Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

映画「風声」すごい

2009-12-20 03:42:02 | 映画鑑賞

中国建国60周年の国慶節時期に封切られた戦争スパイ映画「風声」を見た。これはすごい。監督は中国版「東京審判」でちょっと変な日本人像を描いた高群書。脚本と共同監督が陳国富。主演は若手4大女優の一人、周迅(ジョウ・シュン)。李冰冰(リー・ビンビン)、王志文(ワン・チーウェン)、張涵宇(チャン・ハンユー)、黄暁明、蘇有朋(アレック・スー)ら実力者たちがからみ、緊迫した芝居を見せる。蘇有朋って、趙薇(ヴィッキー・チャオ)の出世作「環珠格格」で、乾隆帝の王子にしてヴィッキー演じる小燕子の彼氏の役を演じた奴だよなあ。当時はツルンとした顔をしてたけど、それなりにふけて貫禄がついたなあ。

時は第2次世界大戦中の上海。蒋介石の国民政府から離れ南京に日本傀儡政権を樹立した汪兆銘(精衛)政府内部の暗号解読チームが物語の中心。この中に潜んだ共産党のスパイが連絡役を果たし、日本軍高官の暗殺を遂行する。解読チームが一つの離れのような場所に集められ、暗号を解いた結果、チームのメンバー内に内通者(老鬼)がいるとの結論を得る。老鬼と命令を発した黒幕(老槍)を見つけるべく神経戦が始まり、彼らを尋問、拷問し追い込み、共産党スパイをあぶり出そうとする。この緊張感は、設定は違うけど香港の最近一番の傑作映画「インファナルアフェア」に通じるところがある。

周迅はすごい。ネタばれになるかもしれないが、腹が据わった狡猾、妖艶かつ可愛らしい暗号解読員を演じる。「画皮」の妖怪役もすごかったが、この映画は彼女の代表作になるのでは。李冰冰もきれいだけど、周迅の存在感には負ける。
日本軍将校役の黄暁明の喋る日本語は吹き替えのようだ。で、彼が中国語を喋るところも、いかにも日本人が喋る中国語のように発音されてリアル。

拷問シーンが残酷だから、日本ではR指定になるかなあ。それより、蒋介石政権、汪兆銘日本傀儡政権と共産党の支配が並び立つ当時の中国の複雑な政治状況を前提に物語は進むので、その辺は普通の日本人には無理だろうから、日本へは配給されないだろう。
現在の中国人にとって、汪兆銘は「漢奸」(ハンジエン)=裏切り者=と教えられているから、汪兆銘政権の位置づけがやはりステレオタイプのような感じだ。と汪兆銘の肩を持つのは、彼の日本の留学先が僕の母校で大学の先輩に当たるからだ。ってあんまり関係ないけど。当時、中国を赤化させないためには、国共合作までした頑強な蒋介石より、日本と組んででも共産党を排斥しようという汪兆銘のような選択肢も現実的だったと思うけど、アメリカはあんまり乗り気ではなかったみたいだ。というよりソ連が中国共産党をあんまり信じてなくて、なぜか蒋介石政権に肩入れしていたから。
展開が濃厚で一瞬でも目が離せない。DVDだから巻き戻しして確認すること数回だった。スパイの一人は途中で分かるが、最後にどんでん返し、というか、背景説明があり「ふーん。なるほど、すごい」となる。どっしりと重く、悲しいけど、中国人には愛国を訴える展開なんだろうな。いい出来だ。建国60周年記念だけど「建国大業」よりレベルはずっと上だ。

映画「孫文」見た

2009-12-17 00:32:35 | 映画鑑賞

「孫文 100年先を見た男」を見た。原題は「夜・明(Road to Dawn)」。主演はアン・リー(李安)監督の父親三部作の一つ「ウエディング・バンケット」で主演したウィンストン・チャオ(趙文宣)。
孫文生誕140周年記念で2006年中国製作。香港のデレク・チウ(趙崇基)監督作品。辛亥革命成功前夜、9回の蜂起失敗を経て、亡命先の日本からペナンへ移った時期の孫文を描く。
孫文は梅屋庄吉や宮崎滔天ら日本人との交流がよく知られているが、清朝政府の要請で日本政府から国外退去命令が出て、亡命していた日本からペナンに逃れる。革命資金獲得のためにアヘンで財をなした華僑の大物、徐氏に接触。娘の丹蓉(アンジェリカ・リー=李心潔)の恋愛や結婚話、活動への協力などを織り込みながら、孫文本人も長く自らの活動を支えてくれた看護士の陳ツイフェン(ウー・ユエ=呉越)との愛を確認する。
自らが暗殺されるかもしれないのに、革命資金を獲得しようと華僑たちのパーティーで演説するなど、命を狙われる様子がサスペンスタッチで描かれたり、いろいろなエピソードが盛り込まれ、引き込まれた。2時間超の作品だが面白く見ることが出来た。
ところで、孫文の奥さんといえば、いわずと知れた宋家の三姉妹の次女、宋慶齢だが、ま、いろいろとあったんだな。陳はペナンを離れる孫文についていかず、そのままペナンに居ついて、辛亥革命が成功して臨時大総統となった孫文とは二度と会わなかったらしい。
丹蓉役のマレーシア出身の李心潔が、現地人と中国人の混血なのか、エキゾチックで濃い容姿がひきつけた。ペナンの風景や建物も、行ってみたいなあ、と思わせるものだった。

