A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Down Beat 好みのメンバーを集めて・・・・

2013-09-11 | PEPPER ADAMS
Down Beat Jazz Concert

ダウンビートというジャズ雑誌がある。創刊は1934年とのことなので80年近くの歴史がある。今でも発刊されているようなのでもっとも歴史のあるジャズ雑誌だろう。

この雑誌の読者および評論家の人気投票というものが昔からある。自分がジャズを聴き始めた60年代に入ってからの結果を見ても何か違うなというものを感じていた。
50年代の後半というとハードバップの全盛期だが、この時の結果を改めて見ても、スタンゲッツ、ポールデスモンド、ジェリーマリガンと並ぶ。やはり表舞台では、彼らが脚光を浴びていたのかもしれない。いわゆる一般受けするジャズ、そして白人が主流。

このダウンビートの57年の新人賞をとったのが、ペッパーアダムス。58年に入るとニューヨークに活動の拠点を戻して、ドナルドバードとコンビを組んでレギュラー活動を始めていた。そのアダムスが、ライブ活動の合間にレコーディングに参加していたのが、マニーアルバムのビッグバンド。

前年マニーアルバムは” MANNY ALBAM AND THE JAZZ GREATS OF OUR TIME”というアルバムも出し、アレンジャーとして頭角を現し、此の頃も続けて何枚かのアルバムを作っている。

以前紹介した、”Jazz New York” というアルバムもちょうど此の頃の録音で、まさにアダムスも参加していたアルバムだ。
自己のグループだけでなくメイナードファーガソンテリーギブスのビッグバンドにもスコアも提供する、当時売れっ子のアレンジャーの一人であった。

そんな最中、5月18日にタウンホールで大きなジャズコンサートが開かれた。
この主催がダウンビート。この年のニューポートはあの映画「真夏の夜のジャズ」になった年。あちこちでジャズが興隆を極めていた年だ。

このコンサートの目玉がマニーアルバムのビッグバンドであった。ビッグバンドといってもフル編成よりは少し小振り、このコンサートには当然ペッパーアダムスも参加している。他のメンバーはというと、サックスセクションはアルコーン、ジーンクイル、ジェロームリチャードソン、他のセクションもウェストコーストジャズの全盛期に、東海岸で活躍していた白人プレーヤーが多く参加している。

リーダーのマニーアルバムは、この日披露した新曲を、始まる1時間前のリハーサルだけで本番に臨んだとか。
レギュラーグループを編成できないビッグバンドの宿命のようなものだが、書く方も、演奏する方もたいしたものだ。
最近ライブを聴きに行くことが多いが、その時も「今日お初の曲ですが」といって、演奏されることがよくある。数回のリハーサルで素晴らしい音出しをしているのを聴くとさすがプロといえばそれまでのことであるが・・・、プロといえどもバンドカラーが定着するには少し時間がかかる。アルバムのビッグバンドもバンドカラーというよりは編曲中心に聴かせるバンドだ。

この日のステージには、クラリネットのトニースコット、ポールホーンというちょっと毛色の変わったメンバーも出演している。ゲストで、スティーブアレンなども出演しており、日本のジャズファンの好みとは一味違うダウンビート好みの人選なのかもしれない。

一見地味に感じるステージだが、中身の演奏は非常に熱の入った公演だ。
このステージの模様は2枚のアルバムで世に出たが、実はアルバムの一番のハイライトがとんでもない扱いを受けていた。”Blues Over Easy”は延々28分にも及ぶステージだったようだが、最初に出たアルバムではその内28コーラスがカットされ、続編に残りが分かれて収録されたとのこと。

CD再発にあたってこの2枚のアルバムは一枚に収められたが、この曲も本来の通しの演奏の様には再現されていない。せっかくのCD化、再発なのでステージの模様をそのまま再現してほしかった。マスターの管理がそうはなっていないのかもしれないが残念だ。

1. A Little Eye Opener
2. Blues For An African Friend
3. When Your Lover Has Gone
4. My Funny Valentine
5. Willow Weep For Me
6. Blues Over Easy
7. Blues Over Easy
8. Scrapple From The Apple
9. Rose Room
10. Give Me The Simple Life.
11. Dougy’s Buggy
12. Fast Thing In C

MANNY ALBAM AND HIS JAZZ GREATS (tracks #1, 4, 6 & 12)
Bernie Glow, Nick Travis, Ernie Royal (tp)
Frank Rehak, Jim Dahl (tb), Tommy Mitchell (b-tb)
Gene Quill (as), Jerome Richardson (fl, ts), Al Cohn (ts), Pepper Adams (bs)
Dick Katz (p), Milt Hinton (b), Osie Johnson (d)

Guest soloists: Hal McKusick (bcl), Georgie Auld (ts), Paul Horn (as), Steve Allen (p).

TONY SCOTT QUINTET (tracks #2 & 7)
Tony Scott (cl, bs)
Jimmy Knepper (tb)
Kenny Burrell (g)
Sam Jones (b)
Paul Motian (d).

DON ELLIOTT QUINTET (tracks #3 & 10)
Don Elliott (vcl, tp, vb, mellophone)
Hal McKusick (bcl)
Bob Corwin (p)
Doug Watkins (b)
Nick Stabulas (d).

PAUL HORN QUARTET (tracks #5 & 9)
Paul Horn (fl)
Dick Katz (p)
Don Bagley (b)
Osie Johnson (d).

STEVE ALLEN TRIO & QUARTET (tracks #8 & 11)
Steve Allen (p)
Milt Hinton (b)
Osie Johnson (d)
Georgie Auld (ts added on # 8).
Recorded Live at Town Hall for Down Beat Concert, New York City on May 16, 1958

ダウン・ビート・ジャズ・コンサート(紙ジャケット仕様)
ポール・ホーン・クァルテット,ドン・エリオット・クインテット,スティーヴ・アレン・トリオ,マニー・アルバム・アンド・ヒズ・ジャズ・グレイツ,トニー・スコット・クインテット,スティーヴ・アレン・クァルテット
ユニバーサル ミュージック クラシック

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