ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

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松竹座ヤマトタケル千秋楽

2005-05-26 22:33:19 | ヤマトタケル
ただ今大阪より帰京致しました。取り急ぎ短千秋楽報告。

昨日(25日)に、午前中のみ、サラ~っと仕事し、12時40分の新幹線に乗り
大阪へ。前楽夜の部、段ちゃんタケル楽を観劇。
左袖、ビッグバードお出迎え堪能しました!鳥屋に入るとき、両羽を上げ
ピタっと閉じるいうか縮こまる感じが可愛いんですよね~。
美しく、愛おしいような(←大柄だけど醸し出す雰囲気が幼いので)飛翔でした。
エピローグでは、いつもどおり帝の手を握った後、腰に抱きついてました。
カーテンコールが一度あり、段ちゃんが再度客席にアピールした後、
普通に客席に一同、礼!って感じのシンプルな形でしたた。
幕が閉まる間際、兄姫は子役にバイバイ(^_^)/~と手を振らせてました。

本日千秋楽は、ほぼ東京と同様のカーテンコール。
エピローグの後、幕が上がり(この段階でオールスタンディング)
やはり白猪がタケルに呼ばれ花道から登場いたしました。
今日は3幕での演技も凄かったのですが、花横の観客を威嚇?しながら
本舞台へ。ひとしきりパフォーマンスを見せた後、着ぐるみを脱いで京劇員の方が
素顔を客席に現しました。熱い熱い拍手を浴びた後、再び猪に戻り花道へ。
そして、花道途中で再度、難易度の高い技を披露しようと後ろ足立ちで
一、二歩歩いたところで、勢い余って花外へ落下!!(@_@;)
皆でどよめいてしまいました。お怪我なかったでしょうか~。
今回も梅原先生が舞台に上られました。
役者さんの楽屋の片付けや新幹線の時間も考慮されたのか
カーテンコールは一度でしたが、想いの凝縮した時間でした。

追伸:ヘタルベのスッポンからの登場の際、
持っているいるハタキ(じゃないけど(~o~))の房が、振り回した瞬間に
取れてしまい、私の目の前を通過し、花横ブロックと中央ブロックの間の
通路に着地・・・・
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松竹座のヤマトタケル4

2005-05-22 21:51:30 | ヤマトタケル
・・・この週末、ファンもラストスパートに入ったのか
猿★征組&地元ファンからリアルタイム報告メールが携帯に入り
自分の猿★征の記憶が薄れかけています....
もちろん、印象が薄い舞台ということではなく、
あまりにも熱い報告を貰うので、
まるで自分がその場に居たかのような気分になり
自分のなのか他人の感想なのか、混在してしまうのでした。

地元関西の子が観ても舞台の濃厚さが増しているようで、
演舞場と比べ、また今月前半と比しても「濃い濃い」と感想が届きます。
(「来い来い」と読める空耳ならぬ空目アワー)
今週土日勤務の身には、こうしたプチ報告が労働の励みとなりましたが。

●5月6日昼の部

初日からの観劇で、中央ブロック前列と今回猿★征の中では一番の(?)良席。
まあ、“一番”というのは語弊があるかもしれませんね。
観劇のポイントによって、その時々「良い席」というのは変わってきますから。
猿之助さんのスーパー歌舞伎でのお勧めは、二階最前列なんですよねー。
(よく、トークショーなどで仰ってました。)

◇松竹座版たっぷり化へのコメント◇

【段ちゃんタケル】
初日は、今まで観た中では、手加減して樽を投げたり蹴ったりしてる?
と思いましたが、5日の段階ですでに、やっぱり、
ドッヂボール大会に戻ってました(^_^.)
熊襲の兵士が止められなかったら確実に客席に落ちる大直球。
皆、サッカーのゴールキーパーよろしく止めてましたね~。
二重の意味で迫力満点。
(片付けに入る民衆の皆さんもスピードアップ!)

