うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 四十八

2009-09-14 05:09:45 | 日記

「雑草風景」として詠んだ句について語っています。それは其中庵風景であり、そしてまた山頭火風景と断じてます。<o:p></o:p>

風景は風光とならなければならぬとし、音が声となり、形が姿となり、匂いが香りとなり、色が光となるようにと言いますが、いささか難解であり、咄嗟には理解しかねます。<o:p></o:p>

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私は雑草的存在に過ぎないと卑下し、それで満足と達観し、雑草は雑草として、生え伸び咲き実り、そして枯れてしまへばそれでよろしいとします。

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或る時は澄み或る時は濁る。澄んだり濁ったりする私であるが、澄んでも濁っても、私にあっては一句一句の身心脱落であることに間違いはない。一句一句に命を懸けるということでしょうか。<o:p></o:p>

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此の一年間に於いて私は十年老いたことを感じる(十年間に一年しか老いなかったこともあったように)。そして老来ますます惑いの多いことを感じないではいられない。省みて心の脆弱、句の貧困を恥じ入るばかりである。<o:p></o:p>

(昭和十年十二月二十日、遠い旅路をたどりつつ 山頭火)<o:p></o:p>

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柿の葉<o:p></o:p>

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昭和十年十二月六日 庵中独座に堪へかねて旅立つ<o:p></o:p>

水に雲かげもおちつかせないものがある<o:p></o:p>

現在ではこんな現象も、またかような経験をすることは皆無ではないでしょうか。岩肌か、または筧から流れる水が雲を映します。天を流れる雲は水面に凝縮されて早い雲足となって、消えては現れ、消えては現れ旅人を急かせます、次の目的地に。<o:p></o:p>


うたのすけの日常 後期高齢者の日めくり その五十五

2009-09-13 15:56:43 | 日記

敬老会<o:p></o:p>

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九月十三日

75才以上が招待される、地区の敬老会に三度目の出席となりました。かみさんはあたしより一つ年下ですので、当然二度目ということになります。9時半より受付ということで、九時家を出て、一路自転車でまっしぐらです。地区のコミュティセンターの駐車場は満杯の状態でして、自転車でよかったねと思わず口に出します。もちろん車も免許も持ってはおりませんのにです。<o:p></o:p>

 町会の標識が立てられた席は、あらかた満席でしたが舞台に近いところが空いてましたので、迷わずその席に座ります。テーブル上にはボトルのお茶と、袋詰めのお茶請けが用意されてます。知り合いの人たちとしばし挨拶を交わすうちに、司会者の挨拶が始まりました。<o:p></o:p>

 

 

 

開会の言葉があり、市民憲章の唱和が行われそして定番の来賓挨拶、そして謝辞があって乾杯、アトラクションとなりました。ここで残念なことは、音響効果が断然悪く、それらの言葉がほとんど聞き取れません。場所によって格差が生じているようでした。去年の町会の席ではよく聞こえたのです。挨拶に立った人もお気の毒なこと、絵に描いたようでした。<o:p></o:p>

「あたし、全然聞こえない、最近耳が遠くなって」と傍のお年寄りがぼやいていますので、この辺の席の人はみんな聞こえませんよ、マイクのせいですよ。」と説明します。<o:p></o:p>

 

アトラクション、最初は小学生の金管バンドの演奏。これが見事なものでして、時代の流れをつくづく感じさせられました。また選曲がたまりませんで「ソーラン節」そしてテレビの黄門様の主題歌でときました。圧巻は山本リンダの「どうにもとまらない」なかなか味のある選曲でした。<o:p></o:p>

 

 

次はボランティアの女性による手品の披露です。これは幾分ぎこちないところがあって、ご愛嬌といったところでした。<o:p></o:p>

最後は数年前に結成されたソーラン節を踊る集団で、舞台そして会場せましと活発な踊りを見せてくれました。

 

 

 12時丁度に終幕となり、自転車を懸命に漕いでわが家です。朝食が早かったのでいささか空腹でして、お祝いに頂いたお赤飯を食しました。お祝いの品は外に、お茶と紅白のお饅頭です。

我が町内の敬老者は約90名ということでして、これが地区となりますと大変な数となります。

まさに長寿社会でして、小生もその中にはいるのですが、老人パワー満開の半日でした。

 

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うたのすけの日常 山頭火の世界 四十七

2009-09-13 04:11:24 | 日記

病中五句と題して詠んでいます。<o:p></o:p>

 