映画「花木蘭」見た

2009-12-15 05:47:51 | 映画鑑賞

「花木蘭(ホワ・ムーラン)」は中国に古くから伝わる伝説的な物語。数年前にディズニーがアニメ化したが、日本ではほとんど話題にならなかった。中国ではそれなりにヒットしたらしい。中国では本家を乗っ取られた気分だったのか、満を持して香港の馬楚成監督が実写版を作った。
なかなか面白かった。ストーリー展開もいくつかの仕掛けがうまく考えられている。中国では11月末の公開開始から「2012」などをしのぐ観客動員で成功したとのことだが、それも理解できる。

主人公の花木蘭は趙薇(ヴィッキー・チャオ)。でっかい目と高い鼻が特徴的で、「赤壁」(レッドクリフ)では孫権の妹役、中井貴一や本木雅弘とも共演している。気が強くて活発な女の子役が多く、中国では「四小名旦」(4人の人気実力派若手女優)のひとりで、章子怡(チャン・ツィイー)、徐静蕾(シュー・ジンレイ)、周迅(ジョウ・シュン)と並んで確固たる地位を築いている。出世作はテレビドラマの「環珠格格」。
相手役の文泰に陳坤。趙薇とは北京電影学院の同級生で、妖怪が出るオカルト悲劇映画「画皮」(陳嘉上監督)では母と息子役で共演した。同僚兵士として軍営で知り合い、木蘭がひそかに心を寄せることになる。
女であるとの秘密を知って木蘭を守る友人の兵士に房祖名(ジェイシー・チャン)。成龍(ジャッキー・チェン)の息子だそうだ。敵方の北方騎馬民族の残虐非道な王子に胡軍。レッドクリフで一番かっこよかった趙雲を演じた。

=注意! ここから映画の内容に触れます=
物語は北魏時代。北方騎馬民族の柔然が領土を脅かし、村々には各戸1人を兵士として徴収するお触れが出た。花木蘭は病気の父の身代わりに男装して兵士となり、戦いを重ねるうち軍事的才覚が芽を出し出世の道を進んでいく・・・・というもの。
北魏も実は漢民族ではなくモンゴル系の鮮卑族による王朝だ。自らの故郷の地を北方民族から守るために戦う、という大義名分が合わないような。山西省大同の雲崗石窟、河南省洛陽の龍門石窟を作らせた北魏の孝文帝は仏教を広め、漢化政策を進めたとはいえ、北魏が北方騎馬民族による王朝だとの説明もなく、まるで漢民族のような扱いは疑問が残る。

ウイグル族やチベット族の問題が噴出している昨今、異民族を敵視するようなストーリーは問題が残るのか、暴君となった胡軍演じる柔然の王を、女であると明かした木蘭と意気投合した姫様の協力で暗殺、姫様は、実は北魏王の王子だった文泰と政略結婚して異民族との融和を図るという「めでたし、めでたし」の結末になっている。漢族の観客には適度に愛国心をあおりながら(実際は北魏は北方少数民族なのに)、少数民族の悪人は退治し、良い少数民族の人々とは仲良くしましょう、というように、まさに現在の中国指導部が好みそうな設定になっている。

「2012」見た

2009-11-26 20:00:34 | 映画鑑賞
マヤ文明が2012年に世界が滅亡するとした予言を取っ掛かりに物語がスタートする映画「2012」見た。「インデペンデンス・ディ」などを撮った監督ということで傾向は一緒。特撮は迫力あるけど、それは映画の内容にとっては刺身のツマのようなものだ。
興味深かったのはハリウッド映画とはいえ中国が重要なファクターになっていること。これから書くのはネタバレだが、地球が崩壊することが判明し各国首脳は中国チベット自治区でノアの方舟とも言える人類の種を残すべく大型救命船を建造する。これには大金を払った富豪や選ばれた人しか乗れない。
強制的に集められた労働力は方舟を建造するために酷使されるが、方舟にチベットの民が乗れるわけではない。
方舟に乗る際に米高官は「(地球崩壊までに方舟建造が)間に合わないかもと思ったが中国に任せて良かった」みたいなことをいう。これは「世界の工場」としての中国の技術力や生産能力を称賛しているというより、独裁国家として号令一下、目標に向けて国力のすべてを方舟建造に投入できる全体主義ぶりを驚嘆というか、揶揄しているように思える。
チベットという場所が選ばれるのも、ダライ・ラマを支援するなどチベットびいきが多いハリウッドならばこそ、と思わせる。あるいは世界で一番の高地なので一番最後に海に沈むと考えたからなのだろうか。そのような描写はなかったが。世に色々宗教はあれども、予言の由来のマヤでもなく地球崩壊の兆しを最初に見つけた場所インドでもなく、チベット仏教ばかり神秘的に描いている。チベットばかり肩を持っていると見るのは穿ちすぎだろうか。