二幕冒頭の焼津で、後を追ってきた弟姫に対し、タケヒコに促され
「ならば一緒にまいろう~」と弟姫を抱こうとする際の両腕の広げ方
そして彼女の背への手の廻し方も、
ちょっとウケに入ってます?というような大きな振り。
(ここは、右近タケルもかな)

また、時系列的には二十代前半だと思うのですが@三幕
自己主張するみやず姫を見る目が、かなり中年のおじさま仕様。
いや、ルックスは若いのだけれど、目じりの下がりっぷり度が・・・
(演舞場後半くらいから結構キテましたが↑(~o~))
でも、どちらかというと、全般的に苦衷が前面に出るタケルの芝居の中で、
この場の、ほ~っとみやずを眺めるタケルの明るく輝く笑顔を
(私たちが)眺めるのは嬉しいひとときですね。
婚礼ダンス(?)ののびやかさも、かなり好きです。
すぐに怪しい影が後景に控えるのですが・・・・

【右近さんタケヒコ】
タケルを追いかけてきた弟姫とタケルのやりとりを窺うところ、
それを受けてのリアクションが大きくなっています~。

【熊襲兄弟】 
捨て台詞っぽいやりとりのところが、微妙にバージョンアップ(?)

【兄姫】
序幕の柱からの出のコワモテ度も増してます。う~ん、確かに
そんなに怖いと、おぼこそうな妹に行ってしまうよ~
と、大碓に肩入れしてどうする、って感じですが(^_^.)
それから、演舞場からそうですが、藤娘・・・じゃなくて藤の衣装での
上手からの出のモデルウォーク&ポージング(なのか?・笑)が、
さらに堂に入ってます。ホント、この一瞬の為の豪華な衣装、嵩張る(!)
髪飾りですから。この第一弾スーパー歌舞伎創造の際、猿之助さんが
「衣装も、ファッションショーの要素があるくら豪奢に。」と
仰ったことがまさに具現されていますね~。

【みやず姫】
草薙の剣が更に?重くなったのか~。
重力は東京も大阪も不変だと思うのですが(笑)←正確には、笑也バースデーの
4月14日頃から加重された模様(観た人限定(~o~))
焼津でタケルに介添えする弟姫は、軽やかに扱っているんですけど。

【倭姫】
台詞が追加されたのは前述の通り。
作為的に台詞廻しを「濃く」されているという事ではなく
これは、観客の方がウケに入っている感じです。
台詞自体の面白さもあるかもしれませんが、
「間」の使い方の絶妙さが、大いに効果を上げています~。

【弟姫】
走水では、福助さん(当時:児太郎さん)の時もそうでしたが、
タケルに自分の想いを訴える弟姫の台詞廻しが、
当初は結構甲高くヒステリック(と言っては言い過ぎかな)に聞こえる時も
あったのですが、春猿さんも、前回上演時は、その福助さんのいき方を
なぞっているように見える事もありましたが、今回は、かなりトーンを
押さえているように思います。今回の猿★征中の観劇で、特にこの6日は、
非常に落ち着いた台詞廻しで、タケルに訴えるというよりは
諭すような雰囲気で、一言一言がじっくりと胸に響く感じで、
いよいよ入水の激しいシーンよりも、印象的でした。
タケルに手を差し出し対峙する刹那、まったくの無音の中(浪音はありますが)
そのあたりが「たっぷり」で、泣けました(/_;)

【ヘタルベ】
こちらも演舞場中盤から、かなり凄い事(~o~)になっていて、
陵前の芝居は明らかに延びてますよね~。ヘタルベって何歳くらいの
設定なんでしょう。「若者」なのか「少年」なのか・・・
この場の台詞は全部張りっぱなしなので、もう少し、言葉を大切にして
抑揚や感情の乗せ方にメリハリつけると、より伝わってくるものが
あると思うのですが。引っ込みのハチャメチャダッシュは大好きですけど!
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松竹座のヤマトタケル3

2005-05-18 00:15:17 | ヤマトタケル
●5月5日昼の部

右近さんタケル初日@松竹座
この日は、右近さん、すごーくテンポを上げてる感じでした。
前日の、なんとなく全体的に濃い?と感じたことと合わせ、
大阪バージョンなのかな~と思ったり・・・
三幕、場面転換で暗転幕が下りないというアクシデントもあったのですが
(右近さん、さすが咄嗟に見事な処置でした!)
終わってみればそんなことは、何もなかったかのような
熱いエネルギーの凝縮された舞台でした。

