うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 四十一

2009-09-07 04:35:11 | 日記

誰も来ないとうがらし赤うなる<o:p></o:p>

黙然として座す身には、いつも人待ち気になります。もう何日も人が訪れて来ません。世捨て人の境涯に身を置いても人の話が好きです。酌み交わす酒もたまりません。それなのにといったところです。青い唐辛子が、徐々に赤みを帯び、真赤になる間の期間、人の声が聞こえてきません。<o:p></o:p>

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病めば梅ぼしの赤さ<o:p></o:p>

風邪を引かれましたか、一人住まいの身では起き上がって粥を作るのも一苦労。土鍋から直に粥をすくいます、添えた梅干の赤色は、病んだ身には刺激が強すぎます。<o:p></o:p>

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寝たり起きたり落葉する<o:p></o:p>

まだ体調は悪いようです。かさかさ枯葉が音を立てて落ちる、窓からの光景が淋しすぎます。己もあのように自然に帰るのでしょう。山頭火はまた蒲団に身を沈めました。<o:p></o:p>

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ちよいと茶店があつて空瓶に活けた菊<o:p></o:p>

いい時代だったのです。真っ先にそう感じます。茶店の場所は峠ですか、行き交う旅人もまばらで、老婆の運ぶ盆の上にはきっとコップ酒です。ぐいっと空けて傍を見やれば、粗末な空き瓶に菊がいちりん活けられていました。<o:p></o:p>

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落葉ふんで豆腐やさんが来たので豆腐を<o:p></o:p>

夕餉の時刻ですか。静寂が支配する草庵では、人の気配は落葉が知らせます。今夜は湯豆腐で一杯ですか。<o:p></o:p>