A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

いい仲間が集まると自然にGroovyな演奏が・・・・

2014-06-21 | PEPPER ADAMS


Red’s Good Groove / Red Garland Quintet

いい演奏を言葉で表現するのは難しい。語彙が不足しているのか、感性が鈍いのか、それともその変換能力がないのかもしれないが。右脳型と左脳型の違いかも知れない。
 このアルバムのタイトルは、Red's Good Groove。Groovyという表現はジャズでは良く聴くが、自分はジャズのかっこよさをグルービーと勝手に解釈している。このアルバムのオリジナルのライナーノーツの出だしに、「いい仲間が集まって、a good, easy-swinging grooveになると、こんな感じのジャズアルバムができる。」とある。ノリの良い楽しいジャズということだろう。

レッドガーランドは初期のマイルスクインテットのメンバーとして有名だが、マイルスのグループを辞めた後の59年から60年代の始めにかけては、自分のリーダーアルバムを10枚以上作っている。トリオが多いが、管が入ってもワンホーンが多く、ピアノプレーがタップリ聴ける。良くスイングするピアノだが、同じマイルスグループ出身のウィントンケリーよりは、飛び跳ね感が少なく、ブロックコードの妙とシングルトーンのコンビネーションが素晴らしい。カクテルピアノ風ともいわれるが好きなピアニストの一人だ。

そんなガーランド、1962年を最後にしばらく表舞台から姿を消して地方で生活することになる。このアルバムはこの年の録音。もう一枚アルバムを作るが、10年近く続いた表舞台の最終幕での演奏だ。珍しく2管のクインテット編成。フロントラインにはトランペットのブルーミッチェルと、そしてペッパーアダムスが加わっている。

この録音を挟んで、ブルーミッチェルとアダムスはリバーサイドに前回紹介したミッチェルのアルバム” A Sure Thing”を録音している時であった。このアルバムをリリースしたレーベルJazzlandは実はリバーサイドの子会社、両方のアルバムとも同じオリンキープニュースがプロデューサーである。ミッチェルのアルバムを作りながら、レッドガーランドの作品でも久々に管を加えたブローイングセッションを作りたくなったのかもしれない。

ブローイングセッションとはいっても、仲間が集まってのドンチャン騒ぎではない。まさに、ガーランドを中心に気の合った仲間が集まって、だんだん盛り上がっていくといった雰囲気だ。曲もそれにふさわしいミディアムテンポの曲ばかり。この雰囲気づくりに気心の知れあったリズム隊に、今回の2人のフロントラインはピッタリだ。
ブルーミッチェルは派手な演奏をするタイプでもない。アダムスもバードとはファンキーなプレーをすることもあったが、ここではガーランドのピアノに合わせてかマイルドな魅力を聴かせてくれる。

これもライナーノーツに、ミッチェルのトランペットをpretty and virileと表現されている。男らしいというと、どうしても頑強で荒々しいような印象を受けるが、内に秘めたる力強さのことも含むのだろう。ミッチェルだけでなく、アダムスのバリトンも見かけとは違って実に男らしい。
一曲目のタイトル曲はガーランドのオリジナル。スローブルースだが、こんな雰囲気の曲はやはり管が入ると曲の雰囲気の良さが倍増する。ガーランドのいきなりブロックコードでのソロも実にグルービーだ。

アダムスもドナルドバードとのコンビを解消してからは、バックのアンサンブルに加わる事が多かったが、久々のクインテットでの演奏でソロもたっぷり。自分のオリジナル曲Excerent! も提供している。過去にガーランドと一緒の演奏は記憶にないが、初の共演であればアダムスにとってはまた新たに気の合う仲間が増えたセッションだったということになる。アダムスが一緒にプレーをするピアノはリリカルなプレーを得意にするプレーヤーが多い様な気がする。

1. Red's Good               Groove Red Garland 8:19
2. Love Is Here to Stay      George Gershwin / Ira Gershwin 4:41
3. This Time the Dream's on Me   Harold Arlen / Johnny Mercer 5:52
4. Take Me in Your Arms          Alfred-Fritz / Mitchell 5:34
5. Excerent                    Pepper Adams 6:05
6. Falling in Love With Love    Lorenz Hart / Richard Rodgers 6:06

Blue Mitchell (tp)
Pepper Adams (bs)
Red Garland (p)
Sam Jones (b)
Philly Joe Jones (ds)

Produced by Orrin Keepnews
Recording engineer : Jack Higgins

Recoreded on March 22,1962 at Reeves Sound Studios in New York



Red's Good Groove
Red Garland
Ojc
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