この昼の部は花横ブロックでの観劇でしたが、いつもあまり
しっかりと観ることの出来ない、花道居所での役者さんの表情を間近に観る事が出来
とても良かったです。演舞場では、花横で前列を取ると、七・三の居所の役者さんを
見上げるか、あるいは、引っ込む役者さんの後姿を見送る事になりますが、
前回の記事で書いたように、松竹座は九・一くらいが居所なので、
立ち位置の役者さんを、わりと正面にというか前方に観ることが出来ます。

大詰、ワカタケルと顔を見合わせ、手を握り歩んでいく兄姫の母性溢れる微笑や
笑三郎さん演じるところの帝の使者が、その二人の後姿を、澄んだ眼差しと
口元に湛える僅かな笑で見送る表情も、はっと胸を突かれる印象的なものです。
(真女形の印象の強い笑三郎さんですが、立役、凛々しくて素敵なんですよね。
98年のオグリでも近江屋の女将はもとより、立役がかなりカッコ良かったです。)
段ちゃんタケヒコの泣き顔の上に浮かんだ笑顔もなかなか麗しく
自身を鼓舞するような、また、明日や未来への希望を示唆するような、
そして、タケルに寄り添ったように、あるいはそれ以上に強い忠誠心で
ワカタケルを支え続けていくのだろうことを、私たちに確信させるような
花道を行く彼らの、それぞれの表情が、ぐっと迫ってきました。

そして、泣きに泣いたヘタルベが、頬に涙の跡を残しながらも
タケヒコに遅れまいとダッシュしていく姿が
(それは、実際、いま皆に遅れを取るまいということと、
タケヒコに倣って自分もワカタケルの時代を支えていくのだという、
そのことに遅れをとるまい、というイメージとも重なって)
宙乗り前のクライマックスを盛り上げていくような、タケルを巡る人々の心が
ダイレクトに伝わるようで、この日の大詰はいつもにも増して感動しました。

●5月5日夜の部

何人かの友人は昼の部で帰り、ごく少数?の友人は更に居続け客(^_^.)
夜は三階に席を取り、ビッグバードお出迎え席~♪とか云っておりましたが。

可哀相だな~と思ったのが、初日、綺麗な女形の声に戻ってる!と
思った延夫さんの声が、この日の三幕では、すでに、少し掠れてきたかな~と。
あんなに、太い大きな声を使う役と女形の二役ですものね・・・大変だと思います。
猿弥さんも2回公演では、一日四度も!!殺されねばならず、
しかも、どちらも、結構古典の味つけもたっぷりな大落入り!!なので、
観ているほうもぐったりするような激しさですが、
演じる方もかなり心身とも消耗されるのではないでしょうか?
相変わらず、山神の大立廻りは迫力満点ですし。
初日はちょっと舞台の間口や奥行きも演舞場とは変わるし、微妙に計ってるかな?
という感じもなきにしもあらず、でしたが、本日は、まったくそんな気配はなく
もう、この場でタケルの息の根を止めるのではないか~というくらいの豪快さ。

姿は大きいけれど、雛鳥のような無垢さを抱えているような
段ちゃんの宙乗りは、とても可愛らしかったです。

(続く~)
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松竹座のヤマトタケル2<猿之助さんのメッセージ>

2005-05-17 22:43:36 | ヤマトタケル

8日より猿之助さんの写真とメッセージの掲載された看板が劇場に出ているそうです。
とっても素敵な笑顔ですが、肖像権に抵触する怖れがありますので
写真の方は控えさせていただきますが、友人から送ってもらった
メッセージの画像をアップ致しました。
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ヤマトタケルを語りたい5

