塔3月号を読んでいて、田中濯さんが高瀬一誌全歌集 新装版について書いておられて、あ、この本買おうと思っていたんだった、と先ほど購入申込をしました。
歌集探訪のコーナーがまたできてよかったなぁと思います。
どうしても同じ結社のひとの歌集や歌に偏りがちなので、買いそびれていた本や知らなかった本の情報はありがたいです。
高瀬一誌の4冊の歌集のうち、『レセプション』は読んでいなかったのでとても楽しみ。
『喝采』と『スミレ幼稚園』は短歌をはじめてすぐに読み、衝撃を受けました。短歌ってこんなに自由でいいのかぁ。ぷかりと浮かんでいる感じ。どのページをひらいても、ぷか~とした作品にであいます。 あははって思ったり、それでいて深く沁み込んできたり。 とても魅力的です。 みんなで読みあって学ぶ、という歌人ではなくて、一首一首、高瀬さんから「ほいっ」「ほいっ」とゆるく投げられてくるようです。
・ぎんなんの臭いを布団のなかに持ちこんでから両手をば嗅ぐ
・バルチック艦隊の語感がいいからこうしてこの絵かけておく
・モロヘイヤ写真にとるまで繁茂させ何する人とまた言われたり
・西瓜はねむらしておくがいいこの詩は訳し方によってはこう読む
・鉛筆の倒れた方に歩き出す風習は貴国にあるかと三度ほどきく (以上『スミレ幼稚園』)
『火だるま』はそれから何年か経ってから借りてノートに写し、それからまたずいぶん月日が流れました。
あしたは雨のようです。
仕事が休みなので、家にいて読み返してみようと思います。