第四の核
(1986)
THE FOURTH PROTOCOL
116分
製作国 イギリス
監督: ジョン・マッケンジー
製作総指揮: マイケル・ケイン
ワーフィック・セッド
フレデリック・フォーサイス
原作: フレデリック・フォーサイス
脚本: フレデリック・フォーサイス
撮影: フィル・メヒュー
音楽: ラロ・シフリン
出演: マイケル・ケイン
ピアース・ブロスナン
ジョアンナ・キャシディ
ネッド・ビーティ
ジュリアン・グローヴァー
マイケル・ガフ
レイ・マカナリー
イアン・リチャードソン
アントン・ロジャース
キャロライン・ブラキストン
ジョセフ・ブラディ
ベッツィ・ブラントリー
ショーン・チャップマン
マット・フルーワー
F・フォーサイス自ら脚本を手がけた傑作スパイ・サスペンス。ソ連の将軍の一人が、NATOの米軍基地で原爆を爆発させ、NATOと米国の分断をはかる計画を実行。工作員のペトロフスキーが西側に潜入して原爆を着実に組みたてる。事態に気付いた英国諜報員のプレストンは、ペトロフスキーを追う。が、彼を捕まえようとした瞬間、特殊部隊がペトロフスキーを射殺して事件は闇に葬られる。P・ブロスナンの不気味なソ連工作員が印象的。 と映画データベースに解説されている。
一日もほぼ終わりを向かえ居間でビールを片手にBBCテレビの時局討論番組Question Tiemを見ていたら元ロシア諜報部員がロンドンの日本料理店でロシアのスパイにポロニウムという放射性の毒を飲まされそれが発覚して毒殺された元諜報部員の臨終までメデイアで大々的に報道され、その後スコットランドヤードが単なる殺人事件ではなくこのポロニウムの放射能をたどり被疑者を追跡して、この物質が甚だ特殊でもあり入手するには一個人でできる額でもなく、その管理には政府が最高度の警備体制をとっているのが殆どであるから個人の犯罪ではありえず、英国政府がロシア政府に被疑者であるスパイを引き渡すよう要望したところプーチン政府はその被疑者を早速テレビのインタビューに登場させ、これらは根も葉もないことだと一蹴しそれが今、外交問題まで発展していることに対して政府はどのように対処すべきかを政治家、歴史家、政府担当次官などがその意見を述べているところだった。
スパイ、毒殺、核に使われる放射性物質、などと興味をそそる秘密諜報部員の活動が表に出た事件で、何週間か前に元諜報部員で作家のフレデリック・フォーサイスがこの番組に出てタカ派の意見を代表するようなことをイラク政策の討論の場で述べいていたことを思い出し、今ここで彼ならどのような話をするだろうかと思いながらその番組終了後に続く20年ほど前のスパイ映画を見たのがこれだった。
ショーン・コネリーやロジャー・ムーア、それに最近ではピアース・ブロスナン のジェームス・ボンド、007にはならなかったものの英国映画ではしばしばMI5の部員を演じるマイケル・ケインである。 それにブロズナンがロシアのトップ諜報部員を演じるのであるから興味深いし馬鹿な上司に煙たがれるがトップからは信頼される普通の諜報部員ケインは単身で子供を育てる親でもあり、一方、夢の世界の英雄ボンドとは一味違いイギリス的である。
映画の中で原子爆弾を爆発させる発火装置の一部である薄い円盤を入手し、諜報機関のラボで確認した結果、それがポロニウムであるというのを聞いてたまげた。 極少量でも致死量であるのにそのまま手にとって大丈夫なのかとその造りの杜撰さにである。 原作のフォーサイスはこれをどのように記していたのだろうか、、、、とここまで考えてふと気が付いた。 これもBBCのお膳立てだったのだ。 スパイ、機密、ポロニウム、謀殺、、、とこれを20年前の映画を放映して現在の状況に繋げようとする傍証注入プログラムだったのだろう。
なるほど、20年前にはまだ当時の最先端IBMコンピュータ末端機を自宅で操作するケインがヒップな諜報部員であったのだから一般人には想像のスパイものでしかなかったもののあながちありえない話ではなかったのだから現在でもあっても不思議ではないし、では謀殺された元諜報部員のどんな情報にロシア政府の誰が謀殺指令を出したのだろうか。 興味のあるところだ。
日本でも現政府関係者の権力維持装置の秘密を守るために謀殺が行われているとのうわさがある。 それがスパイ小説まがいになって出てくるのはいつのことだろうか。 20年も経ってからではだれも思い出さないのに違いないし例え出たとしてもそのころには当事者は身罷っているか安全圏に逃れているのだろうから消費されるパルプ小説となって古本屋で埃をかぶることになるのではないか。
ブロズナンの許に送り込まれる核装置専門の女スパイが久しぶりにその頃のアメリカソープ番組のダイナスティーのヒロインに似て魅力的なのだが、ここでもイギリス映画の常套句、大味な女優をこの女スパイに対称させるべく近所のアメリカ人主婦としていかにも普通にいるようなアメリカ人を配してブロズナンをクールな英国人だと誘惑にかかる仕立てるのはイギリスの皮肉なのだろう。
ポロニウムについてはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』参照