2005-05-12 00:23:38 | ヤマトタケル
【道哲士さんより頂いたメールから】

「ひるあんどんさん」でしたっけ!。僕も妙に納得なのです。
<贔屓の引き倒し>ではなく、正直な意見ですね。
僕も同じことを感じました。が、なかなか言えないことなんですね。
以下に、僕の感じたことの一部を書いてみます。

そうですね。今回の作品は科白が部分的にカットされているので
やや唐突な感じのところは、かなり有りましたね。(初演に比べ)
初演当時を知る人には、展開が分かっているのですが
初見の人には、どうなんでしょうか?・・・
僕が大きく感じたところを三箇所だけ書いてみます。

第一幕 大碓命を「殺した」と帝に告げるところ。
 初演は「厠の側で 待って、言い聞かせた」・・・そして「殺した」となりました。
 その前の場が充分に理解されていれば良いのですが、早替り
 に目を奪われた多くの人は余り科白には注意が届いていないので
 はないでしょうか。何故殺さなければならなかったのか、やはり
 もう一度ここで、説明が有った方が親切ではないかと思いました。
 3月初見のとき「えっ、いきなり殺さないでよ」って・・・なんだよ
 この科白運びは・・・時間の短縮で、しゃぁないか・・・って?!!
 納得したような、出来ない(僕の意思的に)ような、
 蛇の生殺しにあったような、表現し難い気持ちでした!。

第二幕 聖の宮 倭姫の「お前は(天翔る鳥)なのだよ~」も、
 その 前に「ああじゃら、ううじゃら・・・」が有り、
 西へ東へと闘いに明け 暮れ・・・(東奔西走)する状態があって、
 天翔るは決して空を翔ぶ ことを指すのではなく、大地を駆け巡るの意。
 だと僕は解釈して 居ります。が、それが伝わらないかなって。
 ここもなんやら 釈然としないでした。蛇足<鳥>と<心>は違うけど一つであり
 一つでも別の意味が有りと・・・(やはり梅原哲学ですね!)

第三幕 能煩野 「ヤマトタケルともあろう者が杖など使えるか」と
 杖を下手幕だまりへ投げるところ、やはり以前は、「歩ける!杖
 とはなんと便利なものだ。老いの身を・・・」が有りましたよね。
 いきなり「杖など使えるか・・・」では、やはり唐突感を覚えます。
 初演当時の方が<大和へ帰りたい>強い気持ちが伝わり
 共に泣くことが出来たのですが・・・今回はあっさりと杖を投げ出す
 もっともっと「生きて大和へ・・・」を強調して欲しかったです。

演出家としての猿之助さんには、物語すべてが身についていることだし、
部分的に科白をカットしても違和感はないのでしょうが?・・・
初めて観て、科白を一言一言噛み締めて聞いている人には・・・
いささか「?」な部分が多く有ったかも知れません。
僕自身は納得行かない。だから、初演通りの上演を強く希望しているのです。

最も疑問なのがエピローグ 宙乗り前の科白が長すぎる!
前半の科白はかつては、能煩野で死を前にしたタケルの言葉!
だからこそ「わたしはなにをめざして・・・」が心を打ったのでは
ないでしょうか。ここの科白はタケルの科白であると同時に
猿之助さんそのものの生き様と言うか、叫びと言うか・・・。
いい場面でした。僕は一番好きでした!。何度聞いても涙・涙で。

だから『天翔る心、それが、この私だ!』と叫んで宙乗りへの効果を
狙われたのだとは思いますが、観客の大部分が、宙乗りへの期待に
胸膨らませているときに、あれは長すぎると思いませんか?
「さようなら兄姫・・・・・」以下で良いのではと思いました。
ただし、ここで、この科白を猿之助さんが言われる場合は、
また違うかも知れません!僕は猿之助さんのは(←宙乗りで天翔る
の台詞を言うようになったバージョンという意味では)
TV放送とDVD(内容は同じですね)でしか見ていないので
なんとも言えませんが。

まとまりがなく、言葉を省略しましたので、誤解を招く恐れが有ります。
でも、ファンの皆さんには、きっと理解して頂けると思い、敢えて
書きたいことを書いてしまいました。お許しの程を・・・
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松竹座のヤマトタケル1

