Winding Road

スポーツやら音楽やらいろいろと。

第90回高校サッカー総括

2012-01-11 | フットボール全般
今回は各試合毎に記録を付けなかったのでまとめて振り返ってみる。まずは個人的な観戦記録から。

12/30 開幕戦(国学院久我山×東海第五)
1/2 2回戦@NACK5(矢板中央×高川学園・聖和学園×近大付)
1/3 3回戦@埼スタ(矢板中央×国学院久我山・大分×青森山田)
1/7 準決勝(大分×市立船橋・尚志×四中工)
1/9 決勝(市立船橋×四中工)

この中で最も印象に残ったのは聖和。ロングパスを排除したドリブル・ショートパス多様サッカーは異質で興味深いものだった。できればもっと上まで行ってそのスタイルを世に知らしめてほしかった。

全体的な感想として典型的な高体連のチームの割合が多く、またそういうスタイルのチームが勝ちあがる傾向が強かったように思う。それは逆に言えば、そういうスタイルではないチームがやられてきたという事だ。一発勝負のトーナメントだから仕方ない事と言えばそれまでかもしれない。

また現実問題としてプリンスリーグでプレミアに所属するチームが悉く地区予選で敗退し、また本大会出場高もあまり上位に来ていない現実はプリンスと選手権の乖離を感じた。だから唯一ベスト4に残った尚志に期待していたのは本音。

正月の風物詩・感動提供コンテンツ・貴重な地上波中継といった切っても切り離せない重要コンテンツとして定着した高校選手権。そう考えるとこの大会はある種神聖化した特別なものと割り切って楽しめばいいのかと思う。この選手権こそがサッカー人生の一大事という選手も数多くいるだろうから、育成という視点からは切り離して考えるべきものかもしれない。プリンスリーグの拡充によって色々見えてきただけに個人的には考える事が多い今大会だった。それでも自分自身がこの大会のファンである事は変わらない。

第90回全国高校サッカー決勝 市立船橋×四日市中央工業

2012-01-10 | フットボール全般
名門同士の一戦は下馬評有利と言われていた関東勢のチームがロスタイムに追いつき、延長で勝ち越して勝利するという実に感動的なゲーム。スポ根主義が未だ根強い高校サッカーのフィナーレに実に相応しいものだっただろう。客観的に見てそう思う。

どちらのチームも決勝まで勝ち進んできたチームらしく、やり方がブレたり慌てて崩れたりすることなく、実に落ち着いて互いが自分達のサッカーを貫いた。延長戦に関しては耐える努力を90分が過ぎてから断たれた四中工の方がやや余力が残っていなかった結果。

今年も決勝戦は例年通りの満員。メディアが作り出す幻想主義とそこに惹かれる群集の心理たるや凄いものだ(笑)
これは先月、埼スタでプリンスのチャンピオンシップを見たときに書いたが、本来ならU-18世代の頂点を決めるあの試合の10倍以上の観客で埋まる国立競技場の光景にはいささかの違和感を覚えた。そしてクオリティや目に見えない実の面などよりも、精神論・郷土への帰属精神などを強く売り出した方が客が集まり心動かす日本人らしさを存分に感じた。

この大会は正月の風物詩ともなっているから、それはそれとしてアリなんだろう。そういう事を考えた今大会だった。時間があれば大会を総括してみたい。

この決勝が終わると個人的には1年間終わった気分だ。J開幕までしばしの休息へ。

2011 蹴球観戦記録

2011-12-31 | フットボール全般
今年の振り返り。

まず2011年のトータル観戦数は131試合(前年比-2)でした。ここ数年、毎年少しずつ観戦数が増加していたので、自身初と言ってもいいマイナスの結果。

これに至った明確な原因は震災の影響に他ならない。約1カ月弱、現場観戦から離れたので。それと中断後の日程組み直しによって試合時間がほぼ画一化されたのが実はもっと大きい。これによってハシゴ観戦がしずらくなった。現に今年はJリーグをハシゴした回数が例年に比べて圧倒的に少ない。

それでも結果的には昨年とほぼ変わらぬ観戦数だった事を考えると、今年もよく現場に通ったなと感じる。

以下は現場で観た中から勝手にランキングしたもの、毎年同じ事をやってますが。

◆ベストゲーム

6月5日 ナビスコカップ1回戦1st leg 柏×仙台

上位同士の濃密なゲーム。攻守に渡って互いの持ち味が色濃く出た好ゲーム。そして最後はロスタイム決着。
内容だけなら同会場でのリーグでの対戦も同じレベルだが、仙台が勝ったという意味でこちらを選出。