NHKチャイナパワー

2009-11-24 12:21:59 | 映画鑑賞

22日夜放送したNHKのドキュメンタリー「チャイナパワー」一回目は中国映画についてだった。香港にいたとき一番好きだった陳可辛(ピーター・チャン)監督を追いかけていた。

今は亡き張国栄(レスリー・チャン)と袁詠儀(アニタ・ユン)が共演した香港芸能界と同性愛を描いた「金枝玉葉」「金枝玉葉2」や、中国大陸からの移民を描いた藜明(レオン・ライ)と張曼玉(マギー・チャン)による「甜蜜蜜(ラブソング)」、香港版バック・トゥー・ザ・フューチャーとも言える「新難兄難弟(月夜の願い)」など、香港の土地柄を生かして、おしゃれで可笑しく甘くて切ない映画は絶品だった。その後ハリウッドに行ってどんな映画を撮っていたのか知らないが、金城武と周迅によるミュージカル仕立ての「如果・愛」は、実験的であることは認めるが作品として思い入れを強くできるものではなかった。
番組ではクリスマスに中国で封切られる「十月囲城」の撮影風景とプロモーション戦略などを紹介していた。
ちょっとガッカリだった。香港では映画人による映画人のための映画制作会社、ということでUFO(United・filmmakers・Organization=電影人製作有限公司)を設立、活動して自分が撮りたい映画を撮っていたと思っていたのに、中国大陸を市場と考えるようになると、どれだけ宣伝して注目を浴びて多額の金を稼ぐか、ということばかり考えているように見えてきた。もちろん、若いときのようにスマッシュヒットでOKという立場から、世界的な大ヒットを得なければいけない大御所になってしまった部分はある。中国大陸の映画プロモーションは、「英雄」「赤壁(レッドクリフ)」や「建国大業」でも見られたように、テレビなどの媒体を総動員して社会現象化して売らなければならないようだ。品のいい小作品がそれなりの地位を得られるような市場ではないのかもしれない。
一方で、以前このブログでも触れたジャッキーチェン主演・プロデュースで爾冬陞(イー・トンシン)監督が撮った「新宿インシデント」は、中国大陸進出を意識せず、結果として検閲に引っかかり中国大陸で上映できず、興行的には散々だったようだ。そうならないために、世界中で多くの人に見られるような映画にするためには、陳可辛監督のようなやり方しかないのか、とも思ってしまう。
中国人は何でも金儲けなのか。大好きだった映画監督が金に振り回されている様子を見るのは、ちょっと残酷だった。でも「十月囲城」は見よう。命を狙われた孫文を、カンフーの達人たちが追っ手から守り、無事広州に逃がす、という映画らしい。

「建国大業」見た

2009-10-22 10:46:10 | 映画鑑賞
 中国系俳優オールスターキャストの建国60周年記念映画「建国大業」を見た。内容はバリバリ中国共産党バンザイ映画。毛沢東や周恩来が子供と戯れたり、ものすごくいい人に描かれている(当たり前か)。
 国民党の蒋介石はともかく、蒋経国を「小さな中国のお針子」などに出演した顔の濃い二枚目俳優の陳坤が演じて、父子の関係を暖かく描いていたのは台湾への配慮か。国民党が次第に追い込まれて、完全に敗北する前に台湾に逃げる考えを蒋介石に語らせている。あと、民主諸党派が国民党より共産党を支持していく動きを克明に描くなど、共産党一党独裁でない、当時の政治協商会議の一端を意識的に詳しく描いた様子がうかがえる。実際はこんなに共産党バンザイではなかったはずだが。新中国の国歌や国旗を決めるシーンも、中国人にとっては有名なのかもしれないが、興味深かった。黄河をイメージした黄色い帯を旗に加える構想があったという。国歌となった「義勇軍行進曲」の作詞者の田漢は昨年の香港映画賞を総なめにした「葉問」の主演、ブルース・リーの師匠を演じた甄子丹。あんまり似てない。
 ところで、そっくりさん俳優・唐国強演じる毛沢東や周恩来、朱徳、劉少奇らは似ているのは当たり前。劉徳華(アンディ・ラウ)が国民党の軍人、黎明(レオン・ライ)は民主諸党派、成龍(ジャッキー・チェン)は広東語で取材する記者など、女優陣は章子怡や趙薇(ビッキー・チャオ)らが政協の文化界代表など、当たり障りのない役だった。
 これら俳優陣が結構チョイ役だった一方、映画監督陣がそっくりさん俳優でないにもかかわらず似ていて存在感バッチリ、なおかつ大物政治家や軍人の役だったことがおもしろい。