死んでしまへば雑草雨ふる<o:p></o:p>

この命消えても何の変哲もない昨日と今日の違いだけ。強いて言えば雑草に降る雨の音が、いくぶん強弱つけて悲しんでくれますか。<o:p></o:p>

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死をまへに涼しい風<o:p></o:p>

いよいよ寿命が尽きますか。いつになく涼しい風が臥所を吹きぬけて行きます。<o:p></o:p>

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風鈴の鳴るさへ死のしのびよる<o:p></o:p>

死神の先導ですか、風鈴の音が寒々と耳にこびりついて離れません。戸の隙間から死が覗いています。<o:p></o:p>

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おもひおくことはない ゆうべの芋の葉ひらひら<o:p></o:p>

芋の葉が風に吹かれてひらひらします。あの世から手招きしているようです。我が人生、ここへ来ては思い残すことは微塵も御座いません。<o:p></o:p>

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傷が癒えてゆく 秋めいた風となつて吹く<o:p></o:p>

自殺未遂のとき負った傷の後遺症ですか。心の後遺症は簡単には消えません。外科的な傷は秋風とともに、渋皮を剥がすように直っていきます。<o:p></o:p>

 

月へ萱の穂の伸びよう<o:p></o:p>

萱にも月を愛でる、風流な気持があるようです。見れば月を掴むかのように伸びきります。<o:p></o:p>


うたのすけの日常 山頭火の世界 四十六

2009-09-12 04:36:10 | 日記

日の光ちよろちよろとかげとかげ<o:p></o:p>

庭に何気なく目を向けます。お日さまがいっぱいに光を広げています。そんな日向の中、何を血迷ったかトカゲが草叢から顔を覗かせました。眩しそうに、瞬きするように辺りを見回しています。山頭火にとってトカゲは可愛い存在です。<o:p></o:p>

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炎天の稗をぬく                                                    <o:p></o:p>

炎天下、農夫の仕事は過酷の一言です。しかし貴重な仕事です。もう稲刈りは済んだのですか、年貢として地主に無事に納めたのでしょうか。山頭火しきりと気になるところです。家には祖母の寝込んだときに粥を作る米しか残せません。そうです、稗が農夫の飢えを凌いでくれる大事な作物です。<o:p></o:p>

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もう枯れる草の葉の雨となり<o:p></o:p>

春、秋と過ぎて青草も自然の営み、徐々に枯れていきます。青葉にふる雨は瑞々しく葉にやどり、水玉となってやさしく地に落ちます。冬近く、枯草の葉には、雨を受け止める力は既にありません。雨は無情に地面に吸い込まれていきました。<o:p></o:p>

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くづれる家のひそかにくづれるひぐらし<o:p></o:p>

お布施を願ってお経を読む山頭火の目は、残酷にそして柔らかく向けられます。貧農の家は軒は傾き、周りの荒壁は徐々に崩れ落ちていくさまが見られます。活気ある子供の声もなく、赤子の泣き声もありません。経読む声が震えます。<o:p></o:p>

夕餉の食事の支度は出来るのでしょうか。山頭火静かに軒先を離れていきました。<o:p></o:p>


うたのすけの日常 続々川柳

2009-09-11 08:05:52 | 川柳

いまどき政治がオモシロイ<o:p></o:p>

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ワカリマス 小異を捨てて 閣僚に<o:p></o:p>

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入閣で 静かになった 亀井さん<o:p></o:p>

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小沢さん 日がたつにつれ 不気味さが<o:p></o:p>

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失業の 対策先ずは 永田町<o:p></o:p>

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高速の 無料化論議 熱を増し<o:p></o:p>

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インド洋 先手を打たれ さ、どうする<o:p></o:p>

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初航海 乗り合い船の 安全を <o:p></o:p>

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初登院 当分守衛は 道案内<o:p></o:p>

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迷子です 院内放送 ひっきりなし<o:p></o:p>

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初登院 桜に代わって 何が咲く<o:p></o:p>

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ネガイマス 女性閣僚 数多く<o:p></o:p>

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チルドレン 政治彩る 徒花か<o:p></o:p>

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チルドレン 何かと政界 賑わして<o:p></o:p>

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中央を 真似るな地方 自治が泣く<o:p></o:p>


うたのすけの日常 山頭火の世界 四十五

2009-09-11 04:42:01 | 日記

空へ若竹のなやみなし<o:p></o:p>

人間年を重ねれば何かと昔を偲び、現在のことに何かと不満を抱きます。体力気力の衰えは切実でして、悩みもいろいろと重なります。そんなとき竹林を横に眺めて街道を行けば、竹の子から若竹とすくすくと育ち、天を突く勢いも凄まじく伸びて行きます。悩みは微塵も見せません。若さの強み、何のためらいもありません。<o:p></o:p>