次点:12月29日 天皇杯準決勝 横浜FM×京都

年の瀬に凄い試合が見れた。

◆ベストゴール

色々ありすぎて該当なし

来年についてはACLがなくなってしまったので、4年ぶりに海外遠征をしない年になりそう。それから未開拓の鳥取と富山に行きたい。ってこれは昨年の振り返りでも同じ事を言ったんだが、来年度はJ1とJ2の日程分散によりチャンスは増えるはずなので、なんとか機会を見つけて来訪したい。

第90回全国高校サッカー開幕戦 国学院久我山×東海第五

2011-12-30 | フットボール全般
2011年の観戦締めは国立。今年は国立に始まり国立に終わる1年だった。

それにしても高校サッカーの国立開催は大体気温が下がるか風が強いかで、毎年必ず寒い印象がある。今回は風が強かった。せっかく日当たり良好なバクスタに座ったのに、15時KOだった前日の天皇杯準決勝よりも体感温度が低く感じられた。

試合はと言えば久我山のパスサッカーの質が高くて驚いた。今年からユース年代はプリンスリーグ拡大で格差がよく分かるようになったわけで、その中で東京都代表が毎年のように早々に敗退する理由が露骨に出た感じだったので、今年も初戦敗退かと思っていたが、相手を上回る内容での勝利だった。4-3-3でアンカーを1年生がやっていたのが興味引かれた。

これにて2011年の現場観戦は終わり。別項で今年も振り返ることにする。

一日ユースデー

2011-12-19 | フットボール全般
遥か遠く丸亀の地で今季が終了した頃、今回は遠征回避した自分は埼スタに行き、朝から夕方までユースの試合をぶっ続けで見ていた。
(今年の鹿島振り返りに関してはまた別項で。)

1.プレミア参入戦 鹿島ユース×星稜(10:00 第2グラウンド)

朝イチにしてこの日最も重要な一戦。関東一部を優勝してこの試合を迎えた若鹿達。立派なパフォーマンスを見せてくれた。2対0と言うスコア以上に内容も完勝で危なげなかった。

これでプレミアに昇格。来年は東日本の最高峰のリーグに所属する。こうやって下部組織が高いレベルを体感することでクラブがまた一つ成長していければよい。

2.旭川実業×磐田ユース(延長だけ)

第2での試合を終えると、隣の第3グラウンドは90分で決着つかず延長へ。20分だけ観戦し道2つ目のプレミア所属チームの誕生を確認する。

3.作陽×済美(13:10 第3グラウンド)

これは作陽の圧勝。芝生に足伸ばしてダラッと見ていたので特に振り返るところはない。

4.プレミアチャンピオンシップ 札幌×広島(15:00 埼スタ)

カテゴリーでいえば一番トップに属する対戦。しかし事前の宣伝不足は否めず客席はガラガラだった。レベルや質でいえば明らかにこれに劣る選手権決勝が、この試合の10倍の観客を集めるギャップに違和感は感じる。

広島ユースが強かった。札幌と比べてワンランク上だった。攻撃面が取りざたされるが守備面が堅かった。相手のシュートには必ず足を出してブロックするなど守りの粘り強さが光っていた。

対する札幌もトップ昇格組を中心に質の高さは見せてくれた。2年生や1年生に今後を期待させる逸材も転がっていたので来年以降も引き続き期待したい。

丸一日の野外観戦は寒いし疲れたが充実した一日だった。ただ天皇杯の結果を見て疲労がドスンと襲いかかってきた(笑)

バルサショー

2011-12-16 | フットボール全般
ツイッターをやってると面白いもので色々な人の心理などが見れるわけだが、先日のCWCセミファイナル・バルサvsアルサッドにおける某ECHIGO氏のツイートもなかなかスパイシーで愉快であった。

氏の意見を要約すると以下2点だろう。

・ドン引きで攻めてこないアルサッドがお気に召さない。
・試合内容が低調なはずなのに観客がBooしない。拍手やらオーッなど。

まず前者に関しては文句を言っても仕方ない。バルサの良さを引き出していないなどと言う呟きもあったが、バルサの良さなど引き出したら勝負を捨てるようなものだ。

彼らは彼らなりに勝つための最善策を考え、そして実行しただけの話。しかし戦略を立てても相手の実力がそれを凌駕していたため、勝つことはおろかサッカーをさせてもらえなかった。これが結果。