 馮小剛監督は上海の闇を操る青幇のボス・杜月笙。蒋介石とも関係が深く、京劇の梅蘭芳の愛人だった孟子冬を妻に迎えた。馮監督の顔をよく知らなかったので、普通の俳優かな、とも思っていた。丸い黒メガネをかけて上海の街中を用心棒を従えて人力車に乗る様子は雰囲気たっぷりだった。

 「覇王別姫」でカンヌのパルムドールを獲った陳凱歌監督が、映画のはじめの方に出てきて銃をぶっ放すのには笑った。キリスト教徒だったことからクリスチャンゼネラルと呼ばれた国民党の馮玉祥将軍を演じた。これも結構似ている。

 「赤壁(レッドクリフ)」で時の人のジョン・ウー(呉宇森)監督は映画の冒頭シーンには出ていたのに、劇中出演はない。国民党軍の将校のようだった。出演部分がカットされたそうだ。中国の動画サイトで撮影時のメイキングを見たが、恥ずかしそうに協力的に演じていた。

「賽徳克巴莱」来月撮影開始

2009-09-30 00:33:00 | 映画鑑賞

 昨年台湾で大ヒットした映画「海角七号」の魏徳聖監督が、いよいよ「Seediq Bale(賽徳克巴莱)」の撮影に入るらしい。
 今年1月にこのブログで紹介したが、台湾が日本の植民地だった1930年10月27日に起きた台湾原住民タイヤル族による最大にして最後の抗日蜂起事件「霧社事件」を描くもので、台北で購入した「海角七号」のDVDの付録に、この映画の短編プロモーションビデオが収録されていた。魏監督が本当に撮りたかったこの映画の資金稼ぎのために「海角七号」は撮られたという。
 28日の台湾有力紙「中国時報」の電子版によると、4億(たぶん台湾ドル)というから15億円程度の製作費で作るらしい。この映画にビビアン・スー(徐若瑄)が友情出演する。昨日ブログに書いた「非誠勿擾」にも出るなど、最近は香港や中国大陸の映画に多く出演している。みずからタイヤル族の血を引くビビアンはこの脚本に共鳴、本来2000万円程度の出演料を取らず「友情価格」で出るらしい。タイヤル族の酋長の娘で主人公の幼馴染役で出演することになるという。日本語も喋れることから、日本植民地時代のヒロインには最適だとのこと。10月末にクランクイン。製作費が少ないのでどんな映画になるか想像がつかないが、来年ぐらいには作品が見られるのだろうか。

「非誠勿擾」見た

2009-09-29 16:58:18 | 映画鑑賞

 09年正月映画で中国で大ヒット、中国人の北海道観光ブームを引き起こしたといわれる「非誠勿擾」のDVDを入手したので見た。馮小剛 (フォン・シャオガン) 監督作品。非誠勿擾とは「誠実なお付き合いができる方のみお願いします」ほどの意味。主演は中国の怪優・葛優 (グ・ヨウ) と台湾出身のセクシー女優・舒淇(スー・チー)。お見合い相手の一人に、ビビアン・スー(徐若瑄)も出ている。
 馮小剛と葛優のコンビは2003年の「手機」(携帯電話の意味)以来かな。 その後は時代劇とか戦争物を撮っていたが、久しぶりにラブコメディに戻ってきたという感じ。葛優は陳凱歌監督のカンヌ受賞作「覇王別姫」ですごい演技を見せた。舒淇は若い頃、香港の三級片(アダルト映画)でオールヌードと変態的なエッチシーンを披露したこともあったが、98年の「玻璃之城」(メイベル・チャン=張婉婷=監督)でレオン・ライ(黎明)と悲しく美しい愛のドラマを演じるなど、ヌードは封印、アクションや演技で勝負している。
 ストーリーは米国留学帰りで富を手にして、結婚をと思い立ち、杭州や海南島でお見合いデートを続ける葛優が、彼氏との折り合いが悪くなっていた客室乗務員の舒淇と知り合い、北海道旅行に出かけ・・・、というもの。センスのいい話術による笑いは、すっとぼけた表情を見せる葛優の本領発揮というところ。あちこちに笑いの種のトラップが仕掛けられていて、さすが馮小剛という感じ。
 映画の後半は、北海道東部の釧路や阿寒湖、網走や斜里などの雄大な風景が美しく映し出され、またかの地の日本人をユーモアあふれる、いい人に描いていて、ロードムービーといった感じも見せる。日本酒を飲んだ舒淇のほろ酔い加減に染まった表情は、本当に酔ったみたいに色っぽい。中国人は日本酒でも一気飲みなんだなあ、と思ってしまったけど。ウニやイクラに卵の黄味を載せた丼物は北海道を訪れた中国人がみな、試しているんだろうなあ。実は僕は北海道に行ったことがないのだが、北海道に行きたいなあ、という思わせる作品。葛優のあちこちでのお見合いデートを見ていると、結婚したいなあ、と思わせてしまう。
 日本では映画祭のみの公開で、一般公開はまだ。ただ、中国語のユーモア満載の会話をどこまで字幕で表現できるか。北海道に対する感激度も日本人だと中国人ほどではないかも。中国人の日本観、日本人観がこの映画をきっかけによくなればいいなあと思ってしまう。

