ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

冷たくなっていってる

2020-09-11 20:34:27 | 日記

 きのうというか今朝というか、3時に枕元のスマホが鳴る。母だった。

 

 母「あのね、、お父さんが息してないんだけど・・・・身体も冷たくなっていってる」と、悲壮な声。

 私「ええっ! 救急車呼んで。間に合うかもしれないから」

 母「救急車って何番?」

 私「119!」

 

 妹に電話して、ふたりで待機する。実家に電話しても20分くらい話し中。すると、かかってきた。救急隊員の人だった。

 

 「いまからB病院に搬送しますので。命に別状はないとおもわれますが。のちほど病院からお母さんに電話してもらいますから」

 

 命に別状はないんだったら、すぐに行かなくていいのか。真っ暗だし。行ったことのない病院だから暗いと余計に不安だし。

 

 しばらくしたらまた救急隊員からかかってきて、「これから検査などを受けてもらいますから。真夜中ですし、朝になってから来られても大丈夫かと思います」ということで、妹と相談して、とりあえず朝になったら私が様子を見に行くことになった。時間は4時。

 

 頭のなかでいろいろ考える。まず会社にお休みをとることを8時すぎに電話しないと。あしたのカットの予約はキャンセルして、きょうの母のケアマネさんの訪問を延期して・・・・ しばらく泊まることになるかもしれないから、2日分の着替えを準備する。母は飲み物ももたずに病院にいるだろうから、ホワイトティを淹れて水筒3本用意した。(私の運転時用の小さいの1本、温かいの1本、冷たいの1本)あと紙コップとか。

 

 明るくなってきたので6時すぎに家を出る。まだ早いので高速も空いていた。B病院に7時半に着く。は~ 狭い道だった。と思って、駐車場に止め、病院の入り口へ進むと、「コロナのため面会禁止」と貼り紙がしてある。コロナといってもこういう場合は仕方がないよね、と思いつつ、入っていくと、ガードマンが立っていて、事情を話すと、16番へ進んで窓口できいてみてくださいとのこと。

 

 16番で、父の名前をいうと、「ああ、2時間ほどまえに自宅へ帰られましたよ」 2時間前・・・・ まだ私は家にいた時間だ。駐車場の車から母に電話する。「家に帰ってきてるんだって?」「そうなのよ、お父さん、帰りたいっていうし」「私、B病院まできてるんだけど、いまからいくわ」

 

 母「え、くるの?」 くるのって・・・・ いまから自宅へ引き返しても仕事には間に合わない時間だった。高速で1時間かかるのよ。

 

 実家へ行くと、父はほんとうに死んだ人みたいな顔でいた。やっぱりきてよかった。意識が朦朧としているのに、「きょうはプラゴミをださなあかん」という。それで、まず私はプラゴミを出しに行った。それから、会社へ連絡。ケアマネさんには予定どおりきてもらうことにする。

 

 私が持ってきた水筒のお茶を飲んで温まり、少しみんな落ち着く。お茶持ってきてよかった。

 

 父は救急車で運ばれたことも覚えていなかった。タクシーで病院から帰ってくるところからは覚えているらしい。

 

 11時半からケアマネさんにこれからのプラン相談。契約書のとりかわし。たまたま私がいてよかったと思う。母は「なんでも自分たちでできますから」ばかり言うのだった。せっかく介護度があがったんだから、いろいろ使えるところは使って、私たちに楽をさせてと訴える。父のデイサービスを1日増やすことになり、毎日安否確認に誰かが朝に訪問してくれることになった。これで薬の飲み忘れの心配はなくなった。

 

 ケアマネさんが帰ったのが13時半。それからお昼ご飯を作り、前日にソファから転げ落ちた父(それで頭の打ちどころが悪くて夜中に具合が悪くなったのかと思ったのだったが)の目の周りが腫れていたので、午後から眼科に行ってみようかと話していたら、ぷしゅ、という音がして。振り返ったら父はビールをぐびぐび飲んでいた。

 

 絶句。 3時に大騒ぎして救急車も呼んで、会社休んで京都から娘がかけつけているのに。午後から眼科も行こうと言ってたのに。

 

 私「酔っ払いつれて病院には行けないから、ご飯たべたら私は帰るわ。眼科にはまた別の日に行って」

 

 まぁ、死んでなくてよかった。ビール飲んでるくらいなんだから。元気なんだろう。母の悲壮な声を聴きながら、頭の中はまたあのややこしい書類を準備するのか、と思った。市役所行ったり、葬儀屋さん行ったり、病院で死亡診断書書いてもらったり、銀行行ったり。

 

 もともとは次の日曜日に夫と息子と一緒に訪問する予定になっていた。「もうきょう来たから、日曜日は来なくていい?」と言ったら、父が「みんなでお好み焼き食べに行こうと思ってたけど」という。 お好み焼き。(笑)

 帰りはいろんな意味の疲弊と、寝不足と、集中豪雨の中、ワイパー全開で高速を走った。車線変更のとき3回くらい死ぬかと思った。

 

 でも、確実に父は弱っている。孫や婿とわかって会えるのはこの日曜が最後かもしれない、と思う。あんなに楽しみにしていたんだから、悔いのないようにお好み焼きに行こうと思う。そのときはお父さん、ビール飲んでいいからね。

 

 

 

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