的には破綻のない様相だからこそ
秘められた不穏が露呈する感じだったのに、
かなりボロボロの破れ傘が提示されることによって
(傘に、何かしらの意味を与えてしまうことによって)
隠匿されている怪しさみたいなものの魅力が、半減したように感じた。

また、魔女たちが傘を自分たちの前に置くことによって
「姿が見えない/姿を隠した」事を表す演出があるけれど
これも、歌舞伎の常套で、すっと入っていける約束事なのですが、
ボロ傘にしたことによって、そういうあたりも、何か馴染めず。

りゅーとぴあ能楽堂は、舞台が明るかったので白傘が映えたが
梅若能楽院の舞台は、暗いあめ色なので、その雰囲気から
演出家が、変更したらしいのですが、私は断然変更前の白い傘希望!!

準備が整わないとの事で、本日、開演が若干遅れたので、
最初、ボロ傘を目撃した瞬間、何かの事情で傘が壊れてしまい
直す時間がないので、逆にすべての傘をボロボロにしたのか?
とまで、思ってしまいました(笑)

あと、役者さんたちが、だんだんと、役に馴染んできて
より感情移入しやすくなったのか、
声を張りすぎで、台詞の意味以前に、単語そのものの発語が
聞き取り難くなってしまっている点もあり、
劇場のキャパや客席の状況(客入りによって声の吸収のされ方が異なる)
音の返りなどを加味した台詞術も必要と思う。
ホント、声割れちゃって勿体無い部分もあり。

能舞台で、この空間でこのサイズで演じていることを、再認識して欲しい。
感情の高揚や動揺を表すのは、大声で怒鳴りあう事とは違うと思う。

マクベス雑感4

2006-02-11 01:53:05 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
「マクベス 右近 笑也」でブログ検索をして
(「マクベス」だけだと、新感線の メタル~の方ばかりヒットするので(~_~;))
おもだかファンである、とか、もともとりゅーとぴあの
シェイクスピアシリーズのファンである、とかでない人は
どういう感想かな~と、探って(笑)みたりしています。

その中のひとつに、キリキリと巻き上げる音や
レンジの「チン」みたいな音が気になった~という感想があり、
あ~歌舞伎ファンには黒御簾から聴こえる馴染みの効果音でも
フツーの(?)子からみれば、というか聴けば
そんなもんなのかな~と思ったり・・・・

時計のゼンマイの巻き上げる音と、ちん♪というオルゴール。
まさしく「時/刻」の効果だけど
今回、通常の「時間」というよりは、時間軸が揺らいでる感じがするのは
魔女たちのせいかしら?
ときどき、時が止まり、そして動き出す…

時計と云ってももちろん、ホンモノの時計ではなく木製の道具の一種。
オルゴールも、仏具のりんみたいなものがサイズ違いで4つくらい
木製の板に設置してあるものなのですが。
(蓋を開ければ奏でる~の方を思い起こさないように・笑)

私は、今回、どのSEもかなり使い方が上手い!良い!と思っています~。

マクベス雑感3

2006-02-07 23:23:11 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
レミゼを観て以来、その楽曲に取り憑かれていましたが
今、脳内は魔女の歌声に占領されています。
♪お前三度にわし三度~とか
♪毒蛇に傷を負わせても~傷ふさがればもとどおり~とか!(^^)!

『バンクォー殺しの場』(笑)も大好き。
舞台を観にいけなくても、あの、暗く狭い能舞台の上で
今日も、“小さくて大きい劇空間が誕生し消滅していく”(笑)
と、想像すると、すでに懐かしさをともなう音色が、
幻聴のように響いてくる気がする。
(って、アブナイ?>自分)

さて、このマクベス、いろんな翻訳者の版があるようですが、
とりあえず、読んだのが福田恆存訳と松岡和子訳。
語感がずいぶん異なります。福田訳は
そのまんまスーパー歌舞伎の舞台を想い起こさせるような感じ。

いくつか例をあげてみますね。

【松岡訳】
ダンカン「何者だ?あの血まみれの男は。満身創痍だな、
     反乱軍との戦いの最新の報告が聞けそうだ。」
マルコム「この仕官です。勇猛果敢に戦って、
     捕虜になりかけた私を救ってくれた。よく戻ったな!
     王に戦況をお聞かせしろ。戦場を離れた時どうだった。」
将校  「勝敗は不明、泳ぎ着かれた人間が二人、互いにしがみつき
     溺れかけてでもいるようです。残忍なマクドンウォルドは
     ―逆賊の名にふさわしく
     増殖した悪行がウジ虫のようにその身に群がっておりますが(後略)」