映画「新宿事件(インシデント)」見た

2009-09-24 22:54:44 | 映画鑑賞

 日本でゴールデンウイークに封切られたジャッキー・チェン(成龍)主演・プロデュースの映画「新宿事件(インシデント)」の香港版を見た。ジャッキーの映画といえばアクションでギャグが入ってみんなで見られる、というものだが、これは「Ⅲ」級指定。エッチシーンや残虐シーンが入った映画が指定される。香港では「Ⅰ」(子供OK文部省推薦風)、「Ⅱa」(児童鑑賞禁止)ラブシーンあり。「Ⅱb」(児童、青少年鑑賞禁止=エッチシーン、暴力シーンあり)、「Ⅲ」R指定、AV並みと分類されている。しかも中国大陸では上映禁止、日本でもR15指定だったらしい。
 なおかつ、ジャッキーはアクション封印。監督は「新不了情(つきせぬ想い)」で可愛く元気な女の子の難病モノを大ヒットさせた香港の巨匠、爾冬陞(イー・トンシン)。俳優陣はジャッキーはともかく、徐静蕾(シュー・ジンレイ)、范冰冰(ファン・ビンビン)という僕のお気に入り女優が出ている。日本から竹中直人、加藤雅也と故峰岸徹や 倉田保昭、長門裕之らすごいキャストだ。
 ストーリーは、ジャッキー演じる鉄頭が幼馴染の恋人を追って中国大陸から日本に密航、新宿の中国人社会の中で苦労しながら生活し、偶然、暴力団と関係を持ち、次第に日本のヤクザの世界に進んでいく。戦闘シーンで手首がぶった切られたり、ちょっとグロなシーンも少なくない。ただ、そういう中でジャッキーは「好い人」を演じていくのだが、ヤクザの世界に身を投じた苦悩のようなものがあまり表現されていない。自分の意に反して仲間たちが黒社会を形成していくが「中国人は自由を与えすぎてはダメだ。管理されるぐらいがちょうどいい」と言ったジャッキーの問題発言が思い起こされるような内容だ。
 徐静蕾、范冰冰どちらも主役をはれる存在感だが、映画の中ではあまり大事に描かれていない。ジャッキーの映画にありがちな、自分よりずっと若い女優を刺身の端的に使う方法はおんなじ。もったいない。
 ジャッキーはハリウッドと対抗するためアジアが結束して映画を撮ろう、とこの作品を「アジアン・プロジェクト」の第一弾としたらしい。観客動員がどのくらいだったかは分からないが、万人受けする内容ではないことは確か。テーマとして目のつけどころは良くて、賞狙いの感じはある。ただ日本で東映のヤクザ映画を見て目が肥えている人々にとっては、中国人の黒社会、というのがどのくらい好意的に見てもらえるか。もう少し中国マフィアに特徴的なシャブやチャカ、偽札などの取引をリアルに描いたほうがよかったのでは。

