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オルセー美術館展2014へ

2014-09-23 | art/exhibit/museum

 

開催前から評判の高かった「オルセー美術館展」を見に、国立新美術館に行ってきました。7月中に行くつもりが、夏風邪のために遅れ、その後も、何回か行こうとしたその日にたまたま別の用が入ったり、用事が長引いて行き損なったりしていたのです。午前中は混むので午後3時過ぎに着くように家を出ました。いつもミッドタウンの先までは地下道を歩きますが、きょうは角の銀行のキャッシュコーナーに寄るので六本木の駅からすぐに地上に出ました。それからチケットショップを覗き、たまたま見つけたこの美術展のチケットをゲット。でもたった50円安いだけ!その並びのペットショップもつい覗いてしまいました。寄り道しながら歩くの大~好き!

月曜休館の美術館が多い中、ここは火曜が休館日。なのでもしかしてすいているかも、との期待どおり、すいてはいませんが程よい人出でホッとしました。

マネの《笛を吹く少年》に始まり、マネの《ロシュフォールの逃亡》で終わるこの展覧会では、パリ・オルセー美術館を代表する84点もの絵画が来日。マネの貴重な作品を11点も鑑賞することができる上、モネ、セザンヌ、ルノアール、ドガ、シスレー、クールベ等々、誰でもご存じの印象派の画家が勢ぞろい。

しかし、マネはサロンで認められることにこだわり続け、印象派展には一度も参加しなかったのですね。

サロンとは、19世紀のフランスで、芸術家として身をたてるためには是が非でも入選しなくてはならない、国の運営する最も権威ある展覧会のことですが、次第にサロンの審査にたいする不満が高まり、モネなどはサロンに見切りをつけ、他の画家と共に別の会場で展覧会を開くようになりました。

1874年、モネがセザンヌやドガ、ルノアールらと共に展覧会を開催し、そのときにモネが出品した作品のタイトルが《印象、日の出》だったことから、彼らは印象派と呼ばれるようになったとのことです。とはパンフレットから仕入れた知識です。

☆21×27の、セザンヌの《草上の昼食》もありましたが、特記すべきはモネの同名の大作です。
左が418×150、右が248.7×218の、圧倒的な大きさに目を奪われました。しかし、マネ、モネ、セザンヌ、そしてピカソまでが「草上の昼食」と題した絵を描いているので、なんだか紛らわしくなります。本家本元はマネなんですね。みんなマネしちゃって!

マネの《草上の昼食》に触発されて若きモネが挑んだ野心作。当初縦4m×横6mの大作でしたが、家賃が払えず大家の手に渡り、取り戻したときには損傷のため分断せざるを得ませんでした。ピクニックという近代的な主題と、葉の重なりや木漏れ日を捉える明るく細かなタッチは印象派の誕生を予感させます。

 

ミレーの《晩鐘》、ルノアールの《ダラス夫人》、ドガの《バレエの舞台稽古》など、馴染みある作品やどこかで見たことがある、と思うものも何点もありました。

☆ラトゥールの《テーブルの片隅》では、8人の男(詩人)たちの中に17才の若きランボーがヴェルレーヌと隣り合わせで描かれています。頬杖をついて生意気そうな早熟の詩人ランボー。ヴェルレーヌが妻子を捨てて彼にぞっこんになったのが一寸わかりそうな気がします。
↑前列左よりヴェルレーヌ、ランボー、L・ヴァラード、E・デルヴィリィ、C・ペルタン、後列左よりP・エルゼアル・ボニエ、E・ブレモン、J・エカール(webより)

☆そして下はバジールの『ラ・コンダミス街のバジールのアトリエ』



バジールが借りていたアトリエで議論し合う印象派の画家たちを描いた作品である本作は、当時のバティニョール派の画家たちの緊密な関係性を物語る重要なものとして今日も極めて重要視されている作品のひとつである。画面中央やや左に描かれる背の高い人物がバジールで、マネ(山高帽の男)とモネ又はザカリ・アストリュックとされる)に自身の作品を見せており、このバジールの姿はマネによって描き加えられたことが判明している。また画面左部の階段では批評家エミール・ゾラ(階段上の人物)とルノワール(階段下の人物)が会話している(又はモネとシスレーとも解釈されている)ほか、画面右部では画家の友人であるエドモン・メートルがピアノを弾いている。
(webより)

なんと豪華な顔ぶれ!当時の様子がうかがわれる興味深い一枚でしたが、1870年に描かれたこの絵を最後に、バジールは普仏戦争に参加。同年10月28日に29才の若さで戦死したということを知り、この平和的な絵と戦争が同年ということにとても違和感を覚えました。印象派の多くの画家たちは、友人や知人の死と隣り合わせの時代を生き抜いていたことを知らしめる一枚でもありました。

長々と感想を綴るつもりはなかったのに、調べてみると色々なことが繋がっているので、それなりに面白いです。(ちょっとシンドイけど!)