そもそも番狂わせが他のスポーツに比べて起きやすいのがサッカーだ。ましてやどんなに力差があろうとも、キックオフの笛が鳴った段階では0対0である。全てのチームに平等に勝つチャンスが与えられているわけだ。だから90分を勝つためにどうやって使うかは他人には関係ない、自分達が正しいと思ったやり方を貫けばよいのだ。それがあのスタイルになったのだろう。それを否定する気持ちにはなれない。

そして後者。これは予想される当日の観客の動向を考えれば納得が付く。普通ならサッカーの対戦を見に来る客が大半だと思うのだが、この日の客の大半はおそらくがバルサと言うエンターテイメント集団によるフットボールショーを見に来たのだろうから。普段はスタジアムに足を運ばないから、少々お高い価格設定のチケットにも何の抵抗も持たずに購入してやってくるような観衆である。それらに正しいスタイルを求めるのは無理だ。ショーを楽しめれば満足なのである。そして対価に見合う満足度を得て頂ければそれで良いではないか。それ以上は何も求めるまい。

最後に個人的な意見を言えば、アルサッドのあのドン引きをJクラブはどうやって攻略するか、そこに興味がある。曲がりなりにもアジア王者である。ならばあの守備網をこじ開けなくてはアジアチャンピオンへの道は開かれないのだから。それがあのゲームからの一番の宿題のように思う。

映画『TESE』観てきた

2011-12-13 | フットボール全般
チョンテセに迫るドキュメンタリー映画『TESE』を渋谷で観賞してきた。

テセのバックボーンやその他様々な要素をつなぎ合わせて作られた映画だけに、サッカーの要素が無くても充分に見るべきところがあり楽しめる作品だった。色々と考えさせる部分、答えが出ない部分、などなど、観ていて頭を使った。

この作品を見るまで、一番気になっていたのはどうしてテセが韓国でも帰化でもなく北朝鮮代表の道を選んだのかという事。それに対する明確な答えは出なかったが作品を見ての感想としては、母系の系譜が大きく影響を与えているんだろうという事。詳細は割愛するが行きつく先はそこだった。

またテセにとっての、日本・北朝鮮の存在、どういう眼差しでそれらを見つめ、どういう位置づけをしているのかは分かった気がする。李忠成に対する意見も聞けて興味深かった。

それ以外では『祖国と母国とフットボール』を読了した際に取り上げられていた南北決戦後にテセが憮然としていたというエピソードの実際の映像が見られたのは見応えがあった。

あまり詳しくは書かない事にしておくが、それを差し引いてもざっとこれだけ感想が出てくるので観るべき価値はあると思う。サッカーを愛する者として知っておいて損のない内容であった。

2011JFL前期第1節(実質最終節) 町田×讃岐

2011-12-12 | フットボール全般
町田ゼルビアがJFL4位以内を確定させJ昇格内定。長年の悲願がようやく叶った。

個人的にも岐阜・栃木とJ昇格現場を生で見てきたが、たまたまその日に居合わせただけの前2チームと比較すると、町田は去年の相馬監督就任をきっかけに割と積極的に観戦してきただけに、感慨深い思いもある。特に昨年は成績以外の部分でNGが出てしまう屈辱を味わったチームだけに。NG通知直後の天皇杯ヴェルディ戦で『まだ何も終わっちゃいない』という弾幕を出して勝った西ヶ丘を懐かしく思いだした。

試合自体は讃岐が押し込む時間帯が長かった。町田の方が狭いエリアでボールを奪い動かしたい意向があるので、それを逆手にとって3-4-3の布陣を生かしてピッチを広く使った展開で揺さぶりをかけた。前線には石田・西野という能力の高い選手がそろっているだけに前で収めて広く展開してという形がしっかりできていた。

それは10人になった後も変わらず、讃岐は一人少なくなってもチャンスは作れていた。しかしそこで決め切れない事で相手にチャンスを与えてしまった。良い内容だとは思うが詰めの甘さを改善しなければ上位には食い込めない。それを3位のチームに示された格好だ。

町田は実に現実的に自分達の形でサッカーができていた。内容もまずまず。しかし少し気になったのはリードしている時の戦い方に安定性を感じなかった部分だ。全体的な内容は悪くないのだが、そういう細かな部分に綻びが見受けられた。こういうところを一つ一つ潰していかないと来年の戦いは苦労するし勝ち点を拾えない。

