TELL IT LIKE IT IS / STACY ROWLES with JIMMY ROWLES
Concordのアルバムをリリース順に棚卸している。
このステイシーロウルズのアルバムは以前記事にしたのを思い出した。
多少加筆して、再掲しておくことにする。
ジャケットを大きく飾るトランペットを吹く女性の姿
ジャズの世界では珍しい光景だ。
何の分野でも最近は女性パワーがすばらしい。ジャズの世界でも・・・。
ボーカルの世界は圧倒的に女性軍の勝ち、ピアノの世界も昔から女性が数多く活躍している。ピアノだけでなく作編曲、さらにはビッグバンドを率いていいた秋吉敏子のエネルギーには感嘆するばかり。
そして、最近は管楽器の分野でも女性陣の進出が目立つ。キャンディー・ダルファーや、矢野沙織のような。
しかし、トランペットとなると最近では市原ひかり・・・他に、なかなか思い浮かばない。
ここまでは、以前(8年前の2008年)に書いた。
それから7年、ジャズの世界で管楽器への女性陣の進出は目覚ましい。
最近ビッグバンドのライブを聴きに行っても、その中に女性の姿が目立つようになった。
先日も、宮之上貴昭のグループに、トロンボーンの駒野逸美が一人ゲストで加わって、バリバリのバップサウンドを聴かせてくれた。
ビッグバンドの中とは違って、大ベテラン相手に堂々としたプレーぶりであった。
ジャケット写真の女性の名前はStacy Rowles.。その名のとおり、ピアノのJimmy Rowlesの愛娘だ。
彼女は、7年生(日本でいえは中学1年だろう)の時にトランペットを始めハイスクールそしてカレッジバンドで演奏を続ける。1975年、というと彼女が20歳の時、ALL WOMEN BIGBANDの一員として、クラークテリーに率いられて「ウィチタジャズフェスティバル」にも出演している。このフェスティバル、前年にはこのクラークテリーが自らのバンドで出演していたそこそこ有名なもの。
その後も、西海岸で女性グループに加わり様々な演奏活動を行うようになる。
そこに、New Yorkで活動していた父Jimmyがロスに帰ってくることに。娘の活躍ぶりをみればそこは親心。たまには一緒にプレーをしようかということになる。
いずこの父親も同じだと思うが、自分の娘と一緒に演奏できるのはさぞかし嬉しいものであったと想像できる。
その彼らの演奏を地元のクラブ”Donte”で聴いたのが、このアルバムのプロデューサーのレナードフェザー。元々、企画ものが好きなプロデューサーだ。
早速、「この演奏を残しておこう」ということになったのが1982年の暮れ。ところがまだまだアルバムに残すには時期尚早と判断したのは父のジミー。
84年になって、ジミーから「準備ができたよ」とフェザーに声がかかって制作されたのがこのアルバム。
という訳で、比較的簡単な企画で生まれる(その「さりげなさ」が反対に良いのだが)のがConcordのアルバムの多くではあるが、今回はロウルズ父娘の想いも込めた記念に残すアルバムとして仕上がっている。
もちろん、彼女のトランペットとフリューゲルホーンを全面的にフューチャー。父のロウルズは、お得意の伴奏で彼女の引き立役に。とはいっても曲に合わせて味わいを出しているが。
父娘という関係を離れても2人は絶妙な組み合わせだ。
肝心な彼女の演奏は、リーモーガンの曲でファンキーな雰囲気で始まるが、後はフリューゲルホーンも多用し、女性らしい語りかけるような演奏が多い。
男勝りにバトルを繰り広げるというよりは、仲間を加えて父との会話を楽しんだセッションだ。
その後の活動ぶりは?と思って調べてみたら、以前記事を書いた翌年の2009年に交通事故で亡くなったという記事があった。
このアルバムを作った後も、父親と一緒に西海岸でプレーすることが多かったという。
更に、Swinging Ladiesというグループでヨーロッパでも活躍していたようだ。
ジャズの世界で活躍する女性のトランペットプレーヤーの先駆者の一人だった。
父ジミーとのアルバムは他にもあるが、彼女の名前を冠したリーダーアルバムはこれ一枚のようだ。
1. Most Like lee
2. Old Folks
3. Albamy Home
4. Mighty Like The Blues
5. Tell It Like It Is
6. There Is No Greater Love
7. Devil’s Island
8. Lotus Blossom
Produced by Leonard Feather
Stacy Rowles (tp,flh)
Jimmy Rowles (p)
Herman Riley (ts,fl)
Chuck Berghofer (b)
Donald Baily (ds)
Recorded at Sage and Sound Recording, Hollywood, March 1984
