昼前に起きて新聞を読みながら昨日の残りのおでんにビールで朝昼兼用の食事を済まし、食後のコーヒーをもって屋根裏に上がり時間を過ごし、あれやこれやしていると直に時間が過ぎる。 そこで、今日は土曜日だったことに気づき、土曜は晩飯当番でもありそれでは肉屋に行って豚の首肉と燻製ソーセージを買い串焼きの豚肉を一口大に切りタレに浸しておいて青空マーケットに残りの買い物に出かけた。
デザートの果物やつまみ専門の店であれこれ買って古いカンバスの買い物袋に放り込み、市役所広場の隅にあるカフェーの前にきたら何だか妙なアドバルンが立っている。 陽気なおばさんが大きな胸の下に速度制限50kmのボードを抱えてワインの壜を手に立っている姿だ。 ああ、あの女将さん50歳になったのか、へえ50にしては老けて見えるなあ、どう見ても還暦だなと思いながら前を通り過ぎた。
大抵土曜は白魚の揚げ物を立ち食いしながら歩いてここに入り、グラスのビールを飲み干し次の買い物にでる、という土曜の昼間休憩所なのだけど今日はちょっと急ぎでもあるから中には入らない。 いつもなら入るなりすぐ女将さんが、いつものだね、といってハイネケンの水っぽいものをよこしてそれを飲み干し5分以内に外に出るからそこに屯する飲んだくれのおっさん達からそんなに急いでどうする、といった目で見られるようなところでもある。 インテリや中産階級のものはたとえ学生といえどもここには入りたがらないようなそんなカフェー「おれたちの隅っこ(Ons Hoekje)」なのだ。
オランダでは男は50になれば、アブラハムを見た、女ならサラを見た、会った、という日本で言えば還暦にあたるような行事をするのだが、あそこの女将はサラに会ったのだなあ、それを祝ってくれるのなら一緒に楽しもう、といったメッセージのアドバルンなのだと納得した。 それなら来週女将に祝いの言葉を言って10分はいるかな、と、もう4時を大分廻って昨日の晩一時近くまでライブで盛り上がっていたカフェーに急いだ。 プログラムでは4時から Theronious 4 という若手のグループがライブをやると聞いていたからだ。