来シーズンに向けてこれからが町田は大変になるだろう。スタジアムへのアクセス、インフラ面の整備からやっていかなくては。特に野津田のアクセス面の不十分さはJFLでは何とかなっても、今のままではJリーグ開催には脆弱すぎる。チームとしても一つ上のレベルに行くわけだから、ここから本当の戦いが幕を開ける。

一方の讃岐も来季は上位2チームに入った上で、場合によっては入替戦が待ち受けるのだから大変だ。何せ町田・松本共に2位以内には入れていないわけだし。門番達を倒しきった上での昇格が始まる来年以降はハードルが上がった。そこを乗り越えていかなくてはならない。だがこのチームなら出来る気がするし、カマタマには早くJに上がってきてもらいたい気持ちもあるので期待している。

TOYOTA Vitz CUP INAC神戸×アーセナルレディース

2011-12-02 | フットボール全般
ミッドウィークの国立でマッタリ観戦。招待券バラ撒き試合だったようで、新宿の金券屋で300円で買えたという理由で来たのが一番大きい。招待客大半で観客11000人程度では国立でやる意義はあまり感じない。それでもW杯前と比較した女子サッカーの状況を考えれば良い方とも言えるだろうが。スティックバルーン無料配布のせいでバンバン煩かった。サッカーには向かないから配布しないでほしい。

日本のクラブとイングランドのクラブ。パッと見でもハッキリ違いが分かる。そもそも身長差が違う。相手のガタイの良い事。それに比べれば日本人は小兵だ。その日本女子サッカーが世界を戦うために身につけた術をINACもしっかりとアーセナル相手に体現していた。

どちらかと言えば神戸の方が押し気味でアーセナルはカウンター狙いながら攻撃は散発の印象。川澄や大野の裏に抜ける動きだしやパスセンスは秀逸。大野なんてウラに抜けてチャンスを作ってシュートを打つところまでは完璧なのに、幾多のチャンスを決め切れずにいた。あれ!?これって某クラブの13番みたいだな(笑)

それでも先制したのは神戸。いくつもチャンスを作ってきたコンビネーションからのきれいな崩しではなく、チソヨンの完全なる個人技という点はちょっと皮肉でもある。しかし得点が入る形なんてこんなものだ。

2点目が取れればよかったのだろうが逆にショートカウンターから一瞬の隙を突かれて同点で終了。親善試合らしく両者仲良く引き分けで終わりという平和的な結果だった。会場を埋めた一見の客達にもそれなりに楽しんでもらえて興行的にはまずまず成功の部類に入るのだろう。

試合内容よりも印象に残ったのはINACサポが出していた弾幕かと。マリーゼ・常盤木・アカデミーに対するメッセージ弾幕は良かったな。決して目立ってはいないがしっかりと印象に残った。

2011JFL後期第17節 町田×高崎

2011-11-29 | フットボール全般
高崎の真の実力がよく分からないのだが、町田にとっては好事魔多しといったところか。

今年は真夏の敷島で高崎を見ているのだが、その時も今回も全く同じで前半はダメダメでまるで死んだフリ。それが後半に選手交代すると全く別のチームに生まれ変わって反撃する。真夏のカマタマ戦では2点差を追いつきながら最後は突き放されるのだが、この試合では後半つかんだ流れを最後まで離さなかった。

後半から投入された17番の松尾が完全に流れを変えた。彼が入ったことで高崎のチーム全体にスイッチが入った感じだった。サイドからアーリークロスを入れる形もハマったし、焦る町田をあざ笑うかのような鮮やかなカウンターはどちらが上位かを忘れさせるほどだった。

町田にとってはやっちまった感のある敗戦だが、逆にこれで残り2試合に向けて冷や水ぶっかけられて目が覚めたのではないだろうか。松本よりも1試合多く、得失点でも長崎より優位に立っているわけだから4位に向けて有利な立場に居るには違いない。自力で決められる位置に居るわけだからしっかり勝っていけば良いだろう。

2011JFL前期第6節 町田×ホンダロック

2011-11-26 | フットボール全般
約1年ぶりに麻溝に行ってきた。前回は町田の昨年ホーム最終戦でセレモニーを見たのだった。あの時と大きく違うのは目指すべき大目標がある事。

