暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

10日大阪に帰省したのだが、、、(2)ホテル住まいとそこからの眺め

2012年01月20日 02時34分22秒 | 日常

日本に帰っても自分の家もなく、あるのは自分のパスポートと本籍地だけだ。 現住所はない。 だから携帯も買えず銀行の口座も作れない。 何とも不便なものだ。 だから施設に入った老母を見舞いにくるときには自然とホテル住まいにならざるを得ない。 兄弟もなく親戚はあるけれどそれらは殆んど代替わりしているからそういうところには厄介にはなれないので、だから自然とこういうことになる。

妙なもので空港から交通の便のいいホテルに宿を取ったのだが、同じホテルで9泊するのは初めてであり、その場所が祖母の実家のすぐ傍で、自分が育った村や目をつぶってもどこに何があるか分かっている土地であるから時間があることと天気がいいのを幸いにリュックを背負って彼方此方を歩く。 歩いたり眺めたりして今更ながらこの50年ほどの変わりように驚く。 8階の窓から眺める周りの景色のなかでかろうじて判別がつくものは遠くに見える山脈の山並みと人家や建物で埋まったなかに見られる溜め池ぐらいだろうか。 とはいってもまだそんな中でも野菜を作る畑がいくつか見られるけれどそれもそのうち建物に侵食されて消えていくのは時間の問題だろう。 そういう池で子供の頃に向こうに見える岡の裏にある村で育ち、法事や何かの折にこの村に来て田んぼが一面に広がる中でこれらの溜池の周りで遊びトンボを捕まえたり大きな蝦蟇や亀を捕まえようと池を覗いたことを思い出すのだが、その池ももう人家の中に埋没し周りを鉄柵で囲まれ押し込められた惨めな格好になっている。 祖母の実家の古い百姓屋の建物も今では周りの建売住宅や2,3階建てのビルもどきの建物のなかで見ると少数派の格好で、昔の村の家並みは壊れ、もう村とは呼べないような体裁になりはてた。

そして、毎日そんなホテルを出て、することをして夜に戻ってくるのが駅近くのこの13階建てのホテルで、駅近くの食堂か居酒屋、一杯飲み屋で夕食を摂り、そのあとコンビニに寄ってつまみや飲み物を買い、その白いビニールの袋をぶら下げて自分の部屋にもどる、ということがルーティーンになるのだが、どこも同じの何の特徴もない部屋に戻る味気なさをこれほど味わったことはない。 自分を待つものもいないし生活の匂いもないからだ。 それでも唯一つの救いはこのホテルの2階にある大浴場とサウナがあることだ。 その隣にはジムがあったのだが残念なことにトレーニングシューズを持ってこなかったので機械の上を走ったり自転車を漕いだりすることができなかった。 シューズを買っても良かったのだがたとえそうしてもそれをまたスーツケースに入れて持ち帰っても家には今使っているものがあるのでそんなものをここだけのために買う気も起こらなかった。 ある日、裸足でマシンの上を500mほど走ったらそのあと足裏にマメを作ってそれが固くなるまで二日ほど歩きにくく、そんなことがあって以来ジムには近寄らなかった。 サウナの後、野外にあるジャクジ・バスに入って冷たい外気に頭を晒すのも気持ちが良かったし、特に朝7時ごろ、やっと山から太陽が顔を出す頃にそんな外を眺めるのが気持ちよく、サウナを出てからすぐ近くを走るJRの電車を見るのが好きだった。 通勤通学の人々が見えるし空港から来る電車には大きいスーツケースを持った人々もいる。

この町は空港に近いからか中国人、韓国人が客に多く、たまには国籍不明の航空会社のクルーが泊まることもあって特にそんな中で日本人の客を韓国人、中国人から見分けるのが難しいほどだ。