ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

ブックフェアーへ

2008-07-17 | flower/green

臨海副都心東京ビッグサイトで毎年行われる東京国際ブックフェア。
今まで二回行っただけだが、毎年5月半ば過ぎごろには案内メールが届く。
会場が広く、歩くのも疲れるが、書籍が2割引きで買えるし、
聞いてみようかな、と思う講演会もあったので、12日に行ってきた

入場順で席を確保するので、講演会の始まる30分前には着くように出かけた。
珍しく早めに着いたつもりなのに、中央通路側で空いていた席といえば、
会場の中ほどより後方のみ。サテライト会場まで
設けられたとのことで、総数2000人の聴講者で埋まったようだ。
有名作家の無料講演会ですからね。
五木氏の作品はその昔、誰かさんの書棚にあったのを、誰かさんってこんなのを
読んでいるんだ・・と、知りたくなって数冊失敬して読んだことがある。

始まる前、担当者からこの日の講演内容について、一切どこへも発表したり
しないように、との釘をさされたので、その時点で少し白けた気分になった。

テーマは「人間の関係」。
「講演内容」は、
人間は「関係」がすべてである。
そして家族も夫婦もまず「他人」になることから出発するしかない。
他人同士からはじまる人間の関係-。人間の関係が壊れかけている
この時代に必要なものとは。著作を通してできるだけ多くの読者に
メッセージを伝えたい、という 内容の講演。
  

それなりに心に残ることの多い講演内容だった。
特に、「喜びと悲しみ」、「慈悲」についてのお話が心に残った。
慈 ・・・ プラス思考の愛情、雄弁、明、躁 ・・
  悲 ・・・ 呻き声、溜息、無言、暗、鬱 無念 ・・
慈と悲は一体であり、その両方共が大切であること。
悲しみを乗り越えるにはその状態をしっかりと見つめ悲しいことを
声を出して言い、内側に抱え込まず外にだす。外に客体化する。
笑い・明るさ・プラス思考等は、勿論その通り良いことだけど、
悲しみ・嘆き・苦しみなどは決して人間にとってマイナスとはならない。
悲しみを語りづらい、伝えづらい今の社会で、それを閉じ込めて
生きている限り、人はそこからは解放されない。
弱い心が折れるのでない。心にバリケードをして固めているから、
ぽきっと音を立てて折れてしまうのだ。(固めておかなくては生き難い世の中)
年間自殺者○万人・・・それは○○億円の損失である、とか自殺者数の
トップが入れ替わり○○県になった、など、何でも数字化する社会は変だ。
納得いかない。病んでいる今の時代、心優しい感受性強い人ほど
心を痛め、鬱にならざるを得ない。こんな時代に元気でいられる人は
逆に病んでいるのでは、と思ってしまう。(笑) この鬱の時代を生き抜くために、
悲しみや愁い、惑いなど、マイナスとされてきたものをきちっと見直していこう。

などなど、元気がでる内容ではなく、共に考えながらこの時代を乗り越えていこう
という作家からの真摯なメッセージが、一時間半のお話の中にぎっしり詰まっていた。
でも、これって、これっぽちだけど、下手な文だけど、ブログに書いてよかったのかなぁ。
自分なりに超・簡単に、へたな表現で纏めたので・・・(まずかったら全削除します)
                
      
 「生まれてきたものは、今向きあっているものは、すべて別れなければならないのだ。
そういう気持ちをきちんと持つことがじつは大事なのですね。
そこから結局、それを惜しむ気持ちが生まれ、惜しむ気持ちから悲しむ気持ちが生ま
れ、悲しむ気持ちから、いとおしむ気持ちが生まれ、そこから愛がうまれてくる」 
『人生案内』・角川書店・文P214・「昭明」;(webより)

 Photo_4 
講演会のあとはブックフェア会場へ、と移動。
各出版社のブースは様々な趣向をこらし、覗いて見ているだけでも面白かった。PHPでは「進化の迷路」という香川元太郎氏作・絵の本にあるのと同じ迷路図を手にした子供たちが、その作者(白衣の方)を囲んで遊んでいた。'金曜日’のブースは中年の人々が囲んでいたので覗いたら、「国家の罠」の佐藤優氏が一生懸命に語っているその奥では佐高信氏が次の出番を待っていた。いわゆる、サイン会とトークショー。


目的もなく、ぶらぶらと歩き見していただけなので、スケジュール表を見ていたら玄侑宗久氏にも会えたんだ、と、後でわかった。バーゲン書籍の中で、娘に丁度いいかな、と思った基本の料理本を安さに惹かれて買い、聖パウロ女子修道会でマリアテレサの本を買い、某仏教出版社のクリアファイル付きパンフレットをもらい、日本イラストレーター協会で冊子やハガキをもらい、あの草思社(文芸社ブースの一部)の前を通った時、そこで欲しい本を見つけ、どうしよう、と行ったり来たりした揚句、買ってしまった。草思社とか白水社、みすず書房など、なんとなく社名が気に入っている。名前って、結構その会社を象徴したりしていると思う。ブログタイトルでも、私のはおっちょこちょいだが、いい名前だなぁ、と思うと中を覗きたくなるものね。反戦平和の書籍を集めたコーナーもあったし、筑摩書房には3千円の福袋もあった。気が付いた時は閉館間際で、その時になって、まだ三分の一しか見てないことに唖然。絵本やアートブックスのほうまで行けず終いとなった。駅から会場までの距離や会場内の広すぎる空間を考えると、年々足が遠のくかもしれないなぁ・・と思いながら、ビッグサイトをあとにした。

田んぼの中で息づいている小さな生物が美しく描写されていたこの日の「天声人語」。
その中の一部に、“思い浮かぶ詩” として、吉野弘さんの詩の一節が紹介されていた。

生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい・・・・・・・しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士

 
そのあとに、長命だった江戸の文人、大田南畝の残した狂言が書かれていた。

人生七十古来稀  食いつぶす七十年の米粒の  数かぎりなきあめつちの恩

ブックフェアへ行く前の、心静かなひと時だった。


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2 Comments

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最近とみに読まなくなりました (netton)
2008-07-22 22:43:59
ブックフェアですかぁ~
本好きなbiancaさんにはたまりませんね
暑い中、あの広い会場を想像するだけで疲れちゃう
nettonさんです。
五木寛之さんの講演を聞かれたんですね?
良かったですね
『青春の門』やたら読んじゃいましたよ
金沢にもゆかりの方ですから・・・。
でも、この講演をどこにも発表するなってぇ~?
そんなぁ~ですよねぇ
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nettonさん (bianca)
2008-07-23 14:35:40
奥さんのご実家が金沢なんですね。(五木という名も。)
開催側の「発表するな」には違和感あり。だってそんなのこっちの
勝手じゃない?前もって公表しておくべきだと思いました。
私だって、目が疲れるので本を読まなくなりましたよ。
この年になり「道」を求めてその類の本を漁っているんです。
長いあいだ、外れた道を歩いている気がするのかも知れません。
でも外れない道って何だろう、とか、道それ自体、ほんとに
あるんだろうか、とかね。はい、青春やっていま~す。イェ~イ!
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