ロックは天皇杯の栃木戦で一度見ているが、その時と変わらず引いて守るのではなく、しっかりポゼッションしながら前に出てくる姿勢。町田も同じように攻撃志向が強いので退屈な展開にならず。JFLのカテゴリーにおいては見るべき要素が多く出る良い展開だったと思う。

それは町田にとっては手の合う相手だったともいえるわけで、ミドルゾーンで数本のパスをダイレクトで回してから、3人目の動きでウラを狙う戦法がハマり、幾度となくラインの裏を取る事が出来た。その結果として挙げた4つのゴール、そしてその全てがGKとの1対1によるものであることは必然の形だった。

この1勝で11月は無失点とのことで終盤戦に町田は加速してきた。4位以内も着実に一歩ずつ近づいている。そしてこの後は多くのクラブがなぜかJリーグ昇格決定試合で対戦が巡っている高崎との2連戦。この順番は必然なのか偶然なのか、いずれにしてもXデーは間もなくだろう。

フットボールのない週末

2011-03-21 | フットボール全般
サッカーだけでなく娯楽全般が中止ラッシュになっている。西日本では徐々に復活していたりチャリティマッチなども行われているが、東日本はまだ娯楽イベントのない日々が続いている。本日行くはずだったさいたまスーパーアリーナも現在は避難所として使用されている。

そんな中で池袋で映画『クラシコ』を見てきた。これは北信越リーグ時代の松本山雅とAC長野パルセイロのライバル関係を通じて地域リーグ・地方社会の縮図を映し出す内容だ。見に行った土曜は他にもサッカーのない日々に飢えているであろうJクラブサポと思しき人々で映画館が埋まっていた。突然上映前に現れた監督・プロデューサー・ライターの宇都宮氏によるとこんなに客が入ったのは公開1週間で初めてなんだとか。

劇中に出てくる山雅のサポを見ているとまるで自分の日常を見ているようでおかしかった。またスタジアムにありがちな日常、ヤジる人、アツいオヤジなどなど、そういったものがリアルに映し出されている。実写をそのまま映画化しているから当然なのだが。

志や目指すべき頂点の違いはあれどチームを支える意識はどこも同じ。そのカテゴリーが彼らは地域(今はJFL)であり我々はJからASIAへと向いているだけの話。そういう日常が映し出されている。またこれを見て何故「長野ダービー」でなく「信州ダービー」なのかの疑問も解決された。蹴球の現場が無くて暇を持て余しているサポの方々にはお薦めの作品ですよ。

第89回全国高校サッカー決勝 久御山×滝川第二

2011-01-11 | フットボール全般

近年では珍しい関西勢対決の決勝戦。

硬くなりがちなファイナルだが存分に良さを出しあった。久御山はパス主体のポゼッションサッカーで攻撃色が強い。対する滝二はそれを受け止めてからタテに早いカウンターで2TOPにフィニッシュを任せるやり方。

結果的には滝二の対応策がピタリ的中した格好。ある程度真ん中に厚い壁を作って相手のボールを奪取する。そこから最前線なりサイドに素早く展開してフィニッシュに持っていく。シンプルで無駄の無いサッカーだった。

それに対する久御山も焦れずに自分達のサッカーを続けた。かなりの圧力を受けながらのパス回しだったのでどこかで恐がって蹴ってしまってもおかしくないのだが、それをせずにしっかり繋ぐことを徹底した。繋ぎすぎてチャレンジパスやバイタルエリアでの思いきった仕掛けが少ないのは残念だったが。

終盤の攻防はこれぞ選手権といった雰囲気で国立も久御山の反撃にどよめいた。あの勢いのまま同点に持っていく雰囲気もあったが最後に痛い形で失点。攻撃は良いが守備面ではちょっと脆かった。

それでも全て出し切っての結果。その証拠に準優勝にありがちな悲壮感一杯の号泣は見られず最後には両校揃って喜び合っていた。毎年決勝戦を見ているが今までに見たこと無い光景だった。

今年もまた初優勝。滝二が今まで優勝していなかったのも意外だが、名門校の衰退と新興勢力の乱立が益々強くなってきた。放送局の関係もあるがそろそろ全試合45分ハーフの延長有にしても良いのではと思った今大会だった。

第89回全国高校サッカー準決勝@コクリツ

2011-01-09 | フットボール全般

準決勝は2試合ともPK戦。内容的に両方とも延長戦をやらせてあげたかった。それくらいの好ゲーム。

流経柏×久御山

3年ぶりにここまで勝ち上がってきた流経。やはり高い位置からの厳しいプレスは健在でゴリゴリした力強いチームと印象を受けた。それを真正面から受けずのらりくらりと交わしながらパスを回してゲームを作る久御山。非常に面白い組み合わせだった。

