早坂昇龍著の『北斗英雄伝』第4巻を読んだ。この小説は岩手県の盛岡地域で発行されている「盛岡タイムス」という地元紙に掲載されたものだ。発行は「蒼龍舎」である。「九戸戦始末記」と副題がつけられているように、戦国最末期のたたかいとなった、九戸政実の乱をめぐっての物語である。九戸政実がよった城が現在の二戸市(昔は福岡といった)にある九戸城(小説では宮野城となっている)。二戸で共産党の地区委員長を10年ほどやり、その一時期にはこの城跡のすぐ近くに事務所を構えていた。その頃、昼休みの散歩コースになっていた場所である。確か、この小説の第1巻をどこかの図書館で見つけ読んでいるのだが、2巻、3巻には出会わなかった。先ごろ町立大野図書館に立ち寄ると、新着コーナーに並んでいたので、借りてきたものだ。4巻では、関白秀吉の軍隊が北上し不来方(盛岡)を経由しで沼宮内城を攻めるあたりからの話になっている。最後は、宮野城を取り囲んでいるところで、この間は終わっている。しかし、おそらく第5巻で終わりとなると思うのだが、九戸政実の乱をここまでふくらまして小説に仕上げていることが面白いと思った。この巻の中に出てくる、姉帯(あねたい)城、一戸城、浄法寺城なども、私が担当した地域の中にあり、どの場所にも行ったことがあるの小説の教理が近い思いがする。