ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

マクベス07 大阪公演観劇記

2007-04-25 00:52:11 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
 也子さん

こんばんは。
大変遅くなりましたがちょっと感想書いてみました。
(年度初めは通常業務以外のものがいろいろとあって
挫折しようかなーと思ったんですが、この演目は
好きなので、頑張ることにしました(^^;))

同じ作品を違う演出で観るのって面白いですね。
どっちが好きかは意見の分かれるところでしょうけれど
私は…06バージョンかなぁ。
(私の持ってるシェイクスピア劇ってイメージが
あんな雰囲気なので。)
今回07バージョン観て気付いたんですが、06の魅力って
「曖昧さ」にあったのではないかな、と。

王様が起きあがったら門番だったり、マクダフ夫人が
殺されてそのままマクベス夫人の侍女になったり、
小道具も笹が刀に、赤い布が血や縄になったりと
今、それが何であるか、観客がちょっと考える時間が
必要だった演出。(少なくとも、ニブ目の私はちょっと考える
ことがありました…(^_^;))
見ている者みんながそれを「○○だ」と共通認識するまでに
かかる間の曖昧な状態、それがあの作品全体に
まとわりついていて、その曖昧な雰囲気=不安定さに
なって、何とも言えない不気味な「ゴチックホラーな童話」的
空気を醸し出していたように思います。

何よりも前回バックミュージックとして使われていた
アカペラの歌声。
楽器が出す一定の音階ではなく、肉声の持つ揺れが
薄暗い能舞台に溶け込んでいて、善良な男だったマクベスが
あんな簡単に運命を転がり落ちていったのは、あの魔女達に
荒野で魔法をかけられたからだ、と思わせる空気が出来て
いたように思うのです。

今回の舞台ではそういった曖昧さがなくなり、予言によって
王への殺意を簡単に持ってしまったマクベス(=人間)の
権力への欲望とその心の弱さがよく見えるようになっていました。
二役されている役者さんも別人だと分かるような演出になっていて、
物語の筋が追いやすくなってましたし。
セリフも前回のようにドラマチックな抑揚ではなく、より心情を
伝えようとするような押さえたカンジで。
場面もちょこちょこ増えていて、話の展開が分かりやすかったので、
見やすい舞台だったと思います。
(でも…太鼓はこの芝居のテイストとちょっと違うような気がします…
あくまで私の好みですけど。)

ラストはやっぱり06バージョンのが好き(*^_^*)
無言・無表情で寄り添いながら歩く二人が何とも言えず
好きでした。
(いろんな事が想像できて面白かった。)
マクベス夫人待ちかまえバージョンもよかったけど、
二人で寄り添って歩く時間が短いのが残念。

こうやって見比べてみると、06は「劇」で07は「芝居」って感じがします。
(どう違うのか説明しろって言われるとちょっと困るんですが…
言葉の持つイメージというか響きからそんな気がして。)

ちなみに06のマクベスは「能」で、オセローは「狂言」なカンジが
しました。

07でMyハイライトだったのはマクベスが医者に夫人の容態を
「患者の具合はどうですか」と聞くところ。
愛しい人であり唯一の共犯者だったマクベス夫人が狂ってしまって
自分が味わっている地獄を共感できる人間がこの世に一人も
いなくなってしまった孤独感。
「患者」とよそよそしく呼ぶことで、自分が初めから独りきりで
この状況にいるのだと言わんばかりに振る舞って喪失感を
払拭しようとしてるみたいで、辛いなぁと。

と、まあ、こうやって去年の舞台を思いだして比べてると
06バージョンが観たくなってしまいました。
再演(再々演?)してくれないかなー。

【おまけ】

去年のオセロー観てて思ったんですけど、
オセローはホントにデズデモーナのこと愛してたんでしょうか?
ま、若くて綺麗な女、って意味では好きだったと思うんですけど、
彼女自身を愛してた、というのとは違うような気がして。
なんか、自分を有色人種と差別した白人への仕返し、みたいな
気持ちがあったように思うんですよねー、あの結婚。