Originally released on Concord CJ-249
Concordのアルバムをリリース順に棚卸している。
このステイシーロウルズのアルバムは以前記事にしたのを思い出した。
多少加筆して、再掲しておくことにする。
ジャケットを大きく飾るトランペットを吹く女性の姿
ジャズの世界では珍しい光景だ。
何の分野でも最近は女性パワーがすばらしい。ジャズの世界でも・・・。
ボーカルの世界は圧倒的に女性軍の勝ち、ピアノの世界も昔から女性が数多く活躍している。ピアノだけでなく作編曲、さらにはビッグバンドを率いていいた秋吉敏子のエネルギーには感嘆するばかり。
そして、最近は管楽器の分野でも女性陣の進出が目立つ。キャンディー・ダルファーや、矢野沙織のような。
しかし、トランペットとなると最近では市原ひかり・・・他に、なかなか思い浮かばない。
ここまでは、以前(8年前の2008年)に書いた。
それから7年、ジャズの世界で管楽器への女性陣の進出は目覚ましい。
最近ビッグバンドのライブを聴きに行っても、その中に女性の姿が目立つようになった。
先日も、宮之上貴昭のグループに、トロンボーンの駒野逸美が一人ゲストで加わって、バリバリのバップサウンドを聴かせてくれた。
ビッグバンドの中とは違って、大ベテラン相手に堂々としたプレーぶりであった。
ジャケット写真の女性の名前はStacy Rowles.。その名のとおり、ピアノのJimmy Rowlesの愛娘だ。
彼女は、7年生(日本でいえは中学1年だろう)の時にトランペットを始めハイスクールそしてカレッジバンドで演奏を続ける。1975年、というと彼女が20歳の時、ALL WOMEN BIGBANDの一員として、クラークテリーに率いられて「ウィチタジャズフェスティバル」にも出演している。このフェスティバル、前年にはこのクラークテリーが自らのバンドで出演していたそこそこ有名なもの。
その後も、西海岸で女性グループに加わり様々な演奏活動を行うようになる。
そこに、New Yorkで活動していた父Jimmyがロスに帰ってくることに。娘の活躍ぶりをみればそこは親心。たまには一緒にプレーをしようかということになる。
いずこの父親も同じだと思うが、自分の娘と一緒に演奏できるのはさぞかし嬉しいものであったと想像できる。
その彼らの演奏を地元のクラブ”Donte”で聴いたのが、このアルバムのプロデューサーのレナードフェザー。元々、企画ものが好きなプロデューサーだ。
早速、「この演奏を残しておこう」ということになったのが1982年の暮れ。ところがまだまだアルバムに残すには時期尚早と判断したのは父のジミー。
84年になって、ジミーから「準備ができたよ」とフェザーに声がかかって制作されたのがこのアルバム。
という訳で、比較的簡単な企画で生まれる(その「さりげなさ」が反対に良いのだが)のがConcordのアルバムの多くではあるが、今回はロウルズ父娘の想いも込めた記念に残すアルバムとして仕上がっている。
もちろん、彼女のトランペットとフリューゲルホーンを全面的にフューチャー。父のロウルズは、お得意の伴奏で彼女の引き立役に。とはいっても曲に合わせて味わいを出しているが。
父娘という関係を離れても2人は絶妙な組み合わせだ。
肝心な彼女の演奏は、リーモーガンの曲でファンキーな雰囲気で始まるが、後はフリューゲルホーンも多用し、女性らしい語りかけるような演奏が多い。
男勝りにバトルを繰り広げるというよりは、仲間を加えて父との会話を楽しんだセッションだ。
その後の活動ぶりは?と思って調べてみたら、以前記事を書いた翌年の2009年に交通事故で亡くなったという記事があった。
このアルバムを作った後も、父親と一緒に西海岸でプレーすることが多かったという。
更に、Swinging Ladiesというグループでヨーロッパでも活躍していたようだ。
ジャズの世界で活躍する女性のトランペットプレーヤーの先駆者の一人だった。
父ジミーとのアルバムは他にもあるが、彼女の名前を冠したリーダーアルバムはこれ一枚のようだ。
1. Most Like lee
2. Old Folks
3. Albamy Home
4. Mighty Like The Blues
5. Tell It Like It Is
6. There Is No Greater Love
7. Devil’s Island
8. Lotus Blossom
Produced by Leonard Feather
Stacy Rowles (tp,flh)
Jimmy Rowles (p)
Herman Riley (ts,fl)
Chuck Berghofer (b)
Donald Baily (ds)
Recorded at Sage and Sound Recording, Hollywood, March 1984
Originally released on Concord CJ-249