Winding Road

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J2第15節 横浜FC×ベガルタ仙台

2006-05-16 | ベガルタ仙台
盾対盾、驚くべき失点数の少なさを誇る横浜と仙台の試合は、最後までそのお互いが誇る盾が相手の矛に突き破られる事はありませんでした。

試合のペースを掴んだのは横浜でした。仙台がかなりラインを下げていた事も手伝って、前半から積極的に攻め込みました。しかしフィニッシュ精度が雑なのと、仙台の守りが堅い事が重なって得点は奪えず。仙台は木谷・白井のCBが城・カズのツートップを見て、千葉がDFラインの最後尾に入る時間帯もある位、慎重で守備的な試合運びでした。

後半早々、仙台の千葉がアウグストへのファールで一発レッド。何でレッドなのかが意味不明な判定でした。しかもこれで判定基準が下がってしまい、その直後、横浜のヨンデのファールは注意だけで済んでもいいようなものでしたが、止む無くイエロー。しかしこれに当然の如く仙台の選手が食ってかかる。そりゃそうです。直前のプレーがレッドならこれもレッドでおかしくないんですから。完全に主審が試合を壊し始めました。しかし両チームの選手達、特に仙台の選手は気持ちを切らす事無く耐え、試合は壊れませんでした。守備面で効いていた千葉が抜けただけに、仙台にとっては大きなハンデを背負いました。ここでベンチが動くかと思いきや、それはなく現状戦力で戦いを継続する事に。しかしこれが当たりました。特に良かったのがチアゴの守備力。一人少なくなるまでのチアゴは、精彩を欠いていて攻守に不発でしたが、千葉退場後は、低い位置で相手の攻撃を食い止めていました。

当然ながら1人多い横浜が攻め込むシーンが増えてきたんですが、ゴール前での仙台の粘り強い守備と、単調な攻撃の繰り返しにより、横浜からあまりゴールの匂いはしてきませんでした。対する仙台は前線のボルジェス・ロペスを基点にカウンターを狙う戦法。こういう状況の時、しっかりキープして尚且つ自分で前にボールを運べるこの二人の存在感は大きい。あわやという場面も作りましたが、菅野の好セーブもあってゴールは奪えず。終了間際には、主審が帳尻合わせを図ったのか、横浜のアウグストにレッドを出す場面もありましたが、スコアは動かず0-0で終了。上位対決は痛み分けという形で終わりました。しかし試合内容は2位と3位の対戦に相応しく緊迫感があり非常に面白いものでした。こんな素晴しい試合で不可解なカード乱発という醜態を晒した池田主審には猛省を促したいです。

横浜の試合は今季初観戦だったので、これまでの好調の要因は分らなかったですが、何となくそれが見えてきました。リーグ最小失点なので、超守備的布陣を敷いているのかと思いきや全くそんなことは無く、かと言って特別攻撃的なわけではない。横浜は別に特別な事をやって上位に居るわけではありませんでした。そのサッカーは派手さもありません。では何が良かったのかと言うと、当たり前の事をチーム全体がキッチリこなすという事。約束事がしっかり出来ていると感じました。どの選手を見てもポジショニングが良かったです。かと言って自分のポジションのみに固執してばかりいるのではなく、後ろの選手がリスクを負って自分のポジションを放棄し攻め上がることもありました。しかしその時には、他の味方が空いたスペースをカバーする事でリスクマネージメントが出来ていました。これらのプレーは、サッカーにおいてはごく当たり前の事ですが、それを全員がサボる事無くこなしていたので、チームが落ち着いて安定し、それが攻守のバランスの良さを生んでいました。どの選手も生き生きとプレーしているように感じられました。それだけ自信も生まれているのでしょう。あとは決定力を上げていけば、更に上昇気流に乗れると思います。

さて今年に入って、横浜FCはチケット値上げしたおかげで、観客動員がキング加入前に戻りつつあるようですが、この日も5800人程度でした。やはりJ2の試合でバックスタンドに3000円は高いです。去年までは三ツ沢に行く時は2000円で入れるバックスタンドで観ていましたが、さすがに3000円は出せないので今回はC自由(アウェーゴール裏)で観ました。そしてその場所は席を探すのが困難な程(1時間ほど前に到着して何とか場所確保できましたが、開始直前に来た人はほとんど最上段の立見でした)混雑していました。遠くのアウェーに、これだけ多くのサポーターが駆けつけるチームはJ1でさえも、そう多くはありません。ゴールドでギッシリ埋まったスタンドを見つめながら、やっぱり仙台にはJ1に戻ってきてもらいたいと強く感じました。



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