男達は当然の如くに彼を「白人ではない者」として差別し、
ムーア将軍と呼ぶ。
そして愛しい妻でさえ、彼のことを「私のムーアさま」と呼ぶ。
名前ではなく人種を名前代わりに呼ばれるのはあの中で彼だけ。
違う種類の者だと日々呼ばれ続ける彼が、白人の中でも
取って置きの女を自分のものに出来たら、いい意趣返しになると
無意識に思ったとしてもおかしくはない。

デズデとの結婚を許可してもらうために事の成り行きを語るシーンで、
彼女が自分の生い立ちや波瀾万丈の人生に興味を持っていると
気付いて彼女の涙を誘うように話をしてやった、と言うところ。
これは意図的に彼女を落とそうとしていた、って読めないかと。
お互いに尊敬してる、みたいなことをデズデのお父さんに言ってたけど
それならなんでそんなテク使ってるわけ?みたいな。
(あのオセローのセリフを聞いて、ちょっとオセローがイヤなヤツに
思えました。)

そうなると、オセローは彼女のパーソナリティを愛してる訳ではない
から、ちょっと唆されただけであっさりその言葉を信じてしまう。
それは彼が真にデズデを愛していないから。
結婚できたのは、彼女が自分の求婚を受けるように、人生譚を
おもしろおかしく聞かせて、彼女の気持ちをミスリードしたと
分かっているから。
オセローにとっては、「結婚した」のではなく「結婚できた」だった。
だから、オセローは彼女から本当に愛されているとは思ってない。
なので、彼女の浮気話を簡単に信じてしまえる。
そして、簡単に殺してしまった。

そんな差別され続けた男の身勝手な復讐話、ってカンジがしました。
(ごめん、シェークスピアさん。こんな感想で。)

【余談】

オセローの幕開き、デズデとの秘密婚のシーンで、悪霊が
ハンカチ開いて見せるところ。
白地に赤のシミが付いてるの見て、「え、バー○ンの証?!」と
ビックリしてしまいました。
…イチゴの模様だったんですね……

えー、お後がよろしいようで。

ワンクリックお願いします
↓↓ 
にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ

 無料で募金が出来るサイト

市川右近・市川笑也トークショー

2007-04-09 01:32:22 | 市川笑也
2007年4月7日(土) 名古屋三越

 参加者からの報告メールより♪

歌舞伎展の隣りに作られた会場には百席ほどの椅子席。
壇上には、宙乗りをしている師匠の化け猫が客席をにらんでおりました。

とにかくお二人ともテンション高かったです!とっても楽しそうでした!
「市川煮込みで~す」「市川うどんで~す」(名古屋名物ってことですね)
から始まり、歌舞伎座近くの矢場とん(名古屋本店の味噌かつで有名なお店)の
Tシャツを着るのがスタッフでは流行ってるとか、まさしく漫才コンビみたい!

歌舞伎の衣裳・小道具展でのトークショーということで、
「まだ演らせていただいた事のない大役の衣裳ばかりですが、
渡海屋銀平の煙草入れは使いました。お客様には見えないのに、
碇の紋様がついてるんですね」と右近さん。
笑也さんは「紋の所が汗でにじんでるんですよね~」とコメント。

また、馬のハリボテ?を笑也さん大のお気に入りだった様子で、
「私も入ったことがありますが、二人で動かすんです。
後ろの人は体を直角に曲げるので馬のお腹しかみえないんです」と解説。
弁天の時に使われた煙管については
「回さなきゃいけないのでバランス取るため、雁首が長いんですよ~」とのこと。

六月の中日劇場「獨道中五十三驛」に関しては、
右近さんは「中日劇場さんには育てて頂いて大変感謝しております。
猿之助十八番の中でも大変人気の演目。早替りあり、
斜め宙乗りありと見応え一杯です!」
笑也さんは、歌舞伎を観たことのない方に
「初めてがこのお芝居でラッキーでしたねえ!」
「早替りをしたら右近!と是非大向こうを掛けて下さい!」と表情豊かにPR。

猿之助さんのDNAを引き継ぎ、
師匠の演ずるわくわく感を大事にして行きたいとの事でした。

文字にしてしまうと硬いんですが、爆笑の渦のトークショー。
盛りだくさんで書ききれず(笑)
翌日の中日スポーツには「16変化目は漫才師?」の文字が出てました~。
笑也さんも
「舞台ではこんなんじゃないですからね~綺麗ですからね~!ははは!」
と言ってましたが、舞台と素顔のギャップに
新たなフアンが増える事を期待する私です。