「南京!南京!」見た

2009-09-13 03:58:18 | 映画鑑賞

 南京大虐殺を描いた、いわくつきの中国映画「南京!南京!」のDVDを入手し見た。結論から言えば、大騒ぎした割にはとりたててかわり映えしない作品だった。
 というか、日本兵を日本人が演じ、「バカヤロ」以外のまともな日本語のセリフを喋り、彼らの人間的な部分を描いた作品ということを中国人が評価するなら、そんなの当然日本では昔からやってらあ、やっとそんなまともな感覚の映画を中国人が作ったのか、ということだ。反日教育に凝り固まった中国人に、日本兵にも感情があったことを伝えることは出来るのかもしれない。
 でもそれならもう少し考証を正確にしてほしい。ヘルメットも当時の日本兵のものとは形が違うし、太鼓をたたいて踊るシーンもあるが、いかにも映像的に映えるものを、とでっち上げた感じ。中国人は「鼓童」「鬼太鼓座」みたいなのが好きだから。日本では村祭りなどであのような太鼓をたたくところはないだろう。
 日本兵が孫文像を倒して引きずり回すシーンも、孫文を知らない無知で無教養な日本兵がいなかったとは言い切れないが、少なくともあの像は孫文の盟友で莫大な資金を援助し孫文の革命を支えた日本人実業家、梅屋庄吉が孫文の死後、私財を投じて中国に贈った4体のうちの1体だ、ということを観客に知らせるべきだ。1928年に贈られた第一体目は、南京郊外の中央軍官学校の構内に建てられていた。映画のように南京市中心街ではない。現在は南京の孫中山紀念館にあるのだから、壊されたというのは事実に反するのではないか? 当時の朝日新聞記者が中央軍官学校にある孫文像を確認した記事を書いている。残りはマカオと広州郊外の黄浦軍官学校跡地、中山大学にある。黄浦軍官学校のは実際に見た。
 観客に、特に孫文を「国父」(中華民国建国の父との意味)と仰ぐ台湾人を考慮して、孫文を虐げる日本人を共通の敵、ととらえさせようとする魂胆が垣間見える。
 薄幸の娼婦の話などはいうまでもなく熊井啓監督の「サンダカン八番娼館・望郷」の方が圧倒的にスケールがでかい。比べるのも失礼だ。留学中の1986年冬、旅行先の洛陽で夜行列車の出発時間が来るまで、と見た記憶がある。ということは中国でだってこのような設定は認識しているはずだ。オールモノクロの作品だって、姜文監督で香川照之出演の「鬼子来了!(鬼が来た!)」がやってる。新鮮味はない。何か、それぞれのシーンがどこかで見たことあるなあ、というパクリの寄せ集めのような気がする。
 「南京!南京!」については新華社が11日、トロント映画祭で初めて北米で上映され、涙を流す観客もいたなど好評を博したと報じた。史実に反した内容で情緒的に日本兵を描いた映画を国を挙げて持ち上げるのか。事情を知ったら、中国当局が主張する「30万人虐殺」説さえ、信頼を欠く数字に思われてしまうのではないか。

外国籍中国人俳優

2009-08-22 00:52:01 | 映画鑑賞
 中華人民共和国建国60周年の国慶節(建国記念日=10月1日)に併せて制作された愛国映画「建国大業」について、出演している約20人の俳優たちが、中国国籍でなく、米国、カナダなど外国籍を持っているとして「愛国映画に出演する資格があるのか」と、バッシングを受けている。
 新華社によると、この映画には、毛沢東役で有名な唐国強や「初恋の来た道」でスターダムにのし上がった章子怡(チャン・ツィイー)のほか、香港から劉徳華(アンディ・ラウ)、成龍(チャッキー・チェン)、黎明(レオン・ライ)らの超有名スターが「友情出演」しているという。最近、中国の芸能界では多くの映画監督や俳優らが外国籍をとるのが一種の流行になっていて、陳凱歌監督と陳紅夫婦、蔣雯麗(NHKドラマ「大地の子」で主人公の陸一心の妻を演じた)が米国籍、徐帆や陳明がカナダ国籍をとっており、外国籍を取る能力がないものは湯唯(「色戒=ラスト・コーション」で衝撃的な濡れ場を演じた)のように香港の市民権を得たりしている。
 そうはいっても流行というより、日本に来るにもビザが必要だったりするなど、諸外国からの信用に乏しい中国のパスポートだけでは、国際的に活躍する野心を持っている俳優らにとっては、まことに不便だ。可能ならば、ノービザで多くの国にいける米国やカナダ、日本などのパスポートを便宜的に手に入れたいのは理解できる。
 それと、中国人としてのアイデンティティーはまったく別の話で、中国人は古来、外国に出稼ぎに行って、その場に住み着いて華僑、あるいは華人として生活していても、中国人であるとの考えを捨ててはいない。それと同じことだと思うのだが。六四(1989年6月4日の天安門事件)以降の偏狭な愛国主義教育を受けた視野の狭い一般中国人民は、外国籍をとるための経済的、文化的条件も持っておらず、単にひがんでいるだけなのか、中国共産党が好きなのか、余計なお世話である。
 さらに、そもそも「愛国映画」に出演するためには政治審査が必要なのだろうか。俳優たちだって共産党による政権が出来たことに喜ぶ、ということよりも、大きなマーケットを予想できる映画に出演することでお墨付きをもらい、今後の中国大陸での仕事をスムーズにやりたい、と考えているのでは。

満蒙開拓団

2009-08-20 03:32:33 | 映画鑑賞
 映画「嗚呼 満蒙開拓団」を見た。自身、大連生まれの羽田澄子監督によるドキュメンタリー。残留孤児が生まれるような絶望的な逃避行を、満州最南端の大連では思いもしなかったのだという。映画では実際に軍属や官僚とその家族を優先的に列車に乗せ、駅にたむろする逃げ惑う開拓民には何の関心も払わなかったことに、当時何も違和感も感じなかったという憲兵隊や鉄道局職員もいた。