2005-05-10 00:29:38 | ヤマトタケル
すでに98年(9~10月)松竹座上演からも7年ぶり・・・
95年(3~4月)演舞場での上演も、88年の再演から7年ぶりでした。
そうした数字の符号は、本当は何の意味も持たないただの偶然なのでしょうが
何かひとつの照合のように、つい感じてしまいます。

新緑の季節には相応しい、明るい日差しの中で迎えた初日の観劇でした。
多少、役者さん方も、演舞場楽以降リフレッシュ出来たのか、
(実際は、30日から劇場入りだったようで、
初日前も、両タケルでの舞台稽古で2回公演されたも同然ですが)
4日の舞台は、皆溌剌としたキレの良い舞台でした。
演舞場よりふた回りくらい劇場も小ぢんまりしているせいか
客席との親密感が更に増し、見入ってしまいますね。

熊襲の宴会も、ホント、楽しそう。
私たちも、幕間に外の店のたこ焼きを食べたり、
カニ弁当を購入するコもいたりと、自主的に気分を盛り上げました(^o^)/
立ち廻りでは、さすがの段ちゃんも、ドッヂボールタイプ(笑)ではなく、
きちんと放物線を描くように樽を投げたり蹴ったりしていました。
(演舞場では、右近さんはわりといつも放物線を描くようにしていたのですが
―たぶん、客席に落ちるのを防ぐ為―
段ちゃんは結構、勢いのあるストレートな投げ方だったんですよね~)
しかし、熊襲の新宮が屋台骨だけになり、沢山の紙垂のみが残るのを目撃し、
う~ん、大和のシステム(?)に馴染めないからと、戦いを挑むのではなく
自分たちの国を作り、自分たちの流儀で生きていこうとした彼らを
新宮の建立を、こうして楽しく祝っていたところを
突然乗り込まれ命を奪われるなんて・・・と、なんだか可哀相になってしまいました。

彼らは邪気なく生き楽しみ(この芝居上はそう見える)
タケルもまた、ただひとつ父の命に従い彼らを倒すという、
やはり邪気のない一途さで熊襲に出向いた。
それぞれの率直さが出会いぶつかる、激しくも、なんだか切ない場面でもあります。
この「正義」はどちらにあるのか不明といったあたりが、
その後のタケルの悲劇へ繋がっていくのかもしれません。

第一幕で、個人的に印象に残るのは喜久於さんの偽の弟橘姫と琉球の踊子。
シナの作りっぷりが際立っていて色っぽいです。
すっきりした美しさの笑也さん→笑野さん、
妖艶さのある春猿さん→喜久於さん、というラインは納得!
その他の熊襲の女たちの熊の毛皮や宝石への反応も、
それぞれ演技プランがある?ようで、眺めていて楽しいですが。

二幕では、倭姫の台詞が増えて(復活して?)いました。
弟姫とタケルを結び合わせようとする場面で、私は一人寂しく寝ることにしよう
昔抱かれた素敵な男の夢でも見ながらね・・・というようなものなのですが
初演頃のバージョンでは、こうした直截的な台詞も多かったんですよね。
テンポアップを計るとか、説明的な台詞(←スーパー歌舞伎では新作の度に
結構、指摘されますよね。梅原さんや横内さん(+猿之助さん!)の思想や
想いなどが過剰に投影されるからでしょうか)を極力減らすということで
かなり、台詞や場面の刈り込みが行われてきましたが、
ここまで削ぎ落とされてしまうと、逆に、
もっと色々詰め込まれていた「ヤマトタケル」を、観たいです。

走水の場は、間口が狭いせいか、弟姫があっという間に沈んでしまいました。
弟姫の見せ場だし、のちに続くタケルの別離への想い入れのためにも、
これはちょっと残念。。。

三幕は尾張の国造夫妻から開けますが、
延夫さんの声がクリアになっていて良かったです。
夫と共謀する?姿が明るく弾んでいて、溌剌としたみやずの気質は
この母から受け継がれたんだろうな~と思うような。
二人とも、なにかに、えっ?!と反応する時、黒目が丸くなる感じも母娘!
きっとお母さんも、娘時代はお転婆だったと思いますよ(笑)