ワンクリックお願いします
↓↓ 
にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ


マクベス07テレビ放映情報

2007-04-05 23:07:30 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
って別枠にするほどでもないのですが(詳細は、ほとんど不明)
東京中日の4月4日にNHKの収録が昼夜とも入ってました。
まあ、どっちか出来の良い方(笑)を使い、
ちょっと差し替えたいところ(爆)用、
念のため用の二回撮りなのでしょう。
こうなると、生放送って、楽かもね。やり直しも編集もなく
もう、そのまんま、出たとこ勝負(なの?)

放映日未定。でも、7月ころかも、とのスタッフさんの言質あり。
自分で、芸能花舞台ですか?とふってしまってから
ちゃう、40分(強)番組じゃ無理っ、と自主ツッコミ。
あ、芸術劇場とか、そっち系ですよね?と再確認。
明確な回答は頂けませんでしたが、とりあえず、
芸能花舞台ではないと思います。。。

りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「マクベス07」東京公演 3

2007-04-05 22:51:50 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
2007年4月5日(木)国立能楽堂 脇正面

【出演】
市川右近市川笑也菅生隆之谷田歩、市川喜之助、
河内大和、栗田芳宏、山賀晴代、市川猿若
横山道子、田島真弓、横山愛、塚野夢美、住田彩、塚野星美
藤間紫(特別出演)

◇作/ウィリアム・シェイクスピア
◇翻訳/松岡 和子
◇構成・演出/栗田 芳宏
◇衣裳デザイン/時広 真吾(リリック)
◇音楽監督/荒井 和真◇ヘアメイク/佐藤 圭◇小道具/後藤 信子
◇衣裳/山田 志麻◇音響/武藤 竜也(りゅーとぴあ)◇照明/大倉 勝茂(りゅーとぴあ)
◇舞台監督/やまだてるお(モモ プランニング)


え~まず、東京楽は何か特別なことが起こるのか?
と期待されている皆さまに(←いるのか?)ご報告。
通常のカテコの後に、もう一度。
特別なカテコ演出というのはなくて(まだまだ、公演続くしね)
全員揃ってのご挨拶を再度繰り返したのみ。
でも、1分でも長く、劇空間を共有出来るのは嬉しいので
この「もう1回」あって良かったです。
栗田さん、上の着物脱いでましたのでね(笑)、
本来は通常のカテコで終わる予定だった?

3日目にして、過去の幻影(笑)に囚われない視点で
一番、落ち着いて(自分が)観劇出来た。
06より、ある意味普遍性のある創り方になっているかな、とも感じた。
海外に持っていくなら、やっぱり06バージョンがいいな~と
個人的な嗜好では思うけれど、今作の方が、ストレートに伝わり易いかも。
役替わりのところなども、門番はやはり目の前で替わるので
イマジネーションの共有がないと難しいけれど、
マクダフ夫人から侍女―は、今回はいったん引っ込むので
初見の人でも混乱は少ないかも。
マクダフ夫人&息子役=魔女役のあたりも。

太鼓使用はどうでしょ、栗田さんがハマっちゃって好きなのかな?
釜でいろんなモノ(←モノって…)煮ちゃうあたりのリズム、
オセロー時の、「狂言」やっていたところと、似てません~?
太鼓を取得するだけでも大変なのに、その上芝居もしている
魔女っこたちは素晴らしいですが、実は太鼓、音を聴かせる以上に
音が止まったときの「間」の方がより際立っていた。

ヘカテは出番も科白も増えているけれど
本当に要となるところだけでいいかな~と思う。
ラストも、6人従えず、ヘカテだけの前回版が良かった。
う~ん、あと、マクベスの兜取るところは中央じゃなく
目付柱と対峙する位置で、
マクベス夫人が迎えに来るバージョンのが好きです。