 満州のソ連との国境付近から逃げ出した開拓民たちは、関東軍の物資補給基地があると聞いた方正に大挙終結し始める。ところが関東軍はすでに逃げ出していて(棄民)もぬけの殻。多くの日本人が飢えと寒さと発疹チフスなどで亡くなり、2度にわたって遺体を焼いた。日本帰国を諦め、途中で中国人に嫁いだ残留夫人の松田ちゑさんが戦後、食糧増産をはかろうと荒地を開墾していた際にたくさんの遺骨を掘り出し、なんとか埋葬したい、整理のために日本人墓地を作ろうと県政府に請願した。最終的に国務院総理の周恩来の決裁で1963年、方正県に日本人公墓が中国人によって建てられた。
 松田さんは、文化大革命の時、紅衛兵によって拘束され、死刑を求刑されたという。外国人の刑事処分については中央に上げる必要があったため、この死刑許可申請は周恩来総理の眼にするところとなり、周総理が「日本人公墓はよいことだ。ただちに無罪放免にせよ」と指示したことで、危うく死刑を免れたという。
 残留孤児の運命を見ても、養父母がりっぱでやさしい人で、学校に行かせてくれたり日本人の肉親の証拠の品を大事に保管しておいてくれ日本行きにも賛成してくれるなどした人と、暴力をふるい学ぶ機会も与えてもらえない人では、絶望的に異なった運命になってしまった。
 映画館には中国語で話すお年寄りが何人も来ていたが、やはり残留孤児らだったのかな?

 映画を見終わり、また性懲りもなく小籠包を食べた。そのあと埼玉西武ライオンズが福岡ドームに来ていたので見る。おかわりくんこと中村剛也が先制2ラン、片岡易之も3ランを放つなど9点とり、先発・石井一久も8回途中までがんばった。グラマンの後釜も考えられる途中入団のベイリス、阪神からシーズン途中に入った藤田太陽も登板、まあまあだった。

 1回、デッドボールで出塁した片岡は、次打者・栗山の初球に盗塁。リードからスタート、スライディングに至る動作をビデオに撮ることができた。ラッキー。


映画「雨が舞う」を見た

2009-08-09 20:53:43 | 映画鑑賞
 映画「雨が舞う」雨絲飛舞~金爪石残照~を見てきた。台湾の台北市そばにある金爪石という名の金鉱山に日本植民地時代に暮らした日本、台湾の人々の証言で構成されたドキュメンタリー。1930年代に最盛期を迎え、金鉱石は基隆から船で大分の佐賀関の製錬場に運ばれたという。日本が戦争を遂行するための金を供給し続け、戦後は国民党政権によって接収されたが、1987年に環境問題から閉山となった。
 映画「非情城市」の舞台として有名になり現在は観光客が殺到する九份から山ひとつ越えた近所にある。
 当然といえば当然だが、70、80歳代の台湾の人たちの達者な日本語はすごい。「当時の教育はよかった。立派で優しかった先生が懐かしい」と語る。体制はともあれ、植民地台湾で教鞭を取った人たちの理想を実現しようと台湾人にも暖かく接した真摯な仕事ぶりには頭が下がる。ただ日本鉱山は会社のシステムとして鉱山でのきつい仕事は台湾人にすべて押し付け、日本人は管理部門でおそらく本土よりいい暮らしをしていた。それでも台湾のほかの地域より給料などの条件もよかったので、彼らは金爪石で働き続けたようだ。
 台湾当局は金山周辺のいくつかの施設を保存して博物館化している。行ってみたいなあと思わせる映像だった。車で前を通ったことがあると思う。
 勉強になった。良質のドキュメンタリーだが、最後のほうはいただけない。今になって現地で作られた歌を流すのは結構だが、それを聞いた日本人が涙を流すのはちょっと。画質がわりと荒いのも興味深い。僕が持っているビデオカメラ、ザクティでも撮れそうなレベル。ということは逆に可能性にあふれている、ともいえるのかな。映画を撮ろうとは思わないけど。

 ということで、映画を見た後、昼食はまた南翔饅頭店の福岡の支店にて小籠包を食べた。写真手前の3個が黒豚肉、奥の3個が蟹味噌の小籠包。東坡肉(トンポーロウ)=豚の角煮=と炒飯も。前回「味が落ちた」と書いたが、名誉回復、今回は美味しかった。時間によって味に差が出来るのかなあ。