ところで、松竹座では暗転のとき真の暗闇にはならず、
暗転幕が下りない転換では、役者さんや道具が刷ける姿が、
丸分かりなのです~。←リピーターにとっては嬉しい(?)オマケですが。
(演舞場でも、場面によっては、ぼんやり分かる時がありましたが)
この三幕冒頭、特大!御簾の裏で待機するタケル一行はかなり見えるので
段治郎タケルは動かないように~(笑)
芝居が進行している間はかえって、松竹座の黒(袖のあたりとか舞台面の)は
とても深い綺麗な黒なので、照明も凄く映えるのですが、

白猪も短い休暇の間エネルギー充電したのか、はたまた演舞場楽での大喝采が
パワーアップの素となったのか、ノリの良さ全開で、はっきり云って
大きく動きすぎるせいか、開けた口から中の京劇員の方の顔が、頻繁に
見えてしまうのですが~(爆)もうちょっと閉じててもよろしいかと(~_~;A
でも、やる気満々!な気が飛んでくるのは、嬉しいことですけどね!!

前述の通り、舞台面の黒が綺麗に出るので
雹が舞うのが非常に綺麗でした。演舞場より雹の滞空時間が長い?ように見え
(って重力は東京と大阪も変わらないでしょうけど)
いつまでもキラキラと雹というよりは雪のように舞っています。
雹に打たれたあと、タケルは更に大和へと歩みを進めますが、この場面で
盆廻しが使えず、花道七三(といっても松竹座は九:一くらい)での芝居
があり、そして、本舞台へと進んでいきます。
この場の月もとても大きく明るく見えるんですよねー。
松竹座の舞台面は額縁の中に絵画をはめ込んだ様な、
独特の色彩の美しさが堪能できます。

(今、ちょっとレミゼにもハマっていて、レミゼの舞台面はロマン主義の
絵画のようだな~なんて感じたりしているのですが、
歌舞伎は日本のバロック!とも思ったりするので、
この、ちょうど枠にはめ込まれたような舞台を前にして、
猿之助さんが創った、ひとつひとつの場面が、バロック画の持つ躍動感や
壮大さを内包しつつ、目の前に展示されているような気分にもなりました。
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松竹座開幕

2005-05-06 22:23:59 | ヤマトタケル
ヤマトタケル大阪公演が、5月4日より松竹座で開幕致しました。
ただ今、二泊三日の猿★征より戻りましたが、結局、4日~6日までの
全4公演を観劇。舞台からのエネルギーも沢山貰いましたが、
消費したエネルギーもありまして(^_^.)、また明日は出勤ということもあり
観劇記は、明日以降にアップの予定でおります。
舞台の機構上、演舞場とは演出が変わっている部分と、
倭姫の台詞の改変、というか追加がありました。

関東の人間にとっては、やはり関西弁は(関西の方にとってはごくフツーの
会話なのでしょうけど!)非常に、ユニークに聞こえ
幕間の会話、上演中(!)の会話が、ついツボに入ってしまいます。

二回目の幕間で。タケルについて、或いは進行する物語について?
「ちっとも、幸せなことあらへんな~」
何か妙に説得力のある感想でした。

二幕@伊勢の大宮。倭姫にすがるタケル、の場面で。
「この人、妹(←タケルの母か父の)ちゃう?」「母親の妹やろ」
↑倭姫は、帝の妹なのか、タケルの母のなのかという会話が展開。
(普段は上演中のお喋り聞くと興醒めなのに、つい笑ってしまった。
常は泣ける場面なのに~(~o~))
「先妻の子(タケルが)やもんな~」などなど、タケルの家庭環境に
想いを馳せておられた模様・・・・

松竹座の正面玄関は小ぢんまりとはしていますが
ヤマトタケルの文字の左右にちょっとビロードっぽい赤の生地?で
ドレープをつけて両タケルの写真を縁取り、とても素敵な感じです。
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本日のヤマトタケル6

