うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 五十八

2009-09-23 05:27:23 | 日記

しぐれしたしうお墓を洗っていつた<o:p></o:p>

一陣の風に乗ったような時雨が、墓場を駆け抜けて行きました。林立している墓石群は汚れを、丁寧に洗い流されて生き返ったようです。顔を覗かした太陽に艶さえ帯びています。<o:p></o:p>

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生きてしづかな寒鮒もろた<o:p></o:p>

森閑とした冬の日、思いがけぬお裾分けに寒鮒を頂きました。俎板の鯉ではありませんが、じっと水の中で身動き一つしない鮒に畏怖をおぼえます。己もこのような最後を迎えられるでしょぅか。そんな想いに耽る山頭火です。<o:p></o:p>

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落葉してさらにしたしくおとなりの灯の<o:p></o:p>

草庵の独居生活は何かと淋しくもあり、不便なことも持ち上がります。そんな時お隣さんは強い味方となります。庭の木々を通してお隣の灯りを暖かく意識します。秋も終わり冬に向って落葉がふりそそぎ、裸木となった木々の間から、一段とお隣の灯りに親しみが増してまいります。<o:p></o:p>

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葉の落ちて落ちる葉はない太陽<o:p></o:p>

すっかり冬です。冬の太陽が木々に一生懸命に光を注ぎます。冬の木々はそれに応える術はありません。葉はすでに落ちきって寒さが一入身に染み入る季節を迎えました。<o:p></o:p>

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何事もない枯木雪ふる<o:p></o:p>

何事もない冬の風景ですか。枯葉をすっかり落として春をひたすら待つ枯木も、雪を頂き様変わりして華やかささえ見てとれます。<o:p></o:p>