ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

アニエスVと神保町

2009-11-14 | cinema

メトロ半蔵門線に乗り、神保町で下車した所、構内のこんな壁面に気がつく
さすが本の街、神保町だ~。早く地上の古本屋さんをハシゴしたくなるけど、この日の目的は、その昔「幸福」と言う映画を見て以来、常に気になっていたアニエス・ヴァルダの最新の映画を見ることだった。それは岩波ホールで上映中のアニエスの浜辺」。

最近フランスものを多く見ている気がするけどそれは意識してのことではなく、たまたま。でも無意識に意識していたりして。

その映画は、終始彼女による、彼女の語りで綴られた、彼女自身の《シネエッセイ》だった。
子供時代をすごしたベルギーの浜辺、疎開先の南仏の港町セート、夫であるジャック・ドゥミ(「シェルブールの雨傘」などを手掛けた映画監督)と訪れたアメリカ西海岸。常に身近に海があった彼女の人生には、友人や家族、夫の温かい眼差しがぎっしり詰まっているかのよう。それを引き出すアニェスのフレッシュな感性は81歳だという現在でも衰えを知らない。
丸々した小柄なアニエスの人柄、優しさ、想像力に富んだ生き方が反映している制作過程や豊かな交友関係などが、彼女の言葉を通してどんどん伝わってくる。夫ジャックが亡くなったとき、その原因となる病名がエイズであることを映画の中で明かし、当時のその病名に対する偏見や無知によって傷ついた心の中をしんみりと語ったが、二人の仲のよさには正直羨ましい気持ちでいっぱいだ。
最初から最後までほぼ途切れず語り続けるので少し疲れるけど、ドキュメンタリーだからこその魅力が溢れたいい映画だ。私ぐらいの年齢の女性が目だったってことは、彼女たちも中学か高校時代に「幸福」の中の男女の関係を背伸びして見つめ、共に行ったクラスメートと、映画の中の愛のかたちについて議論したりしたのかなぁ・・と勝手に想像していた。 映画のHPはこちら


 

岩波ホールの隣りの本屋で見つけたダ・ヴィンチのでっか~い画集は重くて裏返すのも大変だった。送料無料で9千円也。勿論立ち見しただけだけど。

帰り道、古本屋の並びにあった明治12年創業の眼鏡屋さんのどことなくレトロな雰囲気に引き付けられ、用もないのに閉まっているドアを開けて中に入った。ショーウィンドウも店内もジョン・レノンの写真で飾られている。

そしてディスプレーに使われている眼鏡も、ジョンのと同じ丸い形ばかりが目立つ。奥の方から女主人らしき方が現れたので、「面白そうなのでちょっと見させてくださ~い」とか言いながら世間話をした。とっても気さくな方で、自分も一人で映画を見に行くのが好きだ、と仰る。古くて懐かしさのあるお店ですね、と言うと、お金がないから新しく出来ないんですよ、ですって。ご謙遜でしょうが、こんな返答を聞くと、お金がないほうがつまらないものを作らずに済むなぁ、とか思ってしまう。なにか不思議な魅力の漂う、又立ち寄ってみたいと思わせるお店だった。こういう店にはず~っと頑張って欲しいなぁ。それにはお客にならなくては!

上のポスターは神田古本祭りのもの。これを横尾忠則氏が手掛けたと新聞で読んだ気がしたので、どこかの店の若い人に尋ねて確かめようとしたら、「さぁ・・・横尾忠則って人なんですかぁ・・良く知らないんです・・」と言うのにはびっくり。無理もないかぁ。私だって「Exile」とか言われたら何だかさっぱりわからないもの。
時代は流れても、神田界隈の良さはそのままであって欲しいな。

今回は時間がなくて本屋さんを余りハシゴできなかったけど、版画なども扱っている夏目書房では、楽しくてつい二階まで上がって見た。

行きはメトロで来たのたが、帰りは運動がてら神田からJRに乗ろうと歩いてたら、行列の出来ている鯛焼き屋さんに出くわした。夕暮の空はすっかり暗くなり、寒さも増して来たので列に並び、お土産用に数個買うことに。焼き立て熱々の一つはふぅふぅしながら、歩きながら頬張った。これぞ安上がりな至福のひと時というもの。あんこが美味しかった!
     
     

           

 

 


最新の画像もっと見る