2005-05-01 23:11:14 | ヤマトタケル

千秋楽で猿之助さんの姿を拝見して以来、いろいろな想いが去来し、
また反面、ただひとつの強い感情に支配され、言葉がなかなか出てこないのですが
今期のヤマトタケル東京公演の前楽・千秋楽の観劇記を留めておきたいと思います。
 
4月23日昼の部は、段治郎タケル楽ということで、出演者も彼を労うために(?)
多少台詞のアドリブがあったりしました。
まあ、ほとんどがリピーターしか気づかないだろう、というようなものでしたが…
いつもは、いっぱいいっぱいでギリギリの感情を吐露する、
切ないまでのタケルの造形でしたが、
この二ヶ月で何かしら手ごたえを摑み、ある程度の満足感となったのか
この日の段ちゃんは、明るく溌剌と、そしてびのびと解放された演技でした。
周囲もよく彼を支えたと思います。

通常のカーテンコールの後、一度だけ幕が上がり、
場内皆で彼の奮闘を称えました。

夜の部は右近タケル。
今回三階を取った中では、一番鳥屋に近い席で、
文字通り「鳥屋」に帰ってくる鳥を間近に堪能。
本当にゴージャスで美しい宙乗りだな~としみじみ。
猿之助さんの美意識の大いなる発露ですね。
右近さんは、3月の初日ではあっさりした造形だったんですよね。
右近さんの演技はいつも、力の入った「大熱演」の印象ですから、結構意外でした。
でも、この二ヶ月で、非常に演技が細やかになったと思います。
例のひとつで言えば、冒頭の場面の「こもに包んで川に捨てました。」の台詞も
わりと一息にさらさらと言っていたのが「こもに・包んで・川に・捨てました」と
間を使い、声を震わせ、動揺した感じをより明確にしていたり。

一見の印象では、右近さんの芝居の方がたっぷりに見えますが
実際には段治郎タケルの方が、時間的に延びる事が多かったように思います。
それは、直情的にタケルに入っていく段ちゃんと
演技を組み立てていく右近さんとの芝居の違いかな~と感じます。

そして、24日千秋楽。正直、この日の舞台の詳細が思い出せません。
まだ、前楽の23日の方が三階席だったし、俯瞰して観ている部分もあったので
なんとなく記憶にあるのですが…
普段の千秋楽だと「あ~もう終わってしまう~」と寂しさが勝ち、
想い入れで観ていたりするけれど、今回は、初日からの松竹座への猿★征も
決めていたので、またすぐこの舞台と会える!と、常の楽に比べると、
そう寂寥感もなく、リラックスして着席してはいたのだけど…
う~ん、本当に舞台の様子が描けません(ーー;)

カーテンコールについても、他の方の投稿などを読んだりして、
ああ、そういえば、そうだった~という部分も多く、
いづれにしても、カーテンコールからの記憶しかないので、その辺り
記しておきたいと思います。

前日の段ちゃんタケル楽で、プチアンコールがあったので、
今日の本楽では、何かあるだろうな~と期待はしていました。
(例年のスーパーの千秋楽もそうだし)
3月頃から、千秋楽には、音楽の加藤さんや脚本の梅原先生が紹介されたあと
演出家として、猿之助さんも舞台に出てくれないかな~と、言ったりしては
いましたが、あまり、それについては実現すると思っていませんでした。

いつもの、エピローグを含むカーテンコールが終わった後、幕は再度上がり、
花道から白猪が本舞台目がけて駆け上がって来ました。
右近さん(タケル)との絡みの後、着ぐるみを脱いで、中に入っていた
京劇院演員の方が姿を現し、大喝采を浴びました。
日ごと、歌舞伎の見得的な部分が決まってきて、
京劇員ならではのダイナミックな動きと、タケルたちと絡む時の、
ツケに合わせた所作がいい感じに混ざりあってましたね。
再度、着ぐるみを被ると、花横のお客さんに噛みつくような仕草をしたり
愛想を振りまきながら花道揚幕へと戻って行きました。

