A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ドラムが締まると、バンド全体が締まる・・・・・・

2013-09-21 | MY FAVORITE ALBUM
Basie Big Band / Count Basie Orchestra


先日カウントベイシーのライブに行った。昨年に続いての来日だ
ビッグバンド好きにとってはベイシー、エリントンは「故郷」のようなもの。
色々聴いても、ここに戻ってくるとほっと一息つける。
高瀬龍一のビッグバンドのベイシーライブも先日2回目が行われたようだが、2回目も満員だったそうだ。ファンの心理としては同じような物なのかもしれない。

御大が亡くなって、御大と一緒にやっていたメンバーも居なくなっても、ベイシーオーケストラの看板を引き継いでいるバンドは、やはり「本家本元」という重みがある。
それに、今回は、直前になってドラムがブッチマイルスに替わったのも楽しみのひとつであった。

会場はブルーノート。昨年も同じブルーノートであったが、このサイズで聴くビッグバンドは格別だ。最終的に来日したメンバーは、トランペットのターニャダービーに代わり、リードはマイクウィリアムス。彼の方がレギュラーメンバーかもしれないが得意のハイノートを聴かせてくれた。バリトンにもバンガードオーケストラでお馴染みのフランクベイシルに替わっていたのにもびっくり。

今回はボーカルも無く、お馴染みの曲が続くが会場のPAが少しラウド気味。ベイシーなんかは生音でも十分なのだが。ドラムのブッチマイルスが期待通りばっちりメリハリの利いたリズムを聴かせてくれる。先日のバディーリッチのピーターアースキンでも感じたが、やはりビッグバンドはドラムが締まると全体が締まる。特にベイシーのようなオーケストラだと余計に。

という訳で、久々にブッチマイルスが加わっていた頃のアルバムを引っ張り出してきた。
LPをかけるのも久しぶりだ。

70年代に入ってパブロに移籍してからのベイシーは何故かスモールコンボでのアルバムが続いた。この頃は同時進行で聴いていた頃だが、ビッグバンドのベイシーを聴き慣れた自分にとっては、スモールコンボでのベイシーのピアノが新鮮であった。

そんな中、1975年の8月にPabloで初めてオーケストラのスタジオ録音が行われたのがこのアルバム。ベイシーオーケストラの来日もあり来日記念アルバムとして日本盤は発売された。
最新の状況を今のようにインターネットで簡単に知ることができない時代だったので、なりを潜めていたベイシーオーケストラが生き返った感じがして嬉しかったのを思い出す。もちろんコンサートにも足を運んだが、生ベイシーは感動物だった。

このアルバムにブッチマイルスが参加しているが、マイルスがベイシーオーケストラに参加したのはこの年の2月。ベテラン勢に混じって、まだ30歳になったばかりの若者であった。金髪を振り乱してのプレーは好感が持て、ベイシーサウンドにピッタリはまっていてすっかりお気に入りになった。当時はフュージョンやエレキサウンドが台頭してきた時代、フォービートが余計に新鮮だった。

このアルバムは、全編サミーニスティコの作編曲。ベイシーサウンドを支えたアレンジャーは、その時代時代で何人もいるが、このニスティコもその一人だ。
60年代のベイシーのアルバムはヒット曲や当時のスタンダードを素材にしたアルバムが多かったが、このアルバムでは久々にオリジナルばかり。それもニスティコの作品ばかりだが、どの曲もベイシーサウンドの伝統、歴史を引き継いでいる。今の時代のベイシーオーケストラの定番になっている曲も何曲もある。

改めて聴きなおしてみると、ブッチの素晴らしさも改めて分かるし、なかなかいいアルバムだ。最後のトールコットンは曲想もアレンジもサドメルのグルーブマーチャンに似ていることを発見、聴きなれたアルバムでも久々に聴くと新たな発見がある。

しばらくこの時代のベイシーを聴き返しそうだ。

Count Basie Orchestra

Sonny Cohn (tp)
Dave Stahl (tp)
Pete Minger (tp)
Frank Szabo (tp)
Bobby Mitchell (tp)
Curtis Fuller (tb)
Al Grey (tb)
Bill Hughes (tb)
Jimmy Forrest (ts)
Eric Dixon (ts,fl)
Bobby Plater (as,fl)
Danny Turner (as)
Charlie Fowlkes (bs)
Count Casie (p)
John Duke (b)
Freddie Green (g)
Butch Miles (ds)

Composed & Arranged by Sammy Nestico
Produced by Noman Granz

Recorded on August 26&27,1975 in Los Angels



The Basie Big Band
Count Basie
Pablo
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