絶対科白変わってるところあるよな~と思っていたけれど
やっぱり今回の方が、戯曲全般をカバーしています。
でも、前回にはなかった科白(センテンスや単語)がある!
とは、思ったのですが、ボリュームが増えた、って感じは
あまり、しなかったんですよね。
役者さんの科白術がこなれているから、それを感じさせなかったのかしら。
昨日の観劇では、後半の右近さんの科白が
一部説明的っぽい印象だったのだけれど、
今日は、「状況」でなく「心理」が深く伝わってきて良かった。
笑也さんも破綻なく安定していて良かったです。

前回は笑也さんも、ここで張らなくても・・・
といったあたりで、結構、ヘンに科白を張り上げるところがあったけれど
今回、そういったあたり、ほとんど改善されて
(たとえば、「猫そっくり」のトコとか
前は、マクベスに対して怒鳴りつけるように強く言っていたけれど
今回は、諭すようにサクっと言ってます。)
笑也さん自身、科白の文言の理解が深まった分
私たちの耳にも、引っかかることなく入ってきます。

複雑さを増しているのは、マクベスがバンクォーの姿を見たと
恐慌をきたしてしまった宴会(&宴会後)の場面で、
狂態のマクベスを庇護しようとしていたはずのマクベス夫人なのに、
いつしか、夫人の精神の方が病みだしていってしまう・・・

どちらの精神の方が強靭なのか、或いは脆いのか。
どちらがどちらを庇っているのか・・・

昨日の投稿に書いた「能舞台から降りてよいのか?」は
実際の能の演目でそういう演出があるかどうかは不明ですが、
舞台の使い方としては「降りる」はありだそうで、
リア王の演出でも使っているとか。
ただ、降りて履物を履いて通路を歩く、
というのは規則だそうで、一度降りたら
舞台には上がってはいけないそう。
(リア王の時は、足袋を履き替えるという演出を取り入れ
再度、舞台に上がったそうです。)

納得!!

ルールとしてどうなっているのかは知らなかったのですが、
以前「英語で学ぶ能狂言」というレクチャーに参加した時に
お能のお稽古用?の舞台に上がれるということで
「白足袋持参」の念を押された経緯から、
何か、能舞台に乗るためには、制約があるのだろうな~と
ぼんやりした記憶があったので、「草履かよっ!!」(笑)と
ツッコミつつも、絶対、栗田さんがこんなダサい演出つけるワケない、
と、よんどころない事情があるのだろう~とか、思ったのでした。

―続く―

あ、追伸。栗田さん、どうして今日お団子(頭上に・笑)なかったの?
でも、私、このストレートヘアーの方が好きよ。

ワンクリックお願いします
↓↓ 
にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ


りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「マクベス07」東京公演 2

2007-04-05 01:54:04 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
2007年4月4日(水) 国立能楽堂 正面

【出演】
市川右近市川笑也菅生隆之谷田歩、市川喜之助、
河内大和、栗田芳宏、山賀晴代、市川猿若
横山道子、田島真弓、横山愛、塚野夢美、住田彩、塚野星美
藤間紫(特別出演)

◇作/ウィリアム・シェイクスピア
◇翻訳/松岡 和子
◇構成・演出/栗田 芳宏
◇衣裳デザイン/時広 真吾(リリック)
◇音楽監督/荒井 和真◇ヘアメイク/佐藤 圭◇小道具/後藤 信子
◇衣裳/山田 志麻◇音響/武藤 竜也(りゅーとぴあ)◇照明/大倉 勝茂(りゅーとぴあ)
◇舞台監督/やまだてるお(モモ プランニング)

引き続きネタバレ中

能舞台
国立能楽堂座席

前回のマクベス06では、取りあえず良い(高い)席を取っておけば
大丈夫だろう~と、初観劇の新潟では、すべて正面を頼んでいたのですが、
実際、客席に座ってみると、1000円安いのに(笑)
脇正面の方がなんだか美味しい席のような気がする~との記憶により、
07は東京のみですが、脇正面2枚、正面1枚購入。
が、すでに新潟遠征チームから、今回は正面だよ!との報告もあり
本日、正面席に着席し、確かに正面を正面として(笑)創られている事を確認。

