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いつでも君のこと好きだったよ

川上まなみ歌集『日々に木々ときどき風が吹いてきて』トークイベント

2023-03-19 20:29:02 | 日記
 きょうは本日発売の川上まなみ歌集『日々に木々ときどき風が吹いてきて』の出版記念のトークイベントに出掛けた。

 会場は泥書房。(何度行っても一度は通り過ぎる) 川上まなみさんと中津昌子さんのトーク。会場は満席だった。

 レジュメは川上さんの自選10首と中津さんがカテゴリーごとに歌を抜き出したもの。

 ・あなたが走ればあなたの影も走るのを見ていたラグビー場の広さに
 ・私だけがこんなにつらいとたまに思うちがうのに 遠くのジュンク堂
 (以上川上さんの自選より)
 
 ・あなたからいちばんとおい場所にある風をあなたは抱きしめにいく
 ・振り返ってばかりの私を追い越していくのがわたしでありますように
 ・グラウンドに野球部がいなくなってから夕暮れていく六月の空
 ・この町の夏をもっとも明るくして前触れもなく花火が終わる
 ・忘れました忘れましたと言いにくる列の長さに冬が続いて
 ・まだ一度も降りたのを見たことがない踏切のとおくとおくなのはな
 (以上中津さんレジュメより)

 川上さんの歌の遠さについて。私の像もあなたの像も明確にはつかめなくて、それは根本から存在を問い直しているよう。

 川上さんの日常や短歌との関わり方、抒情について、いろんな話が歌に繋がっていって、中津さんが訊いてほしいことを訊いてくれて、話をきくと歌が深いところで光りだすようだった。

 わからないからわかろうとして歌を作っている、という川上さんの言葉が印象的だった。

 ほかに私がいいなと思った歌。

 ・石鹸を撫でて減らしてゆくことを日々にして もうずっと会わない
 ・放課後の板書練習しておれば声にまみれている学校は
 ・もう少しあなたを見せてほしかった 二月はいつも急に終わるね
 ・見たもののすべてをおもいだすあいだ野にひろがってゆく火を見てた
 ・オムライスの丘を崩してすくうときこんなにこぼれやすいきっかけ
 ・ひかり降る窓を遠くに見ていても なにがくるしいのかわからない

 何度も読み返したいと思う。
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