☆カイユボットの《床に鉋(かんな)をかける人々》
力強さが伝わってくるような絵です。

近代都市パリの労働者階級の人々を描いたこの作品は視線を高くとった斬新な構図や描写の生々しさが批判され、1875年のサロンに落選しました。しかし、カイユボットはこれを機に印象派への参加を決意します。1876年の第2回印象派展に本作を含む8店の絵画を出品し、一躍注目を浴びました。

 

☆アメリカ人の画家ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラーの代表作の一つ『灰色と黒のアレンジメント-母の肖像』。

67歳を迎えた母の健康が思わしくないことを知ったホイッスラーは、彼女の肖像画を書くことを決意しました。しかしながら、抑えられた色調や簡素な構図と、音楽用語のタイトルからは、この作品が親しい人物の肖像であると同時に、線と色彩による普遍的な美の探求の場であったことが伝わってきます。

本作のモデルであるアンナ・マティルダ・ホイッスラーは、1804年ノースカロライナに生まれた敬虔なクリスチャンで、1864年から10年間ロンドンのホイッスラーと同居。
画家はミドルネームをアボットから母の旧姓であるマクニールへと変えるほど母を敬愛しており、本作の静謐で落ち着いた雰囲気や色彩、温和ながら抑制的で瞑想的な独特の表現などからもそれを窺い知れる。(webより)

何回も目にしている作品ですが、モノトーンの美しいこの絵に見入ってしまいました。カーテンの、流れるような美しい柄。おそらく昔からそこにあったと思われる、壁にかかった一枚の
絵。ストイックな表情の中にも気品を感じる母親の表情。母に捧げる息子からの最後の贈りものだったのですね。

今年は9月13日から京都国立近代美術館で、12月6日からは横浜美術館でホイッスラー展が開催されます。横浜、ちょっと遠いけど行きたいな。

 

☆木の机に無造作に置かれた一本のアスパラガス。それが今回展示してあるマネの《アスパラガス》。1880年の作品です。
そのエピソードがなかなか愉快でした。というのは・・・



この作品に先立ち、マネは一束のアスパラガスを描きた静物画を800フランで売却したところ、買い主は1000フラン送ってくれました。そこで、マネは「あなたのアスパラガスの束から、1本抜け落ちました」との一言を添えて、本作を送ったそうです。晩年のマネはしばしば小ぶりの静物画を親しい人々への贈り物をして描きました。


これを受け取った時の買い主の気持ちをつい想像したくなるのは、きっと私だけではないでしょう。

 

☆マネの絵の中では、最晩年の「ロシュフォールの逃亡」が、私にとってとても印象的でした。

マネは10年ほど前に起こった事件に触発されて、本作を制作しました。ナポレオン3世の体制に抵抗したためニューカレドニアに追放されたジャーナリスト、アンリ・ロシュフォールが小舟で逃亡する様子が描かれています。画面のほぼ全体を海で覆い尽くす構図の斬新さや、最晩年のマネ特有の荒い筆致の美しさが際立つ1点です。

 

 

☆1882年作《ガラスの花瓶の花》↓この絵ハガキ、買いました。
もっともっと絵を描き続けたい思いでいっぱいだったマネ。病魔に勝てず、《ガラスの花瓶の花》を描いた翌年、51才でこの世を去りました。
 

最晩年のマネは体調を著しく悪化させ大作を手がけることは困難な状況にあり、その為、室内に飾られていた花を描くことが多くなっていた。≪花≫の画題にはマネの安堵や癒しを求める姿勢を窺い知ることができるが、逆に短命な花と自身の置かれた状況に対する心情を重ねたとも考えられている。(webより)


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閉館前の数十分のあいだは、気持ちいいほどゆっくりと鑑賞できました。ただ遅い時間になってしまい、ミュージアムショップ等を見れなかったのが残念でした。外の暗さにあわてて美術館を後にしました。

 


見ごたえのある美術展をブログ記事にすると、忘れていることの方が多くて中途半端になるのが残念ですが、webで絵や解説が探せて、どうにか投稿にこぎつけました。この展覧会は10月20日(月)まで開催されています。今月25日からはチューリヒ美術館展が開催。又、モネの大作《睡蓮の池》などが見れます!芸術の秋はこれからますます深まりますね。



帰りは、折角来たからと少しだけミッドタウンに寄り、お茶をして、上の階もささっと見てから帰宅しました。茄子ときのこのキッシュの美味しかったこと!かじってから気が付き、写真を撮ったので、こんな構図になりました!

 

 

 

 ㊟ 青い字の部分、そして作品画像の一部はwebで探したものを使用しましたのでご了承ください。


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