A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ブルージーなプレーにもよく似合うアダムスのバリトン

2013-09-27 | PEPPER ADAMS
Blue Gene / Gene Ammons Septet



付き合いが広いと日々色々な人と接する。
たまに初対面でも嫌な思いをすることもあるが、人と会うのは新たな出会いが生まれるきっかけになることもあり楽しいものだ。自分も日頃「誘われれば断らない」をモットーとしているので、基本的に色々な人と接する機会が多い。
そして、仕事でもプライベートでもこの思わぬ出会いからスタートし、生涯思い出に残る出来事に発展することが多いので人との出会いは大事にしている。

しかし、プライベートでも仕事でもその中からまた会ってみたい、話をしてみたい、そして付き合ってみたい人となると、どんどんその中から減っていくものだ。
自分からはあまり誘わない性格なので、本当に心底付き合える人となるとそうは多くはならない。結果的に長く付き合う範囲では自分のキャラを変えることもなく、相手によって自分を変えることもしないので、それぞれの付き合いは結構長く続いている。

ジャズのプレーヤーも他の音楽に較べると付き合う範囲は色々多くなると思う。
単にスタジオで顔を合わせる程度の仲から、一緒にレギュラーグループを組むに至るまで、様々な付き合いの程度がある。各人の仕事やライブのスケジュールを見ると、その交友範囲を垣間見ることができる。
その中でひたすら自分のスタイルを守る人もいれば、周りに合わせて器用にスタイルを変えられる人も。いずれにしても、その中で息のあった仲間同士の演奏となると一段と盛り上がりを見せるものだ。

先日のNaokiとKenのコンビも、そのような中から生まれたのだろう。

1958年5月、ペッパーアダムスはドナルドバードと一緒に引き続きファイブスポットに出演していた。その間、マニーアルバムの録音にも参加し、16日にはタウンホールでのコンサートにもこのマニーアルバムのオーケストラに加わって出演していた。

そんな中、5月2日にプレスティッジのジーンアモンズのセッションに加わっている。
ジーンアモンズのセッションはこの年の正月3日に一度行われているので、その続編になるセッションだ。
セッションの取り纏め役のマルウォルドロンとドラムのアートテイラーは前回と同じだが、ベースはダクワトキンスに、アダムスとアモンズ以外の管は前回コルトレーンなどのサックスで固めていたが、今回はトランペットのシュリーマンだけ。それに、コンガが全編加わった7人編成だ。

簡単なアレンジの3管編成の気楽なセッションだが、中身はアルバムタイトルどおり、ブルース中心の「黒っぽい」演奏に終始している。これぞアモンズ節といえるプレー、やはりブルースを吹かせたら天下一品だ。
アダムスもこのようなメンバー、演奏に加わると重厚感が増し一段と黒っぽさが光る。
この年の後半にはアダムスはベニーグッドマンのオーケストラに加わり、チェットベイカーとのセッションに参加して、プレースタイルの幅の広さを披露するが、このアルバム辺りが一番ブルージーな演奏を聴けるかもしれない。

アダムスはスタジオワークも多かったが、基本的に楽器はバリトン一本。マルチな楽器を持ち替えで駆使したわけではない。一方で、演奏スタイルはコンボからビッグバンドまで何でもあり、そしてスイングからモンクのような個性的なバンドまで幅広く参加している。

実は、色々付き合う範囲は広いようだが、アダムスのバリトン自体はそれほど大きく変わることはない。相手が誰であれ、何であれ、そしてソロをとってもバックに回っても、それらの周りの雰囲気を生かす万能調味料の味付けの秘訣を持っているのがアダムスのプレーなのかもしれない。




1. Blue Gene          Gene Ammons / Mal Waldron 13:54
2. Scamperin'          Mal Waldron 8:46
3. Blue Greens and Bean    Bennie Green / Mal Waldron 9:00
4. Hip Tip            Mal Waldron 8:55

Gene Ammons (ts)
Pepper Adams (bs)
Idrees Sulieman (tp)
Mal Waldron (p)
Doug Watkins (b)
Art Taylor (ds)
Ray Barretto (cong)

Bob Weinstock Producer
Rudy Van Gelder Engineer

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, May 2, 1958


Blue Gene
クリエーター情報なし
Ojc
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする