芸人という言い方がある。 タレントという言い方もある。この2ツは、どう違うのだろうか。 タレントを直訳すると才能なのだそうで、ま、芸人もタレントも、ある分野での芸で抜群のものを持っている人となるのではなかろうか。 私がテレビで知る限りでは、まず「いっこく堂」さんを挙げたい。 腹話術という分野で、彼ほどの芸(技術)を持っている人はいないと思う。 一方で、お笑い芸人と称される(一括りされている)連中がいて、それが、出演者だけが笑っていると週刊誌に評されることになる。彼らには、いっこく堂さんのような特技がないから、ただ大勢でワイワイガヤガヤさわぐことになってしまう。 6時限の国語の時間。教室に睡気と倦怠感が漂う。早く授業が終わって、遊びの時間に入りたいと、誰もが願っている。そのとき教師が、「A(私のこと)、この文章は少しむずかしいが早読みしてみろ!」と言う。 目的は私の速読ショーでみんなの睡気を覚ますことであり、私にはソレに応える芸があった。 速読は単に滑舌のことであり、学力とは無関係だが、それでも通信簿には5が印された。すなわち、中学時代の私は、その面で1ツの芸を持っていたということになり、通信簿の5は、いっこく堂さんなら、出演料ということになる。 老人の自慢話になってしまったが、誰にでも、何かのところでは秀でているはずで、ソレを自分hで気付くかどうかは、大きな損得だと思う。