 東坡肉は日本人向けに癖があまりなくて普通すぎ。やはり杭州の天外天の、素焼きの甕に入った東坡肉が一番だな。でもこれにビール1杯飲んで3000円は高すぎ。

映画「二十四城記」を見た

2009-05-26 23:20:24 | 映画鑑賞
「三峡好人」(邦題・長江哀歌)で2006年のベネチア国際映画祭でグランプリの金獅子賞をとった賈樟柯(jia・zhang ke)監督の新作「二十四城記」 (邦題・四川のうた)を見た。
我が懐かしの留学先の四川省成都市にあった巨大な工場が廃止されるのに伴い、そこの労働者やゆかりの人たちの声をオムニバス形式で集めた、ドキュメンタリータッチの作品。
「タッチの」と書いたのは、労働者本人でなく、有名俳優が元労働者を演じているから。「色、戒 ラスト・コーション」で易夫人役の陳冲(ジョアン・チェン)や「老井(邦題・古井戸)」などに出ていた呂麗萍も出ている。
冒頭はたぶん本当の労働者だった人だろうけど、バリバリの四川語で、中国人も字幕なしで分かるんだろうか、って感じ。
そのあと、呂麗萍が普通話で「おやっ?」と思ってたら、この工場は毛沢東の三線建設で、東北の遼寧省瀋陽から大部分移動してきたものだという。そのとき瀋陽から来たという設定だ。「三線建設」とは、1950-60年代に、米ソ冷戦下で第3次世界大戦が起きるかも、とビビりまくっていた毛沢東が、重要基幹産業を攻撃を受けやすい沿海部などから西南部など山深い田舎に移動させた政策。成都と雲南省昆明を結ぶ鉄道「成昆線」も、このときたくさんのトンネルを掘りながら、多くの犠牲を出しながら開通した。いきなり説明なしで「三線建設」って日本の普通の観客には分からないだろうなあ。
陳冲は上海から来たという設定で、上海語で話す。「芙蓉鎮」で超有名になった劉暁慶主演の映画「小花」(邦題・戦場の花)の主人公に似ていたから小花と呼ばれたとか、半分ホントっぽいリアルな設定だ。この映画には陳冲ももう一人の小花役で出ていた。
2時間以上だったけど、結構見ごたえがあった。ウィークデーの10時20分からということで観客は片手で数えられるほどだったが。

で夕食はいつもの店で重慶火鍋。もちろん辣子鶏(鶏肉の唐辛子炒め)と木須肉片(きくらげと豚肉の卵炒め)も頼んだ。やっぱ四川料理はいいねえ。ビールもジョッキ3杯。

グリーン・ディスティニー(臥虎蔵龍)

2009-03-26 18:27:52 | 映画鑑賞
アン・リー(李安)監督の映画「グリーン・ディスティニー(臥虎蔵龍=Crouching Tiger Hidden Dragon)」。いまの武侠映画ブームを招くことになった傑作だ。2000年の米アカデミー賞で外国語映画賞など4部門を獲得、英語以外の言語の作品にもかかわらず、作品賞候補にもなった。
主演は亜州影帝(アジア映画の帝王)と呼ばれ、ハリウッドに進出した周潤発(チョウ・ユンファ)。敵役は章子怡(チャン・ツィイー)。幼い頃から習っていた舞踏による身のこなしで見事にアクションも演じ、以後、アクション女優としての地位を築いた。ロケ地は安徽省黄山の麓の古鎮にして世界遺産の宏村。
映画は、剣の使い手、李慕白(周潤發)が戦いに嫌気が差し引退を決意、自らの宝剣・青冥剣を北京の名士に贈呈する。その夜、賊(章子怡)に剣を奪われてしまう。ストイックに剣と武道に生きながら、報われない恋と運命に翻弄される人々を描いた。
正体を見破られ逃げる章子怡を追う周潤発。半月の形をした宏村の池の上をワイヤーアクションで飛んでいる。その池を逆アングルから3月10日に僕が撮影。

かつてカンフー映画(功夫片)といわれた武侠映画を引っ張っていたのは香港。ブルース・リー(李小龍)しかりジャッキー・チェン(成龍)しかり。しかし、香港返還とアジア通貨危機で香港映画が低迷していた。これまでの米国を舞台とした現代劇で評価を得ていた台湾出身の李安監督が一転、中国色にどっぷり染まり、伝統的な香港アクション映画のエッセンスをちりばめた作品を世に出した。60年代から70年代に侠女役で一世を風靡した鄭佩佩(チェン・ペイペイ)も賊の親玉、碧眼狐狸役で往年のアクションを見せている。独自色を出しながら、一方で鄭の出世作「大酔侠」を撮った香港武侠映画の祖ともいえる胡金銓(キン・フー)監督に敬意を表した形になっている。李安監督を世に知らしめた父親三部作で主演した郎雄も出演している。
映画の冒頭シーンと同じ角度から僕が撮影。まったく同じアングル。僕も李安監督並みのカメラアイだろうか、と自画自賛。っていうか、誰でもこの風景に感激して、ここでシャッターを切るよなあ。この真ん中の橋を、馬を引いて周潤発が帰ってくる。

この映画をきっかけに、武侠映画の面白さとワイヤーアクションを欧米が認識することとなり、中華圏だけでなく世界がマーケットになる、と多くの武侠映画が撮られるようになった。