2007/04/28
「いにしえもかくやは人のまどひけんわがまだ知らぬしののめの道(#32)」
「昔からこのようにして惑うのか俺も知らないしののめの道()」
「山の端の心も知らでゆく月は上の空にてかげや絶えなん(#33)」
「よくしらぬあなたのあとにいたがえど途中でわれを捨ててはいやよ()」
「鳰鳥の息長川は絶えぬとも君に語らん尽きめやも(万葉集)」
「鳰鳥の息長川が枯れるともあなたに話すことは尽きない()」
「夕霧にひも解く花は玉ぼこのたよりに見えしえにこそありけり(#34)」
「覆面をとりて顔見せしたるのは通りすがりに見られた縁()」
「光ありと見し夕顔のうは露はたそがれ時のそらめなりけり(#35)」
「露をおびひかり輝く花と見し今見直せばそらめなりけれ()」
「夕顔と源氏が戯れて雑談す歌の一部を引用しつつ()」
「白波の寄せる渚に世をつくす海人の子なれば宿も定めず(和漢朗詠集)」
「海人の刈る藻にすむ虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ(古今集)」