橋掛かりに太鼓が並ぶので、必然的に役者さんの居所も変わり
中央での芝居が多くなったかな。

気になっていた、客席降りしたバンクォーは何処まで歩いて行くのか!?
も、よく分かる席でした!!
マクベスの「消えた」の科白のタイミングに合わせ、2扉へ消え込み~。
会場によって通路の長さも異なるでしょうから、
科白のテンポと距離を、都度、チェックされるのでしょうか。

玉砂利を水の見立てとするなら、水上に立ったバンクォーが霊力で
水を分かち出来た通路を歩いて行く~みたいな、イメージ(妄想とも言う)
を抱いたんですよね~。なので、十戒。
或いは通路自体も水路とするなら、船弁慶の知盛チックなイメージも沸き立つ。
あの、階(きざはし)を降り、通路を歩いていく姿が、
いかにも異形の様相で、良かったのだけど、
昨日の脇正面からの観劇では気づかなかったが
すでに、開演前から、階降りたすぐの玉砂利の上に、
草履が用意されているのを目撃したのは、ちと、興醒めだった^_^;

死者に履物は要らないよ~と思った。
階降りて、“履物を履く”行為は、超リアル、現実的に思えて
昨日この演出を目撃してビックリしたのとは、違うベクトルでビックリよ。
お能の舞台は色々ルールが多そうなので、
通路を歩いた足袋で、再度、(神聖な?)舞台に上がってはいけない、とか
何かの事情でそうなったのかしらん。
或いは単純に谷田さんの足の保護?(笑)
いや~玉砂利気持ちいいと思うよ~。足ツボ健康法。

と、その前に、殺された後、あんな風に頭部を下げているのも
前日の席からは見えてなかったので
これは、実際、ホント頭に血が上って眩暈しないかしらん~と思いました。
この場は、バンクォーがすぐ蘇れるように?皆さん、まきましょう(笑)

それから、今日、正面で良かったのは、魔女6人の出端。
彼女たちの整然とした動作や、それに伴う衣装のライン、鬘と化粧など、
全体的なバランスを橋掛かりから正面に来る間まで、じっくりと見れた。
あと、楽器の音が、正面の方が綺麗に聴こえた。特に太鼓。

と書いたあたりで眠―続きます―

追伸:初日は、加納さんや植本潤さん(好き)など
役者さんの来場も多かったようです。
私は目撃(!)しませんでしが、亀ちゃんも来ていたそうですね。
今日は、常盤貴子さんが目撃されております(笑)

ワンクリックお願いします
↓↓ 
にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ



りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「マクベス07」東京公演 1

2007-04-03 23:55:25 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
2007年4月3日(火)国立能楽堂 脇正面

【出演】
市川右近市川笑也菅生隆之谷田歩、市川喜之助、
河内大和、栗田芳宏、山賀晴代、市川猿若
横山道子、田島真弓、横山愛、塚野夢美、住田彩、塚野星美
藤間紫(特別出演)

◇作/ウィリアム・シェイクスピア
◇翻訳/松岡 和子
◇構成・演出/栗田 芳宏
◇衣裳デザイン/時広 真吾(リリック)
◇音楽監督/荒井 和真◇ヘアメイク/佐藤 圭◇小道具/後藤 信子
◇衣裳/山田 志麻◇音響/武藤 竜也(りゅーとぴあ)◇照明/大倉 勝茂(りゅーとぴあ)
◇舞台監督/やまだてるお(モモ プランニング)

ネタバレしますよ~

昨夜から、何故か自分が緊張で胃痛。更に本日腹痛も併発。
勤務先の医務室で薬を貰い(しっかり「夜の分も下さい」と^_^;)
準備は万全だったけど、体調は不良のまま観劇に臨みました。

ぶっちゃけ、好悪で言えば、私は前回の演出の方が好き
魔女たちの√毒蛇に傷を負わせても~ の唄、聞きたかった~。
(DVD買いましょう>自分)
バンクォーやマクダフ夫人に与える死の造形も前回バージョンの方が
プリミティブな怖さがあって好きだな~。

