2016/01/22
「芭蕉さへ逆立ちしても出来ぬ句とユニーク表現する人のあり()」
「手垢なく耳に聞かない響きゆえ下手と誤解の句もあるという
(鳥の米のNo.4に入りけり
/紅葉して眉毛くつきり竹子さん
/へらにつくごはん食べると雪が降る
/取り決めぬ堆肥一俵お歳暮に
/口論や柱の大き冬の居間
/霜柱ギリギリ砕く一輪車
/何もかも全自動なりみかん剥く
/鬼瓦口開けてをり冬の寺
)」
「あれこれの説明省き簡単に提示すること大切なりし
(雪渓に来てマラソンの引返す
→マラソンコースに雪渓がある?
/新しき句会も梅雨も待ったなし
→待ったなしがよい
/魚跳ねて鳰の浮巣のぐらぐらす
→さみだれに鳰の浮巣をみにゆかん[芭蕉]を実行した報告
)」
2016/01/22
「選句して母してくれし読み聞かせ思い出したり繰り返せるを()」
「お話に人の多様さ不思議さを句も同じだと感じおるかな()」
「これほどの短き詩型にいろいろな力があるは凄きことなり
(竹人形虫のすだくを聴き入るや
/鬼灯に歩けば町の終わりけり
/蜘蛛の囲にとらはれ馬追なほ走る
/夜話や天狗の宿に雑魚寝して
/ヒーターにぐいと餅花つつかへて
/カンジキのまつすぐ山にむかひけり
)」
2016/01/22
「日本語の表記選びはいまもなお難しき問いわれらに投げる()」
「新・旧の仮名遣いどちらかを選ぶもわれ新しか知らず()」
「伝統の旧仮名遣い表現の幅広げるという人多し()」
「旧仮名は難しいけど句の中でミステリアスな影が出てくる
(ややありて椀は蓴菜とまうしけり
/秋草をひねもすゑがきゐてあかず
/辞書ばかり引いて『童子』の八月号
/秋灯辞書には載つてをらんかな
/寝ねしやて月下美人のひらきたる
)」
「切れ字の『や』どこを強調考えて効果的なる句をつくれ
(四万十の驟雨にうたれ筏漕ぐ
→四万十や驟雨にうたれ筏漕ぐ
/猫死んで桶に西瓜の浮きしまま
→猫の死や桶に西瓜の浮きしまま
/台風の夜半に深き子の眠り
/台風の夜半や深き子の眠り
/川波やざつとくるみし盆のもの
/出来秋や赤子を抱けばすぐに唄
/立秋や良寛の書をみてあれば
/この石や座る誰もが汗を拭き
/炎昼やティッシユ配りの無礼なる
/上蔟や釜底に飯こびり付き
/花入や井戸のポンプをぐわちやと押し
/稲妻や小刻みに葉のゆれ出して
)」
2016/01/22
「忘れいしシンビジウムが花芽もつこのおどろきの今朝のすがしさ(鳥海明子)」
「花のなかに花もつように咲きおるが入れ子の花を花芽というのか(花言葉:深窓の麗人)」
「かくのごと花を言葉で写せれば花の構造知りたくなった()」
「大寒の初候は蕗が雪のなかぼつぼつ出るかと頭見せる頃(『款冬フキノトウ華さく』)」
「蕗味噌や蕗天ぷらの味わいは春の味なり苦味もあるが()」
2016/01/21
「ひらひらと飛び立つものの気配ありオンシジウムよ夜明けの窓辺(鳥海明子)」
「黄色なるオンシジウムの花の色中南米が原産らしい(花言葉:可憐)」
「かくのごと花言葉など写したら言葉の由来知りたくもあり()」
「花の名に『ジウムジウム』と付きおるは語尾であるらん『オンシ』が意味か()」
「寒の水雑菌少なく仕込みとか焼き入れなどに重宝される()」
「味噌醤油寒の水にて仕込めると杜氏はせぬか酒の仕込みに()」
「水蒸気凍てて漂う夜明け頃あと一・二候寒さは続く()」