「全国都市緑化フェア」は、緑豊かなまちづくりを主な目的として、
昭和58年から毎年全国各地で開催されている花と緑の祭典です。
今年の第25回目は群馬県が開催地となり、県内には157箇所におよぶ
サテライト会場が設けられ、3月29日から6月8日までの72日間に亘り開催。
去年は船橋、来年は岡山が開催地になるそうです。
赤城南面千本桜を見たあと、来た道を高崎駅まで時間を気にしながら戻りました。
高崎会場は「駅をおりたらフェア会場」を合言葉にしているだけあり、
本当に駅を降りたところからカラフルな花壇やハンギングバスケットが
至る所に配置されていました。目的の高崎シティーギャラリーに着くまでの
あいだ、フラワーウォッチングしながらのウォーキングはとっても楽しいものでした。
写真を撮りながら「音符の花壇」を見つけたり、お神輿とすれちがったり、・・。
3時半からは星野富弘さんの「花の詩画展」開催記念特別記念講演会が始まるので会場に急ぎました。ホールはほぼ満席状態。運良く前の方に空きを見つけ座る事ができました。 ひまわり・・・花の後ろの茎がほぼ直角に曲っていますね。何万本ものひまわり 自分の背中が
講演前の約15分間、岩渕まことさん、由美子さんによるミニコンサートもあったのです。岩渕さんは富弘さんの詩に曲を付け、「ぺんぺん草のうた」(プロモーションのところで試聴できますよ)というCDをリリースされた方。
ドラえもんの映画、「のび太の宇宙開拓史」のテーマを歌っていた方でもあります。
音楽が始まるや、富弘さんが車椅子で会場に入って来て観客席の近くで皆と一緒に聴いていました。講演はコンサートのあとすぐに始まりました。
初めて富弘さんに出会ったのは、もう十数年前になりますか。銀座教会で詩画展が開催された時でした。見終わって帰ろうとした所、教会の前で送迎の車に、寝たままの状態で乗り込むところだったんです。
読み手の心を打つような詩画の数々をこんなに不自由な体で書き続けているんだ、と思うと、尊敬の念が湧いてきたことでした。
あれから年数が経ち、お互い中年以上になりました。だからこの日は私にとっては再会の日なんです!
良い顔色の、ちょっと太ったかな、と思われる優しげな表情の富弘さん。講演会では、それまで描いてきた幾つかのスケッチをスクリーンに映しながら、その花にまつわるお話を淡々と、時にジョークを交ぜながらお話をなさいました。彼のすぐ横には映写機を操作されている奥様が座っておりました。お話の中で、まだ記憶に残っていることを、お粗末ながら少し書いてみましたが・・・間違っていたらご免なさい。
さくら・・・ 家の周辺をあちこちお花見しながら歩きます。これぞ桜伝線?
花の咲かない桜の木が家にあるのですがどう見ても、葉がだらりと
して柳にしか見えないので僕は柳だと言っています。ヤな木です。
花キリン・・・入院中から37年間見続けている花。ある秩序を持って咲いて
いることを知りました。普通、鉢物は花の切れ目が縁の切れ目
となり放り出してしまうと思うが この花は一年中咲いています。
植物とはどういうものかをこの花に教えられました。
★展示されていた花キリンにはこんな詩が書かれていました。★
花と棘が
同じところから
生えている
やがて
花は散り
棘だけが残る
何だか私の心のようで
胸の奥がチクリと痛い
たんぽぽ・・・横に寝てしまい枯れたと思ったタンポポ。それにはちゃんとした
理由があります。寝ている間に、綿毛の用意をしているんです。
用意ができるとまたしゃんと真っ直ぐに立ちあがります。
畑で、日没後一斉に首を回す現場を是非見たいものです。そん
な現場を見たと言う人は今だ現れないということは、有り得ないと
いうことかな。太陽を追わない花のようです。
あっという間の約一時間、富弘さんの視線の深さと優しさを少し垣間見る事が出来た気がしました。あまりにも日がたってしまい、忘れてしまったことも多いのですが、家に帰ってから、「愛、深き淵より。」を少し読みかえしました。壮絶な記録です。事故後、体を全く動かせず、頭蓋骨に2ヶ所穴を開け牽引、固定され、喉に穴をあけての人工呼吸器を取り付けている間、言葉を発する事も出来ない状態のなかで、夜な夜な眠れない恐怖にさいなまれたといいます。こんな状態で一体自分に出来ることはあるんだろうか、と考え、ふと、暗唱できる好きな詩や漢詩があることを思い出したのです。それらを心のなかで何回も諳んじていたら、不思議と安らかに眠りに着くことができたそうで、「もし運良く生きつづけていくことができるならば、これらの詩のような命ある言葉を、もっともっとたくさん、心のなかに貯えたいと思った。」と。そのときの思いが今日の富弘さんとなっていったのでしょう。支える方々の献身的な生き方にも大変心を打たれます。
講演のあとは、ギャラリーでの「花の詩画展~葉っぱの数だけ花が咲く~」を鑑賞しました。「雨ニモ負ケテ・・」の詩画では思わず笑みがこぼれましたし、「背中」には納得、共感させられました。