今回は、魔女たちは、ほぼ下座担当です。打楽器メイン。
前回使用のオルゴール(歌舞伎の)はなくて、
あの“時のネジ”を巻く感じも好きだったんだけどな~。
雷鳴のSEも無くなって、ホント、彼女たちの奏でる音のみで
構成されています。役者としてより奏者としての比重がかなり大きい。
しかし、何をやっても、きっちりトレーニングされ
そして、その成果が十二分に発揮される、
彼女たちの、安定したパフォーマンスは相変わらず素晴らしいです
ただ、ずっと橋掛かりで音が鳴っているので
脇正面の橋掛かり側のお席の人は、
科白の聞き取りに影響があった模様(私は中よりの脇正面で特に感じず)
そういう点、やっぱりオリジナルの能では、後座と地謡座に音関係を固定して、
全体に楽器や謡を聴かせながらも、客席の邪魔にならない響きを
生み出しているのかもしれませんね。
(事実は不明ですが、個人的見解↑↑)
“定石”というのは、マンネリへ通じる場合もあるかもしれないけれど
手法が極められた結果、でもあるのでしょう。

「マクベス07」は「06」(←でいいの?)、と比すると
とても、シンプルになっている、削ぎ落とされている感じ。
役者さんたちも、科白術がより自然体になっていて、
前回ともすれば張り気味で、
大声選手権(笑)のようになってしまっていた部分も改善され
落ち着いて聴かせていました。
特に、マクベス夫人の笑也さん、大改善!ですね。
口はばった言い方で恐縮ですが、よく科白が咀嚼されてました。

手許に松岡版がなくて(あっても、舞台上で語られた科白すべて
記憶しているワケではないので^_^;)
具体的に、この科白・この単語って列挙出来ませんが、
06の時には、使ってなかった語彙やセンテンスがあるように
思ったのですが・・・。マクベス&マクベス夫人。
バンクォーもカット部分あり、ですね。

ま、冒頭で告白(笑)したように、比較するなら、
06の演出の方が好きなワタクシですが、
栗田さん、凄いな~!!と思うのは、同じテキストで
このように違うミッションが提示出来るということ。

そして、何よりぶっ飛んだのは、死んだ後のバンクォーが
能舞台を降りて、玉砂利踏みしめ(これ、“水”の意匠なんですよね?
「十戒」かよ!!って思いマシタ~)客席通路歩いて行ったことです!!
いや~お能のこと良く知らないし、最近では、スーパー狂言なんかも
あるように、お能の世界も斬新な試みはあるようですが、
能舞台から客席降りってありえるんですか~!?
たぶん、伝統的な能関係者の方がコレ見たら、
三人くらい即死するんじゃないか?と思うくらい驚きました。

バンクォーがわりとあっけなく(当社比)殺されてしまったので
脱力していたら、その後がコレだったんで、
こりゃー1本取られた!って、胸の中で栗田さんに平伏。

衣装は、相変わらず、どこからこの生地探してくるのだろう~?と
デザイナーさんに詰め寄り小一時間(笑)問いたいような
さまざまなニュアンスを見せる図案と色彩で、
魔女が着物でない分、より全体的にモダンな印象。
まだ、プログラム斜め読みですが、時広さんと笑也さんの対談で
マクベスのときは「バロック」と語っていらっしゃいますが、
見るものの心をザワザワと泡立たせるような劇的な感じが
衣装からも伝わってきます。

・・・と書いたところで、すでに午前1時近く・・・(眠)
まだまだ、色々な感想があるのですが、本日はこれぎり~

ワンクリックお願いします
↓↓ 
にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ



りゅーとぴあ関連:過去の感想など

2007-04-01 22:51:39 | りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
このブログのカテゴリー
りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ
内に、前回の「マクベス」や「オセロー」の感想がありますが、
「メタルマクベス」も、無理やり(笑)マクベス・松岡版繋がりってことで、
出てきます。我ながら、勝手なこと言っとるな~~と思いつつも
「心が動いた舞台」の恕等の観劇記なので、
その時々の自分の感動や「?」が蘇ってきて、懐かしい。

今回の「マクベス」、自分はどのような感想を持つのだろう~!!
楽しみ!ワクワクする!&緊張する!!(←何故か・・・)

ワンクリックお願いします
↓↓ 
にほんブログ村 演劇ブログへ

人気blogランキングへ

ポイント募金