【福田訳】
ダンカン「あの血みどろの男は何者だ?あの様子なら、反乱軍の動静も
     よく知っていよう。新しい情報が聞けるかも知れぬ。」
マルコム「あの兵です、先ごろもあっぱれ獅子奮迅の働き、おかげで捕虜に
     なるところを危うく救われました。…おお良かったな元気で!
     戦場の模様、ありのまま、王にお伝えしてくれ。」
隊長  「勝敗はいづれとも申し上げかねます。水中泳ぎ疲れて、
     力の尽き果てた同士が、たがいに相手にからみつき、手足の自由を
     失のうて、もがき苦しむさまにも似て…
     あの残忍無法のマクドンウォルド、あれこそ根っからの謀反人
     重ね重ねの邪智、悪行、それを証(あか)して余りありますが
    (後略)」

松岡訳では幸四郎さん、福田訳では猿之助さんの声が聞こえてくるようでは
ありませんか?(笑)え?幻聴パート2?
“失のうて”に“うしのうて”とルビが振ってあるのを目撃し、
ニマっとしてしまいました。

【松岡訳】ロス「マクベス、閣下の勝利の知らせに、陛下は大層ご満悦ごです。」
【福田訳】ロス「御戦勝のお知らせ、王には至極ご満悦でしたぞ、マクベス殿」

など比較してみても、私は結構福田訳も耳馴染みがいいです。

今回の演出の方向性や、リズム感などでは松岡訳ピッタリですが。
(というか、この訳で戯曲を読んだからこそ、
演出家の中に、今、私たちが見るもののインスピレーションが
浮かんだのかもしれないけれど。)

坪内逍遥の他に森鴎外訳なんていうのもあるんですね~。
小田島雄志訳での上演も多い。読み比べてみたい。
言語で読む話はどうなったんだ?ってところですが、
フツーの英語でさえなかなか読めないのに、
古文?の英語はねぇ・・・対訳とか注釈ないと無理。
今でも、ヨーロッパの言葉はそうだけど、
英語も二人称のyou がthouとの言い方もあり、
それが thou(汝は)・thy(汝の)・thee(汝を)・thine(汝のもの)
と、変化していた!なんて、お勉強してないから分かりませぬ

マクベス東京公演3

2006-02-06 23:53:19 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
急遽、来場不可となった友人の代理観劇で、本日も梅若能楽堂へ。
順調に仕事が終わっても、開演ギリギリの飛び込みになることは
予測がついていたので、すでに、ランチタイムに夜食も調達。

東中野駅から、おにぎり片手に競歩スタイルで猛進!(笑)
とっても集中して観てしまうので、なんだかお腹の空くお芝居なのです。

正面が一番良い席かな~?と、正面ばかり買っていたのですが
本日、脇正面から観て、正面からは見え難かった部分、
橋掛かりでの芝居や、照明が創る陰影の相違、
魔女たちのフォーメーションなど、興味深く観る事が出来ました。
唄の響きやSEの返りも、ちょっと異なるんですね。
追加観劇を検討中の方は、是非、今お手持ちの席とは
異なるカテゴリーでご覧になることをお勧めします。

・・・ということで、本日も日付変更近い帰宅。
観劇記はまた後日~。

寒い。。。。!?


マクベス雑感2

2006-02-05 21:23:58 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
以前、ローマのガイドさんが、フォロロマーノの脇を走行中
カエサル(シーザー)の銅像が見えてきたところで
(え~行ったことある方は思い出して下さい。
右手にフォロロマーノ、正面にコロッセオを見る道)
「【帝王切開】とは、彼がこの方法で誕生したので名づけられています。」
と説明してくれました。

英語名でCaesarean sectionと辞書などには出ていますが、
この時は確か、
「なので帝王切開は、英語ではシーザリアン・オペレーション
/Caesarean operationと云います。」との説明があり、
「へぇ~へぇ~」と(まだ、トリビアなかったけど)と
妙に納得したものでした。後にこれは

>ラテン語 sectio caesarea をドイツ語に訳す際に、
>caesarea(切開する)を
>誤ってローマの将軍カエサルと訳したことからとも、
>カエサルが帝王切開により誕生したからともいう

との諸説も知りましたが、今回マクベスを見て、
帝王切開で生まれた人間には、何か特別な力が備わっているのかしらん
と、マクダフがマクベスに勝てる理由を調べようと
検索してみた結果、このラテン語からドイツ語に訳す際のミス、
という節も、

>「帝王切開」に関する間違った間違い訂正

だそうで(ややこし~)詳しくはこちらを。

ま、帝王切開の語源は置いといて、
月満ち足りず母の腹を破って(←だったかしら。今度は松岡版が迷子~)
生まれたマクダフの勝てる理由は?
と、ちゃかちゃかっとですが、検索かけてみたけれど
迷信とか言い伝えでも、帝王切開術で生まれた子に特別な力や能力がある、
という方向での記述は見当たらず…
単に、この物語り内での事だけだったのかしら。
王位に関わる主題なので、「“帝王”切開」と
何か意味を掛けているのかと思ったのですが。

何かこのあたりご存知の方は教えて下さい\(^o^)

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