舞台上では、メインの役者さんが、上手・下手とひとりづつ一歩前へ出て挨拶をし、 
最後に舞台中央の陵墓から、タケルの衣装に着替えた段ちゃんが登場。
 (常のカーテンコールの後、再度幕が上がった際、着替えの為(笑)
 タケヒコは舞台上には不在だったようですが、私は、その事にはまったく
 気づいておらず、勘の良い友人らなどは、その時点で段ちゃんタケルで再登場?
 ~と予測していたそうです。)
陵墓の階段から降りてきた段ちゃんは、右近さんに飛びつき、二人でハグ。
「客席に深々と再礼」をイメージしていた私には、予測外の光景でしたが
なんか、その飛びつき具合の中に(飛び跳ねたように見えた!)
この二ヶ月間の、二人のタケルの想いが凝縮されているようで、
なんとか無事終えることの出来た喜びや安堵感が伝わってきました。

梅原先生が来場されているのを知っていたので(私の席のお近くでしたので)
たぶん、梅原先生はカーテンコールに出られるだろうと、これは予測内でした。
猿之助さんが舞台に不在の現状、猿之助さんと交流の深い、そして
この素晴らしい作品の原作者である梅原先生が、19年前と変わることなく
お元気でいらっしゃることが嬉しかった。

…で、ここまでは、こうしてまあまあ具体的に反芻出来るのですが。
澤瀉ファンの友人らは、「右近さんと段ちゃんが上手袖に引っ込んだので
これは猿之助さんを迎えに行ったのでは!」とその段階で思ったそう。
(梅原先生より“後に”紹介されるのは、猿之助さんしかいない!という意味で)
私は、右近さんと段ちゃんが引っ込んだことにもあまり気づいておらず
梅原先生のお顔をぼ~っと眺めていたんですね。
あ~なんか嬉しいな~と思いながら…

そして、突然の悲鳴というか大歓声が上がり、
何?と思う間もなく、舞台上手袖から両タケルに左右の手を取られた
猿之助さんの姿が。いつもの猿之助さんらしい、マオカラーのシャツに
ジャケットスーツ。私は、ネクタイ姿の猿之助さんより
この、マオカラーのシャツブラウス姿が大好きなのです。
白も顔が映えていいけれど、一時よく着てらしたピンクのシャツに
黒のジャケットの組み合わせも凄く好き。まあ、それはさておき、
前日くらいに、猿之助さんとの再会はじっくり待とう、このタケルの舞台が
淋しさよりは希望を持って観ることが出来た、たぶん、いつか絶対再会出来る!
と、ふと思ったりしていたので、私にとっては全く予期せぬ出来事でした。

両タケルは、舞台のエピローグで帝にするように、跪き猿之助さんの手を握りしめた、
というのも、もちろん私も目前で見てはいたのですが、
しばらくは、そういう具体的なことがまったく想い出せず、他人の書き込みを見て
そういえばそうだった、誰があの演出?を考えたのだろう…
もしかして、猿之助さん!?と思ったり。こと舞台に関しては茶目っ気も
多分に持ち合わせている猿之助さんですから…

猪の登場あたりで、半分くらいの観客はスタンディングしていたようですが
私は前列だったこともあり、立ったら後ろの方が見難いかな~と躊躇していました。
が、猪が花道を引っ込むあたりで、振り返ると、
すでに、ほぼ8割くらいの方が立っていたので、私も立ち上がりました。
やっぱり、お疲れ様~や、ありがとう~!を、心から伝える行為かなと思うので。
スタンディングオベイション。

しかし、猿之助さんの姿を認めて以降、膝が震えてしまい…
今まで舞台から沢山の感動を受け取りましたが、
こうして、ただ、猿之助さんが目の前にいるだけで、
何故こんなに嬉しいのか、幸せなのか、涙が零れるのか…
猿之助さんは、私に、私たちにとってどんな存在なのか…
それを言葉にするのは、とても困難です。
この「心の震え」を伝えることの出来る語彙が見つかりません。

※画像は猿之助さんのヤマトタケル。DVDのケースにあるものです。
販売元の許諾を得て掲載しております。
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