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ころり寝ころべば青空<o:p></o:p>

何の躊躇もなく草原に寝ころびました。疲れたのではありません。童心に帰ったといいますか。子供のころ、遊び疲れて原っぱや土手の斜面、河原や海辺に寝ころんだ記憶の数々が、日向の匂いとともに蘇えります。見上げた広がる青空は、昔のそれとちっとも変りありません。<o:p></o:p>

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草を咲かせてそしててふちょをあそばせて<o:p></o:p>

日々の移ろい、自然の鷹揚さを前面に押し出します。自然は恵みの出し惜しみは致しませんで、野原に名もなき草を育み、花を咲かせ、そこに蝶を遊ばせて人間を愉しませます。<o:p></o:p>

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木かげは風がある旅人どうし<o:p></o:p>

暑さが募れば炎天の下は御免蒙ります。自然と脚は日かげを木かげを探します。木々を伝わって吹く風は涼風を運んできます。お仲間の旅人ともに一息つきます。<o:p></o:p>

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月がいつしかあかるくなればきりぎりす              <o:p></o:p>

月が高く上がれば明かりをまして地上をあまねく照らします。きりぎりすも月に吠えますか、一団となって鳴き出しました。<o:p></o:p>


うたのすけの日常 山頭火の世界 四十四

2009-09-10 04:04:30 | 日記

山から白い花を机に<o:p></o:p>

何の装飾もない、見事に無駄を削り取った一句です。単純明快、いさぎよさが見事です。花を活けた花瓶は徳利ですか…。<o:p></o:p>

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草のそよげば何となく人を待つ<o:p></o:p>

人を待つ気持が嵩じますと、何事も人の訪れの前兆と感じます。誰かきて話し相手になって下さいな。<o:p></o:p>

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ひとりたがやせばうたふなり<o:p></o:p>

素朴な農夫の姿がくっきりと描かれています。今日は野良仕事を一人で切り盛りです。黙々と単調ながら厳しい労働が続きました。農夫はやおら鍬で体を支え、背筋を伸ばしていい声で土地の民謡を唄います。<o:p></o:p>

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ひつそりと咲いて散ります<o:p></o:p>

名もない花ですか、咲くのは庭の片隅ですか、小道の路傍でしょうか。淋しく咲く花は、誰に愛でられることもなく散ります。そんな人生もこの世には存在するのです。<o:p></o:p>

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照れば鳴いて曇れば鳴いて山羊がいつぴき<o:p></o:p>

土手の一角につながれているのでしょう。土手一面に繁茂する草を食べて、お腹は一杯のようです。所在なく山羊は辺りに目を向けますが、変哲もない風景に呆れ顔です。退屈しのぎには鳴くしかありません。<o:p></o:p>

照る日曇る日、山羊の一生です。<o:p></o:p>

「照る日曇る日」そんな題名の小説があったような気がします。山羊の一生とは無縁ですが。<o:p></o:p>


うたのすけの日常 今日も朝から

2009-09-09 07:06:29 | 川柳

何かと忙しくなりました<o:p></o:p>

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下克上 とかく破滅の 兆しなり<o:p></o:p>

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自民丸 孤海に浮ぶ 幽霊船<o:p></o:p>

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江戸湾の 黒船見たり 自民党<o:p></o:p>

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千葉県に お越し願うか ご老公<o:p></o:p>

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テレビから 抜け出たような 悪辣さ<o:p></o:p>

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悪行に 溜飲下げたし お出ましを<o:p></o:p>

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悪行は 県境越えて 連帯感<o:p></o:p>

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地方自治 待ったかけたし あのざまじゃ<o:p></o:p>

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隠し金 貯めこむ業も 自治のうち<o:p></o:p>

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あっさりと 記録打ち立て 日本晴れ<o:p></o:p>