それでも流経が格上だと個人的には思っていたがCB増田の負傷欠場などでメンツが揃わず苦戦を強いられる。常に先手を奪われ早め早めの交代策で打開を図る。一旦は追い付くもののそこから流れに乗って突き離せず逆に勝ち越しを許す。万策尽きてもはやここまでかと思われたが、終了3分前に同点に追い付く意地を見せたのはさすがだった。

やはり流経強し。そんな印象を抱かせた。しかしPK戦を制したのは久御山。名古屋内定の吉田や同点ゴールの進藤が失敗した。PK戦はそんなものだ。

久御山はここまで中高大中京や関大一を倒しての決勝進出。決してフロックではないことを証明している。


立正大学淞南×滝川第二

ともに西ヶ丘で見ているので2度目の観戦。お互いに立ち上がりから良さを出し合おうと攻め合いに。その中で先にペースを握ったのは滝二。サイドからFWへのスタイルでゴールに迫るも立正のGKが好セーブを連発する。

すると後半に入るとリズムを掴み始めたのが立正。得意のパターンでゴールに迫り決定機を演出する。終盤は完全に押せ押せだった。その中で決定的な形も作ったわけだが結局スコアレス。

最後はPK戦で9人目まで突入とだんだん見ていて辛い展開に。だってそこまでいって負けるチームの残酷さは言葉にできないから。

これで決勝は関西勢対決。おそらく互いを知り尽くしているだろうから消し合いになるのかな。関東人からするとなかなか興味深い組み合わせになった印象。

第89回全国高校サッカー3回戦@西ヶ丘

2011-01-06 | フットボール全般

3回戦は西ヶ丘。結局年末年始は6日で10試合観戦と普段の週末と変わらぬリズムで過ごし何ら正月らしい出来事もなく終わってしまった(笑) それを望んで暮らしてるから別にいいけど。

この日は第一試合が国立霞ヶ丘でやるような好カード、それに加えてスター候補生がいるチームと言うわけで大混雑。東京都予選決勝と同じくらい多くの観客が入った西ヶ丘。それらも第一試合までで第二試合が終わるころには最初の半分以下に客は減っていたが。

滝川第二×青森山田

3回戦でやるにはもったいない好カード。

滝二のやり方がハマった。狙っていた事がことごとく上手くいった感じ。FWと中盤の前目の4人によるタテに早い攻撃は観客を魅了した。

対する山田はその中でもがき苦しんだ。攻撃に変化が乏しくアクセントがつけられなかった。終始ビハインドを背負っていた事もあり焦りもあったろう。狭い所・人の多い所でばかり攻撃を仕掛けては点に結びつかない。

一部報道で審判によるハンド見逃しなどもあったが、ハッキリ言って判定にエクスキューズして結果が覆る程のサッカーを山田がしていたかと言えば答えは否。内容的にも滝二の完勝。途中からスタンドの山田側も審判に疑問を持っている感じの雰囲気だったがそれではダメ。

柴崎に関しては今までと特段変わらぬ感想。足りない部分はプロで鍛えればよい。それにしても岳ギャルの多さには驚いた。一体どこで増殖したのか。何せ柴崎がドリブルを始めればスタンドからキャーと悲鳴が起きたくらいだから。あれらが春以降は我が軍の試合に来襲するのだろうか。う~む何とも言えぬ・・・。


立正大学淞南×新潟西

予想通り第一試合終了で減って行く客達。しかし帰ったのは損だろう。立正大のサッカーは見ておくべきだ。

パスワークと個人技を効果的に織り交ぜた立正大の攻撃は見ていて楽しかった。それに対する新潟西の粘りの守りも見事だった。前半についてはよく新潟西が耐えた。

それが後半に入ると立正大の攻撃陣が本領発揮し始めて最後は5点取ったが見事な攻撃だった。新潟西も最後まであきらめず何とか1点返した。高校サッカーらしい気持の入った試合だった。

応援にもご当地色が出るものだが新潟西はアルビのチャントが多かった。鹿島学園だってあそこまで鹿島をコピってないぞ。懐かしのGK野澤チャントがここで聴けるとは思わなかった。それと立正大は試合後に清水の勝ちロコをやってたな。

これにて3回戦まで終わり。次の観戦は準決勝@国立。