森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

舞い倒れる

2013-09-22 | 思い・つれづれ
生前、母がよく使っていた言葉「舞い倒れる」を、私は勝手に母独自の造語だと思っていた。
例えば私が何かに夢中になって動いている時や、無理して何か頑張っているときなどに
「○ちゃん、そんなに頑張ったら舞い倒れるよ」という具合に使っていたけれど
母以外からその言葉を聴いたことが無かったせいか、ずっと密かに疑っていたのだ(笑)

私が写真屋に勤めていた頃には母はまだ元気で、同僚の若い女の子に
「舞い倒れるって言葉、使う?」と訊いてみたことがある。
一回り半も違う同僚は「それって、どういうふうに使うん?」「もしかして
くるくると優雅に倒れる感じ?」と面白がって訊ね返してきた。

私も何となくそんなイメージで受け取っていたので
「だと思う。ホラ、こんな感じに」「えっ、こう?」
とか言って、お互いよろめきながら倒れる仕草をして笑い合った。
その後しばらくの間、店内では「舞い倒れるよ」が流行語になった(笑)
それ以来、やはり誰も使わない言葉なんだと確信を持った。

 ところが
今朝、日曜に合わせて当番で裏庭の草むしりをしていた他の階の人たちの会話が
一階に住む我が家に聞こえてきて、覆された。

「○○さん、あんまり無理をすると舞い倒れるよ」という年輩者を労わる声と
「うん、有難う。大丈夫。もう少しだから」と、言われた方もそれを不思議がる
感じでもない返しが(笑)

さっそくPCを開いて検索してみたら、あったあった。
諺で「独楽の舞い倒れ」という言葉が。
恥ずかしながら、これまで全く知らなかった;

「一個だけ勢いよく回っていた独楽がばったり倒れるように、
自分一人だけで張り切って働いたあげく、力尽きてしまい、努力が無駄になること。
【類義語】独り相撲。」とある!

言われてみれば、用法も母の使い方で間違いは無さそう。
私は単に暑い時期などに貧血や脱水状態で倒れる様を想像していたけど
独り相撲で無駄働きしがちな私に向けて母が心配してくれていたのだと気付く。

母が亡くなってからこんなにも時間を経て
まだ気付くことがあったなんて。

     


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