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一郎に 倣って一郎 爽やかに<o:p></o:p>

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はっきりと やること小沢 明言す<o:p></o:p>

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閣僚の 椅子を分けても 安定か<o:p></o:p>

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人材が 不足か老体 担ぎだし<o:p></o:p>


うたのすけの日常 山頭火の世界 四十三

2009-09-09 04:54:05 | 日記

枯木に鴉が、お正月もすみました<o:p></o:p>

枯木も鴉も暗い灰色の風情しきりです。お正月の華やかさも昨日で終わりました。今日からまた一年間、辛いものか幸せなものになるのか、誰にも分かりません。枯木に鳴く鴉はきっと正月気分にいつまで浸っているなと、警告しているのかも。<o:p></o:p>

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どこからともなく散つてくる木の葉の感傷<o:p></o:p>

この時季、山間の道にしろ川筋のそれにしろ。街道は虚ろで淋しいものと察します。そんな時、思わず天を見上げれば一枚の枯葉が、そっと肩に落ちます。<o:p></o:p>

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ぶらりとさがつて雪ふる蓑虫<o:p></o:p>

山頭火の観察眼は今日もきめ細やかです。降りしきる雪の山道、それに覆うように古木の枝が伸びています。そんなとき、すっかり雪化粧した蓑虫が枝にぶら下がって、ぶらりぶらりと自分に迎えの挨拶をしているようです。<o:p></o:p>

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あるがまま雑草として芽をふく<o:p></o:p>

雑草という草はないと言いますが、みなそれぞれ春ともなれば競って芽をふき、背丈を伸ばしていきます。強靭で辺りの風景を一変させる力を備えております。雑草自身は気取ることもなく主張もしません。<o:p></o:p>

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ほろにがさもふるさとの蕗のとう<o:p></o:p>

古里に辿り着き、早速と蕗の薹を頂きます。舌に独特の苦味が走りますが、それ以上の苦さが心に広がりました。<o:p></o:p>


うたのすけの日常 憂鬱な日々

2009-09-08 04:44:54 | 身辺雑記

泣きっ面に蜂<o:p></o:p>

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 泌尿器科で処方されたお薬、それ自体はなかなか優れものでして、おしっこの回数も減少、尿意もやや制御可能といった状態となりました。しかし世の中何事にも表裏一体のことわり、副作用がお薬の説明どおり徐々に表面に出てきたのです。先ずは排尿困難と便秘、そして発疹の出現です。<o:p></o:p>

 便秘は先生にお薬を追加して頂いて解決。排尿困難は夜中の時だけなのですが、このお薬は何ミリと何ミリとあって、一番弱いお薬でして患者さんからの申告はありません。まだおしっこがたまっていないんですよ。もう一つのお薬にはそういった事例はありますがと、説明を受けましたがどうも納得は出来ません。<o:p></o:p>

 夜中に一度と減ったトイレですが苦痛になりました。なにしろ尿意はあっても出ないというのは辛いものです。下腹を両手で下へ揉むように押しますと、ある程度のおしっこが間をおいて何回か小出しで出て、気持もおさまるのです。そして服用を止めれば困難は解消されるのです。<o:p></o:p>

 まあそんなわけでして、そのお薬は中止ということになり、便秘薬も用なしとなりました。しかし症状はやや逆戻りといったことになってしまいました。おまけに薬を止めても発疹が二箇所ぐらい出ては治り、治っては出るといった状態が続くのです。市販の薬をつけるのですが、患部によってはかみさんの手を煩わせなくてはなりません。そして痒いときは辛いものがあります。<o:p></o:p>

素人考えですが、体内に蓄積された副作用の元凶が、徐々に体外に排出しなければ完治しないのではないかと、現在すこぶる悲観の状態に埋没しております。<o:p></o:p>

そういった気分を幾分でも打破しようと、サボっていた庭の草取りを少しづつと早朝一時間の予定で、蚊の防御も万全に始めたのです。ところが始めた瞬間、目の下にカチンと異物が当たったような気がしたのですが、かまわず作業を続けました。終わってさっきは何だったんだろうと、鏡を見てびっくり仰天です。右目のふちから鼻の脇に沿って赤く腫れ上がっているではありませんか。<o:p></o:p>

尻っぺたには出現しましたが、こんなところに発疹がと恐怖です。でもよく観察するとどうも虫の一刺しに遭ったようなのです。しかし痒みも痛みも感じません。よっぽど性質のよい虫に刺されたようで、まあホッとしたわけですが、どっこい思いもよらぬ副作用に見舞われてしまいました。<o:p></o:p>

まあすぐ治るとは思うのですが、老眼がかけられなくなってしまったのです。極端に鼻めがねにしてなんとか用を足しております。<o:p></o:p>