(1986)
THE FOURTH PROTOCOL
116分
製作国 イギリス
監督: ジョン・マッケンジー
製作総指揮: マイケル・ケイン
ワーフィック・セッド
フレデリック・フォーサイス
原作: フレデリック・フォーサイス
脚本: フレデリック・フォーサイス
撮影: フィル・メヒュー
音楽: ラロ・シフリン
出演: マイケル・ケイン
ピアース・ブロスナン
ジョアンナ・キャシディ
ネッド・ビーティ
ジュリアン・グローヴァー
マイケル・ガフ
レイ・マカナリー
イアン・リチャードソン
アントン・ロジャース
キャロライン・ブラキストン
ジョセフ・ブラディ
ベッツィ・ブラントリー
ショーン・チャップマン
マット・フルーワー
F・フォーサイス自ら脚本を手がけた傑作スパイ・サスペンス。ソ連の将軍の一人が、NATOの米軍基地で原爆を爆発させ、NATOと米国の分断をはかる計画を実行。工作員のペトロフスキーが西側に潜入して原爆を着実に組みたてる。事態に気付いた英国諜報員のプレストンは、ペトロフスキーを追う。が、彼を捕まえようとした瞬間、特殊部隊がペトロフスキーを射殺して事件は闇に葬られる。P・ブロスナンの不気味なソ連工作員が印象的。 と映画データベースに解説されている。
一日もほぼ終わりを向かえ居間でビールを片手にBBCテレビの時局討論番組Question Tiemを見ていたら元ロシア諜報部員がロンドンの日本料理店でロシアのスパイにポロニウムという放射性の毒を飲まされそれが発覚して毒殺された元諜報部員の臨終までメデイアで大々的に報道され、その後スコットランドヤードが単なる殺人事件ではなくこのポロニウムの放射能をたどり被疑者を追跡して、この物質が甚だ特殊でもあり入手するには一個人でできる額でもなく、その管理には政府が最高度の警備体制をとっているのが殆どであるから個人の犯罪ではありえず、英国政府がロシア政府に被疑者であるスパイを引き渡すよう要望したところプーチン政府はその被疑者を早速テレビのインタビューに登場させ、これらは根も葉もないことだと一蹴しそれが今、外交問題まで発展していることに対して政府はどのように対処すべきかを政治家、歴史家、政府担当次官などがその意見を述べているところだった。
スパイ、毒殺、核に使われる放射性物質、などと興味をそそる秘密諜報部員の活動が表に出た事件で、何週間か前に元諜報部員で作家のフレデリック・フォーサイスがこの番組に出てタカ派の意見を代表するようなことをイラク政策の討論の場で述べいていたことを思い出し、今ここで彼ならどのような話をするだろうかと思いながらその番組終了後に続く20年ほど前のスパイ映画を見たのがこれだった。
ショーン・コネリーやロジャー・ムーア、それに最近ではピアース・ブロスナン のジェームス・ボンド、007にはならなかったものの英国映画ではしばしばMI5の部員を演じるマイケル・ケインである。 それにブロズナンがロシアのトップ諜報部員を演じるのであるから興味深いし馬鹿な上司に煙たがれるがトップからは信頼される普通の諜報部員ケインは単身で子供を育てる親でもあり、一方、夢の世界の英雄ボンドとは一味違いイギリス的である。
映画の中で原子爆弾を爆発させる発火装置の一部である薄い円盤を入手し、諜報機関のラボで確認した結果、それがポロニウムであるというのを聞いてたまげた。 極少量でも致死量であるのにそのまま手にとって大丈夫なのかとその造りの杜撰さにである。 原作のフォーサイスはこれをどのように記していたのだろうか、、、、とここまで考えてふと気が付いた。 これもBBCのお膳立てだったのだ。 スパイ、機密、ポロニウム、謀殺、、、とこれを20年前の映画を放映して現在の状況に繋げようとする傍証注入プログラムだったのだろう。
なるほど、20年前にはまだ当時の最先端IBMコンピュータ末端機を自宅で操作するケインがヒップな諜報部員であったのだから一般人には想像のスパイものでしかなかったもののあながちありえない話ではなかったのだから現在でもあっても不思議ではないし、では謀殺された元諜報部員のどんな情報にロシア政府の誰が謀殺指令を出したのだろうか。 興味のあるところだ。
日本でも現政府関係者の権力維持装置の秘密を守るために謀殺が行われているとのうわさがある。 それがスパイ小説まがいになって出てくるのはいつのことだろうか。 20年も経ってからではだれも思い出さないのに違いないし例え出たとしてもそのころには当事者は身罷っているか安全圏に逃れているのだろうから消費されるパルプ小説となって古本屋で埃をかぶることになるのではないか。
ブロズナンの許に送り込まれる核装置専門の女スパイが久しぶりにその頃のアメリカソープ番組のダイナスティーのヒロインに似て魅力的なのだが、ここでもイギリス映画の常套句、大味な女優をこの女スパイに対称させるべく近所のアメリカ人主婦としていかにも普通にいるようなアメリカ人を配してブロズナンをクールな英国人だと誘惑にかかる仕立てるのはイギリスの皮肉なのだろう。
ポロニウムについてはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』参照