健康

テレビの諸番組、コマーシャルいずれも健康、健康で忙しい。食材、調味料、薬品、栄養補助食料と飲料、果ては水までもが健康・けんこう・ケンコーである。
もちろん健康ほど大事なものはない。しかし、いくらなんでも騒ぎ過ぎではないだろうか。スーパーで肉と野菜を買って来て、冷蔵庫に入っているルウでカレーを作る。それにサプリメントやらの粒を服む必要があるだろうか。我が家では塩分の濃いものは控えるとか、野菜中心であるとか、そういうことはあるようだが、食前に青汁を１杯飲むなんていうことはない。健康、健康と叫び始めると、食べる・飲むに妙な義務感が生じることがある。飲食の第一条件は自分の好物をおいしく楽しむことであって、そこのところの量をセーブするぐらいで充分だと思っている。それともおいしいすき焼きを食べた後で、コンドロイチン！と大声を出してみますか？
デイケアというのがあって、週に何度か、施設に集まって、将棋や麻雀を老人同士で楽しむのだそうだ。リハビリやマッサージに来てくれている人達の話では、健康麻雀という、つまり金品を賭けずに打つのだそうだ。私が笑いながら、「それではケンコウどころか、身体に悪いんじゃないの？」と言うと、みんなが笑う。　いまは、骨折り損のくたびれもうけも、健康と言うらしい。