夕食の途中で急に家人が立ち上がって、急いでテレビの前へ行った。立ち上がりついでに、私の目の前の皿の上からピーナッツと柿の種をつまんで口の中に放り込んだ。食卓にはまだ酒も料理も残っている。テレビの前といっても、食堂と居間はつながっているから、ほんの数メートルの先でしかない。それでもいきなり食事を中断して移動すると、何事かと思う。家人はテレビの画面に見入っている。私は視線で探ってみたが、たいしたニュースはやっていない。はっきりとはわからないが、何かサバのような魚をアルミホイルに包んでいるような絵だ。突発のニュースなら、誰か著名人の訃報とかどこかの大事故などだろうが、そうではない。家人に声をかけそうになって、やめた。ふと、これはヤバイものかと思ったのだ。瞬間的にボケを疑った。そもそも食事中に慌てて席を立つというのが異常である。だから、達人は何か理由を行ってから動くものである。家人は、無言だった。無言で立って、ピーナッツをつまんでテレビの前に急いだのだ。いよいよボケがきたのかと思うのが普通だろう。あいにく、娘はまだ帰っていなかった。
家人は少しの間テレビを見て戻って来た。無言で椅子に座って、呑みかけのワインのソーダ割に手を伸ばした。食事が住んで、渡しの薬の時間になった。薬は7種類あるから、それがきちんと揃えられるか、私は何かボケのテストを見る気持ちになっていた。薬は間違いなくそろえられた。これは3日前の話だ。以後、家人には何の異常行動もない。会話も普通だ。となると、あの行動は何だったのだろうか。いや、私だって、知らぬ間にボケか、それに近い言動があるのではないか。そんな気がしてきた。
家人は少しの間テレビを見て戻って来た。無言で椅子に座って、呑みかけのワインのソーダ割に手を伸ばした。食事が住んで、渡しの薬の時間になった。薬は7種類あるから、それがきちんと揃えられるか、私は何かボケのテストを見る気持ちになっていた。薬は間違いなくそろえられた。これは3日前の話だ。以後、家人には何の異常行動もない。会話も普通だ。となると、あの行動は何だったのだろうか。いや、私だって、知らぬ間にボケか、それに近い言動があるのではないか。そんな気がしてきた。