レンタルショップから借りてきたDVDで映画「下町の太陽」を鑑賞した1963年松竹で制作された映画で、山田洋次監督作品で、主演が倍賞千恵子である。1970年代、日本共産党が国会議員選挙で躍進した時代に、小林まさ子衆議院議員が「下町の太陽」でアッピールしていたのを思い出す。倍賞千恵子扮する寺島町子は、下町の石鹸工場の社員である。同じ工場の事務職員の毛利道雄とつきあっているが、その生き方をめぐって道雄の考え方と相いれなくなる。貧しい仲にも人と人との心の触れ合いを大事にする町子は道雄から離れ、別の道を歩もうとする。
「下町の太陽」のことは小林まさ子議員のことから何となく推測していたが、今回原点となった映画を鑑賞し、人としての生き方を問うている作品だと思った。山田洋次監督らしい視点がこの時点から備わっていたと思う。倍賞千恵子のおそらくもっとも若い頃の作品ではないだろうか。いつみても清楚で美しい。