背中
自分の顔が
いつも見えていたら
悪いことなんか
できないだろう
いつも見えていたなら
侘しくて涙が出て
しまうだろう
あなたは
いつも見ている
私の顔を
私の背中を
いつも見ている
講演会と詩画展にすっかり心満たされ外に出た所、隣接の「元気ステージ」では、先ほどミニコンサートを行った岩渕まことさんの、こんどは「ぺんぺん草のうた」コンサートが行われていたのです。そして驚いたことに富弘さんと囲む会の方々も観客として居るではありませんか。
風が強く、寒くなってきて一人又一人と帰ってしまう中、結局最後まで聴いてしまいましたよ。みんなで歌う箇所では大きな声で心を込めて歌いました。岩渕さんご夫妻とそのグループって魅力的です!もしかして私、ファンになってしまったかも、です。
最後までその場にいたお陰でこんな写真も撮る事が出来ました。そして、最後の最後に!富弘さんにホンのひと言お声を掛けました。あ~ぁ、こう言う時ってどうして思ったように喋れないのかしら。全く月並みなひと言になっちゃいました。
気がつけばすでに夕暮れ時。今回の緑化フェアのサテライト会場にまだ足を運んでいなかった
ので、すぐそばのもてなし広場だけに立ち寄りました。このような会場があちこちに設けられて
いるので「ついで」に、見て回るのは全く不可能ですね。
今回は「食」に関してはパス。屋台での焼きそば。高崎駅のパン屋さんのイートイン、そして
すずらんデパ地下でのバナナジュース。どれも安い!旨い!これで充分満足の一日でした。
↓↑もてなし広場の“エコロジカルキューブ”(下の写真はタウン誌より拝借)
これで締めにする所、帰り道に素敵なお店
を見つけたことを思い出してしまいました。
すでに外は暗く、商店はそろそろ店じまいの
時刻のころ、そのお店にはまだ灯りがついて
いました。入り口をガラッと開けたら開いたの
で中に入り、見せて貰いました。
和服姿の若い方がとても感じよく、着物以外の
ガラス玉のアクセサリーなどの説明をして下さった
り、今回の緑化フェアでは花不足で苦労したこ
ととか、隣りの蔵ではお茶をいただけるとか、その
店が築150年だとか、いろいろとお聞きしました。
お店の名前は「きものの彦太郎」。
又、高崎に来る前日、学生時代の友人で今
は名古屋住いのおKから、東京に来ているから
Kちゃんと3人で会おう、との電話をいただいたの
です。最後にお会いしたのは何年前だったかしら・・・その日しかあいていないと言うので
どうしよう、と迷ってしまったのですが講演会がなければ高崎行きをやめて友人と会うほうを
選んだのに・・・・とっても残念でした。ゴメンネ、おK!
次回を楽しみにしていますね。ということでやっと今日のブログは・・・THE END・・・。
「勝手に書かせてブログ」なので適当にお付き合いのほどを。でもまだキリッとショートに
憧れてはいるんです。・・・なんて書いていると更に延々と続いていきそうだぁ。
追記; 7月25日から8月7日まで、軽井沢あさま未来フォーラムに於いて、今回同様の
星野富弘・花の詩画展が開催されます。それに先立ち7月24日には軽井沢
大賀ホールにてオープニングコンサートも行われるとのことです。
本当に若いときの悲しい事故、それにもめげず力強い素敵なお花の絵、いつも驚いています。
biancaさんも有意義な旅でしたね。
私もすっかり、楽しませていただきました。
実はなおったPCのはずなのに前回にコメントをしたのに、どうしても投稿できなくて。
3人ぐらいはできたのに、その後、何回しても。 nettonみたいなやさしいダーリンがいたらVistaが、もうとっくにあるはずなのに、わが夫、自分ばっかり三昧なのです。
時々経験しますがPCのご機嫌がよくなかったってことですか。
富弘さんは体育教師だったから、体力的に乗り越えられたのかと
思いましたが、それだけじゃなくてご自分の世界を
切り開いて
いったことが凄いですね。
優しいダーリン、私もほし~い!?
そして、富弘さんは人生を見習うべき方ですね
詩を読んだだけで涙が出るのは、まだまだ甘いnettonさん。
群馬は交響楽団も素晴らしいんですよね
軽井沢で年配のご夫婦の会話から大賀ホールを知ったのですが、
一度行ってみたい所です。
biancaさん ミサさん
優しいダーリンじゃないですよ
み~~んな私に押しつけて、設定が完了してからやっと
椅子に座ったんですよ~プンプン
行動範囲が全く限られている、自分の力では何一つできない、
そんな中で見つめる世界だからこそ本物なのでしょうか?
首から下が動かなくなったからって、富弘さんのように
なれるもんではありませんね。
群馬交響楽団ですか。群馬といえば“サイゴウジョンコ”♪
なんてつい、出てきちゃったりしま~す!
大賀ホールは私も一度行って見たいと思っていますよ。
nettonさん、頼りがいのあるのはnettonさんだったのですかぁ。
Mr.ビーンは幸せ者ですね~。